ソードアート・オンライン 一人の騎士として   作:ロア

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3話

 光が収まると、周囲の景色が一変していた。

 

「っと。あれ、ここは……」

「はじまりの街だな。最初の広場だ」

 

 俺がこの世界にダイブした際、最初に降り立った街。その広場は多くのプレイヤーに埋め尽くされていた。

 が、そのプレイヤー達の表情は険しい。これでログアウトできるのか、という言葉を隣にいる男が発したが、意味はわからなかった。

 

「テレポートさせられたのかな」

「みたいだが……なんでだ?」

「うーん……あ、レイに聞けばわかるかも。探してみる」

 

 ソーヤが言うと同時にメニューを開く。俺達三人はフレンド登録をしているので、相手がログインしていればどこにいるのかわかるし、メッセージも飛ばすことができる。

 

「えっと、フレンド……あれ?」

「どうした?」

「レイが……居ない」

 

 どういうことだ、と聞き返すより前に、

 

「あっ……上を見ろ!」

 

 誰かがそう叫び、俺達も思わず声にしたがって見上げた。

 

「システム……アナウンス」

 

 俺はそこに表示されている英文を読み、運営のアナウンスか、と当たりをつける。

 となりではソーヤが未だにフレンドリストとにらめっこをしている。

 

「やっぱりレイ、居ない。名前に触れても反応しないな。ログアウトしちまったのかな?」

 

 俺は首を振った。よくわからない。急に街に戻され、レイも見付かりそうにない。状況が上手く理解できない。

 

「……あれ、GMかな」

 

 ソーヤの呟きに、もう一度見上げると、深紅のローブが空に浮かんでいる。大きさは俺達とは比較にならないほど大きく、ローブの中身は空っぽだ。

 そんなローブが身ぶり手振りを交えて話す内容を、最初から最後まで真面目には聞いていなかった。レイを探そう、とソーヤに裾を引かれ、反応しないフレンドリストに頭を抱えていたからだ。

 しかし、そんな話し半分でも、聞いた内容からわかりやすく話を纏めると、

 

『あのローブはゲームマスターであり、SAO開発者の茅場晶彦』

『ログアウトできないのはSAOの仕様であり、最上層である百層までクリアすることでログアウトできる』

『外部接触によりナーヴギアを取り外そうとした場合、ナーヴギアによって脳を破壊され死亡する。今現在二百十三名が死亡している』

 

 脳を破壊され死亡、という言葉に、俺達は眉をひそめた。どういうことなのだろう。

 そもそも、ログアウトできないというのはなんだろう。そう考えてメニューを操作すると、確かに『ログアウト』の項目が消えていた。

 そして、この瞬間。俺とソーヤにとって悪魔じみた宣言がなされることとなった。

 

『今後、ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に――諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される』

 

 つまりは、この世界でやられたら俺達は死ぬ、と言っているのだ。

 俺がその言葉を理解し、実感する前に、頭上のローブが話を続ける。

 ゲームから解放されるにはSAOの舞台である浮遊城『アインクラッド』の攻略・クリアのみ。

 そんな事を言ったとして、やはりゲームのデモンストレーションか何かだと考えるしかない。

 

『それでは、最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれ給え』

「アイテムストレージ?」

 

 周りのプレイヤー達がメニューを開き、操作している。俺もつられて同じように操作し、アイテム欄を開く。

 さっきネペントから取れた素材に紛れて、漢字二文字のアイテムが追加されている。

 『手鏡』。俺はこの世界に来てから店では武器しか買っていないし、モンスタードロップにもこんなアイテムは無かったはずだ。その二文字をタップしてみると、俺の右手に文字通りの鏡が実体化される。

 

「ん……ああ、俺か」

 

 金色の少し逆立った短髪。西洋人然とした顔。俺がキャラメイクで作ったあの顔だ。

 鏡なんてなんになる、と考えて顔をあげると、隣のソーヤが微動だにしていないことに気付いた。

 

「ソーヤ――」

 

 名前を呼んだ途端、ソーヤが……いや、俺も含めたプレイヤー全員が白い光に包まれた。二、三秒で光は消え、なんだったんだ、とソーヤを見ると、――奇妙に整った顔だったはずの――ソーヤの顔が、普段なら眼鏡をかけている、物腰の柔かそうな少年のものに変わっていた。これは、現実のこいつの顔。毎日のように会い、話し、遊んでいる蒼斗(・・)と同じ顔。しかし、ソーヤはそれでもなんの動きも見せなかった。流石に様子がおかしいことに気付いた俺は手鏡を仕舞って話しかけようとし、違和感に気付いた。

 もう一度手鏡を見る。そこには俺の顔が映っている。

 

「……俺の顔?」

 

