あまりにも稚拙なミスだった
たしかにわかっていたんだ…あの時
だけどごまかした。
早く走り出して、自分の心をごまかしたんだ
残ったものはただ
──悔やみきれない後悔だけだ
-翌日、昼休み
校舎外の中庭
ポカポカの陽射しの下、何かを考え込むように空を仰ぎながらも歩く麗。左右にヘッドフォンを掛けた双子の側近、湯湯と夜夜を引き連れている。
「麗様、体調の方はいかがですか?」
「問題ないわ、撃たれた部分が若干痛む程度よ」
湯湯の問い掛けにそう答えるも空を仰ぐのを止めない。考え事をし過ぎて意識はまた別の方へと飛んでいるようだ。そんないつもと違う彼女の様子を見兼ねた夜夜が「麗様」と呼ぶと共に単刀直入に問い掛けた。
「何かお考えことでも?」
問い掛けを聞くと共にピタッと足を止める麗。オフンッとわざとらしく小さく咳き込んでから頬を少し赤らめて夜夜と目を合わせないようにあるものを手に取って見せてきた。足の応急処置に使われた破れた青いハンカチだ。
「これを……
鑑識科(レピア)の指紋鑑定に出して頂ける?」
このハンカチがどういうものか知っていた湯湯・夜夜コンビ。少し眉間にシワが寄りそうになるが、それを堪えながらも念の為にどうして調べなければならないのか夜夜が問い掛けた。
「どうして、これを調べるのですか?」
「へ、兵隊が知る必要はなくってよっ!」
只でさえ赤かった顔が更に赤くなる。答えは聞けなかったが、これには流石の二人も察した。
間違いない……恋だ。
自分が大好きな麗様の心が奪われてしまったと落胆してしまいそうになる中、更に追い討ちを掛けるように彼女が何か資料のようなものを手に見せてくる。先日の救出ルート周辺の地図だ。自分の中で特にみたいというルートには赤い丸でチェックが打ってある。
「それと、この地図周辺の監視カメラのデータを情報科に調べさせなさい。
日時はこの日のこの時間帯……良いわね?」
ハンカチと追加の資料をパンッと渡すと共に何処かへと立ち去ってしまう麗。そんな彼女の背中を追い掛けて行きたいところではある湯湯・夜夜コンビだが、頼まれたことをやらなければ嫌われてしまうと思い、素直にその場を去って仕事に取り掛かった。
・
-放課後 夕方
屋上スペース
もう沈み掛けている陽の下で文字どおり大の字で背中を地面につける大樹……
目を少しだけ開けて壮大な夕焼け色の空を眺めていると自分という人間がどれだけちっぽけな人間か思い知らされる。
それと共に、ふとあの早朝の出来事ことが頭に浮かんだ……
駄目だ、忘れないと……!
その思いから「あぁぁあぁー!!」と叫びながらも狂ったように両手で頭を掻いて気を紛らそうと試みた。
……少しはマシになったが、代償として心に虚しいと思う気持ちが残ってしまう。
自分は何の為に彼女を救ったのか?
何の為に86を傷付けたのか?
自分という存在はこんなにも惨めなものだったのか?
心の中にいるもう一人の自分がしつこく問い掛けてくる……
もう、いい!!いいんだよ、もう!!
