とある科学の魔法士たち   作:過労死志願

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始まる表裏の戦い

「うっ……」

 

 自分の体を揺らす微弱な振動を感じ、初春飾利は目を覚ました。

 

 瞳に映る光景は、四人乗りの車の車内。その助手席に自分は座らされているらしいと、寝起きでぼやけた頭でそこまで考えた瞬間、

 

「っ!?」

 

 自分の両手に手錠がはめられているのが見え、自分が木山の研究所を訪れた際、突然襲い掛かった木山によって気絶させられたことを思い出し、あわてて車内を見回した。そして、

 

「やぁ。おめざめかな? ところで至極個人的な興味からの質問なんだが……その頭の花はいったい何かな? 君の能力に関係でもあるのかい?」

 

 運転席に悠然と座り、ふてぶてしくそんなことを聞いてくる木山春生を発見した。

 

――こ、この人は!? と、こんな状況でもマイペースな変人脱ぎ女の姿に初春は思わず顔をひきつらせ、

 

「……お答えする必要はありません」

 

「ふむ。まぁ、この状況ではその答えが妥当かな?」

 

 そっけなく拒絶の言葉を告げる。そんな初春の態度に「まぁ、仕方ないか」と苦笑を浮かべた木山は、前へと向き直り再び車の運転へと集中しだした。

 

――でも、このまま会話を続けないのはナンセンス。少しでも多くの情報を聞き出さないと。

 

 風紀委員操作心得に書いてある、事件調査の基本――どんな時でも情報収集を怠るな!!――を実践するため、初春は口を開く。

 

「いったい、どうしてこんなことを。風紀委員を拉致するなんて、ただではすみませんよ?」

 

「もうこの状況に至ってそんなことを気にしていられる状況ではないことくらい、君のほうが理解しているだろう? 私はそれ以上の罪をすでに犯している」

 

幻想御手(レベルアッパー)ですか?」

 

「その通りだ」

 

 さすがは風紀委員。このくらいのことは気づけるか。と、木山は小さく笑いながら初春の指摘にわずかばかりの賞賛を送る。

 

「そんなことはいいんです! どうしてこんなことをしたんですか!? 昏睡状態に陥った人たちはいったいどうなるんです!?」

 

「矢継ぎ早だな。質問なひとつずつしたまえ。私は天才でも聖徳太子でもないぞ? 一つの質問に答えられるのは、やはり一つだけの答えなのだから」

 

 まぁ、私の師匠はむしろやれるけど面倒だからやらない人だったが……。と、何かを懐かしむように目を細めながら、木山は初春に話をする。

 

 レベルアッパーの正体はヒトの脳を使った超高速演算コンピューターを作ることだ。とか、使用した学生の能力のレベルが上がったのは、並列接続され演算力が上がったネットワークの恩恵を受けただけに過ぎないただの副作用だ。とか、使用者が昏睡状態に陥ったのは、完全にネットワークに取り込まれ脳が自由をうばれたからだ。とか、その抗体プログラムはすでに用意してあるから、適当にラジオにでも乗せて流してもらえばすぐにでもレベルアッパー使用者たちは回復するなど……。初春の疑問に一通りの答えを示す木山。

 

 そこには、彼女が学者なのだと理解できるほど理路整然としたわかりやすい答えが並んでいた……が。

 

「まだ、答えてもらっていない質問がありますよね?」

 

「……」

 

「どうしてこんなことをしたんですか!! 木山先生!!」

 

 初春からの攻めるような詰問の声に、木山は少し黙り込んだ後、

 

「く……くくくっ」

 

「え?」

 

 突如、こらえきれないといわんばかりに笑い声をあげる。

 

「くく、あ、あははははははは!! いや、すまない……子供に先生なんて呼ばれたのは何年かぶりかでね。つい懐かしくなってしまって……」

 

 木山はそう言って笑いながら、目元ににじんだ涙をぬぐいつつ――強烈な覚悟を秘めた人間の顔になる。

 

