遊戯王デュエルモンスターズ2nd~武藤遊己編~   作:エア_

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僕は儀式使いやで


第一話~無駄な時間

デュエルモンスターズ。それはカードゲームのこと。ゲームといえばこれが最初に出てくるほどメジャーなゲームだ。世の中は殆どこのデュエルモンスターズで解決できるといって良いほど人気でありプロのリーグがあるほどだ。

 

かくいう僕の父【武藤遊一】もプロのデュエリストであり、そのプロの集う大会で優勝を果たした有名な人だ。何でも、キング・オブ・デュエリストと呼ばれる称号を手に入れ、世界の注目の的になっていた。その後病で倒れ早死にしたが、デュエルが圧倒的に強く、テクニックも優れていたためか、今でも僕の父の名前はよく世間で耳にする。煩わしいくらいに。

 

こんな言い方をしているからわかるように、僕は父が嫌いだ。ついでにデュエルモンスターズなんてのもあまり好きじゃない。寧ろ近づきたくもないくらい嫌いだ。このカードゲームのせいで僕は世間では武藤遊一の血を継ぐ決闘者だとか、武藤遊一の遺産だとか無駄に豪勢な二つ名を与えられた。正直迷惑である。寧ろ嫌味にしか聞こえない。

 

「・・・・・・行ってきます」

 

「・・・・・・遊己、大丈夫なの? 行きたくないなら別に行かなくても」

 

「大丈夫だよ母さん。とりあえず母さんは体を休めて。今日はテストがあるから明日休んで母さんの手伝いをするよ」

 

「私のことなんていいのよ。遊己が一番なんだから」

 

父を嫌いになった最もな理由はこれだ。勝手に早死にしたおかげで大好きな母は病でとこに付いた。今は僕が身の回りのお世話をしている。お手伝いさんなんて何しでかすかわかったものじゃない。一応金目のあるカードを盗まれでもしたら売れないからだ。寧ろさっさと売って遠いところでカードなんて見ない自然豊かなとこに引っ越したいが、母()大好きな父のいた思い出を手放したくないからか渋っている。学校もここいらでは有名だし、僕の将来のためも考えてくれるのはわかる。その学校のおかげでこんな難しい思考も中学生だというのに身につき、バイトでも大人びていると茶化されつつも信頼を得ている。すべてが悪いわけじゃない。でも僕にとっては父こそが最大の悪夢なのだ。正直母が可哀想である。僕よりも酷い状態なのだから。

 

「じゃあ行ってきます。なるべく早くに帰ってくるよ」

 

「えぇ、車には気をつけてね。もしもの時は母さんすぐ駆けつけるから」

 

「大丈夫だって。僕にとっちゃあ母さんのほうが心配だよ」

 

そう言って僕はさっさと家をでて鍵を閉めた。泥棒でも入られたらどうしようも出来ないからだ。鍵を閉めたらセキュリティーは万全なのだが、鍵を開けっ放しだとどうもセキュリティーがうまく作動しないため鍵は閉めておかないといけない。いや都市に住んでるんだし戸締りは当たり前か。

 

「あ、遊己おはよう!!」

 

「ん? ・・・・・・あぁ、なんだ雪音か。おはよう」

 

「なんだとは何よ。遊己が登校するときはいっつも一緒でしょ」

 

「・・・・・・そんな気がする」

 

この女は雪音。僕の幼馴染だ。父子家庭で育った剛力女だ。男顔負けの喧嘩強さで小さい頃は僕の前に現れてた近所の悪ガキを全員コテンパンにのしていたほどだ。残念だがこいつもデュエリストで僕の苦手なカードが好きな奴だ。まぁ僕のことを知っているから僕の前では殆どと言っていいほどカードを出すことはない。

 

「・・・・・・遊己のお母さんは大丈夫?」

 

「・・・・・・今日も無理してたよ。早く学校終わらせて帰りたい」

 

「今日は私も行っていい? そうだ! お土産にケーキ持っていこうか」

 

「ケーキって、一応病人だぞ。重たいもん食べられるかよ」

 

でもどこか抜けてるところがあり、少々困り者だ。こんなんじゃ将来ろくなことにならないな。絶対変な知識を身につけてくるに違いない。なんかわかる。

 