そう思いながらも立ち上がった時、一人の生徒が屋上に上がってきた……博也だ。二本の缶コーヒーを両手に持っている。
「よ、どうした?」
彼の問い掛けに対して「……。」と俯きながらも黙り込んでいると、それ以上は何も聞かずに「そらっ」と右手の缶コーヒーを投げ渡すと共に自然な笑みを浮かべて見せる。
「なけなしの金で買ってきたコーヒーだ。
ま、話しの一つや二つぐらい聞いてくれよ」
そう言いながら少し歩み寄ってから胡座を組むように座り込む博也。大樹の方も向かい合うような位置で同じように座ってはくれたが、相変わらず黙り込んでいた。これは意地でも話さないだろう……そう思った博也は彼の心を少し和らげる意味も込めて話し始める前にある言葉を投げ掛けた。
「お前は何も話さなくていい、俺が勝手に話すから。
聞くのがイヤなら"ただの独り言"だと思って聞き流してもらっても構わない」
そう言いながらも自分の缶コーヒーをプシュッと音を立てるようにして開けると共に一口だけ飲むと「ふぅ」と小さく息をつく。そして、俯いている大樹に向けてこんなことを呟いた。
「俺、お前の性格が"羨ましい"って思う時があるんだ」
……衝撃の発言に驚きの表情を浮かべる大樹。だが、そのすぐ後に"馬鹿にしてるのではないか?"という思いが芽生えて眉間に少しシワを寄せてしまう。そんな彼に対して博也は「まあ、落ち着けよ」と言いつつも話を続けた。
「羨ましいって思うのは他人に優しく出来るところ。
でも、逆にそういう優しさを見ていて時々思うことがあるんだ……
コイツ、相手に対する優しさが強すぎて自分のこと苦しめてんじゃないかってさ。自分に対してネガなときはとことんネガになるような奴だったから、余計に際立って目立つんだよ……もっとバランスが成り立つように物事を見た方がいい」
今まで一度もそうと思ったことがない長所と逆に前からずっと思っていた短所を言ってからもう一口コーヒーを飲む博也。
バランス……
確かにバランスが成り立っていないだろうが、だからといってそれが何なんだ?
そんな言葉を心の中で呟く大樹だったが、それに対するように聞こえもしないはずの博也が自分の缶コーヒーを「ほら」と見せながらも続けて答えた。
「例えば、この缶コーヒー。
コイツは飲みたいって需要と工場生産での供給というバランスが成り立っているから売り上げを伸ばすことが出来る。需要が多くても物を作らなければ意味がない、幾ら作っても買う需要がなければ儲けがない」
そう言ってから缶コーヒーを一旦置いた博也。更にバランスという話題について話を広げていく。
「仕事と休みのバランス。
仕事ばかりしてたら体が持たなくなるし、かといって休んでばかりいたら金が貯まらない。
車のチューニングもそうだ。
サーキットでいいタイムを出すには足回り、パワー、ブレーキ、駆動系……全てのバランスが重要になる。どれかが極端に長けていても他がそれについて行けなければいいタイムは叩き出せない。
こうして見ると、世の中ってバランスが重要なものばっかだろ?
お前も他人への優しさと自分への優しさのバランスを考えた方がいい。……それが互いに幸せになる方法だ」
そう言ってから置いていた缶コーヒーを手にし、再び飲み始める博也。ゴクゴクッと音を立てていると全て飲み干してしまい、「ぷはぁー」と気持ち良さそうに息を吐いてから立ち上がって背中を見せた。
「悪りぃな、つまんねえ話に付き合ってくれて」
空になった缶コーヒーを左手に「じゃあ」と言わないばかりに右手を軽く挙げる。そのまま立ち去ろうと一歩、二歩と歩んで出入口の扉に右手を掛けた時……先程まで頑なに開かなかった大樹の口がようやく開いた。
「……つまんなくねえよ。
ありがとな、コーヒー飲ませてもらうぜ」
そう言ってから栓に指を掛けてプシュッと音を立てるように開封していく。そんな大樹に対して博也は敢えて何も言わずにその場を去っていった。
・
-二日後 朝
武偵高前の交差点
一昨日とは違い、曇り空が広がる……その下で大樹はヴィッツで通学していた。
どんよりとした気分の中、アクセルをグイッと踏み込んで走らせる。
ヴェヴェヴェッという汚ないエンジン音が鳴り響く……
相変わらず、全然走らないしつまらない。本当にドンガメだ。車内で「はぁ……」と小さく溜め息を漏らしつつも信号が赤になった為、ブレーキペダルを踏み込んで停車。
すると、右折車線に並ぶようにしてある車が停車してきた。86だ……カラーリングは白。パッと見た感じはノーマルだが後ろのスポイラーを見る限り、自分が乗っているグレードと同じGTリミテッドだろう。乗っていたのは20代後半ぐらいのスーツを着たサラリーマンだ。
……思わず釘つけになってしまう。
「(本来なら俺もこんなボロいのじゃなくて、86(アレ)に乗ってたんだよな……)」
そんな事を思っている最中に信号が青に変わった。ドンガメヴィッツのブレーキペダルから足を離し、アクセルをグイッと踏み込んで進む。
ここで白い86とはお別れ……そのまま走らせ続けて数分後には武偵高に到着。
いつも通りに駐車場に車を停めて降りた時、珍しい人物が近付いてきた。遠山キンジだ。
「誰かと思えば珍しいな……何の用だ?」
何も思い当たるような節もなく笑みを作りながらも問い掛けると彼は何かが書かれた資料のようなものを手渡ししてきた。首を傾げながらも読んでみると、そこには鑑識科宛の依頼と情報科宛の依頼について書かれてある。鑑識科宛の方には見覚えのある青いハンカチの写真、情報科宛の方にはお台場周辺の地図が添付されていた。
「これは……?」
「俺の戦妹の風魔が見つけてきました。
先輩、前にこの辺りで救援依頼受けてましたよね?
