インフィニット・ストラトス ~蒼天の魔王~   作:ハルン

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ヴォバン戦も終わりです。


決着 王との決闘

「結局、戦う事になったんですね」

「アイツと戦い以外で何か解決した記憶ないわ」

一夏は今回の勝負の内容をマハードに教えると、必要な物を持ってくるように頼んだ。

「この人が一夏さんの従者なんですか?」

「意外か?」

「てっきり、エリカと同じ女性が来ると思ってたんで」

「確かに女性は居るが、二人ともまだ未熟だし、片方は今、エジプトだしな。その二人はマハードの妹なんだがな」

ちょっとした、世間話をしていると一夏と自分用に持ってきた二代のバイク、その一台のバイクに積まれていたアタッシュケースを取りだす。

「それはそれと、一夏。例の物が仕上がっております」

「ほう、見せてくれ」

マハードがアタッシュケースを開けると其処には、白銀と黒の巨大な銃と複数のマガジンが入っていた。

「大分、ガタ来ていたので、修復と弾薬の変更がなされてます。カスールの方は今までのルーンが刻まれた弾頭ではなく、ランチェスター大聖堂の銀十字錫を溶かして使用し、ジャッカルの方は初の専用弾13mm炸裂徹鋼弾を使用しています」

「パーフェクトだ、マハード」

一夏はマハードが持ってきたバイクに跨り、移動を開始した。

隣を平行して走る車には、甘粕に護堂とエリカ、と万里谷が乗っている。

道中、一夏は護堂に万里谷や簪の過去に何が起きたの説明していると、一夏のスマホが鳴り響く、30分経った知らせだ。

後ろを見れば、既に追いかけてきている巨大な灰色狼(グレイウルフ)の一群。

「一夏さん!」

「最初の刺客と様子見か...。舐めた真似するなジジィ!!」

一夏はジャッカルを取りだし、灰色狼を攻撃するが、当たりはするものの数が一向に減らない。

「ッチ。マハード!お前は先に行って、護堂達の護衛をしていろ。俺はこの狼を倒す。それと甘粕、少し首都高を壊すがいいな?」

「ハイ。今回は仕方ありませんからね」

確認を取った一夏は少しだけスピードを落とし車の後ろ周るとそのままUターンし、狼の数を数える。

「数は15か...。なら...!」

真剣な顔つきになると聖句を紡ぐ。

「焼け、焦がせ、焼き尽くせ!この炎は全てを焼き払う怒りの業火と知れ!!」

炎の大剣を振りかざし、その時に生じた業火の斬撃に飲まれ、狼が消滅していくのを見ていると狼の第二波が来ると一夏は新たに聖句を紡ぐ。

「天を支配し、神王の雷、その魂に刻み込め!この雷がオリュンポス最強の一撃だと知れ!!」

一夏は大きく跳躍し、両手に纏った雷を集め、一つの槍の様な形に変えるとそのまま、狼に向けて投擲すると首都高に着弾すると雷は周囲に拡散し、次々と狼たちに感電させる。

だが、威力が大きすぎた為、首都高を破壊し、周囲が停電になっているが、一夏はそんな事、気にせずバイクに乗ろうとした時、一夏の足元に黒い渦が広がると一夏の背後に一つの骸骨が姿を表す。

「護堂達の居場所はこの先の学校ね...。了解」

役目を終えたと言わんばかりに骸骨はその渦の中に沈んでいく。

今、一夏が使ったのは『冷獄の支配者(ヘルヘイム・オーナー)』北欧神話の女神ヘルを倒して得た権能である。

先程の骸骨はこの権能によって呼び出した死者である。

死せる従僕と違い、この権能は魂の拘束をせずに使用するため、こっちの方が善良的と言えるだろう。

死者に教えられた場所に向け、一夏はバイクを走らせ、一気にスピードを上げる。

 

 

 

 

 

 

バイクを止め、自らの足で走り出した先に見えたものに一夏は呆れた。

 

――オオオオオオオオオオオォォォォンンッッ!!

