「パッションフラワーで完全ガード!」
ユキネのメイデン・オブ・パッションフラワーが光の魔法陣を展開し、エゼルの攻撃をはじき飛ばした。
「くっ、ターンエンド」
相手選手ががっくりと肩を落とす。
ユキネは本当に強くなったな。こうして立体映像のユニットと共に戦うユキネの姿を見ていると、余計に頼もしく見える。
これがモーションフィギュアシステムでなくギアースなら、アーシャの服をまとったユキネを見られるんだろうか。
「トウジ!ぼさっとしてないで決めちゃって」
「お、おう……スタンド&ドロー」
なんにせよ、勝たないとな。
強くなったのはユキネだけじゃない。
「ざわめく心の荒波よ、思いの先へと打ち寄せよ。ストライド・ジェネレーション!天羅水将ランブロス!」
いくぜ、アクアフォースの7連撃。
「ラスカルスィーパーでヴァンガードにアタック!」
「クロイカヅチでインターセプト」
「スキル発動、後列のアンガーボイルと入れ替わる」
ラスカルスィーパーが水流を前方にジェット噴射し後退、入れ替わりにアンガーボイルが前へと走りでる。
「マグナムアサルトでリアガードのサイレントトムをアタック」
「ノ、ノーガード……」
2撃目。マグナムアサルトの光線銃がサイレントトムを正確に撃ち抜いていく。
「アンガーボイル、ヴァンガードをアタック!」
「アサルトダイブイーグルでガード!」
3撃目。アンガーボイルが尻尾を振り抜き、守りに出てきた鷹をはじき飛ばす。
「ランブロスでヴァンガードをアタック!スキル発動、Gゾーンのランブロスを表にし、マグナムアサルトとアンガーボイルドラゴンをスタンド。そしてパワー+10000-」
4撃目。水流に乗ったランブロスが双剣を手に敵のヴァンガード、スサノオに迫り、すれ違いざまに斬りつけた。
「当たった……?」
相手のダメージは7。タッグファイトなので勝利まであと2ダメージ。
Gユニットの高パワーを止めるのを諦め、こちらのトリガーにかけてきたか。まあ、そんな作戦とも言えないようなことしてちゃ先が知れてる。
「トリプルドライブ……デスピナ。ゲット・クリティカルトリガー」
斬りつけた敵の背後へと抜けていったランブロスが転身し、今度は後ろからスサノオの背に双剣を突き立てた。
「ちっ、4アタックで終わっちまったか。いいとこだったんだが」
「勝者!御堂ユキネ、桐澤トウジペア!Bブロック2回戦第一試合は2ー0で梅乃台高校の勝利です!」
ジャッジの宣言を待って仲間の元へと戻る。
「おつかれトウジ」
「おう、おつかれな」
ユキネとも互いの労を労い合う。
「次はいよいよ決勝。勝てば日本サーキットだよ!日本サーキット!」
はしゃぐユキネを見てると、頑張ってよかったなって思えてくる。
「で?決勝の相手は?」
「伊達北高校よ。先に決勝進出を決めてた」
歌星はここまで来ても冷静だ。勝つことが当然なんだろう。
「これに負けても各ブロックの準優勝4校での5位決定戦がある。今からこんな話をするのも演技でもないけど、負けても落ち込んでないですぐに切り替えること。いいわね?」
____と思ったら、負けるケースも考えているらしい。なんだかプロみたいだな。
『は~い』
ユキネと天原先輩が何も考えていないのが丸わかりの返事を返した。
「すぐに決勝がはじまるわ。桐澤くん、あなたが先鋒」
「おう、分かってる。伊達北戦はオーダーを帰るんだもんな」
歌星監督からご指示が入る。
「それで……なるかみのユニットのスキルは把握してる?」
「なるかみ?向こうの先鋒は1、2回戦ともに浅倉先輩だって言ってなかったか?」
