緋弾のアリア-X-クロス   作:350Z

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―3時間前、ショッピングモール



あかり達が楽しげにショッピングをする中、博也は彼女たちとは離れた人気がないエスカレーターの付近で壁に凭れるようにしてスマホを手にある人物と連絡をとっていた…


「はい…そうです、以上でお願いします」



「―以上…か。また金がかかるな、大丈夫か?」



「大丈夫じゃないですよ。
でも、やっておかないと自分の中でなかなか納得できないもので…俺からすれば金銭面よりもそっちの方が重要なんですよ」



「―なるほど…な。分かった、注文がきた以上は俺の方も進めさせて貰う。じゃあな」



最後にそう告げてプツッと通話を切られてしまう博也。静かにスマホをポケットにしまおうと後ろから人の気配を感じた。
ゆっくりと振り向くと、そこにはあかりの姿が…



「先輩、依頼か何かですか?」



「いや、大したことじゃないって。さて、買い物に戻ろうかな」






第四話 ブリーズロック

 

 

 

―現在、首都高速都心環状線 C1エリア

 

 

 

汐留JCTの看板を抜けると共に加速を始めるSA22Cと86GT。このエリアでまず前に出たのは86GTだ。

徐々に徐々に右車線につくSA22Cを突き放していきながらも前から迫ってくる一般車をパイロンのようにかわしながらも右車線に移り、キキキィッとリアタイヤを鳴らすようにしながらも先頭を取っていく。

…が、SA22Cの助手席に乗っていた前原は86GTが先頭を取ったこと以外に何かに気付き、少し驚くような表情を浮かべていた。

 

 

 

「譲ったのか?」

 

 

 

「ええ、作戦とかそういう大層なのじゃありません。

どういう走り方をするか…それが見たかっただけです」

 

 

 

 

長いストレートを走っていると左コーナーが見えてきた。その直ぐ後にはトンネルがある。このトンネル内は左右に揺れるような高中速コーナーが次々と迫るようになっている…。アウト・イン・アウトの基本的なライン取りで左コーナーを抜け、トンネル内に勢いよく入っていく2台。

オレンジ色のライトに照らされながらも続けて右高速コーナーに飛び込み、ズワンッ!ズワンッ!!と抜けていく。

 

抜けた後の少しの間はストレート…SA22Cはまだ86GTの後ろにピタリと付いていた。

 

 

 

「まだ行かないのか?」

 

 

 

「ええ、もう少し見ていたいんです。この車がどんな動きをするのか」

 

 

 

そう答えながらも路面の小さな凹凸にも足を取られず、真っ直ぐと走る86GTを眺める早川。今までの自分なら、既に追い抜いていたであろう…が、今の自分は違う。こうして他人の走りに興味をもつように後ろについている…

 

あのZと会ったことで自分の中で何かしらの変化が起きている。

 

そう自分の中で改めて感じている間に2台の前からトラックが迫ってきた。86GTのブレーキランプがピカッと一瞬点灯したのを見て、同じようなタイミングでブレーキペダルをチョンッと踏み込む早川。2台共、姿勢を整えた後にザッと左車線に移ってトラックを回避。回避してから真っ先に86GTが加速態勢に入り、SA22Cを車一台分ほど突き放して先に高速コーナーに飛び込んだ。

 

 

 

「なかなか上手いですね、向こうのドライバー…結構な手練れですよ」

 

 

 

「みたいだな。ボクサーエンジンの利点である低重心による安定性…これをしっかり理解して上手く走らせてる。油断するな」

 

 

 

「分かってます」

 

 

 

左右に振れるコーナーを抜けていくとネオンの明かりが途切れているような光景が見えてきた…トンネルの出口だ。その直ぐ後には低速コーナーがある。

トンネルを抜けると共にブレーキングを行う2台。それと共にSA22Cが右車線に移った…どうやら、抜きに掛かるようだ。

 

 

 