あと、この青いハンカチも確か前に先輩が持っていたような……」
キンジからの言葉を聞いて眉間にシワを寄せそうになる。まさか、そんなのあるわけがない……そう思いながらも確かめようと「なぁ」と話し掛けた。
「……この二つの依頼、依頼主は誰だ?」
「鑑識科の方は愛沢湯湯、情報科の方は愛沢夜夜。
二人とも双子の姉妹で1年C組の組長、"高千穂麗"の側近です」
双子の姉妹で高千穂麗の側近……彼女を置いて去る時に出てきたヘッドフォンを掛けた二人組だと真っ先に分かった大樹。無意識のうちに表情が変わっていき、徐々に難しい顔になっていく。
「先輩、高千穂との間に何かあったんすか?」
異変に気付いたキンジの問い掛けで自分がどんな表情をしているのか気付き、半ば無理矢理笑みを作りつつも「んなわけあるか」と嘘をついてはその場から離れようと歩き、背中を見せる。だが、何も頼んでもいないのにワザワザ報せに来た彼に対して何も言わないのはまずい。その思いから一度立ち止まってからゆっくりと振り向いた。
「ワザワザ報せに来てくれてありがとな、遠山」
簡潔に伝えたところで「じゃあな」と伝えて再び校舎に行こうと歩き出す。彼と少し離れたところで再び難しい顔に変わった。
捜さないでくれよ、俺みたいな一般庶民を。
その思いが頭の中で回っていく中、前日の博也の言葉ふと過ってきた。
『他人への優しさと自分への優しさのバランスを考えた方がいい。……それが互いに幸せになる方法だ』
「幸せになる方法……か」
そうポツリと呟きながらも校舎に入っていき、いつも通りに校舎に入っていく。
ぽっかりと空いてしまっている心の隙間は当分の間は塞がりそうにない。表面上での答えでは"これは駄目だ"と拒否していても、心の何処かでは"それは良い"と肯定しているその差、物事を割り切れないことから生じるこの差から心の隙間が出来てるのだろう。
これがある限りはバランスなど保てるハズもない。
どうして割り切れないんだ?
割り切ればこんな苦しい気持ちにはならないハズだ
割り切れよ、もうガキじゃねえんだ
この時、ようやく理解した。
どっちつかずという心の迷いは自らを苦しめる原因になるのだと。早い内にどちらにしようか決めよう……だが、こう考えても具体的な期日が無ければ結局のところは先伸ばしになってしまうかもしれない。
……1週間だ、今日から1週間。
それで答えを出そう、全てを決めよう。
そう心の中で決めてから「はぁ……」と小さく息をつきながらも教室に入るとあることに気付いた。
博也の姿がない。
教室内の掛け時計で時間を確認するともう少しで朝のチャイムが鳴るところまで時間が迫っていた。
「(アイツ、遅刻か……?)」
・
-同時刻
とある高貴な雰囲気の喫茶店
ヘッドフォンを掛けた愛沢姉妹の案内についていき、ここまで来た博也。共に店内に入ると通路の側面に飾られているいかにも高そうな皿やティーカップを見て思わず「ほげー……」と言葉を漏らす。
そんな中、一番奥の個室のドアの前についた。湯湯の方がドアに右手の裏を近付け、コンコンと軽くノックする。
「麗様、連れて参りました」
「-お入れなさい、お前達はもう下がって」
扉の向こうから聞こえてきた言葉に反応して素直に下がる愛沢姉妹。それを見た博也がドアを恐る恐る開けて中を確認……
そこには白いテーブルのまえで貴賓溢れる黒いソファーに座り、ゆったりとした様子で紅茶を楽しむ麗の姿が……入ってきたのを確認すると共に開いている対面のソファーに向けて手のひらを見せるようにして彼を誘導する。
「どうぞ、向こうにお座りになって」
麗が年下であることは知っていたが、その優雅な様に「お、おう……」と少し困った様子を見せてしまう。
とりあえず、言われた通りに対面に座ると彼女はとある資料を見せてきた……大樹に関する資料だ。
「原田大樹先輩……御存知ですわよね?」
彼女の言葉と共に資料を手に取って読むと小さく頷く博也。ここで何の為に呼んだかは何となく理解出来たが、確認も兼ねて問い掛けてみた。
