雪国の先導者達   作:黄雀

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このように作者の好きなキャラがあまり人気がでていないようだとテコ入れが入ります(開き直り)

ファイターズルール対応ミクデッキ完成しました。


思いは届き、届かず

【ミク&タイガ:ダメージ7(表1)/手札6&11】

【ユキネ&ナツキ:ダメージ8(表7)/手札0&3】

 

 暗黒竜ファントムブラスターDiablo、そのクリティカル2の呪槍がミクの分身サンクチュアリガード・ドラゴンへと迫る。

「終わりだ!コスモウィングーーッ!」

 ダメージ9、それがタッグファイトの敗北条件である以上このアタックは防がなければいけない。

 けれどあたしの宿命のライバル、コスモウィングは手札を全てファイトテーブルに置いたきりだ。

 それもそのはず。

 ファントムブラスターDiabloのスキルにより、リアガード2体を退却させなければこのアタックに対してガードを行うことはできない。でもコスモウィングの場にはリアガードが1体もいない。これで終わりだ。

「わたしはこんな茶番じゃ、倒せないわよ」

 そのコスモウィング、歌星ミクが諭すように呟く。

「なに?6点ヒールならぬ9点ヒールでも出そうっていうの?」

「無理無理、レイカやヒメカのやることよ。それは」

 だったらどうするっていうんだ……

 

 

「ガード。56000。貫通なしよ」

 

「は?だからガードできないって言って____」

「ルーラーカメレオン、クレヨンタイガー、みけさぶろー、リサーチャーフォックス、カスタネットドンキー2枚に、ブロードキャストラビット2枚でガード!これで56000!」

「なっ……!?」

 タイガのやつ、いったい何をして____

「簡単なことよ。ファントムブラスターDiabloのスキルは、自身のアタックの際、相手はリアガードを2体退却させなければ手札からガードゾーンにユニットをコールできなくなるスキル。タッグファイトにおいて「相手」というのは目の前のファイターのみを示す。この場合はわたし。タイガは何の制限もなくガードを出せる」

「そーいうこと。うーさぎぴょんぴょん」

 ファントムブラスターDiabloにそんな抜け道があったなんて……

「あんたの敗因はシングルファイトしかしてこなかったこと。ヴァルトにタッグファイト機能はないからね」

 結局コスモウィング……いや、ミクに敵わないことにはちゃんと理由があったのね。

 そういえば日本代表もタッグとして選出されていた。

「あんた、やっぱり一流のファイターよ」

「そこのちっこい策士のおかげよ。タイガに感謝することね。わたしはあんたがライバルだからボコしに来ただけだけど、そいつはあんたを助けるためにファイトを挑んだんだから」

 あんたも素直じゃないわね。

 さっさとトリプルドライブを処理する。

 タッグガードは1枚もない。次のターン、ノーダメージで捌き切ることなど不可能だ。

「ありがとう、タイガ」

「えへへ、やっぱりパイセンは周りが見えてなきゃ。それでこそタイガが惚れたパイセンだよ」

 はいはい。悪かったわね。

「イチャついてるとこ悪いけど、締めさせてもらうわよ。レガリアにストライド。ポリー、ツインソード、ホーリーナイト、ラシェルをコール。ポリーでヴァンガードにアタック」

「空気の読めないヴァンガバカね。はいはいノーガード」

 あたしとユキネの、9枚目のダメージが刻まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を覚ますと、ヴォイドの感覚が身体から消えていた。

 リバースは解かれたってことらしい。記憶がないけれど、たぶんミクがやったのだろう。

「あ、浅倉先輩気がつきましたか!?」

 傍らにはユキネでもタイガでもなく、伊達北ヴァンガ部の後輩、田代がいた。

「田代?あんたよくリバースせずに残ってたわね」

 田代は、まあはっきり言えばうちでも弱い方だ。悪いやつじゃないけど。

「いや、俺もリバースされたんですけど、手塚先輩が」

「アキナリが?」

 応えつつ身体を起こす。部室にいるみたいだ。田代の他にも何人か部員がいる。

「はい、手塚先輩がリバースを解いてくれたんです」

 確かにあいつは強いけど、ひっかかるわね。

「田代、あんたなんでアキナリが解いたって分かるの?あたしは誰が自分のリバース解いたか記憶ないわよ」

 わたしの例が全てとは思わないけど、たしか4年前の事件でもリバース中の記憶はなくなるという話だったはずだ。

「いや、気がついたら俺のデッキがなくなってて。で、アキナリさんが俺のデッキ使ってたところを見たやつがいるんです」

「デッキがなくなってた?」

「はい」

 ……なるほどね。リバースを解いた時に相手のデッキをもっていけば、そいつがもう一度別のリバースファイターに捕まってリバースさせられることを防げる。デッキがなきゃそもそもファイトできないんだから。

 それに拝借したデッキを使ってたってことは、デッキ相性を活かしてるんだ。同じ学校の部員だからだいたい使うデッキは把握してる。相性のいいデッキを使い、またデッキの選択肢を増やしを繰り返せばミクほど実力がなくてもリバースファイターに立ち向かえる。

「ん、ありがとう。よくわかったわ」

 ポケットを確認するとあたしのデッキはあった。

 立ち上がり部室の外へと向かう。

 扉を開けると、そこにはタイガとフユキ、それから梅乃台のシュンヤとミコトが立っていた。

 たぶん、門番なんだろう。

「あ、パイセン!おはようございます!」

「そろそろおはようって時間でもないけどね」

「タイガ、ギョーカイ人ですから」

「はいはい」

 ミクとユキネも来てたはずだ。リバースされる前の記憶がある。

「ミクとユキネは?」

「桐澤くんを探しに行きました。浅倉先輩も、行かれますか?」

 答えてくれたのは比嘉シュンヤ。

「そうね。あとはハルさんも探さなきゃいけないし」

 部室の安全は、まあタイガがいるから大丈夫でしょう。

「じゃ、行ってくるわ。ユキネも探す側ってことは、まだ解けてないのね?リバース」

「うん、さっきのタッグファイトでいけるかなと思ってたんだけど、まだ完全なリバースじゃなかったみたい」

 ミコトが俯きながら言う。

 さっきのタッグファイト……?