「そろそろ前に出ますか」

 

 

 

86GTとSA22Cが左右に並ぶ…所謂、サイド・バイ・サイドと呼ばれる状態だ。ラインが膨らみやすい外側にいる状態のSA22Cだが、乗っている早川には絶対的な自信があった。その自信の源はSA22Cの武器でもある軽さから来ている。

軽い車は加速が速いという利点に重ね、コーナーで曲がった際の慣性力が働きにくい。

さらに、ブレーキもよく効く…このような低速コーナーは得意中の得意なのだ。

 

仕留めたと言わないばかりに口元で不敵な笑みを浮かべながらも飛び込ませていく。2台はそのまま飛び込んでいき、そのままコーナーに入る…

 

 

が、その時。

 

予期しない出来事が起きた。

 

 

SA22Cが突然ボンッ!と勢いよく跳ねて姿勢が崩れたのだ。突然のことに「っ…!?」と言葉にならないような声を出しながらもステアリングを切って態勢を整えていく。タイヤをキキキィッ!と鳴らすようにスライドさせながらもなんとか態勢は整えれた。86GTに放されてしまうものの、最悪のケースでもある事故は免れた。

この速度域での事故はタダじゃ済まされない…下手すれば死に直結する。

焦った心を落ち着かせるように深く息を吸う早川。

そんな彼に対して前原は「なるほど…」と少し間を開けてから神妙な面持ちで語り始める。

 

 

 

「ちょっとした段差でここまで跳ねるとは…さっきまでの慣らしの時は気付かなかったが、足回りがヘタりはじめてるな…コイツ。FDの奴を加工して使ってるそうだが、だいぶ長いこと換えずに使ってるって感じか?」

 

 

 

「半分アタリですね…恥ずかしい話ですが、コイツに付いてる足のベースは程度がいい中古品なんです。組んだ当時は金がなかったのでケチったんですよ」

 

 

 

自嘲染みた笑みを浮かべながらもそう語っている間に再び前を走る86GTに目を向け、タンッ!と勢いよくシフトアップしていく早川。

先程までの時とは違い、アクセルペダルをかなり踏み込んでSA22Cを加速させていた。パワーウェイトレシオ2.5kg台の強烈な加速で先行する86GTとの距離を詰めていく。

 

 

 

「(コーナー勝負でケリを付けるつもりだった…が、今の状態ではそれは無理な話だ。不本意だが、ストレートで抜かせてもらう)」

 

 

 

SA22Cが距離を詰め始めてる一方、86GTに乗っている大樹はアクセルを踏み込みながらもタコメーターの左斜め上に取り付けられた赤色の追加メーターを確認していた…ブーストメーターだ。

どうやら、86GTに過吸器を取り付けたようだ。

車内にキィィィンッ!という甲高い機械音が鳴り響いていることから過吸器でも排気圧を利用してパワーを得るターボではなく、エンジンの力を一部利用してパワーを得るスーパーチャージャーであろう。

スーパーチャージャーの利点としては構造上、ターボよりも低い回転数から働くことにある。つまり、アクセルを開けてからの応答性(レスポンス)が良いことだ。

ターボはターボラグという言葉があるほどレスポンスが悪い一方、スーパーチャージャーのレスポンスはNAとフィーリングが大して変わらないという声も多い。

 

 

 

「(後付けのボルトオンスーパーチャージャー、かなり高い金を払って取り付けた。

レスポンスなんかに不満はなし、パワーも前と比べると飛躍的に向上してる。

…けど、サウンド感はNAの時の方が好きだ。前の方が踏ませてくれるようなフィーリングにさせてくれた。

得たものはパワー、失ったものは金と俺自身のフィーリング…得るものもあったが、間違えなく失うものもあった)」

 

 

 