「あるシミュレーションを行うためだ。どうしてもやらないといけないシミュレーションなんで、樹形図の設計者(ツリーダイヤグラム)の使用申請をしてはいたのだが、どういうわけか棄却されてね。仕方なしにこんな手段に打って出たというわけさ。一万人ほど集まったから、恐らく十分な演算容量が確保できているはずだ」

 

「一万人も!?」

 

 その信じられない人数に、初春は一瞬瞠目し再び鋭い視線を木山に向ける。

 

「そう怖い顔をしないでくれ。先ほど言ったように抗体プログラムはすでにできている。私のシミュレーションが終わればすぐにでも開放するさ。信じられないというのなら……」

 

 そういって木山は、白衣のポケットをまさぐりそこから取り出したチップを初春へと渡す。

 

「それを君に預けよう。抗体プログラムはその中に入っている。これで安心してくれたかな?」

 

「そういう問題ではありません!!」

 

――この人は、人のことをなんだと思っているんだ!! と初春は激怒しながら、彼女の計画にある穴を指摘する。

 

「それに、お風呂に入っていたり一人暮らしの人が倒れたらどうするつもりなんですか!! 場合によっては取り返しのつかないことになりますよ!!」

 

 瞬間、木山が運転する車が盛大にコントロールを失い、道を大きく左右に蛇行する。

 

「!?!?!?!!」

 

 突然訪れたジェットコースター気分走法に目を回す初春。そして、そんな彼女の傍らで、

 

「まずいな……統括理事会にすぐにでも全学生寮を見回らせるよう連絡しなければ」

 

「想定していなかったんですか!?」

 

 木山は意外と抜けていた……。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 そのころ、天樹錬は……。

 

「今日は何でこんなに倒れている人が多いのさぁああああああ!!」

 

 通りがかった学生寮で、友人と連絡が取れないと困っていた少女を見かけ、仕方なしに助けてみれば、室内で倒れている学生を発見。

 

 あわてて救助をして一件落着かと思いきや、通りがかる学生寮で次々と似たようなシチュエーションにいる学生たちと遭遇。貴重な夏休みの時間をつぶしながら、ほかにも救助しなければならない人がいないか学園都市中を走り回っていた……。 

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

そして、

 

「はやいな。上から命令があればさすがの速度だ……警備員(アンチスキル)

 

 彼女の眼前に張られた検問の出現に、木山は小さくそう漏らす。

 

『木山春生じゃん? 風紀委員拉致の現行犯。ならびに、先ほど風紀委員から入ったレベルアッパー分布の犯人として拘束するじゃん』

 

 検問の先頭に立つ長い髪を後ろでひとまとめにしたきれいな女教師――黄泉川愛穂の勧告に、木山は不敵な笑みを浮かべる。

 

「ど、どうするんですか? 年貢の納め時みたいですよ?」

 

 そんな木山の態度に言い知れない不安を感じながら、それでも初春は虚勢を張り彼女にそう問いかけた。

 

 いや。いや虚勢というのはいささか間違っていただろう。いやな予感を覚えてはいても、言い知れない悪寒を感じてはいても、あれだけの装備を持った警備員たちがただの一介の研究者の木山に負ける光景が、初春にはどうしても思い浮かばなかった。

 

 だが、

 

「レベルアッパーは……人間の脳を、AIM拡散力場を利用し並列接続。それによって超高速の演算能力を実現する機能だ。だが、それは使用者に面白い副産物を与えてくれる」

 

 木山は初春にそう告げると同時に、静かに車から降り立ち銃を構え警戒態勢に入るアンチスキルたちの前に姿を見せる。

 

 両手は頭の上にあげられている。降伏の体勢だ。

 

 だが、

 

「よし、拘束しろ!!」

 

 黄泉川がそう告げて、数人の警備員たちが木山にゆっくりと近づいて行ったとき、

 

「!?」

 

 異変が起きた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

『どどどどど、どうしよう雪!? セラが、セラがこっち来ちゃう!? お友達は無事に助けるからねっ!! って、安心させるついでにできる母親アピールしたかっただけなのに!?』