「でもお医者さんにも栄養はちゃんと取れって言われてるんでしょ? 多少重くても」

 

「わかってないな。重たいもの無理矢理食べて吐いたらどうする。後片付けは別に大丈夫としてもショック受けて寝込んだらどうする」

 

「あぁ~、ありえそう」

 

「もし持って来るならフルーツにしてくれ。あれは案外軽いから」

 

納得したのかメモ帳にフルーツと書いてた。別に持って来いってわけじゃないんだがなぁ。まぁ貰えるもんは貰っておいて損はないか。

 

「そう言えば遊己・・・・・・今日のテスト大丈夫なの? だって今日のテストは」

 

暫く歩いていると雪音がそう尋ねてきた。すぐに母がした心配と同じことかと言うことを理解した僕は長いため息を吐く。

 

「・・・・・・デュエルだろ? どうせやる気もないしテキトーにやるだけだろうね。と言うかカード名覚える暇があるなら数学覚えたほうがいいだろうに何考えてんだか」

 

「一応私達はデュエリストコースなんだけど」

 

「僕は一般科で受験したんだ。勝手に学校側が変えやがって・・・・・・全額免除じゃなかったら訴えてたよ」

 

このように、今日母が心配していたのはデュエルの試験だ。そもそも一般科で普通に就職を考えてた僕は1ヶ月に一度行われるデュエル試験なんか参加するつもりは毛頭なかった。だが態々改ざんしてまでデュエリストコースなんぞに受験させた学校の失態を隠すために2~3ヶ月に一度でいいからデュエルをしてくれと土下座までされた。それで免除も付いたんだ。我慢してやることにした。むしろ僕をデュエリストに仕立て上げる気満々のあの校長を殴らなかっただけ僕は温厚だと思う。この隣にいる奴なら殴ったうえで金払わせて免除させそうな勢いだ。多分しないと思うけど。

 

「・・・・・・せっかく組んだデッキなのに」

 

「僕は散らばってたカードをただ集めて上から40枚取っただけだ。こんな紙切れに何が出来る。と言うかする気力もないね」

 

「・・・・・・まぁ、仕方ないわね。遊己自身が決めたんだし。でも私のことは応援してよね。今日こそ成績トップ目指すんだから」

 

「はいはい。拍手くらいは送ってやるよ」

 

おっと、もうすぐ学校だ。また面倒くさい一日が始まるのか・・・・・・はぁ、こんな学校潰れちまえばいいのに。

 

 

 

 

何て言って潰れることなく、ついにデュエル試験が行われようとしていた。試験会場は学校の体育館より広いデュエル専用フィールド。完全な金の無駄遣いである。今日は先生が相手らしいが正直かったるい。前回は僕とクラスの主席が戦わされたんだっけか? まぁ数ヶ月も前の話だ、覚えてるわけもない。

 

負けようがなんだろうがさっさと終わるならどうでもいい。何故サレンダーが出来ないのか未だに謎である。導入はされてたはずなんだ。数百年前まではさ。

 

「ではカードをデュエルディスクにセットしてください」

 

「・・・・・・セット完了」

 

「ライフは4000同士です。では行きますよ! デュエル!!」

 

「・・・・・・デュエル(何で態々叫ぶんだよ。煩いっての)」

 

何故かテンション上げ上げの先生。確かアンティークデッキだとかを使ってるんだけか。雪音が言ってた通りならアンティークデッキは学校教諭の中でも真に認められた人がどうたらこうたらだったか。正直途中から聞く気が失せたから何言ってたかわからないが。

 

ソリッドヴィジョンという機械で、モンスターが立体で召喚されるんだとか。そのためデュエルの時は野次馬がよく現れる。耳にするのは僕への罵倒がメインだな。真面目にしろとかなんとか・・・・・・僕の勝手なんだから文句を言ってほしくはないな。野次馬は帰れ。シッシッ。

 

「先攻は私が行きます。ドロー!! フィールド魔法【古代の機械城】を発動します。これによりモンスターが通常召喚されるたびにこのカードにカウンターが乗ります」

 

フィールド魔法の発動により、なんか歯車で出来た城が現れた。正直デュエルモンスターな時点で冷めてる僕からすればどうでもいいことで、驚かない僕の顔を見て先生が少し怒ったような顔をする。