そう思っている間にバックミラーを見てSA22Cとの距離を確認…確実に迫ってきてる。

「くっ…」と小さく声を出しながらも迫ってきた一般車をブレーキングして避け、再びイン側を突くように左コーナーを抜けていく。

後を追うSA22Cは攻め込まず車線を変えないまま慎重に進入した後に立ち上がりで一気に加速してきた。

コーナーで放したが、再び距離がジリジリと詰められている…

 

 

 

「(加速が速い…!あれ、本当に旧車か…!?)」

 

 

 

やがて、ギュウィィィィン!ブォゥゥゥン!!という咆哮のようなサウンドを周囲に轟かせながら横一列に並んだ二台。横に並んできたSA22Cに意識を向けてから前を向いた大樹…その時だ。

 

前からトラックが迫ってきたのだ。このままでは確実に追突する…

 

「っ!?」と言葉にならないような声を出しながらもブレーキングを行い、一気に減速を始める。ハンドルやブレーキペダルを通じてグググッ!という感覚が伝わってくる中、VSCランプがピカッと点灯。

ブレーキ関係にも手を入れていたおかげか、なんとか法定速度まで減速出来た。が、その間に隣の車線にいたSA22Cは前に出てしまった…

トラックを追い越し、再び追おうとアクセルを力強く踏み込む……が、時すでに遅し。

SA22Cとの距離は豆粒ぐらいのサイズに見えるぐらいまで広げられてしまった。距離の差は更に広まるばかり…もう追い付けないであろう。

 

 

 

「(悔しいが、こうも差がついては追い付けない…)」

 

 

 

アクセルペダルをゆっくりと緩め、減速していく…

減速していく86GTに対し、伸び伸びと更に加速を続けるSA22C。やがて、次のコーナーが見えてくると共にブレーキランプが点灯させてからイン側を突くようにしてコーナーを曲がっていく…そして、その姿は見えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―数分後、SA22C 車内

 

 

もう1周してから首都高抜けて出て東名に出たSA22C。

運転席で早川は神妙な面持ちのままハンドルを握っていた。先程の86GTとの一走を振り返っているにだろうか?助手席に座っている前原は気になって仕方がなかったのか、「どうした?」と早速声を掛ける。

 

 

 

「さっきから難しい顔して…?あの86のことか?」

 

 

 

「ええ…」

 

 

 

「そう気にするなよ、勝ったんだから」

 

 

 

前原の言葉に小さく首を横に振る早川。そして、今にも溜め息をついてしまいそうな顔に表情を変えながらも自分がどうしてこうなっているのかという事について答え始めた。

 

 

 

「絶対的な自信を持っていたコーナリングで負けたのが悔しくてしょうがないんです。しかも、負けた理由は自分が足回りの状態に気付かずに手を加えなかったから…情けない話ですよ。

"試合に勝って勝負に負けた"…そんな感じです」

 

 

 

「なるほどな」

 

 

 

理解するように小さく頷いてその言葉を受け止める前原。そして、それに続くようにある重要なことを口にしていく。…SA22Cのチューニングについてだ。

 

 

 

「まず、ショックの取り換えを行う。こんな足じゃ攻めように攻めれないからな…それで、タービンはT04のままでブーストアップ。ブースト1.0から1.7か1.8まで上げる。サイドポートの研磨もし、吸排気系統をもう一度見直す」

 

 

 

「それで…スペックとしては?」

 

 

 

「そうだな、目標パワーは500馬力から530馬力の間ぐらい。それからドアやボンネット、トランクをカーボンにしたり、ウィンドウをアクリル製にしたりして軽量化。これで1000kgより少し重いぐらいだった車重が900kg台後半ぐらいになる」

 

 

 

「2.5kgだったパワーウェイトレシオが1kg台になるというわけですか…」

 

 

 

「そう言うことだ。軽い上にパワーもある…上手く行けば間違えなく化け物になる。とは言え、組み上がるまでかなりの時間が掛かる。

チューニングの間は代車を手配してやる…他の客には乗せないような特別な奴だ、好きなように乗るといい。

それから…出来る限り安くはするつもりだが、金も準備してくれ。こっちも商売なんでね」

 

