LuLuの物語-if-少女に与えられた偽りの希望 作:ウンニーニョ
「さて、今日の結果報告を始めるわよ!」
午後のお茶会がギルドホームとして使っている一室にリズの声が響き渡る。
円卓を囲んでいるのはギルドメンバーのセレスティア、シリカ、リーファ。それから仮メンバーのキリトとアスナだ。
このギルドの目的はギルドを作るならトップを目指す。それ以上の大前提としてこの世界にいると信じる彼を見つけ出しもう一度会う事。
その為にALOに散らばる噂やNPCの情報などをあつめてこうしてみんなで共有してこれからどうするかを決める。
今日の結果は新しい狩場の情報にクリアされていないクエスト、そして気になった2つの情報。
「PK?」
「ああ。ALOはPK推奨のゲームだが、それはクエストやギルド間のいざこざなんかがメインだ。褒められた行為じゃ無いが自分より弱い奴を狙うPK専門のアイテムハントをしている奴もいる。まあそいつらは大体断罪されちまうけどな。」
キリトが言ったのはここにいる誰もがわかっている事だ。
キリトは話を続ける、
「今回噂になっているのはSAO帰還者を狙ったPKだ」
ここにいる全員がキリトを怪しむような目で見る。
まず、誰がSAO帰還者なのかわからないからだ。
「いや、確かにSAO帰還者とプレイヤーが名乗らなければ見つけるのは難しいだろう。でもそのプレイヤーは尋ねてくるそうだ。SAO帰還者か? ってな。もしはいと答えたらPKされる。いいえでもPKされる
らしい」
「結局無差別じゃない!」
「だけど帰還者と名乗ったプレイヤーはただPKされるだけじゃなくてまるで帰還者を恨んでいるかのように殺しては復活されてを繰り返されるそうだ」
ぞっとする話だ。特に2年もの間その死と隣り合わせの生活をおくってきたSAO帰還者には。
「会いたくないですね……」
シリカのつぶやきと共に空気が暗くなる。
それを切り替えるようにセレスティアが言った。
「ぼ、僕が聞いたのは6枚羽根のインプに助けられたって話! プレイヤーは普通2対2の4枚羽根でしょ? 噂は特定条件で現れるレアキャラじゃないかって言ってだけどこの話、キリトやアスナの話と合わせるとこれってルルじゃない?」
この言葉で先ほどの暗さは何処へ行ったのやら。
噂の場所など詳しい事を調べて後日探しに行く事が決まった。
☆★☆★
スプリガン領の古代遺跡近くにある森林地帯。
ここが6枚羽根のインプの目撃された場所らしい。とは言ってもクエストがある訳でもなんでもない場所であり、スプリガンの初心者がレベルでも上げてない限り人は見当たらない。
一通り見回った後リズたち6人が帰ろうとした時だった。
キリトの索敵スキルに誰かが引っかかった。
キリトが視線を動かすとそこにいたのはインプ。しかし2対2の4枚羽根の少女だった。
「貴方たちはSAO帰還者ですか?」
そのプレイヤーが発した言葉に6人は身構えた。
「その反応は当たり?」
可愛らしく首を傾げているが顔は無表情。両手に短剣を逆手持ちしている。
ちなみにSAOと違いALOはソードスキルがない為自身が戦いにくくなければ装備は自由、しかしキリトの二刀流も言われているが両手に武器を持つスタイルは難易度が高く始めは憧れてする者がいるが上級者になる程少ない、というか今はキリトの二刀流のみである。
「だ、だったら何だって言うのよ……」
リズの返答を聞いた少女は獲物を見つけたとばかりに口を三日月のように釣りあげた。
そのまま透き通った紫色の羽根を羽ばたかせ、リズに向かって飛び出した。
繰り出された右手の短剣をリズは慌てて細剣を抜き防ぐ。
少女は宙に浮いたまま体を捻りかかと落としをリズに食らわせると今度はムーンサルト気味に反転し、回転しながらキリトに両手の短剣で4連撃。
それをキリトが難なく防いでみせる。
着地した少女にキリトが話しかける。
「どうしてそんなにSAO帰還者を目の敵にするんだ?」
「キ、キリトさん⁉︎」
キリトがした質問にシリカが何を言っているのかとビックリする。
「キリト……聞いた事ある。前にSAO帰還者が言ってた。攻略組とか言うデスゲームを終わらせた英雄の1人……なんで……強いならなんでお兄ちゃんを助けられなかったの!」
少女はそう叫びながらキリトに飛びかかった。
しかしその間にリズが現れて少女の短剣を受け止めると話し出す。
「お兄さんを亡くした悲しみに押しつぶされそうなんだね」
「あなたに何がわかるの!」
「私も、大事な人を……」
少女は飛び退くとリズに話しかける。
「なら……あなたはなんで1人で戻って来たの? その時に一緒に戦えば2人とも助かったかも知れないのに……私なら___」
「止めろ‼︎」
少女の言葉をキリトが遮る。
「一緒にいて目の前で助けられなかったオレ達の気持ちがお前に分かるのか‼︎」
「キリト君……」
アスナが顔を暗くする。
「私は……一緒に戦えもしなかった……お兄ちゃんとは中学に上がってからあんまり喋れなくなって……久しぶりに……一緒にしようって買ったのに……私が……部活で遅くなったから……睦月……お兄ちゃん……」
泣き出してしまった少女の言葉に反応したのはリズだった。
「あなた……もしかして苗字は
「え?」
リズの言葉に少女は勿論全員が驚く。
「そうなのね……ならあなた、私のギルドに入らない?」
その言葉にまたもや全員が驚く。
「私達のギルドはこのゲームを楽しんでトップギルドを目指す。だけどそれ以上に大事な目標があるの。この世界にいるはずの6枚羽根のインプを探しているの。プレイヤー名は……《ルル》」
それを聞いた瞬間少女は目を見開いた。
「そう。あなたのお兄さん。あいつは死んでからも何故かSAOの中で生き続け、最後にボスを倒してプレイヤーを帰還させた英雄。私は彼と1年くらい一緒に暮らして置いてけぼりにされちゃった……だから彼を探してとっちめてやるの。このギルドはあいつにもう一度会いたいメンバーが集まったの。あなたも、一緒に探さない?」
「……お兄ちゃんにもう一度会えるの?」
リズが差し出した手を少女が掴む。2人の目尻には涙が浮かんでいる。
「私の名前はリズベット。あ、勿論プレイヤーネームよ。貴女は?」
「……リリルカ」
少女は気まずそうに周りを見回す。
それを見た午後のお茶会のメンバーは笑顔で2人が握る手に自分達の手を重ねる。
こうして午後のお茶会は5人、仮メンバー2人になった。
あとがき
オリキャラ参戦です。
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