 そう、『俺』のものである。『セドリック』のものではなく、現実の俺。

 西洋人然とした顔ではなくなっていた。基本的に外見について良くも悪くも何か言われることは無いので、『普通』だと認識している現実の俺の顔。

 回りを見ると、隣で愚痴を吐いていた整った顔の青年は角張っていて細長い、不健康そうな顔になっていて、俺の前に立っていたはずのツインテールの少女は、服装はそのままに小太りの男性へと変化している。その格好に、思わず出そうになった驚愕の声をすんでのところで抑える。

 回りを見渡せば見渡すほど、ファンタジー世界の住人はどこにもいなかった。俺の――『セドリック』のような騎士らしい精悍な男性も、誰も。皆、日本を歩けばその辺を歩いていそうな人間しかいない。見た限りでは、平均身長も低くなっているように思う。俺と同じくらいの身長の人間は、あちこちにぽつぽつと見えるだけ。数えるほどしかいない。

 

「これが……」

 

 あのローブは現実、と言った。これが、現実なのだろうか。これが、俺達プレイヤーの現実だというのか。

 俺はローブがこれから話す言葉を一字一句逃さずに聞いた。なぜこんなことをしたのかを判断するために。しかし、与えられた情報はこれだけだった。

 『目的はこの世界を創り出し、観賞するため』。俺には、その意味がよくわからなかった。ゲームを作るだけ作って、プレイヤーに攻略を強制して、これが現実だと語って。そんな世界を『観賞するため』と言った。

 それだけが目的で、既に達成されていると。

 

『……以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の――健闘を祈る』

 

 それだけを伝え終えると、ローブはゆっくりと消えていった。

 周りのプレイヤー達が、大声をあげた。悲鳴をあげた。怒声が響き渡り、先のローブを罵倒する。

 

「――なにを」

 

 俺はそれらの声にたいして関心を持たず、なにを言ってるんだ、と俺は呆れた。馬鹿馬鹿しい、と口にしようとして……隣のソーヤの表情にやっと気付いた。

 無表情だった。しかし、何も考えていない状態では無い。ぼうっとしているのではなく――混乱している?

 周りの騒乱にかき消されないように、俺は顔を寄せて話し掛ける。

 

「ソーヤ、どうした」

「ログアウト、出来ないんだよな」

「らしいな。確かに、ログアウトのボタンが存在しない」

「ナーヴギアを外から外そうとしたら死ぬんだよな」

「そう……言ってたな」

「HPがゼロになっても、死ぬんだよな」

「――っ」

 

 俺は息を呑んだ。HPがゼロになったら死ぬ――それが本当なら、あいつ(レイ)は?

 

「ねえ、セドリック。今のってチュートリアルなんだよな。()()()()()()()()()なんだよな? さっきの二百何人の死んでる人は、外からナーヴギアを剥がされそうになって死んじゃった人なんだよな?」

「……ゲームの話だ」

「でも現実って言ってた。お前の顔も――『セドリック』のものじゃない」

「――あいつを探そう」

 

 俺は震える声でそう言った。フレンドリストを開き、『ray』を探す。俺のフレンドリストにはたった二つしか名前は並んでいない。『soya』と『ray』の名前はある。しかし、レイの名前は押しても反応しないグレーに変わっている。

 

「レイ……レイッ!」

 

 ソーヤが唐突に叫んだ。声が裏返り、擦りきれてもなお、やめようとはしなかった。

 

「レイッ! レイ――一輝(かずき)! どこ!? 兄さんっ!」

 

 その場で天を仰ぐようにして叫び続ける。辺りに渦巻いていた怒声や悲鳴とは比べ物にならないくらいの悲痛さで、俺だけでなく、周りの十数人のプレイヤーがソーヤの悲鳴に気を取られている。

 その悲鳴に、その悲痛さに。『兄さん』と泣き叫ぶソーヤの事情を察したらしい。他のプレイヤーが悼むような表情になり、それが伝染していく。

 このままでは、まずい。俺はソーヤに駆け寄り、正面から両肩を掴んだ。

 

「ソーヤ」

「死んでないよな!? 兄さん――一輝は生きてるよな! だって、さっきまで一緒に笑ってたんだぞ! さっきまで憎まれ口叩いてたんだぞ!?」

「蒼斗ッ!!」

 

 俺は声の限り怒鳴った。実名を呼ばれたことと、普段まったく怒鳴らない俺の声量に驚いたのか、ソーヤはびくっと身体を震わせて止まった。

 

「いいか。もしかすると、一輝(あいつ)は――」

「ッ!!」

 

 ガツン、と。ソーヤの拳が俺の顔面に打ち込まれ、衝撃によって俺は数歩後ずさる。

 

「そんなわけない! そんなわけ――」

 

