日付変わっちまったYO!
もう良い子は寝る時間DA!ZE!
……途中で意識飛ばなきゃいいけど。
というわけで、オリジナル、チートオリ主、ステラさん模擬戦不参加、その他諸々おkな方はどうぞ!
「目を覚ましたのね、一ノ瀬シンさん?」
「さん付は止めてくれ、言い難いだろ?」
ベッドに座ったまま、シンは話す。
「椅子を借りるわね」
立花の隣にアリスは座る。安物のパイプ椅子だが、それでも彼が座れば絵に成る。
「……貴方が、蒼髪の少女ね」
「それは言えないな、俺達がやってることは、表沙汰に出来るもんじゃないからな」
どうやらアリスの質問は予測していたらしい。
「詩織がどれだけ話したかは知らないが、あんたが何を知っていても、話さないと決まってるもんは話せないんだ」
「あら、冷たい人。以外と御堅いのね」
髪を掻く仕草をしたシンは、居心地を悪そうにする。
「知らない方がいい、それだけの話さ。あと一週間もすれば、分かる事だろうしな」
詩織も驚いていた。どうやらシンだけが知っていることも多いみたいだ。
「一週間後に、何があるの?」
「さぁな、避難訓練はしといた方がいいかもな」
それ以上の事はついに話してはくれなかった。だが、アリスには大凡を把握する事が出来た。
一ノ瀬シンの快復は、早かった。元より肉体的な問題はなかったので、意識を取り戻して、一通りの検査を終えた夕方には一般生徒へと元通りだ。
「この度はなんとお礼を申し上げればいいのか」
深々と頭を下げて、黒鉄一輝率いる四人組に礼を言う。事情を察せない廊下の生徒からは、黒鉄一輝がまた三年生を下したのだと、そう映っていただろう。
「あら、そのお菓子美味しそうですわね」
「あらやだ、まぁまぁ御値段が張るものよ? 頂いてもいいの?」
それに対しては、立花が応える。
「値段に変えられる様な恩ではありませんから。私が食べた中で一番美味しいと思ったものを準備させていただきました」
中身は12個入りのプリン。都内で有数の控えめだが上品な甘さと舌の上でとろけるミルクの香りが絶賛のスイーツ。御値段もそこそこではあるが、予約しなければ手に入らない学園の生徒ではあまり手に出来ない品物だった。
「……なんで僕に手渡そうと?」
「事が事だけに、あまり珠雫さんにおおっぴらにするのは良くないと思いまして」
その分、一輝さんを持ち上げる分には、珠雫さんも気分も悪くないだろうという、狡い計らいでございます。などと、あけすけもなく言われてはこちらも受けざるを得ない。珠雫のスキルは、ステラとは別のベクトルで有望なものなのだ。ましてや、他人への魔力干渉を医術レベルで行えるとなれば、放っておいてはくれないだろう。それに関して言えば、僕がお礼を受け取ることで、『何か良く分からないトラブルを解決した有名人』で済む話だ。僕に旨味は全くないけれど。
「私も食べていい?」
「……どうしてステラさんが入ってきますの?」
「い、いいじゃない。ご主人様が貰ったものなんだから、奴隷が与る可能性もあるわけでしょ」
「そうよ、珠雫ちゃん。こういうのは一緒に食べるのが一番美味しいんだから。独り占めするのも偶には乙なものだけど」
向こうの女性?グループはお礼をすでに受け取った気持ちで居るらしい。
「気持ちだけ、受け取っておくよ」
女性グループがどんな飲み物がいいかと、御茶会の準備に勤しんでいる間、男二人は少し離れた場所で壁に背を預ける。
「君は、一体どうして意識不明になったの?」
一輝はふと思いついた疑問を尋ねる。
「アリスさんから、何も聞いてないのか?」
首を傾げる。アリスには何かを伝えているのか。
「いや、グングニルは関係ないんだ。単純にあのタイミングで能力が暴走しただけだ」
「意識不明に成る様な、伐刀絶技?」
そこで、説明が難しそうな顔をしている。
