いいトコを探そうとするな
いいトコを探そうとする
イコールそのモノをいいモノと決めよう
そうしてるわけだから
いいモノと決めつけたいからひとつ悪いコトが出ただけで
-やっぱりソレは悪いモノと全部ひっくり返してしまう
第一話 ヒーロー
-放課後、深夜
武偵高駐車場
すっかり生徒がいなくなった校舎から出てきた大樹。
眠たそうに欠伸をした後にピッと携帯を手に取ってはSNSアプリを確認……
博也の書き込みがある。
内容は後輩と夕飯を食べに行ったという普通のもの……
写真には朝に一緒に行動していた四人だけではなく、金髪ポニーテールの女子やゴスロリ系の制服を着た女子もいる。
皆で顔を寄せるようにして写真を撮っている。
背景を見る限り、武偵高の近辺にあるファミレスで撮ったものと思われる。
投稿時間は現在時刻から5時間前……
これを見て今の今まで部屋で依頼の推理をしていた自分が馬鹿馬鹿しく思えた。
「たく、何してんだろうな……俺」
溜め息混じりにそう呟きながらも86に乗り込んでいく。
エンジンスタートのプッシュボタンを押し、エンジン始動。
ブォゥン!という少し変わった太いエンジン音が響き渡る。
トヨタ・86に搭載されているエンジンはスバル製水平対抗エンジン……
通称、ボクサーエンジンと呼ばれる特殊なものだ。
トヨタの車なのにどうしてスバルのエンジンが搭載されているのかというと、この車がスバルと共同で開発されたことにある。
その証拠にスバル側ではこの車の兄弟車、BRZがある。
ちなみに見た目は少ししか違いがない。
セッティングは86がタイヤを滑らせて走らせるドリフト向け……
BRZはタイムアタック向けに逆にタイヤを滑らせず、食い付かせて走らせるグリップ向けとなっている。
彼が86を買った理由は博也のように購入する熱意があったという訳ではない。
本当は別の車が欲しかった。
が、少し古めの型のスポーツカーだった為
親に"維持費が掛かる"や"絶対に壊れる"と言われて致し方無しにこの車を選んだのだ。
もし……
博也が自分の立場ならそんなのお構い無しに買っていただろう。
「……駄目だな、ダサすぎる。
今の俺の生き方は」
彼の生き方と自分の生き方を比べて思わず呟いてしまった一言。
思えば、彼が三つの科でAランク評価を受けてオールラウンダーとも呼ばれているのに対し……
自分は昔いた車輌科でBランク、今いる探偵科ではCランクと普通の評価。
更には女子との縁もなし……
その面で比べて見るとさらに情けなく感じてしまい、はぁ……と大きく溜め息をついてしまった。
このテンションでは駄目だ。
帰る前に気分転換をしようと86を武偵高を抜けては寮とは違う場所に向けて走らせる……首都高・湾岸線だ。
「……軽く流しに行くか」
学園島を抜けた後に首都高に上がろうとETCゲートを抜ける。
時間帯の関係上から一般車が少なくなった湾岸線エリアに合流するとアクセルを踏み込む。
ブォゥゥゥゥン!!とエンジン音を響かせながらも加速させていく……
純正の白基調のメーターを見てからシフトノブを握ってカタッ!とシフトアップ。
更に加速させていく……
が、後ろに何かついた。
迫力があるような大きいエアロを取り付けた車高が低い白いセダン……
外灯に照されて何となく車種は何か分かった。
「チェイサーか」
トヨタ・チェイサー。
元は高級車路線で販売されていた車だが、パワフルなエンジンを搭載していることからスポーツセダンのような見られ方をされている車だ。
86よりもずっと前に生産されていた車で中古市場価格では大樹が買ったGTリミテッドの86の半分以下……
そんな車に後ろをつかれた。
乗っていたのはガラの悪そうな金髪の男二人組だ。
後ろからパッパッとライトに強弱をつけてパッシングしてきた。
"勝負しろ"という申し出だ。
これに対して
ハザードランプを点滅させれば"受けた"、
ブレーキランプを点ければ"断る"という返事になる。
アクセルに開度にはまだ余力がある大樹は……
ブレーキランプを点けて断った。
チェイサーが86を追い越してウォォォン!!と音を上げて去っていくのを見てフッと鼻で嘲笑う大樹。
「そこまでいい気になってるとなれば、
2.5リッターのツインターボを積んだツアラーVグレードだろ?