 まあ、いいか。全部片付いたら聞きましょ。

「じゃ、行ってくるわ」

 しっかり働かないとね。

 

 

 

 ナツキが残ったリバースファイターとの戦いに乗り出したころ、トウジとアキナリのファイトも佳境を迎えていた。

「星輝兵カオスブレイカー・ドラゴンのスキル発動。マグナム・アサルトと戦場の歌姫スタシアを退却、2枚ドロー」

「くっ……アキナリぃ!」

 アキナリが使うデッキは交流戦、日本サーキット予選と使用してきたなるかみではなく、リンクジョーカー。

 互いの軸にもよるが、基本的にはトウジの使うアクアフォースの天敵である。

「何か問題があるかい?色男」

「なるかみはどうした?」

 そのあからさまな対策デッキに苛立つトウジ。

「ああ、ここにあるよ」

 アキナリはウェストポーチを開いて大量のデッキケースを取り出し、ファイトテーブルの脇に並べていく。

「こうやってね。倒したリバースファイターからデッキを借りてくる。そして相性がいいデッキを選んでファイトする。俺はそうやってこのリバース事件を終わらせることにしたんだ」

「……卑怯な」

「リバースなんてわけの分からないチカラを使ってる方がよっぽど卑怯さ。ストライド・ジェネレーション、カオスユニバース」

 滅星輝兵カオスユニバース。リンクジョーカーの協力Gユニットが姿を現す。

「スキル発動。手札を空いた前列に呪縛で置くんだ。そしてラスカルスィーパーを呪縛」

 トウジの前列が2枚とも呪縛カードで埋まる。

「俺だってこんなファイトはしたくない。でもハルちゃんのヴァンガード部を守るためなら俺はなんでもするんだ。キミがユキネちゃんのために、デッキを強化したみたいにね。アイアンでヴァンガードをアタック」

「カロリーナでガード!俺がユキネのために?」

 トウジが一際苛立ったように問い詰める。

 アキナリには、いつものふざけたような雰囲気は欠片もない。

「そうさ。キミは俺と同じ……いや、けっこう多いと思うよ。好きな人のためにヴァンガードをしてるって奴は。きっと日本サーキットに言ってもそう。なんてったって俺らも高校生だからね。カオスユニバースでヴァンガードをアタック」

「プラトンで完全ガード!」

 トウジは答えない。

 否定しないことは答えかもしれないが。

 ドライブチェックでカードをめくる音だけが不気味に響く。

「チャコールのブースト、フォトンでヴァンガードにアタック」

「スーパーソニックセイラー、カップルダガーセイラーでガード」

 確実にトウジの手札が減らされていく。

「ターンエンド。というか、もう諦めて降参してくれないか? 俺はハルちゃんを探したいんだ」

「この、舐めやがって……スタンド&ドロー!」

 威勢よくターンを開始するトウジ。だが実際できることなどほとんど残されていなかった。

「ここで無駄にGユニットを使うことはない……か。メイルストロームでヴァンガードにアタック!」

「ヌルカメレオンとテルルでガード」

 トリガーでの僅かなチャンスすら与えず、勝機をシャットアウトするアキナリ。

「早く倒されてくれよ、色男。ハルちゃんが遠くに行っちゃうかもしれない」

「くそ!お前の相手は俺だ!俺に集中しろよ!」

 ツインドライブが虚しく空を切る。

 アキナリは悲しげに、わずか微笑む。

「見る相手、叫ぶ相手が違うのはキミの方だよ。それに俺達は慣れっこだろう?自分を見てもらえないのは。ヴァンガード部に入ったって、結局興味は強い子に向けられるんだ。だってハルちゃんも、ユキネちゃんも、本当にヴァンガードが好きでヴァンガードをやってるんだからね」

「くっ……」

 トウジの脳裏にも、そう言われて1人浮かぶ者があった。

 自分と違い、ユキネがどうしても部に入ってほしいと何度も何度も頼み込んで、入ってからもいつも1番に頼りにしていた、仲間の姿が負の感情の中を過ぎる。

「スタンド&ドロー。ストライドジェネレーション、星雲竜ビッグクランチ・ドラゴン。カップルダガーとラスカルスィーパーをΩ呪縛」

 アキナリは表情を勝負師のそれに戻す。それは最後の瞬間まで一手も緩めない覚悟の現れ。

「アイアンでアタック」

「デスピナでガード!」

「これで終わりだ……ビッグクランチでヴァンガードをアタック!」

「……ノーガード」

 ダメージは5。しかし手札を見てもどのみち次のアタックまで止めきるだけのガード値はない。

 ビッグクランチ・ドラゴンが放つ闇の波動がトウジとメイルストロームを襲う。

 6枚目のダメージがトリガーゾーンで光ることなく落ちた。

「ぐっ……うおおおおお!」

 邪悪な力が霧となってトウジの身体から抜け、彼はその場に膝をついて気を失った。

「お前もさ、こんなとこでリバースして、野郎の俺なんかとじゃれあってないで、さっさと助けるべき人助けにいけよ……トウジ」

 

 To be continued……

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