新メンバー、花陽ちゃんが加入したμ's。
でも、すぐに花陽ちゃんにもPVとか歌に参加してもらうわけにもいかなくて。とりあえず花陽ちゃんには筋トレと柔軟、あと基礎トレをやってもらうことにして、穂乃果たち三人は明日に迫ったPVの撮影に向けて最後の練習をしてもらっていた。
「ごめんね、隣でダンスとかやってる中一人でこういう練習で」
「いいえ! 私、いきなりでしたし……それより! 新曲のPV撮影が見られるんですよね! それの方が見逃せません……!」
「あ、うん、そっか。最後にこの前のライブの曲の復習もやるからその時に、ちょっと踊ってみよっか」
「は、はい! 頑張ります!」
「気負わなくても大丈夫だよ。穂乃果も最初はスピンするたびに転んでたから」
自分ができないかもっていう緊張からか、気負っちゃってるみたいだったから穂乃果の話をしたけど、よかった。笑ってくれた。
やっぱりかわいい子は笑顔が一番だよ。
「海未、そっちはどう?」
「はい、何とか大丈夫そうです」
「オッケー! じゃあ最後、一回通そうか」
そして前奏とともに始まる穂乃果のソロ。
音がほとんどない状態からでもぶれずに声を出せるようになってる。
それに、やっぱりさすが穂乃果たち。三人でピッタリ手をつなぐところとか、フォーメーションを崩さずに進むとか、息を合わせないといけないところもきっちりあってる。
私もだけど、お互いをよく知ってる幼馴染ってやっぱりいいね。
隣で花陽ちゃんも真剣に穂乃果たちの様子を見てる。
この子は本当にアイドルが、スクールアイドルが好きなんだって改めて思った。
翌日。
新曲のPV撮影の日。
私や穂乃果たちのお母さんたちにも協力してもらって車を運転してもらったり、撮影してもらったり。
曲は歌ってもらってるけど、あとからかぶせる予定。
やってもらって思ったけど、穂乃果たちって案外運動神経いいよね。
階段からジャンプして手すりを滑るってシーンもあったけど、穂乃果、それも一発で成功したし。
もちろん、気を付けて運転してもらったっていうのもあるけど、車をよけながら踊るシーンも一発だったし。
基本撮り直したところがダンスのずれとか、ミスとかそういうのばっかりだったのは素直にびっくりだよ。
無理なら変えないとだなぁとか、練習どれくらいかかるかなぁとか結構いろんなこと考えてたのに無駄な心配だった。
でも、けがとかそういうことにはならなくてよかった。そんな危ないことさせちゃってから言うのもどうかって話なんだけどね。
「なんだか本格的なんですね」
「そう? 結構バタバタしちゃったし、撮影とかもまだまだだしね」
「そんなことないと思います! スクールアイドルの動画を見ていてもダンスPVだけの動画も結構ありますし」
「そうなんだ。でもこれは穂乃果たちの運動神経のおかげだよ。私も考えただけでちゃんとできると思ってなかったし。ただのダンスPVになるかもって思ってたよ」
「それでもですよ! ここまでのものを作ろうとすること自体がすごいです!」
「そうなのかな? まあでも、花陽ちゃんにそう言ってもらえるならそうなのかな」
もともと好きだった人からの太鼓判ってやっぱり嬉しいよね。
そんなこんなで撮影が終わって、今日のところはひとまず解散。
家に帰った私は学校の授業でやったことを思い出しながら動画の編集をしていく。
講堂でやったときよりもタイミングとか、静と動の切り替えがうまくなってるね。
毎日練習してるからそうじゃなきゃ困るんだけどさ。
「お姉ちゃん? そろそろご飯だよー」
「はいはーい」
多分ドアのところあたりにいるだろう結衣に返事をして一度動画を保存。
「お姉ちゃん、ほのちゃんたちのビデオ大変?」
「うーん、まあやったことないからね……大変ではあるけど、楽しいよ。3人とも頑張ってくれたし」
「うん、結衣も見ててすごく楽しそうだなぁって思った!」
「ちょっと危ないこととか、大変なとこもあったのにね」
「やっぱりみんなスクールアイドルやるのが好きなんだよ」
「きっとそうだね。
あ、そうだ! PVできたらチェックするの一緒にやろうよ」
「いいの!?」
「もちろん」
嬉しそうに跳ねる結衣。
作った人がチェックすると自分がやったからってミスに気付かなかったりするからね。私はそれで何度学校のテストで点数落としたかわからないよ。
まあとにかく一緒にやってくれる人がほしかった。こういうの頼めるの、やっぱり結衣なんだよね。結衣ならいろんなスクールアイドルのPVも見てるだろうし。
ご飯を食べ終わった私たちは動画のチェックをするために一緒に出来上がった動画を見る。
結衣が大興奮でなかなか進まなかったけど、なんとか終わらせた頃には結衣はもう寝たあとでサイトにアップだけして私もベットにダイブ。
これで、2人も……そう思いながら気がつけば私も寝ていた。