「学校を休ませてまで俺を呼んだ理由ってのは……
大樹に関しての情報を聞くためか?」
その問い掛けに対して「そうですわ」と答えてから紅茶を一口飲む麗。飲んでからチャキッとテーブルの上にティーカップを置いては紅茶の水面に目を向ける……
静かにゆらゆらと揺らめく水面に映った自分の顔を眺める彼女の表情を見て博也は「……。」と数秒程間を開けた後に単刀直入に問い掛けた。
「好きになったのか?」
その言葉を聞いて顔をゆでダコのように真っ赤にさせながらも「そ、そそ、そんなことないっちゃっ!!」と首を勢い良く横に振る麗。
しばらく経ってから「オフン……!」とわざとらしく咳き込んだ後に何処か寂しげな様子で両手を重ねるように膝の上にのせて答えた。
「ただ、原田先輩と……お友達になりたいだけですわ。
あのような素敵な御方と」
「素敵な御方……?」
「ええ……
先輩も御存知であるかと思われますが……
先日、わたくしはとある組織に追われて危機的状況に陥りました。携帯で救難信号を出しながらも逃げるも時刻は夜遅く……誰も拾ってくれるような気配はなく、わたくしは途方に暮れて気を失い掛けていました。
その時、1台の車がわたくしの近くで止まると共に一人の男子生徒が降りてきました。わたくしはその御方の顔を見ることが出来ずに気を失ってしまいます。
……次に目が覚めた時、わたくしは自室のベッドいました。その時は何があったのか理解出来ませんでしたが、鑑識科と情報科に調査依頼を出すとはっきりと分かったのです。
"原田大樹"という三年の先輩がわたくしのことを懸命に守って下さったということが……」
どうして関係を築きたいのか話した後に再び紅茶に手を伸ばす麗。その時、コンコンッというノック音と共に誰かが「失礼します」と入ってきた。この店のウェイターのようだ……頼んでもいないのに手に紅茶を持っている。
「あれ、頼んでないよな……?」
「わたくしが事前に用意するように伝えておきましたわ」
麗の言葉と共に紅茶を博也の前に静かに置くウェイター……置いた後に丁寧に「失礼しました」とお辞儀して部屋から出ていく。
「どうぞ、お飲みになって」
そう言われてから紅茶を飲もうとすると彼女が更に資料を出してきた……"麗のお友達ゲット大作戦"と大きい見出しが書かれた薄い資料だ。頭上に?を浮かべながらも紅茶を半分飲み終えたところで静かに手にとって読んでみる。
「わ、わたくしが考案した原田先輩に対するアプローチ作戦ですわ……いかがですか?」
問い掛けてくる麗に対し、全て読み終えた博也は額から冷や汗を流して固まっていた。
あまりの出来の悪さからだ……どうしてこうなるのかが分からずに頭を軽く押さえて「全然駄目だ」と溜め息混じりに答えてから内容についての指摘を行った。
「まず、一番最初の道端にバラ置くっていうやつ……
こんなのされたら、惹かれるどころか"ドン引き"されるぞ」
「そ、そんなはずが……!?」
「……逆の立場になって考えてみろ。考え方によっては"嫌がらせ"と捉えられるぞ。
それから、招待状を送って自分の家に招待するっていうやつ。手段としては悪くないかもしれないが……今のアイツの状態を見る限り、この招待には乗らないだろうな」
作戦の内容を次々と指摘されて眉間にシワを寄せる中、今のアイツの状態という単語に反応した麗。どんな状態なのか分からなかった彼女は先程までの様子と徐々に変わり、恐る恐るその内容について問い掛ける。
「今の状態とは……」
静かに紅茶をもう一口飲み終えた博也に問い掛けると彼は頭の中でとあるものを浮かべて答えた……屋上で一人悩んでいた大樹の姿だ。
「アイツ、自分の表面上ではお前とはもう接点持たないって言ってんだが……
実際のところは心の中で葛藤してるんだ。
ただの一般人に過ぎない自分がお前みたいな御嬢様と接点を持っても良いかどうかって……
だから、殻さえ破ってやればチャンスはある」
「殻……?
