俺、感想もらえたらこの小説完結させるんだ……
カードショップ10daysにて、ついにわたし達梅乃台高校と伊達北高校の非公式交流戦が始まった。
冬の日本サーキット形式に従って先鋒戦はタッグファイトになる。
「じゃあ始めようか」
伊達北高の男子選手2人がファイトテーブルにつく。
「よろしくお願いします」
わたしとトウジも席につく。
じゃんけんをして順番を決めていった。わたしが2ターン目、トウジが4ターン目だ。
『スタンドアップ・ヴァンガード!』
4人のファーストヴァンガードが表になって、先鋒戦が開始した。
「スパークキッド・ドラグーン……」
「士官候補生アンドレイ」
「喧嘩屋ファティングドラコキッド!」
「春待ちの乙女オズ!」
「じゃあ、俺からだな……。俺は芝浦フユキ、伊達北高3年。タッグファイトのレギュラーだ。ドロー、威嚇の喧嘩屋ドコウソンにライド。スパークキッドを移動」
わたしの目の前の席、黒い長髪で、少し不気味な雰囲気の先輩が自己紹介をしつつターンを進める。
スパークキッド・ドラグーンはヴァンガードの後ろに移動していく。
「ターンエンドだ」
タッグファイトでは斜めにターンが移るから、次はトウジのターンだ。
「ドロー。梅乃台1年桐澤トウジ、一応副部長っす。ケルピーライダーポロにライド」
アンドレイはやはりV裏へ
「今日はよろしくお願いします。ターンエンド」
トウジめ、相変わらず無愛想なやつ。
「ねえねえ、ミクちゃん」
「……何よ、馴れ馴れしいわね」
ファイトテーブルの脇ではミクちゃんとミコねえが何やら話していた。
「えー、一応先輩なんだけどなー。天原ミコト、よろしくね」
「えっ……でもさっきユキネが部長って」
「学年はわたしが上なんだけど、わたしヴァンガードほとんどわかんないし」
「はぁ……。その、すいません」
「いいのいいの〜」
「オレからのターン、ドローだ。そこのかわいこちゃん、たっぐでは自分のターンじゃなくてもぼーっとしてちゃダメだぜ」
「えっ?わ、わたしは、その……す、すいません」
トウジの向かいに座った茶髪の男性に注意される。びっくりしてなんか変な感じにテンパっちゃった。
「抹消者エッグヘルム・ドラコキッドにライド!あ、オレ手塚アキナリ。よろしくなっ」
ビシッ、と右手でポーズをとる。髪や言動に反してチャラい印象は受けない。オシャレで気さくという感じ。
ファーストヴァンガードはV裏に先駆で移動だ。
「ターンエンドだな」
「ミクちゃん、質問いい?」
「どうぞ」
「なんで皆アタックしないの?」
「タッグファイトでは、アタックができるようになるのは第4プレイヤーの1ターン目からなんです。つまりこの場合はユキネから」
「へぇー」
なんか、ミクちゃんとミコねえ、仲いい……?
「わたしのターン、ドロー。萌芽の乙女ディアンにライド!」
先駆でオズをV裏に移動させる。
「改めまして梅乃台1年、部長の御堂ユキネです。今日はよろしくお願いします。ディアンでアタック!」
ディアンとオズをレストし、フユキさんのヴァンガード、ドコウソンにアタック。
「ノーガード……」
「ドライブチェック」
ラナンキュラスの花乙女アーシャ、トリガーなしだ。
「ダメージ……」
ダメージチェックもトリガー不発。静かな立ち上がりとなる。
「ターンエンドです」
【トウジ&ユキネ:ダメージ0/手札5&6】
【フユキ&アキナリ:ダメージ1/手札5&5】
「ミクちゃん、タッグファイトって普通のファイトとどう違うの?」
「まず、決着が2人の合計ダメージ9点になります。カウンターブラスト、ソウルブラストを共有。基本的には目の前の相手とファイトします」
ファイトの邪魔にならないよう小声で解説をする歌星ミクと、それを聞く天原ミコト。