 

いや、どんな反応しようが別にいいじゃんか。寧ろなんか反応もとめるなよ。面倒くさくて息もし辛いわ。

 

「・・・・・・私は【古代の機械戦士】を召喚。ターンを終了します」

 

フィールドに機械の兵士が現れこちらを見つめてる。ロボットなのだろうけど生きてるみたいだな・・・・・・。で、次は僕の番か。正直やりたくないからサレンダーしたいんだが、やはりサレンダーなんてものは遥か昔にルールから消え去ったせいで逃げられない。

 

「僕のターン、ドロー。ターン終了」

 

「はて、デッキ事故ですか? 重たいデッキではちゃんと回せませんよ遊己君」

 

なんかまたテンション上がったのかそんな事を言ってくる先生。先生は僕が一般科志望の人間だっての知らないのか? だとしたらこの反応はわかる。闘いたくはないよな、やる気のない奴とゲームなんてしても面白くないもんな。僕はこのゲームの存在自体が嫌いだからそもそも面白いなんて思ったこともないよ。

 

「では遠慮なく行きますよ。ドロー!! おぉ、良いですねぇ。カードを一枚伏せ、魔法カード【手札抹殺】を発動します。互いに手札すべてを墓地に送り、墓地に送った枚数分ドローします。私は3枚ドローします。遊己君は6枚ですね」

 

先生に言われたとおり6枚墓地に送って6枚ドローした。まぁそれだけでカードに視線を向ける気なんてさらさらないんだよね。さっさと終わらせてくれないかな。って思ってるとディスクが効果を発動したことをブザーで教えてくれた。

 

【災いの像】相手の効果で手札から墓地に送られた際、相手に2000ダメージを与えるってのか。へぇ~すっご~い。

 

「・・・・・・あ、【災いの像】の効果で2000ダメージです」

 

「何!? ・・・・・・迂闊でした。ですが良い手ですね!」

 

いや、こっちはカードも見たくないんだが。てかなんでそこまで悔しがるんだよ。これほんとに上から40枚取ってきた紙くずだぞ? こんなん燃やせば灰になる紙だぞ? 何でこんなので熱くなるんだ?

 

[・・・・・・ま・・・・・・な・・・・・・]

 

[し・・・・・・ろう・・・・・・に・・・・・・が・・・・・・]

 

ついには幻聴まで聞こえ出す始末である。本当にやめてほしい。デュエルモンスターが嫌いすぎて幻聴まで聞こえるとか精神疾患者じゃないか。果てには幻覚まで見えそう。誰だよこんなゲーム作り出した馬鹿野郎は! あ、もう何世紀も前に死んでるんだったな。

 

「ではセットしておいた魔法カード【古代の整備場】を発動します。効果は墓地に存在する【古代の機械(アンティーク・ギア)】を手札に加えること。私は【古代の機械箱】を手札に加えます」

 

うわぁ、すっごい嬉しそうだよこの先生。こっちとのテンションの差が半端じゃあない。何か罪悪感が満載だ。先生からしたら僕は頑張る学生なのか? 残念だけど僕はデュエルモンスターズが嫌いな人間なんだ。だましてるようで悪いが、謝るつもりもない。文句は校長に言ってくれ。

 

「ではドロー以外で【古代の機械箱】を手札に加えたことで【古代の機械箱】の効果を発動! デッキから【古代の機械箱】以外の攻撃力または守備力が500の機械族・地属性モンスター1体を手札に加えることが出来ます。私は【ギアギアングラー】を手札に加えます。【ギアギアングラー】を通常召喚します。【ギアギアングラー】の効果でデッキから【ギアギアクセル】を手札に加えます。そして【ギアギアクセル】の効果を発動します。フィールド上に【ギアギア】と名の付いたモンスターが存在するとき、このモンスターを守備表示で特殊召喚できます。カードを二枚セットし、ターンを終了します」

 

気が付いたらフィールドにモンスターが三体いたわ。てか一人ひとりのターンが長すぎな。こんなのよくもまぁ人気が出たな。

 

「ドロー、ターンを」

 

「待ちなさい遊己君」

 

ターン終了すら待てと言われた。本当に何なんだよ、先生が強いのはわかりましたからさっさと終わらせてくださいってんだ。

 