 

「落ち着きなさいレノア。あと、あなたはもう大分ダメな母親よ」

 

 通信機越しに聞こえてくる慌てふためいた友人の声に、天樹寮寮母――黒沢雪は苦笑いをしながら返事を返す。

 

 事件はいよいよ大詰め。人質になった風紀委員の少女は無事であることがわかり、あとは木山を拘束するだけだ。

 

――何も心配する必要はない。彼女はそう思っていた。警備員(アンチスキル)に所属し、黄泉川に鍛えてもらった彼女だからわかる。たかだか拳銃を持った研究者ごときに負けるほど、警備員は軟な鍛え方をしていないと。

 

 だから、

 

「そんなに心配なら、セラちゃんが来る前にさっさと犯人捕まえちゃえばいいでしょ?」

 

『そ、そうね!! そうだったわ!! よし、あの女の頭を打ちぬけばいいのねっ!?』

 

「……ホント落ち着きなさい、レノア」

 

 雪は後方に控えながら、娘が生まれてから大分ダメな感じに壊れ始めた友人に釘を刺すことに、専念しようとした。

 

 だが、

 

『高密度AIM拡散力場感知。危険度・大』

 

「!?」

 

 突如脳裏にひらめいたIブレインが提示する危険勧告に、彼女は大きく目を見開いた。そして、

 

「なっ!?」

 

 先ほどまで両手を無抵抗にあげていた木山が、手を突出しそこに巨大な球体竜巻を作り出すのを見て、さらに絶句する。

 

「うそ……」

 

――学生でもないのに能力を!? と、驚く雪をしり目に、

 

「学生でもないのに――能力者なんて!?」

 

 木山は不敵な笑みを浮かべながら、

 

「さて……道をあけてもらおうか?」

 

 蹂躙を開始した。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 セレスティ・E・クラインは空の人となっていた――空を飛んでいた。

 

 もとより光使いは魔法士の中でも空中戦が得意として知られる能力だ。

 

 空間を支配するがゆえに、高速飛翔のデメリットは根こそぎ弾き返し、重力の設定をいじることによって右上に落下する(・・・・)ことによって空を飛翔するセラ。

 

 その周りには彼女を守るように無数の12の結晶体――D3が浮遊している。

 

 そして、

 

「っ!?」

 

 事件現場上空へと至った彼女は目的下。

 

「初春さん!!」

 

 まるで巨大な怪物でも暴れまわったかのような惨状を見せる、めちゃくちゃな事件現場を。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「……どうなっているの!?」

 

 はるか先にあるはずの事件現場から飛翔してきた巨大なコンクリートの槍。

 

 何とか、空間の裏側に隠していたデバイスの展開が間に合い、軌道をそらすことに成功したそれは、彼女――レノア・E・クラインの真横に突き刺さり、彼女が立っていた狙撃地点であるビルの屋上に巨大な亀裂を走らせていた。

 

――ここにいる私が見えたっていうの? 先ほど狙撃中のスコープ越しに見た能力を使う木山の姿を思い出しながら、レノアは舌打ちを漏らす。

 

「さっきも違う能力をいくつも使っていた……。レベルアッパーの恩恵? だとしたらかなり面倒ね」

 

 すくなくとも、一万人近い人間が使っていた能力が少なくとも木山の手にあることになる。

 

 さすがにレベル5級の能力を収集したという話は聞かないため、火力の面ではさほど問題はないと思うが、

 

「無数の能力を使う、厄介な能力者を知っているからねぇ……」

 

 彼女の脳裏に思い浮かぶのは同じ寮に住んでいる黒髪のギャルゲ主人公(とくちょうなし)。そして、寮きっての腹黒参謀の傍らにいる……。

 

 そこまでレノアが考えたとき、

 

『レノアさん、雪さん。その場はいったん引いてください』

 

「はぁ!?」

 

 彼女がつけていた警備員専用のインカムに、その腹黒参謀――天樹真昼の声が割り込んできた。

 

