とある科学の魔法士たち   作:過労死志願

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Box

 自身の周囲の重力場を制御し、天井付近を舞い踊るセラ。

 

 だがしかし、敵はもとより遠距離攻撃型の能力者だ。距離などとったところで関係がない。

 

「パリィパリィパリィってか!? 第四位なめてんのか小娘ぇええええ!!」

 

 怒号とともに放たれる閃光は、光速で飛来する死の大槍。

 

 その極大といっていいほどの大きさは、たやすくセラのLanceを凌駕する。だが、セラも能力に目覚めてからずっと、何もしてこなかったわけではない。

 

【『D3』B:Shield】

 

 瞬時に一つのD3がセラの眼前に飛び込んできて、ゆがんだ空間を展開。がりがりと音を立てながらもかろうじてその極大の閃光の軌道をゆがめる。

 

 背後の天井がぶち抜かれる轟音を聞きながら、重力の方向を再変更したセラは、今度は正しく物理法則に従い真下に向かって落下する。

 

 落下しながら、

 

【『D3』E-G:Lance装填】

 

 それに従い同じように落下をしてくるD3たちに荷電粒子を装填。

 

【射出】

 

 命令を下し放出する!

 

 だがしかし、

 

「邪魔だ」

 

 麦野はその攻撃に見向きもせず、たった一言苛立ちの声を上げて一蹴する。

 

 彼女の体を中心に波動のようなエネルギーの放出が行われる。

 

 あいまいな電子を全方位に放出する大火力防御。圏内にあった物質は一つの例外もなく塵とかした。

 

 当然、その波に阻まれてしまったセラの荷電粒子は麦野の体には届かない!

 

「っ!?」

 

――こ、攻撃力が足りません……。

 

 自分の力不足を痛感しながら、圧倒的に格が違いすぎる麦野の出力に、セラは思わずほぞをかんだ。

 

 さすがは学園都市最強と謳われるレベル5の一角といったところか。麦野の攻撃の一撃一撃が、セラの攻撃をたやすくはねのけ、つたないShieldによる防御を突破しかける。

 

 勝てない。セラにその事実を悟らせるのに、彼女との数度のやり取りは十分すぎるものだった。

 

――でも、

 

「勝つ必要はないんです……」

 

 そう。セラの現在の目的は御坂の目的が達成されるまでの麦野の足止めだ。何も無理をして彼女に勝つ必要はない。

 

――それなら、まだ私にもチャンスはあります。

 

 幸い、自分の能力は応用性が高いため麦野も本質をつかみ切れていないらしい。言葉は怒り狂っているかのように口汚いが、その瞳にはあくまで怜悧な色が宿りセラの一挙手一投足を観察しているのがその証拠だ。

 

――だったら、あの人が私の能力の正体に気付く前に片を付けないと。

 

 内心でそう考えながらも冷や汗を流すセラは、慣れない戦闘用の演算を必死にやりくりし、四つのD3を麦野に気付かれないよう空間のポケットへと放り込む。

 

 そして、D3が格納された空間のポケットを移動させるため、セラは一気に重力値を改竄。麦野に向かって一直線に落下(・・)していく。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

――私と第三位と同じ、電磁力学的能力者か?

 

 麦野は最初セラの能力をそう予想した。

 

 荷電粒子を操れる能力など限られている。そのため、出力が馬鹿みたいに必要とはいえ荷電粒子砲を撃てるのは電磁関係の能力を持っている人物しか思い浮かばなかったのだ。

 

 それに、彼女の能力がそれならば自分の原子崩しがそらされた理由も納得がいく。

 

 だがしかし、それはセラが自分の攻撃を、空を飛ぶことによって回避したことにより霧散した。

 

 いかなる手段をもってしても、電磁力学能力者が空を飛ぶことなどありえない。

 

 磁力を使って施設の鉄分を使いそれに向かって飛ぶということなら可能だろうが、それにしては彼女の飛行は変幻自在すぎた。

 

 まるで空を泳ぐように飛ぶセラの姿に、麦野は自身が考えていた第一の能力候補をためらいなく捨てる。

 

――こちとら暗部で長いこと戦ってんだよ。でたらめな能力者なんていくらでも見てきた。多少の常識ぐらいすぐ捨ててやる。

 

 だが、だとするなら……セラの能力の正体がわからない。

 

 だから麦野は、

 

「ちっ……」

 

――レベル5らしくない、スマートな方法じゃないけど……仕方ないわね。と、一枚のカードを懐から取り出した。

 

 そう。彼女はもはや能力など知らないといわんばかりに、敵を圧殺することに決めた。

 

 セラの目的がおそらくセラに足止めを頼んだであろう第三位が目的を達するまでの時間稼ぎであることくらい、いくら頭に血が上っていても理解できていたからだ。

 