わたくしにそんなことが出来るのでしょうか……?」
珍しく弱気な表情を見せる麗。彼に対して相当本気なのだろう……そんな彼女を見兼ねた博也は溜め息混じりの声で「仕方ねえな」と呟きつつもこんなことを答えてきた。
「……手伝ってやるよ」
「ほ、ほほ、ホントですことっ!?」
「ああ、大船に乗ったつもりで任せな」
・
-六日後、とある公園 昼
大樹は制服姿で直った86に乗ってここまで来た。
付近に車を停め、ゆっくりと降りては奥の滑り台の方へと向かう……
「キャキャ!ワーワー!!」と辺りを走り回る子供達の楽しげな声が聞こえる中、彼は何処か哀しげな表情になっている。……この場所は麗を救出したあの公園だ。
本当は来たくなかったが、今日受ける依頼の呼び出しで仕方なく来たのだ。
小さく足音を立てながらも公園の奥にある木々の方まで移動し、とある一本の木の前で立ち止まる。
気を失っている麗を見つけたあの木の前だ。
無意識のうちに立ち寄ってしまった自分に対して「はぁ……」と小さく息をついていると、後ろから足音が聞こえてきた。
依頼主か……?
その思いからゆっくりと振り向くと、そこにはいない筈の人物が……
高飛車そうな雰囲気の目付きと貴賓がある金髪のロングヘアーの女子武偵生。
通常の制服とは違い、所々に大人びた改造制服を着ている……高千穂麗だ。
「初めまして……と言った方がよろしいでしょうか?」
「高千穂…麗……!?」
いきなり目の前に現れた姿に状況を把握出来ず、携帯を取り出してメールを開いては依頼内容をもう一度確認する大樹。そんな彼に対して麗の方は少し溜め息混じりの声で自分の携帯を見せながらもタネを明かした。
「依頼主はわたくし……
その依頼メールに書かれている名前は偽名ですわ」
どういうタネだか分かると共に俯くようにしながらも「帰る……」と小声で呟いて彼女の横を通り過ぎようとする大樹。だが、麗はすれ違い際に「あら……」と妖艶な笑みを浮かべてそんな彼を追い込むような鋭い一言を口から放った。
「一度受諾した依頼をお辞めになさるつもり?
わたくしの報告次第では成績に響きますわよ」
その一言が耳に突き刺さると共にピタッと足を止める大樹。
冷静になって考えてみれば、確かに彼女の言う通りだ。
ここは一本取られた。仕方ない……
そう割り切った彼は渋々と言った様子で彼女の方に振り向いた。
「分かった……で、どうすればいい?」
「とりあえず、ドライブに行きたいですわ。
もちろん、貴方の車の"助手席"に乗って」
上手いこと先手を取って優勢な麗に対して歯向かうことも出来ずに「分かった」と答えては86の助手席まで案内する大樹。
"麗のお友達ゲット大作戦"が今まさに始まった……!
-------------------------
※オマケ
とある真っ白な空間
別名・『ZANGE☆部屋』
ここは神?によって呼び出された登場人物が神?と読者達に対して懺悔を行う場であるッ!!
??
「懺悔、懺悔ー♪
本日のガッカリなお人はこの御方ですわ♪」
博也
「なんか、呼び出されたけど……ここ何処だ?」
??
「おー、迷える子羊よ。
ようこそ、ZANGE☆部屋へ!!
ここはこの小説を読んで下さっている読者様ときりn……ゲフンゲフン!!
神?に対してZANGE☆を行う場所ですわ!」
博也
「あれ、この声……どっかで聞いたことが」
??