実は伊達北の2回戦も隣で行われていて、俺達がタッグファイトに出ていく前に歌星からそう聞いていたのだ。
「あのチャラ男がシングルで出てくる可能性があるわ」
チャラ男……って手塚先輩か?手塚アキナリ。
「アキナリさんのこと?フユキさんとのタッグじゃないの?」
ユキネも同じことを思ったらしい。
「チャラ男のデッキ、少し変だったのよ。タッグ専門を自称する割にはリミットブレイク解除ユニットが入っていた。タッグではあっという間に4ダメージになるから必要ないはずなのに」
交流戦のときの話か。よく覚えてるな、歌星。
「わかった。一応なるかみの復習をしておく」
それからしばらくすると、控えスペースに戻る間もなくスタッフから呼び出しがあった。
「Bブロック決勝戦はじめます。伊達北高校、梅乃台高校の皆さん準備お願いしまーす」
「よし、行こう!勝って日本サーキット出場を決めよう!」
ユキネの合図で皆整列に向かう。さあ、本番はここからだ。
「それでは日本サーキット予選北陸第1ブロックBブロック決勝、伊達北高校対梅乃台高校の試合をはじめます」
向かい合って整列する8人。
向こうのレギュラーは交流戦の時のまま変わっていない。
蒼き炎の使い手、チームの精神的支柱北岡ハルミ部長。
チームのムードメーカー、手塚アキナリ先輩。
冷静沈着な司令塔、芝浦フユキ先輩。
そして、歌星でさえマークする絶対エース浅倉ナツキ先輩。
「悪いけど、今日は勝ちにいかせてもらうよ」
「はい、こちらこそ。負けるつもりはありません」
北岡部長とユキネが両校を代表して握手を交わした。
もうすぐだ。先鋒の俺の出番。
さすがに緊張してきたな。
ここまで2試合は歌星が1勝とってからのタッグファイトだった。先鋒で1人で戦うよりよほど精神的に楽だったのだと今になってわかる。
「それでは、先鋒戦はじめます。先鋒の選手以外はファイトエリアの外へ」
ジャッジに促され、歌星と天原先輩、それにユキネが後方へ下がっていく。
伊達北高校の方は____北岡部長、浅倉先輩、芝浦先輩が下がっていく。歌星の言ったとおり、か。
「お、またキミか。不満はないけど、どうして俺は女の子とファイトさせてもらえないんだろうね」
「神様が見てるんじゃないですか?」
ファイトテーブルが床下から上がってくる間に軽口を交わす。
「俺がタッグじゃなくてびっくりしただろう」
「びっくりしましたよ。今じゃなくて、歌星に聞かされた時ですけど」
「へえ……すごい子だね。あの子にデッキを見せたのは失敗だったかもしれないね」
「先鋒戦、手塚アキナリ選手対桐澤トウジ選手。先攻は桐澤選手ではじめてください」
ジャッジのコイントスで先攻が決まる。
『スタンドアップ・ヴァンガード!』
「バブルエッジ・ドラコキッド!」
「喧嘩屋ファイティング・ドラコキッド!」
2体のユニットが戦場に現れ、開戦を告げる雄叫びをあげた。
【桐澤トウジ:先攻/アクアフォース】
【手塚アキナリ:後攻/なるかみ】
「スタンド&ドロー。戦場の歌姫スタシアにライド!バブルエッジを移動してターンエンド」
スタシアが渦の中から現れ、入れ替わりに弾かれるようにしてバブルエッジが後方に下がる。
【桐澤トウジ:ダメージ0/手札5】
【手塚アキナリ:ダメージ0/手札5】
「スタンド&ドロー。へえ、デッキ変えたんだね色男」
「まあ、一応。色男はやめてもらえます?」
「分かった、やめるよ。俺に勝てたらね?マイティボルト・ドラグーンにライド!ファイティングを移動」