2リッターNAでマフラーと車高調入れただけの86(コイツ)じゃ、直線で勝てるわけがない。
勝てない勝負をするほど……俺も馬鹿じゃない」
車の性能のせいにしながらも去っていく車影を眺めると何だか虚しさだけが心に残った。
本当に……こんな人生で良いのだろうか?
そんなことを思いながらもモヤモヤした気持ちをリフレッシュさせようと近場のPA(パーキングエリア)を目指す。
大黒PA……
何年か前までは改造車の溜まり場となっていた場所。
未だにオフ会やミーティングの集合場所等として知られている。
その場所に数分後、到着。
ブォゥゥン……と低い音を響かせながらもPAの駐車場に入ると片隅の駐車スペースに先程のチェイサーが停まっていた。
その近くで乗っていたあの二人がタバコを片手に座りながらも何か喋っている。
目を付けられると面倒臭そうだ……
そう思い、離れた場所に停めてエンジンを切る。
財布を手に車から降り、自販機コーナーへと歩いていくと二人組の話し声が聞こえてきた。
「-先輩、
もっとブースト上げたら速くなるんじゃないっすか?」
「-バーカ、何も考えずに上げると故障(ブロー)すんだろ。
金は掛かるが、次はボアアップだ。ボアアップ」
……会話の内容はチェイサーのチューニングについてだった。
気になってチラッとそちらに目を向けると……
二人共、見た目とは裏腹に少年のように目を輝かせながらも会話を繰り広げている。
実に楽しそうだ。
自分なんかよりも彼らの方がずっとピュアな生き方をしている。
博也までとは行かないが、あのような生き方をしてみたいものだ……
大樹はそう思いながらもコーラを買ってその場から離れた。
・
-翌日、武偵高 昼休み
天候は快晴。
外がガヤガヤと騒がしい中、資料のようなものが入ったクリアファイル左手に持ちながらフェンスを右手で掴んでグラウンドの方を眺める大樹。
遠くを見据えるような目をしているところを見る限り、何やら考え込んでいるようだ。
そんな中、一人の男が歩み寄ってくる。
……遠山キンジ。
元強襲科Sランク、現在は探偵科で最低のEランクだ。
「約束の資料だ。
ほら、持ってけ泥棒め」
心の中で考え事を押し込みながらもキンジの方に顔を向けては持っていたクリアファイルを手渡しすると「ども」と受け取ったのを確認するともう一度グラウンドを眺めた。
「ん、なんかあります?」
「いや、
やけに外が騒がしいなってさ」
「4対4戦(カルテット)っすよ。
今日、対戦表が公開されるって」
適当に誤魔化す大樹に気付かないキンジ。
そんな彼に対して少し溜め息をつきそうになる……
が、溜め息の前に出たのはまた別のものだった。
「なあ、遠山……
お前から見て今の俺ってどう見える?」
「どう見えるって……?」
突然の問いかけにどう反応すれば良いか分からずに困ったような表情を見せるキンジ。
それを見た大樹はそうなるよなと言わないばかりに苦笑いしつつも「ほら」と言いつつも回答の例を出していった。
「色々あんだろ。
惨めに見えるとか、カッコ悪いとかさ」
無意識のうちに出てしまったマイナス思考の言葉。
言ってから気付いて体ごと彼のキンジの方に振り向きながらも「いや……」と撤回しようとしたが、その前に彼に見抜かれてしまう。
「もしかして……
自分に自信が持てなくなったとか?」
まさに図星だ……
もう仕方ない、ここまで来たら話そう。
そう割り切った大樹は溜め息混じりの声で「そうだよ」と答えると共にどうしてなのか詳細を語り始めた。
「3年に市ヶ谷っていう奴いるだろ?