「手札からのガードのみが隣のファイトに干渉できます。これがタッグガード」
「ふむふむ」
「注意点は「あなたの」「相手の」と書いてるテキストは全てカードのオーナーと、向かい合ってるファイターだけを参照するということです」
「う、うーん……?」
「まあ、やってれば慣れますよ」
「ミクちゃんはタッグファイトも経験あるの?」
「一応両方できます。シングルの方が得意ですけど。あ、今の。今のがタッグガードです」
「喧嘩屋プラズマキック・ドラゴンでガードだ」
茶髪のイケメン、アキナリさんがわたしのグレースナイトのアタックを止めてきた。
「…………」
「ごめんごめん。そんな睨まないでよ」
「えっ、いや睨んでないですっ!ごめんなさい」
アキナリさんの方を見ていたら茶化されてしまった。この人と真向かいだったらペース乱されっぱなしだったろうな。
「ユキネ、集中しろ」
「ん、大丈夫だよ。トウジこそヤキモチ?」
「バッ……ちげえよ!」
「はいはい、わかってるって」
実際アキナリさんの方を見てはいた。ちょっと気になることがあったから。
今のガード、早すぎる……。わたしのアタック宣言に被せ気味に、フユキさんがガードがあるかどうか確認する間もなくタッグガードをしてきた。そもそも、ガードするかしないかも悩んでなかったことになるし。
「ターンエンドです。フユキさん、ターンどうぞ」
【トウジ&ユキネ:ダメージ3/手札3&6】
【フユキ&アキナリ:ダメージ4/手札6&3】
「……俺のターン。スタンド&ドロー、喧嘩屋ビッグバンナックルバスターにライド。喧嘩屋プラズマクロードラゴン、ワイルドクロークドラゴンをコール」
いよいよグレード3の登場だ。ここから本番、気を引き締めなきゃ。
「スパークキッドのスキル、CB1とソウルインでデッキの上から5枚を見てグレード3を1枚手札に加える。こいつを……」
ビッグバンナックルドラゴンが手札に加えられる。
「ビッグバンナックルバスターでヴァンガードにアタック……」
「ノーガードです」
「ツインドライブ」
1枚目はドラゴンダンサー・アナスタシア。2枚目は……
「ゲット、クリティカルトリガー。クリティカルをヴァンガード、パワーをワイルドクロークへ」
「ダメージチェック」
1枚目はトリガーなし。2枚目は__
「ラベンダーナイト。スタンドトリガーです。グレースナイトをスタンドしてパワーをヴァンガードに」
「おっ、ラッキーだねぇ」
無口なフユキさんに代わりアキナリさんが反応する。
「プラズマクローでヴァンガードをアタック」
ワイルドクロークドラゴンのブーストとトリガーを入れてパワーは21000。10000で止められる。
「お前もうちょいリアクションしろってフユキ」
「…………。」
「あはは、えっとフェアリーライトドラゴンでガードします」
「……ターンエンド」
【フユキ&アキナリ:ダメージ4(表3)/手札6&3】
【トウジ&ユキネ:ダメージ5/手札3&5】
次はトウジのターン
「俺のターンっすね。スタンド&ドロー、嵐を超える者サヴァスにライド。さらにレールガンアサルトをコール」
「おっ、ガンガンくるねえ」
アキナリさんの言う通り、トウジの盤面はヴァンガードのサヴァス、その後ろのアンドレイ、右列に戦場の歌姫ローデとケルピーライダーポロ、左列にマグナムアサルトとレールガンアサルトと全てが埋まっている。
「ダラダラ攻めるの嫌いなもんで」
「うんうん、いいと思うよ〜」
「そりゃあんたはいいでしょうよ」
「えっ?」
ミクちゃんが何か呟いた。
「失礼、外野は気にしないで」
「う、うん……」
「ローデでヴァンガードをアタック!ブースト込みで17000」
「ノーガード、ダメージチェック。トリガーないよ」
アキナリさんは手札も少ないのにどこか余裕そうだ。何か逆転の手がある……?