 俺の目を見て、ソーヤは言葉を切った。こんな状況で冗談やその場しのぎなど言えるはずもない。混乱しているソーヤに何を言っても聞き入れて貰えないかもしれない。

 それでも、誤魔化しきれないことが今起こっている。

 

「……ソーヤ。いいか。レイは――死んだかもしれない。チュートリアルなんて聞く暇もなく、それこそ、なによりも、誰よりも理不尽に」

「――ぅ、あぁ……」

 

 俺の言葉に、膝から崩れ落ち、大粒の涙を溢した。

 

「――宿屋へ行こう。少し休もう。ここは人が多いから」

 

 俺はソーヤの肩に手を乗せ、はじまりの街にある小さな宿屋へ歩き出す。

 こちらを見ていたプレイヤー達へ軽く頭を下げ、俺はソーヤの足取りに合わせてゆっくりと進んでいった。

 

 

 

 

 ソーヤは、眠ろうとはしなかった。借りた部屋の椅子に腰掛け、頭を抱えたまま動かない。

 どれだけそうしていたのだろう。俺はソーヤの肩に触れて口を開く。

 

「ソーヤ。俺は、街を出ようと思う」

「――なんで?」

 

 ひどく掠れ、乾いた声だった。

 

「ゲームをクリアしたら、ログアウトできると言っていた。なら、少しでも前に進めば、レイの事もわかるかも――」

「なら、一人で行ってこいよ」

 

 続けてソーヤから出てきた言葉は、そんなものだった。

 

「あんなのの言うことなんて、信じられない。オレは――もう、いやだ。兄さんがいなかったら、オレはなにも出来ないんだよ」

「さっき、ネペントを狩っただろう。俺達二人で、残った5体のネペントを無傷で――」

「そのモンスターに一輝は殺されたんだぞ!」

 

 顔をあげ、恐ろしい形相で俺を睨む。

 

「あの一輝が――オレ達よりもずっと強い兄さんがやられるんだぞ!? オレ達が出ていったって、死ぬだけだよ!!」

「ソーヤ……」

 

 一輝は――『レイ』は、俺達のカリスマだった。ゲームでも常に先導し、色んな場所に引っ張ってくれた。だからこそ、頼って、信頼して、一緒に戦うことができた。

 レイがいなくなったことにより、ソーヤは拠り所を失ったのだ。信頼できる唯一無二の兄を亡くしたのだ。

 ならば――俺には、何も言うことはできなかった。

 唐突に、ソーヤがメニューウインドウを開いた。いくつか操作すると、俺の前にもウインドウが表示される。

 

「トレード……?」

 

 確か、アイテムや(コル)をお互いに打ち込み、交換・譲渡するシステムだ。何をする気かと思えば、項目がどんどん増えていく。

 ネペントの素材、最初に狩ったイノシシの素材、コル、果てには初期武器――あの時一緒に買った、ソーヤの槍とレイの棍までもがトレード欄に並んでいく。

 これは、ソーヤの持ち物とコルが全て入力されている――?

 俺が何かを言う前に、ソーヤはOKボタンを押した。素材もコルも武器も、全てが俺のアイテムストレージに収納される。

 

「ソーヤ――?」

「もう、行けよ。これ以上居たら――お前を責めたくてたまらなくなる」

 

 その言葉に、俺はぞっとするほどの寒気に襲われた。

 俺を責めたくなる。それはつまり――

 

(ああ、そうだ……)

 

 俺が……あの時レイではなく、盾を持っていた俺が『威嚇(ハウル)』で囮になり、ソーヤとレイに始末を任せて防御に徹していれば。

 俺が(・・)引き受けていれば、誰も死ななかったかもしれない。

 それを、ソーヤは考えてしまったのだ。

 だからこそ、俺を責めないためにも、すぐにここから出ていけと言っている。

 それでも、これだけは伝えなくてはならない。

 

「ソーヤ……」

 

 ぐっと俺は息を呑み、

 

「いや、蒼斗(あおと)。俺は諦めない。俺は忘れない。この理不尽に屈したりしない。だから――」

「いいから行けよっ!!」

「だからっ!」

 

 蒼斗の声に負けじと叫ぶ。びくっと蒼斗が肩を震わせ、押し黙る。

 

「許してくれとは言えない……お前に、共に来てくれとも。だが、俺は一輝のために戦う。それだけは絶対だ――じゃあな、蒼斗」

 

 俺は絞り出すように言い、部屋を出た。

 後ろ手に扉を閉めた途端、ガチャリと音がした。鍵を掛けられたのだろう。

 

「……休むか」

 

 俺はそう呟き、違う部屋で眠りについた。

 

 

 

 

 目が覚めると自分の部屋で、いつものようにあいつらと通話をしながらマルチプレイを進める――なんてことはなかった。

 昨日は18時には休んだから、目が覚めたのは朝の3時だ。しかし、それ以上眠れそうにないので、俺は部屋から起き出し、ソーヤの部屋の前で立ち止まる。

 ノックをしようとしたが、止めた。

 