「……一件は百聞に如かず、だろ。模擬戦でもしてみようか」
「いいのかい?」
「ああ、俺はお前と闘ってみたかったからな」
それじゃあ、三日後に模擬戦だ。そう言って、御茶会へと足を向ける。以外にも慣れた手つきで紅茶を入れる姿は、様に成っていた。
「一輝もこういうの似合いそうなのに」
「下僕の分際でよく言いますわね」
「あら、でも似合うんじゃない?」
「おう、スーツは紫……より臙脂色の方が似合いそうだな。情熱的な執事も悪くないかもな」
「特注ですね、楽しそう」
一輝が頭を抱える。どうしてこうなった。
両者が幻想状態で固有霊装を構える。黒鉄一輝、一ノ瀬シン日本刀スタイルで似た様に接近戦に特化しているのは傍目でもわかる。一輝の陰鉄と違う点をあげるとするならば、白木の柄と鞘、鍔もなく刃は直刃、飾りなど一切のない刃。一輝よりもさらに無骨なデザインとなっている。それゆえに、一輝には向きあうだけで理解できる。
「……良い固有霊装だね」
純粋に刀としての性能を追い求める、彼の魂とも呼べる姿なのだろう。
「褒めるのはまだ早いぜ、そらよっ!」
腰だめから放たれる抜刀は、常人には見切れる速度ではない。それでも、一輝は踏み込みの予備動作だけで、剣線を予測して止める。
キィィン!
刃同士がぶつかり、鍔迫り合いになる。何度かの打ち合いの後、間合いを空ける。
「……もう太刀筋を読まれるのか」
「理解が早いね」
ならば、と再度突進を行う。初撃程の速度はないが、充分な速度。
(だが、これはフェイント)
体重が乗っていない、彼の本来の太刀筋ではない。ステラと同様の剛剣の彼に、フェイントの刃は威力を持たないそれに成り下がってしまう。それを見切ってしまえば、隙を生みだす下策に成り下がる。
―――秘剣 不要弐太刀―――
ザンッ!
それはフェイントのはずだった、体重の乗らない、ただの隙を生みだす為の一振りが、魔力放出によって必殺の一撃へと姿を変えた。
「左手一本とは、流石だな」
幻想状態でのダメージは痛みに変わり、ただでさえ少ない魔力を持って行かれる。
「……そういう使い方も、あるんだね」
左手を使うのは、この戦闘では難しそうだ。
寝惚けていたのは、どうやら自分だったらしい。
「一刀修羅ってな、随分大層な名前じゃないか」
「……そうかな」
自分では、その名前は気に入っているつもりだ。自分の生き方だと、そう思っているから。
「生死すらも超え、闘いに身を投じるその姿、称賛に値するぜ。是非見せてくれよ、俺にも刹那を」
魔力が彼の体に収束する。
「叩いて直せ、血牙美刃!」
それが、彼の本来の固有霊装だ。柄から飛び出す角の様な二本の刃。根元は湾曲していて、空虚な輪のようなデザインになっている。
(いや、本当にあそこに何かがあるのかもしれないな)
直刃の美しさは変わらず、先ほどの固有霊装とは打って変わって、一目見ても分かる妖艶さを放っている。
一ノ瀬シンの属性は炎だ。ステラの様に何千度の熱量を操る事は出来ないが、肉体の限界を突破する様な熱を、体に纏うことは容易い。恐らく、先ほどとは比べ物にならない速度の剣撃が次に来るのだろう。
「一刀修羅」
そのままで対抗出来るとは思わない。まぎれも無く、剣術としても一流の相手、勝負は一瞬。息を飲む様な横一線。一輝がいた空間をなぎ払った。
「……残像か」
地を這う様な構えから、地を砕く様な脚力で生みだす切り上げがシンを切り裂く。
「伏虎……翔爪」
「ははっ……やるじゃねぇか」
一ノ瀬シンが仰向けに倒れる。
申し訳ない、不要弐太刀の名前が好きなんです。
格好付けてるけど、結局はスキルでのゴリ押しなんですよね、そういうのも偶には必要って言う事で。
何が一番寝惚けてるって、作者にきまってんダルルォ?(迫真
ここまで読んで下さった方に最大の感謝を