 

 

 

 

 

 

 

―休日明けの月曜日 武偵高前の一般道

 

 

快晴の空の下、早川は代車に乗って珍しく武偵高に向かっていた。武偵高で教務科から呼び出しを受けたからだ。そして、気になる彼の代車であるが軽でもコンパクトカーでもない驚きの車であった。

流線型が特徴のグレーメタリックのクーペ…RX-8。

現状で最後のロータリー搭載車だ。

最初期型ですら早川が乗っている'84年式SA22Cの19年も後に生産されたこの車の"後期型"に乗っている。

 

 

 

「(流石に驚いたな…下取り金額が出るかどうかも分からないSA22Cの代車が高値で取引されているRX-8の後期とは)」

 

 

 

そう思いながらも運転を続け、ちょうど正門が見えてきた頃だ。

対向車線から見覚えのある車がゆっくりと走ってきた…パールホワイトのボディに縦の楕円形のヘッドライト、博也のZだ。運転席でハンドルを握っている彼は早川の存在に気付いていないようだ。

車種も変わっているため無理もない…そんな彼に対し、早川は意識を集中させていた。

 

ウィンカーを出して校内に入ったのを確認してからゆっくりと続くように校内に入る…彼が停めた場所とは少し離れた場所にRX-8を停め、エンジンを切って降りる。

Zのことが気になって仕方がない早川はキーロックを済ませた後に早速、その駐車場所へと向かった。

 

怪しまれないように然り気無く、その場を通るように装いながらもZの方に目を向ける…すると、その左右にはまたしても見覚えのある車が停まっていた。

オレンジメタリックの86GTと青塗装のR33。いずれもSA22Cに乗っている時に見たことがある。

 

 

 

「(二台とも武偵生の車だったのか…)」

 

 

 

そう思いながら見ているとその後ろに立つ、3人の武偵生の姿が目に入ってきた。一人は博也、あとの二人は分からないがR33、86GTのオーナーであろう。仲良くしているような様子から三人共、仲間同士に似たようなものだろう。

…それが分かると共に早川の中で自然と何かが込み上げてきた。苦虫を噛んだような表情を浮かべてから「チッ」と小さく舌打ちをし、早足でその場を立ち去っていく。

 

 

 

「(三人とも走りを追求する孤高のドライバーだと思っていた。が、実際はあんな仲良しこよしの紛い物だったとは…見ていて腹が立つ。ああいうのが一番嫌いだ…)」

 

 

 

両手で握り拳をつくり、グイッ…と力を入れながらもそのまま校舎に入り、中等部の職員室へと向かった。到着すると「失礼します」と一礼してから入室し、眼鏡を掛けた小柄の女性教師が座る席へと近付く…彼女はとある学級のクラス担任だ。そして、早川を呼び出したのも彼女である。

 

 

 

「早川君ね、待ってたわ」

 

 

 

「わざわざ携帯で呼び出して…何の用ですか?」

 

 

 

少し不思議そうにしながらも問い掛ける早川。実は来いとは言われていたが、肝心な用件に関しては一切聞いていないという状態だ。こうなるのも無理はない。

彼を落ち着かせようと言わないばかりに「まぁまぁ…」と言いつつももガァーと自分の机の引き出しを開け漁り始める女性教師。

そして、ある物を手にして「あった」と小声で呟いて片手で持つようにして早川に差し出した。

クリアファイルだ…生徒の情報が書かれた書類が挟まれている。パッと見た感じでは履歴書に似ている。

 

 

 

「これは…?」

 

 

 

小さく首をかしげながらも手にとって中身を見る。

そこにはツインテールで婦人警官のような格好をした童顔の少女の顔写真が…その右隣に"乾桜"と書かれている。恐らく、この少女の名前であろう。

 

 

 

「乾桜…?」

 

 

 