向こうは雷雲から雷とともにマイティボルトが降りてくるライド。なるかみらしい演出だ。
「ファイティングのブースト、マイティボルトでヴァンガードをアタック!」
「ノーガード」
マイティボルトの拳をスタシアが受ける。
「ドライブチェック、トリガーはない」
「ダメージチェック、同じく」
メイルストロームが落ちる。できれば引きたかったが仕方ない。
「じゃ、ターンエンドだ」
ビシッ、と指さす姿は男から見てもサマになっている。イケメンってのは得なもんだな。
【手塚アキナリ:ダメージ0/手札6】
【桐澤トウジ:ダメージ1/手札5】
「スタンド&ドロー。ライド!蒼嵐兵ラスカルスィーパー。コール、ホイールアサルト!」
思えば交流戦の時、ユキネ以外の人とまともにファイトするのは初めてだった。
その時の俺達は、本当の意味でヴァンガードを知らなかったのかもしれない。
「ホイールアサルトでヴァンガードをアタック!」
「プラズマキックドラゴンでガード」
強くなるだけが全てじゃないけれど____
「ラスカルスィーパーでアタック!」
「ノーガードだ、色男」
____強さを求めて初めて味わえる楽しさがある。
「ドライブチェック、ゲット・クリティカルトリガー!色男言うからバチが当たりましたよ」
「おお怖い怖い。ダメージチェック、1枚、2枚、ゲット・ドロートリガー。お返しだね」
「それくらいしてもらってちょうど楽しいくらいっすよ、手塚先輩。ターンエンド」
【桐澤トウジ:ダメージ1/手札5】
【手塚アキナリ:ダメージ2/手札6】
「いいねえ、男同士の熱い勝負も捨てたもんじゃなさそうだ。スタンド&ドロー、ライド!武断の喧嘩屋リセイ」
リセイの纏う紫電が手塚先輩の手札の黒いスリーブを怪しく光らせる。
「そしてコール、魔竜選鬼チャトゥラ。チャトゥラでヴァンガードをアタック!スキルでパワー+3000」
チャトゥラが手にしたナタを振りかぶる。
ヒット時にカウンターブラスト1でドローするスキルをもった奴だ。通せばペースを握られる。
「デスピナでガード!」
先程のクリティカルで守らせてもらう。
「リセイでヴァンガードをアタックだ。優勝は俺達伊達北高校がいただくよ、絶対にね」
「ノーガード。優勝は渡しませんから、5位決定戦頑張ってくださいね」
「ドライブチェック、トリガーなしか」
こちらのダメージにもトリガーはない。
「ターンエンドだ、色男」
【手塚アキナリ:ダメージ2/手札6】
【桐澤トウジ:ダメージ2/手札4】
「スタンド&ドロー。ライド!蒼波竜アンガーボイルドラゴン!」
向こうの切り札は前列全てとバトルするドラゴニックカイザークリムゾン。ならば……
「ホイールアサルトを後列に下げてバトル開始」
「おや、速攻はやめたのかい?」
「いつかお見せしますよ、本物の速攻!アンガーボイルでヴァンガードをアタック!」
アンガーボイルが両肩のキャノン砲の砲門を開く。
「そうかい、楽しみだ。ノーガード」
ふっ、と笑う。
本当に楽しみそうに。伊達北の人達は本当にお人好しばっかりだな。
「ツインドライブ!1枚目、ゲット・ドロートリガー!2枚目、プラトン。トリガーなし」
水弾が発射されリセイを直撃する。
「ダメージチェック。ゲット・クリティカルトリガー。おいしくないねぇ」
「アキナリさんこそ、そんな真っ黒なスリーブでしたっけ?」
「急に黒いスリーブが使いたい気分になる病気が、伊達北ヴァンガ部中で流行してね。予防接種受けとくべきだったかな」
ヴァンガード部全体で?北岡部長トレードマークのキンキラスリーブも黒になったのか……?
