いっそお兄様を殺して僕が二次元に(タイーホ
はい、深夜テンションで頭がおかしい(当社比二倍)3148です。
今回はオリキャラの復活と珠雫ちゃんウマウマ回です。
そろそろネタがなくなってきたので、
オリジナル、チートオリ主、ステラさんがいるよ!、その他諸々おkな方よろしくどうぞ!
その姿は、清廉を形にしたようだった。白と赤のツートン、それ以外の色は、人が持つ本来の色以外に存在しない。
「……ばっちりよ、珠雫ちゃん」
「あなたのおかげよ、アリス」
歩くたびに、水面の上に浮かぶ波紋が伝っていく様に静けさが広がる。
(魔力制御は本人の精神力が大きく関わる。その為、個人の精神状態に関わる服装は重要視される事は多い)
ステラの教科書通りの知識が、本物の前にはその意味の1割も表現する事が出来ていない事を知る。
「……逝って参ります、お兄様」
「気を付けて」
うやうやしく頭を垂れ、個室へと向かう。その先の扉は締め切られ、中からは魔力の残滓すらも流れ出さない。
「……心配かしら、詩織ちゃん?」
この場では立花詩織も外で待つしかない。彼女の魔力制御を考えると、邪魔でしかないのだから。
「心配と……悔しい」
何故あの場に入れるのが自分ではないのか。アレほどまでの修練と才能を得られなかった自分を責めればいいのか、悔やめばいいのか、それとも無力さを恨めばいいのか。
「待ちましょう」
その場を動く者はいなかった。
個室の中は一面、白の世界だった。対象と自分しかいない。思考の中に他の情報は必要がない。
(魔力が、酷く乱れている)
彼が目を覚まさない原因は、大きくはこれだろう。彼以外の魔力が体内に残留しすぎているのだ。肉体を維持する為か、回復する為かは分からないが、他人から魔力を注ぎ過ぎた結果、歯車が合わない玩具の様に、脳の一部が機能を停めている。
(後少し間違えていれば、意識不明じゃ済まなかったはずだけど、詩織がそばにいたからね)
良くも悪くもこの状態になったのは、立花詩織が原因だ。過程は知らないが、彼女の魔力が一ノ瀬シンの体内で、上手く作用しないから負担が掛かっているのだ。所有者が無意識下で制御していたからシンの魔力に従うことも、逆に喰らい尽くす事もなかった。
(種が分かってしまえば、後は簡単ね)
混ぜ返っている体内の魔力を一つ一つより分けて、彼の物に出来るまで、轢きとめたり、流し込んだりすればいい。掛かる時間は数えるのも億劫になるだろうが、それは覚悟の上だ。
「御祓いの儀を行い賜う」
景色は変わらず、静穏な闘いが始まる。
「……あんな珠雫は、初めて見たな」
「あら、そうだったの?」
一輝は息を吐き出すように言葉にした。
「ただのブラコンじゃなかったのね」
アリスに小突かれるステラ。
「うん、なんていうか……格好いいね」
「戻ってきたら、綺麗って言ってあげてね」
きっと珠雫は喜ぶと思う、そう言われて一輝もそうだと思う。この学園に来て、彼女に見惚れたのは二度目だ。だが、一回目とは少し違う、いや別人に感じられた。
(あれだけ準備して挑むんだ、大丈夫だろう)
きっと、一ノ瀬シンの意識も回復するはずだ。
6時間が経過すると、扉が開く。憔悴しきった珠雫が現れた。
「穢れは祓いました、刻を待てば……目を……さます」
一輝が体を滑りこませ、珠雫を受け止める。
「……寝てるね」
「無理も無いわね、6時間も集中しっぱなしだったんだし」
感謝の気持ちを告げる前に、立花が中へ駆け込む。一ノ瀬シンの顔色がよくなっている事を感じて、涙を流した。
「ありがとう……ございます」
背中には珠雫の体温を感じる。まるでプールに飛び込んだ後のような冷たさだった。魔力を行使し続けるというのは、こういう事になるのだろう。
「今日一日位、一緒にいた方がいいかな?」
「そうね、そうしてあげれば、喜ぶと思うわ」
そういってアリスは自分の部屋へと戻っていった。
「……私達の部屋に泊めるの?」
「アリス達の部屋に行ってもいいけど」
