限られた日々のなかで〜女神と歩んだ1年〜   作:月白弥音

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#4 幼馴染み

SIDE穂乃果

昨日、スクールアイドルをやるって決めた私、ことりちゃん、海未ちゃんの三人。アイドルと言えばやっぱりライブ!

と言うわけで早速講堂の使用許可を貰いに行ったんだけど……生徒会長に反対されそうになって、すっごくドキドキした。副会長のお陰で使えることになって本当に良かった~。

衣装はことりちゃんが作ってくれるって言ってるし(海未ちゃんはミニスカート反対してたけど可愛いからそのまま作ってってことりちゃんに頼んじゃった、えへへ)、グループの名前は……みんなに決めてもらうことにしたし、次は練習場所! 

校内をぐるぐる回って見たけど結局どこにも空いてる場所がなくて屋上でやることにしたの。雨の日は使えないし、日陰もないから休むところもないけど贅沢は言ってられない! 早速練習だーって意気込んだけど、曲が……ないっ!

と言うわけで、今日穂乃果のうちに三人で話し合って決めることにしたんだけど……

「海未ちゃん、遅いね、はむっ」

「そうだね~はふ」

海未ちゃんがこない。もうそろそろ練習終わってくるはずなのに。早くしないとことりちゃんと二人でお団子食べちゃうよー

「二人とも、ダイエットはどうしたのですか?」

「「ああっ!」」

わ、忘れてた……今日からダイエットするんだったっけ。

「はぁ、それで話し合いは進んだのですか?」

「うん、とりあえず案だけは……」

「……? 二人とも、なぜこっちをみるのです?」

「海未ちゃん、中学生のころ、ポエム書いたことあったよね~?」

ことりちゃんがそう言った途端、海未ちゃんは立ち上がって出ていこうとする。でも穂乃果、海未ちゃんがそうすることはわかってたもんね。先回りして扉を封鎖! えへへ、穂乃果もたまには役に立つでしょ?

「絶対に嫌です! だいたい、中学のときのも本当に恥ずかしかったんですよ」

「そんな~」

「海未ちゃん……」

穂乃果ががっかりしてるとことりちゃんが胸に手を当てて、目を潤ませた。ま、まさかこれは……

「おねがぁい!」

……っ! 何度か見たことあることりちゃんの必殺技みたいなの。穂乃果までドキッとしちゃったよ。でも、これをやって海未ちゃんが落ちなかったことは、ない。

「……ずるいです。分かりました、引き受けましょう」

やったー! さすがことりちゃん。

「それで、作詞は私がやるとして、作曲は?」

こっちはことりちゃんとかなり真剣に話したこと。あ、別に適当に海未ちゃんにしよって決めた訳じゃないよ。ただ、最近はうまく話せてなかったから。私のもう一人の幼馴染み。

「うん、夢ちゃんに頼めないかなって思ってるんだけど……」

「っ! 穂乃果、それは」

海未ちゃんの目が大きくなった。

「ことりも最初に聞いたときはビックリしたけど、いつまでもこんな風になってるの、やだから……ちょうどいい機会じゃないかなって思うの」

夢ちゃんのところにお見舞いに行ったとき、私は夢ちゃんを傷つけちゃった、と思う。

夢ちゃんが倒れたのは夢ちゃんの中学最後のダンスのコンクール直前。穂乃果は当然、コンクールに出られると思ってて、三人でお見舞いに行ったときその事を話題に出しちゃったの。そしたら……

ーー穂乃果にはわかんないよ! もうダンスも出来なくなっちゃって、ましてや普通の生活もできない。もう今までみたいには何もできなくなった私の気持ちなんて! もうほっといて、二度と来ないで!

って言われちゃって。慌てて謝って病室を出てきちゃったはいいけど、なんだか気まずくてそれからはお見舞いどころか、退院してからもはなせなくなっちゃった。

「……か、穂乃果!」

「ふぇ、どうしたの、海未ちゃん」

気がついたらすごく近くに海未ちゃんの顔があった。

「どうしたのじゃありません。夢花に頼むのはいいとして、正面から頼む気ですか?」

「回り込んでとか、難しいこと穂乃果にはできないから。まっすぐ、ぶつかるよ!」

「……ふふ、あはは」

突然海未ちゃんが笑い始めた。

「どうしたの、海未ちゃん。私、真剣なのに!」

「いえ、あれこれ考えていた私がバカらしくなりました」

「やっぱり、穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんだね♪」

なんか誉められた、んだよね?

とにかく明日、夢ちゃんに突撃だ!

 

 

SIDE夢花

「夢ちゃん、いる?」

私の体がとっさに固くなった。私を夢ちゃんって呼ぶのは幼馴染みの穂乃果とことりしかいない。どうしようかと思ってるうちにその声の主、穂乃果が私のところに来て

「久しぶり。今、ちょっといい?」

と私を教室の外に連れ出した。そのまま穂乃果に着いていくと屋上につれていかれた。

扉を開けるとそこには海未とことりが待ってた。

「久しぶりですね、夢花」

「久しぶり、夢ちゃん」

「……久しぶり、二人とも」

挨拶を返しながら私は日陰に座る。

「ごめんね、突然こんなところに連れてきて。実は私たちスクールアイドルやることにしたの」

「……知ってる。ポスター見た」

やっぱり、どうしても素っ気なくなっちゃう。前どうやって話してたんだっけ?

「それで、良かったら協力してほしいなぁって思ってるの」

私がもう前みたいに踊れないことを知ってて言ってきてるの? 私が何を協力できるって……

「前、たしかピアノをやっていましたよね。もしできるなら作曲をお願いしたいのですが」

……っ! 私が、入院中からやってることを知ってるの?

「……私をバカにしてるの? それとも貶してる?」

「え……」

「私が前みたいに踊れないこと知ってるよね?」

「だ、だから別にダンスを教えてもらいたい訳じゃ……」

「もうそう言うの見たくないんだよ……もう私が前と同じように踊れることはないんだから」

そんなこといっても仕方ないのに。治ったらもう一度頑張ろうって決めてるのに。いくら頭ではわかってても口は勝手に動いていく。

「そんなこと……」

「それに何で今さら……自分に必要なときだけまた声かけるんだ」

「そうじゃない、そうじゃないよ! どうしたの、夢ちゃんらしくないよ!」

「いままで距離置いてたのに」

「っ! そ、それは……」

違う、私が一方的に距離をおいてただけなのに。

「私は、みんなともう一緒にはいない。私、みんなのこと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌いだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、最っ低だ、私。




やっとμ'sメンバーと絡んだ~けどギクシャク!
もう少しシリアスが続きます。
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