アイツ、俺と小学校以来の腐れ縁なんだけどさ……
この頃、アイツとの差が激しすぎて嫌になってたんだ」
「差というと……?」
「強襲科時代のお前みたいに何でも出来るし、
後輩からはよく慕われてる。
好きなものに熱心なところとかもなんかも端から見てればカッコイイ生き方に見える。
……羨ましいんだよ、性格から何まで。
まるで、漫画のヒーローみたいで」
その言葉を聞いた時に未だ戸惑いを隠すことが出来ないキンジ。
が、「えっと……」と小さく呟いてちょっとした汗を流しつつもそれについての答えを出した。
「よく分からないっすけど……
その人はその人で色々抱えてると思いますよ。
先輩みたいに」
そう言いながらもクリアファイルから資料を取り出して中身を確認するキンジ。
その時、「キンちゃん!!」というオクターブが高めの声と共に屋上に上がる扉がバンッと開いて清楚な感じの女子が入ってきた。
生徒会長の星伽白雪だ。
「キンちゃん、お昼一緒に食べよ!!」
「あ、あぁ……」
その誘いに苦笑いしつつも「ありがとうございました」と言い残して白雪と共に立ち去るキンジ。
その光景を見て"彼も博也に似たような分類だった"と再認識してしまう。
聞く相手を間違えたかもしれないと思いそうになるが、彼の言葉を振り替えってみるとそうでもないような気もする。
幼い時に妹を亡くし、好きなものに金を掛けているがその対価として貧乏な生活を強いられている……
こうして見ると彼も彼で苦労人だ。
「俺だけが辛いってわけじゃないんだな……」
・
-数日後、夜
すっかり日が沈んでしまった頃
いつもと違うことをして自分自身にいい刺激を与えようと考えた大樹。
博也と同じように86に手を加えれば何かしらの変化があるかもしれない……
その思いからこの前のように推理しようと校舎内にこもらず、車輌科の広い作業スペースに86を停め、ボンネットを開けながらも赤いツナギ姿である作業を進めていく。
エンジンの吸気フィルター……
通称、エアクリーナーと呼ばれるこのパーツをボックス形状の純正品からキノコ型の社外品に取り替える作業。
取り替えることによってより効率よく吸気を行うことができ、エンジン高回転域の動きが良くなるというチューニングだ。
額から汗を流しながらもエンジンルーム内に手を伸ばし、カチカチッと取り付ける。
取り付けが終わったところで漏れがないかのチェックを行う為にエンジンを掛けた……
ブォゥン!とエンジンが始動したところで空吹かしを始める。
よく聞くといつものエンジン音と連動するようにクォーン!!という吸気音が聞こえる。
どうやら、成功のようだ。
「よし……」と小さく呟きながらもエンジンを切っては助手席側から何かを手に取っては開封する大樹。
Defi製のデジタルメーター……
博也がZに取り付けているものと同じもの。
次にこれを取り付けるようだ。
取り付け位置を純正メーターの右上辺りに決めたところでエンジンルーム内の配管類を辿るように取り付け作業に掛かる。
センサー類と電源の接続後に配管を触った時に抜けた分のオイル類や冷却液を補充。
そして、再びエンジンを掛ける……
ピピピッという起動音が響き渡ると共にメーターが始動。
油温、油圧、水温、タコメーター、車速が表示された。
「終わっったぁーっ!!」
両手をクイッと伸ばして心地良さそうに軽くストレッチ。
携帯の時計で時間を確認……
開始からかなりの時間が過ぎていた。
先程までは感じていなくなった空腹感が一気に襲い掛かり、周囲にグゥゥ……という腹が鳴る音が鳴り響く。
「飯でも行くか」
そう小さく呟くと共に更衣室でツナギから制服に着替えて86に乗り込もうとドアノブに手を伸ばした時、補習で残っていたと思われる1年生の女子達がワーワーと騒ぎながらも後ろを通り掛かった。
「-4対4戦(カルテット)どうだった?」
「-勝ったよ、私達のチーム!!」
そんな会話が聞こえてくる。
4対4戦(カルテット)が終わったという言葉が気になって携帯を手に取り、SNSアプリで履歴を確認すると博也の書き込みを見付ける。
"祝、間宮班勝利!!"