「ふーん。ターンエンドっす」
【桐澤トウジ:ダメージ2/手札7】
【手塚アキナリ:ダメージ3/手札6】
「スタンド&ドロー。ドラゴニックカイザークリムゾンにライド!」
やっぱり来たか。もうあいつのスキル一つで全滅させられるようなヘマはしねえ。
「ジェネレーションゾーン、解放。ヴァーミリオンをドロップ」
ストライドできた……ショップ大会の北岡部長と一緒だ。レギオンユニットを主力としながらも、状況次第でストライドに切り替えて戦ってくる。
「紫電一閃、天空より降る我が信念の矢。ストライド・ジェネレーション!雷龍騎士ゾラス!」
ひときわ大きな雷雲がフィールドを覆い、ゆっくりとその中から降りてくる竜騎士の姿が見えてくる。
「チャトゥラでヴァンガードをアタックするよ。ガードするよね?」
「当然!マリカでガード」
さっきのドライブチェックで手にしたドロートリガーを使うならここしかないからな。読まれるのも当然だろう。
「そしてゾラスでヴァンガードをアタック!」
パワー31000。雷を宿した剣なのか、雷そのものなのか、ともかく竜騎士は巨大な力の塊を天に掲げた。
「……ノーガード」
「トリプルドライブチェック!ゲット・クリティカル!そしてヒール!ダメージのイエロージェムを回復」
くっ……!ダブルトリガーか
「ダメージチェック。グローリーメイルストロームと……ゲット・クリティカルトリガー!」
こんなとこで出てもなんの意味もない。既に向こうのアタックは全て終了している。
「ゾラスのスキル発動!色男、自分のリアガードを一体退却させてくれ」
ヒット時退却か……!ホイールアサルトかバブルエッジか……。
「バブルエッジを退却!」
おそらくこいつが生きるほど展開できない。
「さらにドロップゾーンのマリカとデスピナをバインド」
「バインド!?」
レギオンユニットがない俺のデッキだからいいが……いや良くない。俺の完全ガード、海域の守り手プラトンは同名カードがドロップゾーンにいてガードした時にカウンターチャージするスキルをもっている。
そいつの発動を止められるかもしれない。
「ゾラスはGゾーンに戻るよ。ターンエンドだ。さ、反撃どうぞ。クリムゾンが怖くなければね」
【手塚アキナリ:ダメージ2/手札8】
【桐澤トウジ:ダメージ4/手札5】
「スタンド&ドロー!ジェネレーションゾーン解放!」
こっちだってやられっぱなしじゃ終わらない。メイルストロームをドロップに叩きつける。
「ざわめく心の荒波よ、思いの先へと打ち寄せよ。ストライド・ジェネレーション!蒼波師竜テトラボイルドラゴン!」
波しぶきがあがり、アンガーボイルを覆い隠すと新たにさらに巨大な竜が姿を現す。
「マグナムアサルト、スタシアをコール!まずはマグナムアサルトでチャトゥラをアタック!」
「いいよ、退却だ」
前列を3体揃えなくたって連続攻撃はできる!これがクリムゾン対策のプレイング!
「スタシアのブースト、テトラボイルでヴァンガードをアタック!この時、アンガーボイルのストライドボーナスが発動。スタシアとマグナムアサルトをスタンドし、パワー+3000」
「なるほど、テトラボイルのスキルはこのターンは使えない。でもアンガーボイルの方だけでも充分協力というわけだね。ノーガードで受けよう」
テトラボイルの全身に装備された幾十もの火器がクリムゾンに向けて一斉に火を吹いた。
「トリプルドライブチェック!ゲット・ヒールトリガー、パワーはマグナムアサルトに。ダメージ回復」
「ダメージチェック。トリガーはない」
よし、このまま行ってくれ。
「スタシアでヴァンガードをアタック!スタシアは後列からアタック可能、そして後列からアタックする場合パワー+3000」
アンガーボイルでのアップ分をふくめてパワー12000になる。単独でヴァンガードへのヒットを狙えるパワーだ。
「グリーンジェムでガード」
「ホイールのブースト、マグナムアサルトでヴァンガードをアタック!パワー24000」
「……ノーガード、ダメージトリガーは……ないか」
よし、ダメージも逆転だ。
さらにまだ俺のアタックは終わっていない。
「マグナムアサルトのスキル、カウンターブラスト1しスタンド!パワー+2000!もう1度ヴァンガードにアタックします」
「ヨウゼンでガードだ」
「ターンエンド」
よし、ここまで対等にやれている。
【桐澤トウジ:ダメージ3(表2)/手札6】
【手塚アキナリ:ダメージ4/手札6】
「うーん、これはきつそうだ。スタンド&ドロー!ジェネレーションゾーン解放!」
2連続でストライドか……。ドロップにトリガーはたまっているはずなのに。
「紫電一閃、天空より降る我が信念の矢。ストライド・ジェネレーション!征天覇竜コンクエスト・ドラゴン!」
コンクエスト・ドラゴン……また新しいGユニットが出てきた。
「クリムゾン、エッグヘルム、ボルテージホーンをコール!」
3体コール……仕掛けてきたな。
「コンクエストのスキル発動!Gゾーンのコンクエストを表にすることでマグナムアサルトを退却!」
くっ……また退却か。じわじわ効いてくるな。
「さらに、相手の空いている前列のリアガードサークル一つにつき、前列のユニット全てにパワー+5000。よってコンクエスト、クリムゾン、ボルテージホーンにパワー+10000だ」
+10000だと!?