「サヴァスでヴァンガードをアタック!」
「それも受けるよ」
ひらひらと手を振ってあっさりダメージを受け入れてくる。
「ツインドライブ!」
トウジのツインドライブはサヴァスと、ドロートリガーのレインボースナイパー。
「パワーはマグナムアサルトに」
「OK、OK。ダメージチェック、おっグリーンジェムカーバングル。ヒールトリガーだ。パワーはヴァンガード、ダメージは裏になってるやつを回復するよ」
ダメージと同時にカウンターコストを回復する。セオリー通りの動きだ。
「裏のはなーにかなー?おっ、俺のイエロージェムカーバングルじゃん。じゃ、これ回復ね」
「はい。レールガンアサルトでブーストしたマグナムアサルトでヴァンガードをアタック」
「じゃあまたクリティカルのプラズマキックドラゴンでガードするよ」
「くっ、ターンエンドです」
トウジの全展開攻撃も結局ダメージ1に抑えられちゃった……。アキナリさん、強いかも。
【トウジ&ユキネ:ダメージ5/手札5&5】
【フユキ&アキナリ:ダメージ5/手札6&2】
「さーて、お待ちかね俺のターン。スタンド&ドロー」
そのアキナリさんのターンが始まる。
「ライド!ドラゴニックカイザークリムゾン!そしてシークメイト・レギオンだ。ドロップもちょうど4枚だしね」
「っ!まさか!?」
フユキさんのドロップゾーンを確認する。0枚だ。
対してアキナリさんのドロップは4枚、全てトリガーユニット。
「最初のタッグガードはドロップをアキナリさんに集中させるため……」
「よく分かったねユキネちゃん、かわいいだけじゃなくて賢いなんて驚いたよ」
もう軽口の相手もしていられない。2人は最初からタッグファイトに特化した動きをしてたんだ。ダメージこそ競ってるけど、中身は確実に向こうのペースだったんだ。
今さら気がつくなんて。
「プラズマキック2枚、イエロージェム、グリーンジェム山札を戻すよ」
山札にクリティカルトリガーが3枚、ヒールトリガーが1枚帰っていき凶悪さを増していく。
「ミクちゃん、レギオンっていうのは?」
「相手のヴァンガードがグレード3以上の時使えるスキル。ドロップから4枚を山札に戻すことで指定されたユニットを呼び出し、2体で1つのヴァンガードにすることができる。レギオンしたユニットはパワーが巨大になるし、今みたいにトリガーを戻すことで山札も強化されるわ」
ミコねえへの説明が終わるのを待ってアキナリさんがメイトを呼び出す。
「紫電一閃、天空より降る2つの絶望、ドラゴニックカイザーヴァーミリオンとレギオン!いやー、さっきのヒールはラッキーだったねー」
__違う。ヒールそのものは確かに運だ。でも、前のターン、フユキさんはアキナリさんのトリガーユニットをきちんと選んでカウンターブラストしていた。ヒールが出た場合のことも想定していたんだ。まさにタッグファイトのお手本。
「チャトゥラの後ろにライジングフェニックスをコール。ソウルブラスト2して1枚ドロー。ファイティングドラコキッドをソウルに入れてヴァンガードにスキルを」
「……なるほど。ライジングフェニックスがあるからさっきのヒールがなくてもレギオンはできたってことっすね」
トウジも2人のスキルに圧倒されているようだった。
「まぁね。クリムゾンのリミットブレイク発動!ヴァーミリオンのリミットブレイクコストをただにするよ」
「ミクちゃん!」
「はいはい、リミットブレイクね。ダメージを4以上受けてる時だけ使えるスキルよ。普通のファイトだとピンチの時だけ使えることになるけど、タッグファイトではあっさり使えるの。8枚までダメージ受けられるから」
「あちらのお嬢さんは初心者なの?」
「はい。すいません、いちいち解説待ってもらって」
お嬢さんというのはもちろんミコねえのことだ。
「いいのいいの。じゃ、今度はヴァーミリオンのリミットブレイク。パワー+2000。そしてこのターン、前列全てと同時にバトルできる」
「な……っ!?」
「アタックだ!クリムゾン・ヴァーミリオンでローデ、サヴァス、マグナムを同時攻撃。パワーは24000」
「……ノーガード」
「ツインドライブ。ゲット・クリティカルトリガー、クリティカルはヴァンガード、パワーはチャトゥラ」
1枚目からイエロージェムカーバングル。さっきレギオンで戻したのが効いてきている。
「セカンドチェック。ありゃりゃ悪いね、またクリティカルだ。クリティカルをヴァンガード、パワーをチャトゥラ」
天昇の喧嘩屋ヨウゼン。3種類目のクリティカルトリガーだ。アキナリさんのデッキ、かなりクリティカルが入ってる……!
「だ、ダメージチェック」
3枚がダメージへ。2枚がノーマルユニット。そして残る1枚が__
「アレキボス、スタンドトリガー!パワーをヴァンガードへ」
ダメージ8。もう1ダメージも受けられない。
「ファイティングドラコキッドがヴァンガードに与えたスキルを使うよ。このターン中、相手の前列のユニットが退却した時、CB1を支払うことで同じ列の後列を退却させる」
「!?しまっ__」
「2枚のカウンターブラストを払うことでローデの後ろのポロとマグナムの後ろにいたレールガンを退却だ。ごめんよ、色男」
一瞬にしてトウジの盤面から4体ものリアガードが失われた。これが伊達北高レギュラーの実力……
「ライジングフェニックスのブーストでチャトゥラのアタック。チャトゥラはスキルで+3000。トリガーあわせてパワー26000」
「くっ、レインボースナイパー2枚と、マグナムアサルトでガード」
「ちょっとトウジ!マグナムアサルトを使わなくたって言ってくれればガードはこっちから__」
「あっ……すまん!」
「ふふっ、難しいよね?タッグファイトって」
アキナリさんが不敵に笑った。
【フユキ&アキナリ:ダメージ5/手札6&4】
【トウジ&ユキネ:ダメージ8/手札2&5】
To be continued……