という垂れ幕の前で額にガーゼのようなものをつけながらも右手でピースする間宮あかり写真が掲載されていた。
「(勝ったんだな、アイツら)」
そんなことを思いながらも86に乗り込んでは作業スペースから出ていく。
いつもと違うフィーリングに舞い上がってしまいそうだ。
実際のところ、馬力の向上具合としては全体の3%プラスと言ったところだろう。
86の馬力はメーカー公表で200馬力だが、実際の馬力は180馬力あれば良いという感じ。
そう、実際に上がった馬力は5馬力前後ぐらいなのだ。
でも……重要なのは馬力ではない。
エンジン高回転域での鋭いフィーリング
そして、
アクセルを開けると耳に飛び込んでくるサウンド感……
今回の改造で重要なのはこの二つだろう。
実際には大して速くなったわけではない。
だが、
"アクセルを踏み切る"……
その勇気をドライバーに与えてくれるような車に仕上がったことは間違いない。
86をゆっくりと走らせて校内から出ていく大樹。
……いつの間にか満たされたような笑みを浮かべていた。
・
-同時刻 とあるビルの最上階
最高級のホテルのようなきらびやかな廊下。
セレブが歩くのが似合うようなこの廊下を颯爽と歩く一人の女子武偵生。
高飛車そうな雰囲気の目付きと貴賓がある金髪のロングヘアー……
制服も通常のものとは違い、所々に大人びた改造が施されている。
高千穂麗……
武偵高1年生。
父親は武装弁護士で武偵高では志乃と同等の金持ちだ。
コツコツ……と靴の音が静かな廊下に響き渡る中、彼女は奥にある大広間に入った。
東京の夜景が一望出来る大きな窓をバックに社長席のような椅子に座る一人の中年の男。
麗が入ると共に立ち上がっては「お待ちしておりました」と年下の彼女に対して深々と頭を下げて歓迎した。
「言われた通りに一人で参りましたわ。
それで……お話しというのは?」
「私への資金提供をして頂けるよう……
お父様に説得することは出来ませんか?」
男の言葉に今にも溜め息をつきそうな表情を浮かべる麗。
扇を手にとり、口元を隠すようにしながらも男に対して見下すような目を向ける。
「わたくしには関係ありませんわ。
お父様と直接掛け合いなさっては?」
その回答と共に今にも飛び掛かりそうに歯ぎしりする男。
「まあ、いいでしょう」と答えると共に席に戻ると、近くのエレベーターの音らしきチーンという音が廊下から聞こえてからバタバタ!!という足音が聞こえて来た。
違和感を感じて足のホルスターに納めていたレッドホークをチャキッと手にとって振り向こうとした時、
武装した黒服の集団が扉を突き破るようにして入ってきた。
「生け捕りにしろ」
男の指示と共に一人の黒服が銃口を向けながらも麗に近付こうとスッ……と動き出す。
が、ある程度近付いたところで扇でバチッと銃口を逸らされた上に格闘戦で逆に捕らえられて盾のようにされてしまった。
「わたくしの実力、
甘く見ない方がよろしいですこと」
そう言いながらも黒服の集団に向けてレッドホークの銃口を向ける麗。
男はフッと嘲笑うようにしながらも席から立ち上がった。
「4対4戦(カルテット)で格下相手に負けた犬が何を吠えてるのやら……
いい気になれるのも今のうちだぞ」
・
-数十分後、とある下道
ファミレスで食事を済ませた後に行く宛てもなく、ゆったりと86を走らせる大樹。
時折、走行中に新しく取り付けたデジタルメーターを確認して調子を確認……
何の不具合もない。
実に静かな時間が過ぎていく。
そんなゆったりとした時間を味わってる中、携帯が突然ピロピロピロ!と鳴り響いた。
「なんだよ……」
信号待ちで停まった時に仕方なしに携帯を確認……
武偵高の周知メールだった。
1年生からの救援要請で救難信号が発信されている場所と救援後の安全地帯(セーフティーポイント)が表示されている。
……救難信号の位置はここからかなり近い。
助けれるものなら助けてあげたい。
だが、行動出来るのは原則"強襲科か狙撃科"の2年生以上のみと書かれてある。
現役で探偵科の自分はここには当てはまらない……
けど、だからと言って見捨てるわけにはいかない……!