いや、待てよ。なるほど……
「空いてるリアガードサークルの数……前列を2つとも埋めておけば+5000しかされなくて済む。ただしその場合にはコンクエストではなくクリムゾンのスキルを使って前列全てとバトルする。そういうデッキですね?」
「ご名答。それじゃあまずコンクエストでヴァンガードをアタック!パワー41000」
「……ノーガード」
コンクエストが雷を乗せた大鎌でアンガーボイルを横薙ぎに一閃していく。
「トリプルドライブチェック。チャトゥラに、アナスタシアに……ゲット・クリティカルトリガー!クリティカルをヴァンガード、パワーをリアガードのクリムゾンに」
そして振り抜きざまにもう一撃斬りあげた。
「ダメージチェック……ゲット・ドロートリガー!パワーはヴァンガードへ」
まずい、こんなもので止められるラインではない。
「クリムゾンでヴァンガードをアタック!パワー26000!」
「スーパーソニックセイラー、ラスカルスィーパーでガード!」
ヴァンガードのそれとは少しカラーの違うクリムゾンがタックルしてくるのを2体が魔法陣を張って止める。
これ以上1ダメージも受けられない。
「エッグヘルムのブースト、ボルテージホーンでヴァンガードをアタック!この時カウンターブラスト1でボルテージホーンのスキル発動。リアガードを1枚選び退却&バインドしてくれ」
「……ホイールアサルトをバインド」
手札だけでなくリアガードも削られる……。これが伊達北レギュラーの実力か。
「パワーは26000だね、どうする?色男」
「プラトンで完全ガード!」
「防がれたか。じゃ、ターンエンドだ」
余裕そうにしやがって。腹立つイケメンだぜ。
【手塚アキナリ:ダメージ4(表3)/手札6】
【桐澤トウジ:ダメージ5(表4)/手札3】
「俺のスタンド&ドロー。ジェネレーションゾーン解放」
ニッキーをドロップゾーンに送る。
ここまで温存した戦力が手札にある。やれるはずだ。
「荒ぶる心の荒波よ、思いの先へと打ち寄せよ。ストライド・ジェネレーション!蒼波帥竜テトラボイルドラゴン!」
負けられないんだよ。
観客席にはあの生意気なタイガがにやついてこっちを見てる。
一緒に日本サーキットを目指す仲間がいる。
なにより後ろでユキネが見てるんだ。
「カップルダガーセイラー、グローリーメイルストロームをコール!カップルダガーでボルテージホーンをアタック!」
「ノーガード、退却」
「スタシアのブースト、テトラボイルでヴァンガードをアタック!アンガーボイルのストライドボーナスでスタシアとカップルダガーをスタンドしパワー+3000。さらにテトラボイルをGゾーンで表にすることで、このユニットはトリプルドライブを失いツインドライブを得る」
代わりにこの後でこのユニットをスタンドできる、Vスタンド能力を得ることが出来る。
「……ノーガードだ。さあ、あとはクリティカルを引けるかどうかの勝負だ」
手塚先輩はさっき完全ガードを引き込んでいた。ここを通すということはスタンドしたテトラボイルは止めるつもりのはずだ。
もうここしかチャンスはない。
「ツインドライブ。1枚目……スーパーソニックセイラー、ゲット・クリティカルトリガー!」
「ちょっ、そういうのは引くとしても2枚目で引くもんでしょうが」
容赦なく最大火力の一斉射撃を加えるテトラボイル。
クリムゾンが光のつぶとなって崩れていく。
「勝者!梅乃台高校・桐澤トウジ選手!」
To be continued……