「余計な推理は無用!神の雷を受けるがいいですの!」
バギャン!!!
博也
「うお……!?
なんか雷みたいなのが落ちて来たんっすけど!?」
??
「早く懺悔なさい!ジリ貧ポエマーヒロ助ッ!!」
博也
「勝手に変なアダ名付けんじゃねーよ!!
てか、ポエマーって何だよ!!?」
??
「貴方……
最近、人生を語るようなポエムばっかり語っていますわね。
"高三のガキのクセして、人生論を語るんじゃねーよ!"
と言った感じにきっと読者様もお怒りになられていますの」
博也
「何がだよ、てか……ポエムって何だよ」
??
「あら、自覚無さっていない様子ですわね。
貴方の台詞に一言付け加えたり、語尾をカタカナにすると一発で分かりますわ」
録音後に編集した音声
『クククッ……車のチューニングもそうダ。
サーキットでいいタイムを出すには足回り、パワー、ブレーキ、駆動系……全てのバランスが重要になる。どれかが極端に長けていても他がそれについて行けなければいいタイムは叩き出せないのヨ。
こうして見ると、世の中ってバランスが重要なものばっかだナ』
??
「ほら、湾○ミッドナイトっぽくなりましたわ。
貴方は地獄のチューナーでもないし、悪魔の車を乗りこなす選ばれしドライバーでもありませんわ!」
博也
「確かにそれっぽいけど、編集してるからこれはノーカウントだ!!」
??
「お黙り!作者のみっちーに謝罪なさいッ!!」
博也
「おい、勝手にアダ名つけんなよ!!
お前の方こそ今すぐ楠み○はる先生に謝れっ!!
土下座しろ!焼き土下座ッ!!」
??
「往生際が悪いですわね~。
そんな貴方にはもう一度、神の雷を……キャフンッ!?」
バサッ
麒麟
「あわわ、カモフラージュ用の布が……!!」
博也
「おい」
麒麟
「へ?」
博也
「覚悟……出来てんだろうなァ?」
麒麟
「あ、あははは………!!
みぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
・
-三日後、教室
ライカ
「最近、麒麟の奴みないな……」
あかり
「何かあったのかな?
毎日のようにこの教室に来てたのに……」
その後……
1週間ほど学校に来なかったという島麒麟。
彼女身に何があったのかは分からないが、久々に学校に来た彼女は三年生の男子が通りすがる度に酷く震えていたという。
-つづく?
どうも、350Zです。
今回初めてオマケを書きました。
私の勢いと気分で書いたものです……
湾○ミッドナイト知らない方、ごめんなさい←ZANGE
さて、第三話……
ついに麗様が動き始めました!!
原作の麗様は自分のみで作戦を考案してあかりの心を奪うとしていましたが……
まあ、今回は何せバックに"ジリ貧ポエマー"がいるんで変な展開にはならないでしょ!!←たぶん
これからどのように作戦が展開されるか……?
気になるところかも知れませんが、それは次回までお預けです!!
さて、ここからは私のプライベートの話です。
先週末、私の仲間が車を購入しました!
(パチパチパチ)
購入した車種はスープラ!もう少しで納車とのこと!!
オメデトー!!
だが、しかし……一つだけ心配なことが。
それは……
スープラはスープラでも最終型の80ではなく、30年近く前に作られた70ということ!!
昔ながらのカクカクっぽいデザイン、ヘッドライトはリトラクタブルタイプ(開閉式タイプ)!!
うひょー、パーツあるカイナ!?
同じ年代に作られた車でもAE86は根強い人気があるからいいだろうけど……
70スープラはそこまでって程でもないからなぁ……
(私は実際に走っているところを見たことがない←)
まあ、エンジン系パーツは1JZという長きに渡ってトヨタを支えたエンジンだからあるだろうけど……
問題はそれ以外ですよ、それ以外!!
もう、純正なんて売られてないんじゃない?
本人にも伝えましたが、それも承知とのこと←
ピャー!スゲーわ、コイツ……!!
まあ、近日中に納車するみたいなので納車時には試乗レポートしたいなぁ……なんて思います
(試乗中に壊れるのだけはマジ勘弁な!!)
以上、350Zからでした!!
P.S
感想、投票ドンドン来てください!御待ちしてます←