――時間をかければかけるほど、こいつが勝負に負けて試合に勝つ可能性が高まる。

 

 いくらセラを気持ちよく叩き潰せても、それではまったく意味がないと考える程度には麦野は冷静さを残していた。

 

 だから、

 

「ねぇ。さっさと死ねよ」

 

「っ!!」

 

 自分に向かって突っ込んでくる少女に、麦野は凄絶な笑みを浮かべてそのカードを投げた。

 

拡散支援半導体(シリコンバーン)。麦野の原子崩し(メルトダウナー)を無数の閃光に分裂拡散させ、圧倒的な制圧力を与える麦野の専用武装。

 

 大槍から暴風雨へ。その特性を見事に変貌させた破壊の閃光が空を舞っていた光使いの体を貫かんと、暴力の雨を降り注がせた!

 

 眼前にあわてたように展開されるD3たちが、必死にその雨をそらしセラの生存圏を作るため奮闘する。

 

 だが、セラのつたない演算能力ではそのすべてをそらしきることは不可能だった。

 

「っ!?」

 

 上着が貫かれ、四肢がかすめた閃光によって焼かれる。翻っていたはちみつ色の髪もきれいに抉り取られてしまい、嫌なにおいを発しながら消滅してしまった。

 

 だが、

 

「あぁ? 防ぎやがったか」

 

 それでもセラはまだ戦える。戦える状態にある。自分の能力の暴風雨を食らって、奴はまだ五体満足な状態で佇んでしまっていた。

 

 許されるべきことではない。

 

 眼前で砕け散り、きらきらと光を反射しながら分裂するカード越しに、麦野は少しよろめきながらなんとか地面に着地したセラを睨み付けた。

 

「私相手逃げずにここまでやってきたことは褒めてやるよ」

 

 が、

 

「近づきすぎだ木っ端」

 

 瞬間、麦野によって作り出された閃光が至近距離でセラを射抜かんと射出される。

 

 再び踊る結晶体。だがしかし、射出点から今までとは段違いに近い原子崩しの威力は、先ほどまでセラがさばいていた攻撃とはけた違いの威力。

 

 不可思議な歪みにとらえられ、軌道はきちんと変わったが、

 

「っ!!」

 

 セラは悲鳴を上げて思わずといった様子でよろめいてしまっていた。

 

 防御を行ったD3の表面が、原子崩しによって溶解しもはや攻撃用デバイスとしての役割をはたなさなくなってしまっていたのだ。

 

「あぁ? なんだお前? その道具のダメージがフィードバックされてのか?」

 

 セラのIブレインとD3は情報的に接続されているために、D3がダメージを受けるとセラのIブレインにもわずかながらに数値化された痛覚ノイズが走る。だが能力の使用にまだ慣れていないセラは痛覚の数値化が苦手だった。

 

 そのため、脳内に走ったノイズが生み出す、わずかな鈍痛をセラは感じ取ってしまっていたのだ。

 

 当然、それを見逃す麦野ではない。

 

「ははははははは!! なんだぁおい! お人形遊びでもしてたのかよ!? そのデバイスがなけりゃ何にもできねぇ木っ端能力者が! 道具に依存なんて真似は三流がやることだぞ!!」

 

 ゲラゲラ笑いながら麦野は次々と原子崩しを射出していく。必死にD3を使いそれをさばくセラだったが、さらにD3が二つ破損し、彼女の防御に穴が開いた。

 

「おらっ。よそ見してんじゃねぇぞ!!」

 

 が、そんなセラをあざ笑うかのようにいつの間にか眼前に来ていた麦野は、その長く伸びた足を容赦なく振り上げ、セラの腹部をけり上げた。

 

「っ!!」

 

 声にならない悲鳴を上げ数メートルは吹き飛ぶセラ。

 

 床に倒れ伏した彼女に対し、止めといわんばかりに原子崩しを作り出した。

 

「終わりだ木っ端。なかなかよく頑張ったじゃねぇか……。そのご褒美にできるだけきれいな焼肉(ステーキ)にしてやるから、感謝しろよオラァッ!!」

 

 麦野は狂笑を上げながら地面にふしながらも必死に建とうともがくセラに向かって歩み寄る。

 

「死ね……」

 

 そして、一切の呵責もためらいもなく彼女が能力射出の引き金を引きかけた瞬間、

 

 

 

その体が、大きく下に向かって落下した。

 

 

 

「は?」

 

 突如自分の体を襲った浮遊感に、麦野は思わずそんな間抜けな声を上げた。

 

 そして、彼女があわてた様子で下に視線を向けると、そこには麦野を取り囲むようにいつのまにか展開されていた4つのD3。それに取り囲まれた空間が、ぽっかりと口を開けた大穴になり彼女の体を飲み込んでいた。

 

 ただの大穴ではない。無限の深さがあるといわんばかりに、まったく下が見えない虚穴。

 

 当然、この研究所にそんなトラップ染みた落とし穴がある――なんてありえない事実は存在しない。

 

 だとするならこれは、セラが自分の能力によって作り出したもの……!!