信号が青になると共にキィィィ!!と後輪をホイールスピンさせながらも発車。
周辺に敵がいる可能性もある為、回転灯は取り付けない。
ブォゥゥゥゥン!!とエンジン音を轟かせながらも闇夜を疾走する86。
-その音が
心を奮い起たせる
奮い起たったその心から
ふと芽生えた小さな勇気が……
大きな勇気へと変わっていく
……最早、大樹の目に迷いはない。
以前の彼からは想像が出来ないような真っ直ぐとした表情だ。
「(博也……俺、アンタことが羨ましかったよ。
何でも出来る天才的な素質を持ってる上、馬鹿みたいに好きなことに熱心で……
それにかなりの後輩思い。
それで後輩は……
アンタのことを"ヒーロー"なんて思ってるだろうな。
お前は何時だってヒーローみてえなもんだ。
でもさーーッ!!)」
爆発しそうな感情に合わせるようにシフトノブを握り、シフトアップ。
フォン!という音が響き渡ると共に86は更に加速していく。
強くアクセルを踏み込みながらも交差点が見えてきた時に勢い良くブレーキング。
フォゥン!フォゥン!!とシフトダウンして行くと共にステアリングを勢い良く左に切る。
「(今日ぐらい……
俺がヒーローになってもいいだろ?)」
キィィィ!!とタイヤがスライドしてドリフト開始。
そのまま交差点を左に曲がって抜けると共にステアリングで微調整してドリフトを中断。
86は再び加速し、そのまま目的地に向けて駆け抜けていった。
・
-とある小さな公園
普段は閑静な公園だが、今日ばかりは騒がしかった。
タッタッタッ!と足音をたてながらもあちこちを駆け回る黒服姿の怪しげな集団。
そんな集団の目を逸らそうと麗は木に背を向けるようにして隠れていた。
体力を使い果たしたように小さく口を開けている状態。
防弾制服の右腕と左脇腹には拳銃弾の命中跡が残っている。
レッドホークの残弾は僅か3発……
状況からすれば無駄な戦いは避けなければならない。
今は息を押し殺し、立ち去ってくれることを願い続ける……
そのまましばらく待ち続けると足音が消えると共に「ふぅ……」と小さく息をつく麗。
ふと力が抜けたその瞬間に右足に電撃のような傷みが走り、「っ……!」と言葉にならない声を出してしまった。
右足の脛が赤く腫れ上がっている……
逃げている最中に負傷したのだ。
「っ……
わたくしっ……
ともあろう……ことが……っ!」
あまりの疲労感と体に受けたダメージからか、木にズルズルと背中を擦らせるようにして座り込む……
目の前の視界が霞んで見えてくる中、ブォゥン!という車のエンジン音が耳に飛び込んできた。
近付くと共に急に音が小さくなる。
バンッ!と勢い良くドアを閉める音が響いてきた後にタッタッ!!と駆け寄ってくる。
駆け寄ってきた人物は武偵高の男子制服を着ていた……
どんな顔をしているかは視界が霞み過ぎて分からない。
「-おい、大丈夫か!?
しっかりしろっ!!」
心配するように呼び掛けながらも体を揺すってくる男子生徒。
ああ、助かった……
その安堵と共に麗は気を失ってしまった。
・
-86車内
気を失ってしまった麗を抱えながらも戻ると助手席に座らせる大樹。
シートベルトをしっかりと締めさせた後に運転席に回り込んで再び発車。
ブォゥン……!と周囲にエンジン音を轟かせながらも走らせて大通りに出ると共にバックミラーを確認……
3台の黒塗りのセダンが横に並ぶようにして追い上げてきたのが分かった。
BMWの320iだ。
「くそっ、追手か……!!」
「-目標の車輌を視認した。
全車、行動開始。
必要なのは高千穂麗の身柄だけだ……
それ以外は殺しても構わない」
代表らしき男の言葉を聞くと共に86に近付こうと更に速度を上げてくる320i群、
それに負けじとアクセルを踏み込んで86を更に加速させる大樹……
既に静まり返った夜の東京で
-再びカーチェイスが始まろうとしていた
どーも、350Zです。
今回から大樹編スタートです!
この小説、実はダブル主人公なんです。はい←
にしても……
こういう平凡なキャラを主人公にするのは初めてなので結構苦戦しました。
どう書けばカッコよくなるんだろう?