 どうやってハッキングしたの? とか。状況をどうして知っているの? といった余計なことは聞かない。どうせろくでもない手段を使ったに決まっているのだから。警備員に所属する自分としては聞かなかったほうがいろいろと都合がいい。だが、

 

「いったん引けってどういうことよ!? あそこには初春ちゃんがいるのよ!? セラの友達なのよ!?」

 

『そっちはディー君たちが行っています!! でも、ここでバンクに乗っている以外の能力――《魔法》が使われるのはまずい』

 

「なんでよ!!」

 

『アレイスターが……そっちに滞空回線(アンダーライン)の情報収集能力をすべて割り振っているんです!!』

 

「っ!?」

 

 その事実にレノアは血の気を引かせ、

 

「ごめん……もう遅いわ、真昼」

 

『っ!?』

 

「セラが……来ちゃった。D3全力展開で」

 

 瞬間、荒れ果てた事件現場めがけて12の閃光が飛ぶのを視認したレノアは、思わず額を覆った。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 天樹真昼は寮の自室にて、ハッキングした監視カメラの映像を映してくれるパソコンを覗き込みながら、レノアの報告を聞き思わず苦虫をかみつぶしたような顔になる。

 

――どうする? 彼の脳裏を埋め尽くすのはその言葉だ。

 

 木山春生に関してはいうほど心配してはいない。Iブレインの使用を禁止しているレノアと雪は心配といえば心配だが、べつに演算能力そのものを封じているわけではない。攻撃予測を利用して逃げ延びることくらいはあの二人にとってはたやすいことだし、レノアに至っては集中した滞空回線(アンダーライン)の圏外にいる。魔法を使ってもアレイスターに気付かれる可能性は限りなく低い。

 

 だが、問題なのは魔法を前面に押し出して前線に出てしまったセラのことだ。

 

 一応バンクに登録されている能力者ではあるが、アレイスター直轄の耳である目である滞空回線が直々に精査をかければ、超能力と情報制御の違いが気づかれないわけがない。

 

――どうする? 真昼は小さくそう漏らす。

 

 取れる手段は二つ。

 

 一つは、このままセラに戦闘をさせて、その後ヘイズに連れて行ってもらい学園都市の外へ逃がす。だが、正直言ってこの手段はあまりとりたくない。レノアやディーは大反対するだろうし、自分としてもかわいい妹分が一人減るのはうれしいことではない。なにより、情報制御がばれてしまえば、寮全体も学園都市から疑いの目を向けられることとなる。逃走するなら寮ごと逃げ出す覚悟が必要だ。

 

 二つ目は、口封じにセラだけ殺す。

 

 論外だ。話にならない。こんな手段しかないのだとしても、真昼は決してそんな手は打たない。

 

 多くの魔法士を守るためにならおそらく二番目に選択肢が正しいのだろう。だが、大を救うために小を切り捨てるなど、真昼は絶対したくなかったし彼の父親も認めない。

 

 彼の父親――天樹健三の口癖は、

 

「『人間は間違った答えを出す。そして、その間違った答えをいつの間にか正しい答えにする。だから人間は偉大なんだ』だったね、父さん」

 

――だから、

 

「間違った答えでもいい。この平凡な日常を守ったまま、セラを救える方法を……」

 

「真昼、どうした? 難しい顔をして」

 

 その時だった。真昼の背中に聞きなれた女性の声がぶつかった。

 

「サクラ……それが困ったことになっちゃって」

 

 その声に苦笑を浮かべながら振り返りながら真昼は、珍しくツインテールをほどき、髪を下した少女――サクラに、事の顛末を話す。

 

 そして、

 

「なんだ。そんなことなら簡単ではないか」

 

「え?」

 

「以前真昼が調べていただろう。いい加減鬱陶しいからアンダーラインつぶせないかな~とか。あれでいろいろアンダーラインの仕組みを調べて分かったことがあったではないか」

 

「あ……」

 

