夕日が射し込むラウンジの一角に彼らは腰かけていた。若者ながら、どことなくベテランの風格を感じさせる物腰だ。彼らは楽しそうに談笑している。一人は我々を助けた(救援に行ったのは我が部隊だが)カーネリー。それと気弱そうな男の若者が一人と、その真逆の女の若者が1人。もう一人はごつい体つきの大男であった。何とも言えない組み合わせだが、これがこの支部の第一部隊であり、トップ集団なのだ。
「少しよろしいですか?」
ビネイが話しかける。その一言で第一部隊全員の視線が集まる。
「なんだい?美人なおねえさん?すまないがデートの誘いは後にしてくれないか?残念なことに違う人を待ってるんだ。」
「その違う人のビネイです。」
「!?こりゃ失礼、ファンかと思ったよ。」
「あなたがカネーリー中尉ですね?話は伺っています。先日は我が隊の隊員の救援、感謝いたします。」
「いや、礼を言うのはこっちだろ?救援に来てもらったのはこっちなんだ。ありがとう。そしてすまない……もっと早く救援にたどり着いていたらこんなことにはならなかった。僕らの力不足を感じるよ、、、」
口は軽いが芯は通っているようだ。まさかこんなに丁寧に返されるとはビネイも思っていなかった。
「ようこそ、リオデジャネイロへ。支部一同、歓迎するよ。」
そうカーネリーが話すと第一部隊が立ち上がった。そして一人ずつ前に出てくる。
「僕はカーネリー。ここの隊長をしている。神機使いになって5年にもなった。ショートをそこそこ使う。基本は指示と強襲が専門だ。よろしく!」
「俺の名はグラハムだ。神器使いになって8年だ。副隊長という肩書だが、基本指示は出さない。ブラスト使いだ。以上。」
「私はみかん。この支部の中で唯一の新型神器使いよ!基本はロングとアサルトだから。今後はたぶん私と、と言っても、神機関連で関わることが多くなると思うから、色々とよろしくね!」
「あ、あの、僕、台場ヤマトって言います、15歳です。ふ、不束者ですが、ど、どうぞ!よろしくお願いいたしまひゅ…す。あ、神機はバスターです。」
「まったく……シャキッとしなさいよ!シャキッと!」
「は、はぃぃ!」
ビネイ達も続いて自己紹介をする。
「んじゃまあ、自己紹介も終わったところで親睦会と称して任務に行くか!」
「たいちょー、親睦会っていうんですかぁ?それ……」
「お前はここにきて間もないだろ?実はここでの親睦会は戦闘なんだ。戦闘で助け合いながらお互いを認め合う、そういう意味も込められているんだ。」
「そ、そうなんですか……」
「ああ、嘘だ」
「……てめぇいっぺん死んでこいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
実に賑やかである。
「中尉、1800にてブリーフィングを行いますので、出撃ゲートで時間までに来てください。」
「了解した。大尉どの!では、解散ッ!1820までに神機格納庫まで集合するように!」
その声とともに各々が散っていく。ヴァカルもカーゴに戻ろうと動きだしたとき、肩を誰かが叩いた。
「ねぇねぇ?ちょっといいかな?」
「ん?なに?」
「君、そのーなんだっけ、あれだよあれ!!」
「なに?そのとかあれじゃわかんないよ」
「思い出してるの!少しは待ちなさい!」
「声かけたのあんただろ……」
「あんたじゃない、みかんっていうちゃんとした名前があるの!」
「あーそうですか、で?俺に何の用?」
「えっとー……あ!そうそう!君たち旧型神機を変形する計画のテスターなんでしょ?」
「まあ、そうだけど、、、それが何?」
「あのーできたらでいいんだけど、見せてもらうのはできるかなぁって」
「任務が始まるときでもいいだろ?」
「それじゃじっくり見れないじゃない!ね?お願い!!」
グイッと顔を近づけてくる。ヴァカルは赤面しながら顔を背けた。
「す、好きにしろよ!一応、博士に断わってから……ってちゃんと話を聞いてから行けよ!!!」
それからみかんは惚れ惚れした目で神機を見ているのであった。
出撃時間になり次第に人が集まり始めた。人員を確認したビネイが作戦を告げる。
「集まったな……任務の説明をする。今回の任務はコンゴウの群れの討伐だ。数は10。部隊を分けて別地点での戦闘になる。αチームをヴァカル、みかん、グラハムの三人、βチームは瑠奈、カーネリー、そしてヤマトだ。各チームは5対5に分かれるように誘導、及び殲滅を行うこと。作戦の指揮を執るのはαチーム、グラハム、βチームはカーネリーだ。いいな?」
「……作戦指揮は俺じゃなく、みかんがとる。」
「え、どうしてですか?副隊長あるあなたが適任だと考えたのですが?」
「俺は……討伐数と生存率を買われて副隊長になったに過ぎない。だから……」
「あ、あぁ!私できます!いや、やらせてください!」
「そ、そうですか…、それではお願いしますね」
何か変だ。普通なら上の者が指揮を執るはずなのに。ヴァカルは思う。何か事情があるのか?本当に戦闘だけなのか?神器使いになって長いはずなのに……。そんな考えが頭の中で蠢いていたが、作戦が開始されると同時に、それは端のほうに追いやられた。
残りカウント2
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