という疑問を抱きながらも
夜も寝ずに昼寝して書きました←(寝てるじゃねえか)
で、こんな感じに仕上がったわけです……
いかがでしたか?
正直、メチャクチャ不安です←
(キンジの口調は年上に対してあんな感じで良かったのか?ってのも不安です←)
えと、それから……
大樹編でのヒロインは流れから察することが出来ると思いますが、高千穂です。
何故、高千穂……?
と疑問に思われる方も多いと思います。
ズバリお応えしましょう!
それは……
単純に皆がやっていないから←
自分、
ちょくちょく他の緋弾AA作品も読まさせて頂いているのですが……
ヒロインは大抵、ライカなんですよね。
(あかりがヒロインの作品もちらほらあります)
他のクリエイターがあまりやらないことをしよう……!
その思いから、大樹編のヒロインはまた別のキャラにすることに……
志乃ちゃん。
あの状態からだと恋愛に持ってくの難しそう←
却下!
麒麟。
個人的にちょっと……ねえ。
却下!
そして、高千穂!
……あれ、行けるんでね?
初期の頃はあかりちゃん大好きって感じじゃなかったし。
時々見せるデレ加減とか地味に好きよ、うん←
というわけで、ヒロインは高千穂に決定しました!
めでたしめでたしー
……さて、余談が長くなってしまいましたが
前回の続き、今回は首都高巡りについて語りたいと思います。
まずはC1!
道幅も狭いし、車線規制がナゲェな!おい!!
聞いた話によると深夜になるとこのような車線規制が掛かるんだとか……
ただでさえ狭いところを規制するって……
走らせにくいんすけど!?
まあ、それが目的なんだろうけどね……
さて、次に行くのは湾岸線エリア。
うひゃー、車線多いし広いなァー!!ここ!!
しかも、メチャクチャ長い……
日本有数の公道最高速エリアと私の小説で取り上げただけのことはありますわ←←
では、翌日。
次に回ったのは東京湾アクアライン。
ここも湾岸線エリアの一部見たいな感じかな?
同じように車線も多いし、広いし長い……
本当にずっと直線。
……そう言えば、
ここの開通式で馬鹿やってたチューナーがいたような。
高速道路なのに急に停まってバーンアウト。
バーンアウトは直線の加速を競うドラッグレースでタイヤを温める為に駆動輪をわざと空転させるというもの。
空転と言っても路面とは接触している為、その摩擦によって煙がモクモクあがるわけですよ……
それで、もう後ろから見て前が見えなくなるまで煙を上げてから加速を始めるという。
勿論、バーンアウト時に接触していた路面はタイヤの跡でまっくろクロスケ!!
皆さん、絶対真似しないで下さいね!?
こんなのやっちゃいけませんからね!!?
……と言いつつも、
私も最初にみた時は腹抱えてゲラゲラ笑ってましたが←
だって、やってることが馬鹿すぎるんだもん!!←←
まあ、そんなアクアラインの中間にあるのが……
1話で登場した海ほたるPAです。
いや、ここ……PAじゃないわ。
立派な施設ですわ。
作中にも書いた通りにアミューズメントコーナーあり、レストランあり、更には足湯まであると……
更にレストランの中には寿司屋?っぽいのも……!
おいおい、正気ですか……?
と思いつつも作中の気分を味わおうと夜景をみることに……
いやー、綺麗でしたわ
なんか、あかりちゃんが喜んでたのもわかります←
人工的だけど幻想的……
そんな言葉が似合うと思います。
晩飯を兼ねて博也と同じようにかけうどんを食べようとしましたが、施設内にはありませんでした……
ちょっと離れたところに立ち食い蕎麦の店があったので、そこでかけそばなら食べられるかも……?
と思いながらもアサリの塩ラーメンとアサリご飯のセットを食べました。
飯を食べた後は3時間ほどZ車内で仮眠。
起きてからは再び片道5時間かけて帰りました……
が、帰った後にあ……!?と思い出したことが。
大黒PA行くの忘れた……!!
横羽線、八重洲エリア走ってねえ……!!
チキショー!!
次に行った時は絶対に忘れない……!
そう心に誓う350Zなのでしたー