μ'sが6人になってから2週間が過ぎた。
μ'sは7人だって穂乃果たちはいつも言ってくれるけど、マネージャーみたいな感じの私はスクールアイドルグループのメンバーの人数には入らないと思うからμ'sは6人+私、みたいな感じだと思う。
なんだけど……
「それでは新生μ'sの練習を始めます! 1!」
「2!」
「3!」
「4……」
「5!」
「ろ、6!」
「7……?」
「7人だよ! 7人! 「歌うのは6人だけどね」でもでも! いつかこの6人は神シックスとか、仏シックスとかって呼ばれるんだねぇ……!」
「仏じゃ死んじゃってるからね?」
練習のたびにこの点呼して感動する穂乃果はある意味すごいんだけど憧れはしないかな……もちろん、穂乃果のエンジンには尊敬するけどね。
さて練習……あ……
「雨、だね……」
「またぁ!」
穂乃果が文句を言いつつ屋上にとりあえず上がる。それに続いてほかのみんなも走って行っちゃって私は置いてけぼり。
走れないことはないけど不安だし、自分が無理して迷惑かけるわけにもいかないしね。私はゆっくり上って行こっと。
屋上に続くドアからみんな何かを見てた。
「何見てるの……って……」
凜ちゃんがなんかすごくアクロバティックに動いてた。
え、もはや体操選手のレベルだよ、それ。
そして最後はきれいに止まって決めポーズ!
……からの土砂降り……
凛ちゃん大丈夫かな?
「私帰る」
「真姫ちゃん、帰っちゃうの?」
「だって練習できないならいる意味ないじゃない」
「私も今日は……」
花陽ちゃんも。
でもこの雨なら練習できるようになることはないだろうし仕方ないかな。
「そうですね、今日は練習休みにしましょうか」
「えーなんでなんで!」
「凛たちがばかみたいじゃん!」
「ばかなんです」
海未、何もそこまで冷たく……
私は二人にとりあえずタオルを渡してみんなを引き留める。
「でもこのまま帰るのもあれだからちょっと寄り道して次の曲のことも考え始めようか」
「もう?」
「だってせっかく人数増えたし廃校阻止のためならガンガン活動しないとね」
まあ単純にもっとみんなとの距離を縮めたいっていうのもあるんだけどね。
そんなわけでやってきましたハンバーガーショップ。
私、食べれるものないけどね。こういうお店は基本的に塩分多すぎて制限一発アウトになるから食べることをあきらめてるところもあってメニューを見ずに席の確保をした。
私が座った席の仕切りまたいで反対側の席にすごい帽子をかぶった人が座った。
あの人、サングラス外さないし帽子かぶったままだし変な人……
まあ関わらなきゃいいよね……?
「穂乃果! こっちこっち!」
7人座れる席を確保して穂乃果を呼ぶ。穂乃果が動くとみんな付いてくるからね。
って……
「穂乃果、多くない?」
穂乃果のお盆、ポテトすごく多いんだけど。
「私も注意したんですけどね、ストレスを食欲にぶつかると太りますよって」
「だってだって!」
「だってって言っても食べ過ぎはダメ。太ってダンスできなくなるなんて言ったら大変でしょ?」
「あ、あぅ……ことりちゃん、夢ちゃんと海未ちゃんがいじめる〜!」
「あはは……」
ことりも困っちゃってるじゃん……
「ところで、夢花先輩は何も食べないんですか?」
凛ちゃんの質問。そっか、普段穂乃果たちとしか外で遊ばないから忘れてたけど他の人はそこまで知らないんだよね。
「うん、まあちょっとね」
心配させたくないし言わなくてもいいよね……?
真姫ちゃんにはじっと見られてたから笑顔を返しておいた。
「それよりも、朝の人のことのほうが問題よ。解散しなさいって言われたんだっけ?」
「うん……START:DASH!! もススメ→トゥモロウも結構上手にできたと思うんだけど……」
「アイドルとしてやっていくと少なからずそういう人もいますから……」
「なかなか大変だにゃ……」
みんなが少しおし黙る。
「それよりも練習場所よ。どこかないの?」
真姫ちゃんが沈黙を破った。
強気なのはいいんだけど敬語ほとんど使えないよね、真姫ちゃん……そんなこと言いつつ私は全く気にしてないんだけどね。
「部活動申請できないと教室が使えないんだよねぇ……」
「申請、できないんですか?」
「部員が5人以上いないとって生徒会長が……?」
え、穂乃果、もしかして……
「部活動申請してないの……?」
「5人いるじゃん! 忘れてたー!」
「忘れてたんかーい!」
あれ、今μ'sメンバーじゃない声が……
でもどこから……?
「とりあえず、明日申請しに行ってみましょう」
「うん! はぁ、なんか安心したらお腹空いちゃった……?」
隣の席から伸びる手が穂乃果のハンバーガーを持って行こうとして……あ、戻した。
で、逃げた!
「あ、この人朝の!」
この人が?
完全にストーカーだよ、これ……
「なによ、朝も言ったでしょ。あんたたちは歌もダンスも全然だめ。だからとっとと解散しなさい!」
「穂乃果のポテト返してよ!」
「そっち!?」
花陽ちゃん、穂乃果はそういう人なの……
「買って返して!」
まだ粘るんだ……
ストーカーさん、結局穂乃果に根負けして逃げちゃった。
本当は少し話聞きたかったけど乱闘になるかもって思うとどうしても動けなくて……
残された私たちは走り去るソフトクリームみたいな頭を見送るしかなかった。