 

「てめぇ、まさかっ!!」

 

 その段階で麦野はようやく気付いた。セラの能力の本質に。

 

「空間制御能力者……!?」

 

 たった一人で無数の能力を使える可能性が秘めたでたらめな存在。

 

 次元に風穴を開け、世界を作り変える能力。

 

 学園都市で存在を確認されれば、出力いかんでは間違いなくレベル5に数えられるであろう、超レア能力。

 

「ごめんなさい……落ちてください」

 

 そんな自分と同じ立場に立てる可能性がある絶対的能力者は、最後の最後までこちらに申し訳なさそうな顔を向けそんな戯言をほざいた。

 

 麦野はそれに怒号を上げ、

 

「ザケンじゃねぇ! 戦え……私と戦えぇええええええええええええ!!」

 

 そんな絶叫を上げ、無限の深さを持つ巨大な次元の穴に閉じ込められた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 セラは必死に研究所の中を駆け抜けながら、先ほどの戦闘の様子を思い出し安堵のため息をついた。

 

――れ、錬さんのおかげで助かりました……。D3であれが使えるようにしてくれたシオンさんにも感謝しないと。と、セラは脳裏にだらけきった銀髪の武器製作者と、あまり特徴のないエロゲ主人公の顔を思い出しながらそんなことを考える。

 

 セラが先ほど使った能力は、実は錬が光使いの能力を劣化させつつ使っている、《無限回廊》という能力を参考にして作ったものだった。

 

《次元の穴》――《Box》。光使いのIブレインによってそう命名された能力は、四つのD3を使って次元の穴を作り出し、そこに敵を閉じ込めてしまう拘束技。

 

 もとより人を傷つけることを得意としてないセラのために、無傷で敵を無力化するための能力として、錬とシオンが共同で作り上げた光使いの新しい能力だった。

 

 もっとも、光使いの制御下を離れた異常な空間はそう長く構造を維持できない。

 

 せいぜい2時間から3時間が麦野をとらえておける限界時間。

 

 だが、美琴とセラが逃げるのにそれは十分な時間であることに違いない。

 

 だからセラは走っていた。少しでも早く、美琴に合流するために。

 

 そして、

 

「っ!? 御坂さん!!」

 

「セラ……」

 

 憔悴しきった様子でふらふらと燃え上がる部屋から出てきた美琴を見つけ、セラは慌てて彼女に駆け寄りその体を抱きとめる。

 

「終わったん……ですか?」

 

「えぇ……。全部終わったわ」

 

 そういって、ここ数日は全く見せてくれなかった純粋なはにかみを浮かべる美琴の姿を見て、セラはほっと安堵の息をつく。

 

 こうして、彼女たちのつらく厳しい戦いは終わり……世界に平和が訪れた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 などという、都合のいい世界は存在しなかった。

 

「う~ん……。どういうこと?」

 

 美琴たちが見事に逃げおおせた後、病理研究所に訪れたレノアは、その研究所が行っていた実験をIブレインのハッキングによって難なくかすめ取り、あっさりと目を通してしまっていた。

 

「クローンを使った虐殺実験。でもこれ、確かイルが止めたとかいう話で真昼君もノーマークにしていたはず」

 

 レノアは――天樹寮はイルの実力を信頼している。能力面でも人格面でも……。

 

 だからこそ、彼が大丈夫だと太鼓判を押し田からこそ、天樹寮の面々はそれ以上の計画の詮索を止めたのだ。

 

 だが、事実は違う。イルが止めたと言い張っていた時からすでにかなりの時間が流れてしまっている。だというのに、実験はいまだに続いておりすでに半分以上の工程を終わらせてしまっていた。

 

 つまりすでに一万体以上のクローンが虐殺され、一方通行の経験値として加算されたことになる。

 

 それも、ここ最近の関係研究所の襲撃である程度ペースが落ちていたようだが……。

 

「研究機関の引継ぎがすごい速度で進んでいる。質より量ってわけ? 襲撃者の狙いを分散する気ね……」

 

 実験を引き継いだ研究機関の数は183。今までの襲撃事件の資料を見る限り敵は確実に単独犯。一人で回りきるにはいささか数が多いうえに、潰してもおそらくその倍の数の研究機関にまた実験が引き継がれるだけだろう。

 

 学園都市にはそれだけの研究機関があり……それだけの研究機関が食いつくほどに、絶対能力者の文字は魅力的だ。

 

――いったいどこの誰が足掻いているのかは知らないけど、これは、襲撃者の心が折れるわね。

 