「……それは駄目」
随分とステラがゴネているけど、珠雫が目が覚ました時に隣に居てあげたいのだ。
「やっぱり、こういう時に人といられる事が大切だと思うから」
幼い時に、風邪で寝込んだ日も、誰もそばに居てはくれなかった。辛くて、苦しくて、でも誰も助けてはくれなかった。それでも、目を覚ました時に、珠雫が手を握ってくれていたことは、忘れない。あの時、一人じゃないと感じなければ、どこかで諦めていたかもしれないから。
「……ずるいなぁ」
一輝のその優しさは、本来ステラにとっても嬉しいものだ。珠雫の努力も認めてあげたい気持ちもある。だけど、想い人の隣に他の人がいるだけで、思いは複雑になってしまうのだ。
暗い部屋の中で目を覚ます。辺りは良く見えないし、体は気だるく、もう少し眠っていたいくらいだ。
(隣にお兄様がいてくれたらなぁ……)
そこで左手が何かに掴まれている事に気付く、月明りでようやく見えるようになった時、一輝の姿がようやく分かった。
「ええぇ!?」
「……あぁ、珠雫、起きたんだね」
手が離れ、一輝も眠たそうに目をこする。今までの状況を整理していくと、お兄様の胸で眠ってしまったところまで思い出す。
「……ここは?」
「僕とステラの部屋だよ」
「ちっ」
私の部屋であれば、あるいは医務室であればお兄様と二人きりになるチャンスだったのに。
「……なんで舌うちしてるのよ」
「あら、起きていらしたんですか」
ベットから顔を出してこちらを半目で覗くステラ。どうやら先程起きたみたいだ。
「眠れる訳ないじゃない、妹と御兄ちゃんが一緒に横で寝てるんだから」
大きな欠伸をする。
「それはそれは、ご迷惑をおかけしました。ゆっくり寝ていて下さればよかったのに、仮眠室とかで」
「……いやまぁ、別にそれでもよかったんだけどね」
なんというか、途端にしおらしいステラの反応に戸惑いを感じる。
「相当無茶したんでしょ、固有霊装も出せないんじゃない?」
(ばれてましたか)
一輝の一刀修羅と似たような症状だ。単純に肉体に負荷をかけるモノとは違い、精神的魔力的に負荷をかける為、日常生活に支障はないが、魔力を行使するのは大きく制限がかかるだろう。
「一週間も休めば充分ですよ。最初の1日くらいですわ、固有霊装が使えないのは」
「そっか、大事にならなくてよかった」
「ああ、お兄様がそんなに御心配なさらなくてもよろしいのですよ」
「うん、珠雫は強いね。でも、今日一日はゆっくり休んで欲しいな。話はまた明日にしよう」
「そうね、こんな時間に部屋を出られてもアリスにも迷惑だしね」
時刻は27時、確かにこんな時間に寮を出歩いていると補導の対象だが。
(お、お兄様と同じベッドで?)
「子供の時以来だね、おやすみ珠雫」
「え、えぇ……おやすみなさい」
これは、眠れないかもしれない。
窓を開けていただろうか、頬を涼しい風が撫でる。そうして初めて自分が眠ってしまっていた事に気付く。壮絶な珠雫の姿を見て、希望を持ったまま眠ってしまったようだ。そうして昨日と同じように、シンの隣で……
「起こしちゃったかな?」
窓のそばに立って、閉めるシンがいた。
「……」
言いたい事があったはずなのに、聞きたい事があったはずなのに、いざ目の前にすると、なにも出てこない。喉の奥につっかえて、喋れない。
「どうしたの、詩織?」
たった三日間の事なのに、目を覚まさない恐怖で、この瞬間を想像するだけでも、辛かった。でも今は、もう現実になっているから。
「……シン」
「うん」
「……ばか」
「なんだとこのやろー」
シンが手を伸ばす。ぶたれるのかと思って目を閉じたら、暖かい手が乗せられる。
「心配……かけたな」
「……ばか」
ステラさんに出番があるといったな、アレは嘘だ(迫真
ホントはね、もうちょっとガチバトルを掻きたかったんだ、だけど僕の脳みそが足りてないから……
と言う訳で、もうちょっとで完結です。
こんなところまで付き合って下さった方がおられましたら、最大の感謝を