「相手への牽制としてカードをセットするのが得策です。モンスターをセットして壁として使い、魔法、罠カードをセットして迂闊に攻撃させないようにする。君は授業で何を習っていたんですか?」

 

数学とかですが!? 一般教科ですが!? デュエルとかしたくないんだって!! 何でこの教師は僕の事情を知らないのかな? 何かほんとに怒った顔してるぞ。困るんだよねぇ・・・・・・伝えとけよ校長。

 

って噂の校長が現れたぞ。しかも顔真っ青で体震わせながらこっち見てやがる。教頭なんか口笛吹きながら明後日のほうを向いてる。後で文句言ってやる。

 

「・・・・・・モンスターをセット、カードをセットしてターン終了」

 

「ではエンドフェイズ時に【サイクロン】を発動します」

 

あ~あ、せっかく言われたとおりにセットしたカードが・・・・・・どんな効果のカードか全く覚える気がないから知らないけど。

 

「ふむ、【聖なるバリア-ミラーフォース-】ですか。危なかったですね。もしも攻撃していれば自分のフィールドの攻撃表示のモンスターがやられていました。ではドロー!」

 

先生は勝利でも確信したのかすごい笑顔でカード見ている。あの、貴方一応先生ですよね? 生徒ぼこってそんなに楽しいの!? やっぱデュエルモンスターズ嫌いだわ。

 

「伏せていた罠カード【強欲な瓶】です。これでドローをします」

 

さらにカードを一枚手札に加える。まだ揃ってないのか少し顔を歪ませてるけど僕からすればさっさと終わらせてもらいたいところなんだよなぁ。てかさっきから一喜一憂が激しくてこっちがだるい。

 

「仕方がありません。ここはバトルです! 【古代の機械騎士】で伏せモンスターを攻撃!!」

 

伏せられたモンスターが先生のモンスターによって破壊された。で、また効果が発動してブザーが鳴る。今度はなんだよ。

 

「【デス・コアラ】のリバース効果? 発動します。相手の手札一枚に付き400ダメージです」

 

「何!? わ、私の手札は5枚。と言うことは」

 

「2000ダメージですね」

 

なんかデュエルにまた勝った。

 

不本意な勝利だよ。野次馬がまた勝っただの何だの言ってる。校長たちはほっとしてるけど後で覚えてろよ。

 

「遊己――!!」

 

で、後ろのほうから雪音の声がする。はぁ、見られてたのか。しかも嫌なタイミングだ。

 

「教師に勝つなんてすごいじゃない!! おめでとう!!」

 

「正直二度とやりたくない。てか気がついたら勝ってた」

 

「遊己はドロー力が高いのね。確かにやりたくなくてもデッキは貴方のために戦ったのよ。だから貴方のための最善のカードがきたんじゃない?」

 

「なにそれ、もしそうならインチキじゃね?」

 

なんて事を話してたらさっきの対戦をしていた先生が近づいてきた。何か嬉しそうな顔してる。でも悔しそうにも見えるんだよなぁ。

 

「武藤君。おめでとうございます。まさか武藤君があのようなテクニックを使うとは思っても見ませんでした。改めて素晴らしいデュエルでした。これからも頑張ってくださいね」

 

眩しい。先生の顔が眩しくて直視できない。罪悪感と言うのだろうか、そんなのを感じてる。ほれみろ、雪音も何か強張った笑いか足してるじゃないか。無知は罪だと言うが、これは寧ろ可哀相だ。

 

よし、デュエルも終わったしさっさと帰ろう。母のために飯を置いてきたとはいえ、流石に心配だ。早く帰って面倒見ないと。

 

「そんなせっせと帰らず待ってくださいよ、校長先生」

 

「ギクッ!? は、はい! どうかしましたかな? 武藤遊己君」

 

ちょっと面かせ。言いたいことがある。

 

 

 




主人公は武藤遊戯の子孫故か、一時的にも意識を共にしたアテムのドロー力が付与されてます。と言っても彼のように引きたいものが引けるわけではなく、【デッキのカード達が彼のためにその場の最善のカードを引かせようとする】って感じです。正直無茶苦茶なものです。と言うか難しく考えてません。テメェ等満足しようぜ。
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