 だとするなら、もうこの実験を止める手立てを持つ人間は一人しかいない。

 

 学園都市最強の一方通行に単独で勝つことができる能力者。

 

 書庫(バンク)上では無能力者に分類されている一人の医学生。

 

 彼に決断を迫る時が来てしまったようだ。

 

「さて……とりあえず真昼君に連絡を取って緊急会議かしらね」

 

 そう言ってレノアが踵を返しかけたときだった。

 

 

 

「待てよババア……」

 

 

 

「……」

 

 背後からかけられた凶悪な声。レノアはそれを聞いてなお、

 

「……」

 

 何の反応も示すことなく、その歩を進め、

 

 眼前に降り注いだ閃光を見て目を眇める。

 

 そして億劫そうに振り返った彼女の視界に入ったのは端正な顔立ちを醜くゆがめ怒り狂う学園都市第四位がいた。

 

「なに?」

 

「てめぇ、ここで何してやがる? あぁ、いい。ここでこそこそ調べものしてたってことはどうせお前も第三位の仲間だろう!!」

 

「はぁ?」

 

――あぁ、襲撃してたの美琴ちゃんだったのね。そういえば最近様子がおかしいってディー君が言ってたっけ?

 

 と、内心でそんなことを考えながらレノアは麦野を睨みつける。

 

「知らないわよそんなの。急いでいるの。帰っていいかしら?」

 

「……今の私は機嫌が悪いんだ。てめぇの下手なウソに付き合ってやれる余裕がない。だから、口を割りな……。あのくそ忌々しい空間制御能力者(エリアオーダー)はどこにいやがる!!」

 

「知らないって言ってるでしょ」

 

 再三の警告をすげなく蹴り飛ばしたレノアの言動を聞き、麦野は少しの逡巡すら見せず原子崩しをレノアに叩き込んだ。

 

 巻き上がる爆音と轟音。巻き上がった爆炎がレノアの体を完全に隠す。

 

「そうかよ。じゃぁ憂さ晴らしがてらに死……」

 

 ね……。という言葉の結びが行われる前に、麦野の右ひざ、左ひざが、両掌と、両肩が真っ白な光の槍によって穿たれる。

 

「っ!?」

 

 突如として自分の体に走った激痛に、麦野は悲鳴を上げかけるがそこは暗部組織のトップ。輝力で何とか声を抑えた。

 

 だが、

 

「機嫌が悪いのがあなただけだと思わないで……」

 

 爆炎の中から平然と出てきたレノアにとっては、そんなことは関係ない。

 

 レノアの周りに侍る見覚えのある正八面体の結晶は三つ。それによってレノアは易々と原子崩しを捻じ曲げ、麦野の攻撃を無力化した。

 

 つたないセラのものとは違う、本来の光使いの出力で行われたshieldは大戦艦に搭載されるような対軍砲撃すら平然と曲げる。

 

 確かに壁ごと敵をぶち抜く麦野の原子崩しはでたらめな威力をほこるが、レノアのshieldを破るには足りなさすぎた。

 

 そして、さらにD3とは明らかに違うグライダーのような形をしたビットが10、レノアの周りには控えている。

 

 Shieldの機能を捨て去り、Lanceの射出に特化したD3A(アサルト)。シオンが作った攻撃特化の光使い専用デバイス。一度に30近い荷電粒子を放つそのデバイスが、麦野の体を抜いた閃光を作り出したもの。

 

 その情報制御は完全に密閉された内部で行われるため、麦野がセラと戦っていた時には感じていた予兆となる微弱な放電現象は透視能力(クレアヴォイアンス)でもない限り観測は不可能。

 

 だから麦野はレノアの閃光をよけられず、情けなくその身を貫かれてしまった。

 

 レノアはもうロクに動けなくなってしまった麦野を一瞥した後、フンと小さく鼻を鳴らし今度こそ麦野に背中を見せた。

 

「まてっ……待ちやがれっ!!」

 

 麦野はそう怒声を上げ、必死に自分の脳に演算処理を行うよう指示を下すが、流石の彼女もここまでの被害をこうむったことは初めてだったのか、激痛のあまり中々いつも通りの演算処理ができないでいた。

 

 ぐらぐらと揺らぎいつまでたっても発射できる状態にならない原子崩し。

 

 そんな彼女の悪あがきすらレノアの視界には入らず、

 

「ガキはおとなしく寝てる時間よ。さっさとおうちに帰りなさい」

 

 バカに仕切った声音でそう吐き捨て、レノアはローブにかかっている偏光迷彩のスイッチを入れ、その場から姿を消した。

 

 麦野の怒号が背中にぶつかるが、今はそんなことよりも大事なことがあると、レノアは優雅に宙へと飛びあがり天樹寮に向かって一直線に帰って行った。

 

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