「……行ってくる」

 

 聞こえないとわかっていても、俺はそう呟いた。

 街は、静かだった。昨日までの騒乱は今のところ収まったらしい。

 ところどころで座り込み、項垂れている人物も見掛ける。NPCなのかプレイヤーなのか、一見では判断がつかなかった。

 カーソルが出たということは、プレイヤーなのだろうか。

 俺はこの時間でもやっているらしいNPC商店を見付けると、素材アイテムと受け取った槍と棍を全て売却した。素材アイテムは生産系のスキルで使うとレイが言っていたが、俺はそんなスキルに興味は無いので売り払うことにした。三人分の素材は、売却すればかなりの値段になる。

 防具屋の欄を見る。今の金額で余裕を持って買えるのは、『ブロンズアーマー』一式だった。鎧と手甲と脚甲を買っても、コルに余裕はある。

 しかし、装備不可能とアイコンが表示されている。

 まさか、と俺はステータス画面を開き、スキルを見る。スキルには二つの装備可能欄があり、その両方は剣と盾で埋まっている。

 

「……金属防具を装備するのにもスキルがいるのか」

 

 『軽金属装備』をセットしなければ、ブロンズアーマー一式は装備できない。くそ、と悪態をつき、スキルの必要ない革鎧を買い、残りの金で回復ポーションを買い込むことにする。

 500コルを残してポーションを買えるだけ買い、ストレージに収納した。

 

「……あとは、剣と盾の修理だ」

 

 耐久値は、鍛冶屋に頼めば減少した耐久値分の値段で修理してくれる。

 

「……よし」

 

 大丈夫だ。剣も盾も回復した。回復ポーションだって買い込んだ。

 慎重に行動すれば、死ぬことは絶対に無い。

 

「ホルンカへ行ってみよう」

 

 レイが言っていた、『森を抜けた先』の村。そこに何かがあると言っていた。なら、行ってみる価値はあるはずだ。

 もうすぐ日が昇る。出発は日が昇りきってからにするべきかと考えた。

 しかし、俺はこの街……ソーヤがいるこの街から、少しでも早く離れたかった。

 

「……すまん、ソーヤ」

 

 あの森は確か、街から北西の方角だったはずだ。

 俺は剣と盾をしっかりと装備し、街の門をくぐる。『圏外』と表示されるのを見ながら、俺は歩き出す。街の中は『圏内』。システム的に保護されていて、どんな手段を用いてもダメージは与えられない。なら、街の中に居ればソーヤは安全な筈だ。

 そう。『圏内』は安全なのだ。

 なのに。

 

「なん、で――」

 

 俺は唐突にもどかしくなり、何もかもを振り切るように走り出した。

 

「なんでだ――」

 

 なぜ俺は危険な圏外へ飛び出したのか。ソーヤに――蒼斗に語ったあの場所が、まるで違う世界の出来事かのように思い出される。

 

「俺は――」

 

 レイを助けなかった。そう自覚した想いが、不気味に胸の中に残っている。

 俺のせい、なのだろうか。レイの命を助けなかったのは、俺の責任なのだろうか。

 

 ――逃げたい、とは思う。

 

 責任なんて知らない。だって、俺もソーヤもレイも、知らなかったのだから。ゲームのなかで死んだら現実でも死ぬなんて、知らなかったのだから。

 けれど、実際に死んでしまったら、知らなかったなんて関係無い。知らなかったからといって、現実で死なずに許されるわけでもない。

 なら、せめて。

 

「レイの言葉を繋ぐ――」

 

 レイが言っていた。ホルンカにはお前向けの良いクエストがある。準備を整えたら行ってみよう、と。ならば、俺はその言葉に従うだけだ。

 ソーヤにとってのレイが拠り所ならば、俺にとってのレイは道標だ。

 

「意味のあるものにしてみせる。レイの死は理不尽だが、無意味じゃない。無価値じゃない! それを、俺が証明してみせる……っ!」

 

 俺がゲームをクリアする、なんて大逸れたことは言うつもりは無い。

 

 だが。

 

 一人の騎士として。『セドリック』として、この世界を生きる。

 キャラメイクがなんだ、現実世界がなんだ。ここはSAOだ。それだけが事実であり、現実だと言うのなら。

 

「俺の命を懸けて、僅かでも周りに貢献して見せる。周りの人間を生かすために力を尽くして見せる!」

 

 俺は吼え、疾走しながら誓う。

 

「俺はセドリックだ。一人の騎士として、レイの意思を継いで、この世界を生き抜いてやる!」

 

 それが、ソーヤに対する、レイに対する――俺のけじめになるだろうから。

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