「ええ…うちのクラスの子よ、所属は強襲科。

父親は麻布警察署の署長、うちのクラスの中でAランクに最も近い人材と言われてるわ」

 

 

 

「そうですか…で、この子がどうしたんですか?」

 

 

 

「今度、この子が初めてランク考察試験を受けるのよ。それで試験までの期間は鍛えて欲しいってね」

 

 

 

女性教師の言葉に力が抜けるように「はぁ…」と小さく溜め息をつく早川。今はSA22Cのチューニング費を稼がなければならない…後輩の指導等という悠長なボランティアなんて出来ない。今はとにかく金が欲しい…

 

 

 

「生憎ですが、コチラも依頼が立て込んでいるのでボランティアしてる暇じゃですよ。他の暇そうな生徒に頼んで下さい、それじゃあ」

 

 

 

素っ気ないようにそう言って背中を見せて立ち去ろうとした時だ。女性教師が「待ちなさい」と静止させるように彼の背中に声を掛けた。

まだ何かあるのだろうか…?

ゆっくりと振り向くと、彼女はとある封筒を投げ渡してきた。

急なことに驚きながらもパシッと受け取り、投げられた封筒の表裏を確認する早川…分厚い上に重みもある。

何か入ってるようだ、中身が何かと考えている間に女性教師の説明を始める。

 

 

 

「一つ言うけど、ボランティアではないわ。

麻布警察署の署長…彼女の父親直々の依頼よ。その封筒には依頼書が入ってるわ。ま、報酬の方も期待していいんじゃないかしら?」

 

 

 

報酬に期待してもいい…多額の金が手に入るかもしれない。その言葉に心が揺らいだのか、「……。」と数秒ほど黙って封筒を再び眺めるように見る。まるで、飢えたハイエナが獲物を見つけた時の目…

そんな目付きの彼に対し、女性教師は服装を整えながらも立ち上がり、最後に一言だけ言い残した。

 

 

 

「もし、依頼を受けるというなら…放課後、16時半に屋上に来なさい。あの子には事前に伝えておくわ」

 

 

 

そう告げた後に名簿を手に職員室から出ていく女性教師…早川はそんな彼女の背中を目で追った後に封筒の封をビリッと破り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

―放課後、屋上

 

 

夕焼け色の空が広がる中、予定よりも5分早く到着する早川…自分が一番と思っていたが、そうでもなかった。

 

武偵高の女子制服を着た小柄の少女…服装こそは違うが、ツインテールの髪と童顔の顔で直ぐに誰か分かった。ゆっくり歩み寄るようにコツコツ…と足を踏み出していきながらも早速声を掛ける。

 

 

 

「乾桜…だな?」

 

 

 

ある程度近付いたところで足を止めると、彼女はこちらに顔を向けて「はい!」と答えながらもビシッと敬礼を見せてきた。

マニュアルに書いてあるような乱れもないしっかりとした敬礼。父親仕込みか、それとも警察・自衛隊関係へのインターンシップで勝手に身に付いたものなのか…色々と考えてしまうが、今はそれどころではない。

軽い自己紹介ぐらいはしておこうと早川が続けて話し始める。

 

 

 

「キミの指導をすることになったの早川だ」

 

 

 

「乾桜です、よろしくお願いします」

 

 

 

「じゃ、まずは射撃場に行こう。お手並みを拝見させて貰おうか」

 

 

 

そう言って出口のドアの方へと歩いて向かう早川…が、桜の方は敬礼を直してから「……。」と黙って動こうとはしない。端から見ると、何処と無く彼の背中を睨んでいるような気もする。そんな彼女に対して思わず、不機嫌そうに眉間にシワを寄せてしまった。

 

 

 

「どうした、乾?行くぞ」

 

 

 

「あ、すいません…!」

 

 

 

その一声でようやく我に返り、ペコリと軽く頭を下げつつも小走りで駆け寄る桜。

彼女が何を思って自分の背中を睨んでいたのか…?