――そういえばあったなそんなもの。徹夜で錬やセラの能力に関してごまかしたときだったから、テンションがハイになってむちゃくちゃやった調査だったせいで、すっかり黒歴史として封印してしまっていた。

 

 自分の失態に思わず次長の笑みを浮かべながら、あわててでパソコンを乗せているデスクの引き出しをまさぐる真昼。

 

『悪魔使いを参考にした多重能力(デュアルスキル)の実現性について』『対魔術師用戦術訓練計画書』『悪魔使いの能力を使った超能力者『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の複写方法』『対魔法士用兵器《ノイズメイカー》を学園都市が作り上げるのに必要な年月計算』『木原一族リスト。要注意人物たち』……といった、見るものが見れば卒倒しかねない重要書類たちが無造作に投げ捨てられ、そして、

 

「見つけた!!」

 

 ようやく、真昼は目的の研究レポート――《滞空回線破壊方法》を引き当て、インカムを引っ掴む!!

 

「レノアさん!! そこから、セラがいる区画をできるだけ派手に吹き飛ばせる!?」

 

レポートの内容はこうだ、

 

『滞空回線はアレイスターの直通情報網を形成する中核となる、学園都市中に5000万機ほど散布されている70ナノメートルのシリコン塊。形状は球体状のボディの側面から針金状の繊毛が左右に二対・六本飛び出しているもので、空気中を漂うような感覚で移動を行う。機体自体が空気の対流を受けて自家発電を行うため、半永久的に情報収集が可能であり、収集したデータは、体内で生産した量子信号を直進型電子ビームを使って各個体間でやりとりされ、一種のネットワークを形成している。

しかし、その小ささから爆風や衝撃波を受けると損壊してしまうこともままあり、破壊された結果1エリアでノイズが発生すると、ネットワークのあちこちに飛び火して全体に大きな負荷をかける』

 

 天樹真昼は最後の項目に注目し、

 

「レノアさん!! セラを守るためだ……セラが戦っている区画を、何とか吹き飛ばせたりしない!?」

 

『誰に向かって口きいているの真昼?』

 

 帰ってきたのは娘を守れると知った力強い母の言葉、

 

『私たち光使いの能力は、もともと対大型兵器用に作られた殲滅能力なのよ!!』

 

 瞬間、レノアの『光使い専用攻撃特化型デバイス――D3Aから数百条という、D3とは比較にならない数の荷電粒子砲が放たれるのを、真昼はPC画面で確認した!

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 窓のないビルに坐するアレイスターは、突如自分が瞳代わりに使っていたアンダーラインがショートし、まったく情報を送ってこなくなったのを感じ、わずかに表情を動かす、

 

「……なるほど。お前の研究を隠そうとする者はまだ生き残っているというわけか天樹健三」

 

――用心深い男だ。と、アレイスターは小さく笑いながら、最後にアンダーラインが何とか回収できた情報に目を通す。

 

 12の結晶体を従え、空を飛ぶ少女。だがしかし、その映像以外の情報は存在しない。少女の顔や素性も分かったが、その飛翔能力が超能力だといわれてしまえばそうだなと頷くしかないごく微量な情報。

 

 だがしかし……アレイスターは考える。

 

 これを何者かが隠そうとしたということは、これには隠さなければならない秘密が眠っているということだ。と、

 

 アレイスターは考える。ならばいっそのこと、この者たちは泳がせて、ひとまず先に天樹健三の研究そのものに手を付けたほうがよいと。

 

 だからこそ、アレイスターは判断を下す。

 

 冷徹な機械のように、間違わない判断を下す。

 

ニンゲン……アレイスターは決して間違わない。間違った答えを下さないまま、

 

「天樹健三がいたとされる研究施設をすべて調べろ……木原情規(じょうき)

 

『くはっ!? 天才と名高いあの学者のすべてを調べていいのかい!? アレイスター……あんた本当にさいっこうだよっ!!』

 

 人間の偉大さを捨て去った。

 




やっちゃった感が否めない……ていうか本編が全く進んでねぇ!?
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