『姫様、こんなとこにいたんですか。早く戻って下さい』
『お主は確か…白夜叉か』
『坂田銀時です。いい加減名前覚えて下さい。…まあ白夜叉でもいいですけど』
銀時はめんどくさそうに頭をぽりぽりかく。
『のう、坂田。あの者達はなんじゃ?』
尋ねられ、姫が指を指している方向を見ると、桂たちがなにやら取っ組み合いの喧嘩をしていた。
『あー、あれには近づかないほうが良いですよ。バカがうつるんで』
『バカじゃない桂だぁ!』
『んだよズラ、聞こえてたのかよ…』
『ズラじゃない、桂だ。銀時、俺たちが馬鹿ならお前も馬鹿ということになるのだぞ?つまりお前は自分で自分を馬鹿だと言ってるということだ!』
『何こいつ?ちょー腹立つんですけど。ちょームカつくんですけど!ムカつきチャンピオンだよこの長髪!』
『長髪じゃない、桂だぁ!』
『うっぜーよコイツ!誰かこいつのz『桂ァ!』
銀時は次の瞬間、高杉の飛び蹴りを喰らい、地面に思い切り顔を打ち付けた。
高杉は倒れている銀時に全く気づかない。
『今日こそ白状してもらうぜ。
毎晩コイツを飲んでんのはてめーだろ?』
高杉が空になったヤクルトの容器を片手に、鬼のような形相で桂を睨みつけている。
桂は慌てて言う。
『違う!俺は断じてそのようなことは…』
『言い訳は無用だ』
高杉が抜刀した刀身が反射してキラリと光る。ゆらり、と高杉は鬼の形相で真っ青な表情を浮かべる桂にゆっくりと近づいてきた。
『言い訳ならあの世で言いな』
刀が振り下ろされようとした次の瞬間ーー
『ちょっと待てェェ!』
銀時が飛び上がって叫んだ。
『銀時⁉︎』
『いつまで放置してんだよ!俺仮にも主人公だよ?ずっと野郎の下敷きになってるってどういうことだよ⁉︎』
『〜〜!』
『…今なんか聞こえなかった?』
『おい、お前の下…』
高杉に言われ銀時が地面を見ると、姫が銀時の下敷きになっていた。ジタバタともがいている。
『あ、すんません』
なんとか這い出た姫。
『何だァ?このガキ。なんでこんなとこに子供がいんだよ?』
ガキ、という言葉に、姫は恥ずかしさに体をふるふると震わせていた。無論高杉はそのことに気づかない。
『…おーい、高杉くーん?これ以上はあんま何も言わない方が…』
銀時が姫の様子に気づいて言うも、
『おいガキ。ここは子供が来ていい場所じゃねェ。とっとと家に帰りな』
『おい高杉。もしかしてこの子が…』
『あ?何だよズラ。まさかこいつが清姫様だとーー』
『え…マジで?』
『無礼者‼︎』
姫は顔を真っ赤にして叫ぶと、一目散に走り去ってしまった。
『…銀時ィ、後は頼んだぜ』
そう言い残して、高杉は全力で逃走する。
『テメェ!自分だけ逃げんじゃねェ!』
銀時は自分だけ怒られるのはいやだ、と高杉を慌てて追いかける。
そんな彼らを坂本が遠目で見ており、なんのことかわからない彼は首を傾げた。
『なんじゃあ?』
無論二人は姫の部下に捕まって、何も知らない坂本も巻き添えを喰らい四人仲良くこっぴどく叱られた。