疑問に思う早川であったが、深く掘り下げるのは止めようとそのまま射撃場へと足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

―同時刻、喫茶店

 

 

シーリングファンが回る静かな店内でグラスをキュッキュッと拭く片岡。難しそうに悩んでいる彼の視線はテーブルの上に置かれているZ33の構造図へと向けられていた。

 

 

 

「(軽量化の次は前後の重量バランス取りか。

元々、53:47とフロントに重量が寄っていたコイツだが…今はそれ以上にフロントに重量が寄っている。

如何にフロントを軽くし、元々の重量配分に近付けるか…軽量化の恩恵を犠牲にせず、元に戻すことは不可能に等しい。…が、それに近付けることなら出来る。

奴の頼みだ、やるしかない)」

 

 

 

そう思いながらも拭き終わったグラスをゆっくりと置き、電話の方へと歩み寄る。

そして、受話器をカチャンッとあげてからピッピッと電話番号を入れ始めた。

 

 

 







どうも、350Zです。

ごめんなさい、乾桜を出してしまいました。

今回出てきた乾桜って誰だよ?と思う読者の方々に説明しますと…

AAに出てくるあかりの後輩で、"何でも持っている桜さん"の異名を持つ真面目っ子です。

あかりの後輩ではあるものの、あかりよりも背が高い上にスタイルもry


まあ、簡潔に答えるとそんな感じですね。

そんな後輩の面倒を見ることになった早川ですが…幸先はあまりよろしくない感じ。

この二人、この先どうなるのか?

次回のお楽しみです。




さて、今回は前回の後書きの続きで大黒PAについての話をします。



大きく湾曲した長い入り口を抜けていく自分のZ33。

抜けた先にはショッピングモールの駐車場を思わせるような超~広い駐車スペースが!!


その広いスペースもあちこちで小規模のミーティングが開催されてました。

R34のミーティングだったり、シビックのミーティングだったり、アクアのミーティングだったり……

一つの駐車場でこうもあちこちで色んなミーティングやってるなんて…凄いな、流石は走りの聖地…


なんて思いながらもひょっとしたらZのミーティングがあるのではないか…?と思った私。

車を停め、あちこちをうろちょろして探すことに!


ところが…やってませんでした。


ちくしょーめぃ!!!


まあ、いいや…とりあえず休憩しよう。


写真をパシャパシャと撮った後、自販機でブラックコーヒーを買い、車内で飲んで一服。

一服を終えて出ようと出口に向けて走らせた時…

何処かで見たことがあるようなテールの車が自分の前に出てきました。


Z33に似たボディスタイルに鋭いテールランプ…

Z34、色は赤色!



おお、34か…どんなものか一緒に走ってみるか。

なんて思いながらもついていくことに……

出口を出たら直ぐに湾岸線!


グイッとペダルを踏み込んでアクセル全開ッ!!

……ところが、34の方は出だしでピューン!と加速していき、一気に自分の34との距離を突き放していきます。


はやっ…!


排気量的には33の排気量は3.5L、34の排気量は3.7L


0.2Lの排気量の違いってデカイって改めて思い知らされました。

(というか、博也のZってこれよりも排気量が大きい3.8L(3.5L改)のターボだよな…本当に化け物じゃないか)



等と思いながらも34のテールを見ていると、一定の速度で加速を止めていきました…

C1に合流する自分の33に対し、34はそのまま直進して千葉方面へ消えていきました。



と言った感じで二度目の東京遠征は終わりです。

次回は夏ごろにまた東京に向けて遠征する予定ですが、どこを回ろうかは決まってません…


どこかオススメの場所などありましたら、感想の方までお願いします。


さて、今回の後書きはここまでとさせて頂きます。

また次回、お会いしましょう!




※次回からしばらくの間、後書きは作品の感想のみとさせて頂きます。

僕の下らない日常話を楽しみにしていた方々、申し訳ございません…


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