 

 

 

学校の屋上のフェンスに座り体長30m前後の狼に姿を変えているヴォバンを見てアホか、と一夏は内心呟いた。

太陽から召喚されたのであろう炎を丸呑みにする姿に、些か大人気ないだろうと呆れ顔で一夏は拳を強く握り、死せる従僕の中心に降り立ち、真っ直ぐヴォパンを見据える。

「マハード!行け!!」

「ハッ!」

護堂と万里谷の手を掴み飛翔の術で飛び去るのを見て、相変わらずいい判断をする、と心の中で称賛した。

「怒れ海神!その怒りは深海の如く、深淵の如き怒涛の怒りと知れ!我が拳は大地を砕き、冥府を揺さぶる鉄槌と成る!」

一夏は拳を振りかぶり、地面を思いっきり殴ると、その一撃は大地を砕き、抉り、引き裂き、その衝撃波はIS学園の時とは比にならない地震と成り、周囲を襲い、死せる従僕を一掃した。

「さっきの炎を食べたのは同じ属性だからか?まぁ、俺は只テメェを叩きのめすだけさ!ジジィ!!」

「いいだろう...。貴様との決着ここで付けてやる!」

「なら、少し本気出してやるよ!!」

神殺しは並の魔術師の数百倍の呪力を持っているが、一夏の保有している呪力の総量はこの世界にいる神殺しの中でトップの保有量がある。

一夏の権能は火力が高いが思いの他呪力を食うのだが、この高火力な権能を合わせた場合、どうなるのかと考え、いつも迷惑な事ばかりしている、ヴォパンに説教と言う名の実験をしたのが一年ほど前。

そして、一夏はあの時、取得した権能の"合成"を使うことにした。

「我が手に集え!天空と大海を支配せし者よ!我が怒りは敵を打ち砕き、我が雷霆は打ち滅ぼす!今宵、天地の審判をここに下す!」

二つの権能を同時に行使する事は呪力の消費量を更に加速させるのだが、一夏の場合2、3つの権能の同時行使は苦ではない。

全身に雷を纏い、大地を揺るがす怪力でヴォバンを殴り始める。

「ぐぅ...。IS学園とやらに入った事で平和ボケしたのではないかと思ったが...要らぬ心配だったようだな!」

「変なお節介どうも!俺が平和ボケするのはテメェがこの世から居なくなってからだよ!!」

一夏とヴォバンが取っ組み合いになり、互いに動かなくなるが、次の瞬間、護堂は目を疑った。

 

―――30m前後の巨体を持ち上げ、振り回し始めたのだから

 

「ウォォォォォッッ!!」

「ヌワァァァ!?」

そのまま地面に叩きつけると、一度後退する。

「おい、護堂!とっとと戦士の化身使って少しは応戦しろや!!」

「そ、そんな事言われても、まだ、あの権能の正体が...」

「教授の術でも、使えばいいだろ!時間なら稼いでやるからよ。何もしないんなら今度は俺がテメェと戦う事になるぞ」

「そ、それだけは勘弁してください!」

「なら、とっととしろや! 行くぞ、オラァ!!」

このまま、戦わないようなら、どうなるのか教えるが、もし、これを第三者が聞けば、脅迫と言うだろう。

「我は雷霆を支配せし者である、我は天空を支配せし者である、纏え、従え、集え、我が元に集いし雷よ、我が力となり給え!」

雷の槍を作りだし、構えると、全身に雷を纏い、神速で行動することで、ヴォバンに一撃入れる事が出来たが、咄嗟に後ろに飛んでいたので、余りダメージは無いようだ。

仲の良い、(ブラック)王子(プリンス)の"電光(ブラック)石火(ライトニング)"と違い神速を出すのは権能の応用みたいなものなので神速の把握は非常に楽なのだ。

神速で進み、雷の槍をヴォバンに向けて、投擲するがここで、一つある事を加える。

「進め、戻れ、止まれ、停止しろ、加速しろ、巻き戻れ!時針は我の思うがまま、時はこの身の思うがままに!"加速"しろ!!!」

更に加速させ、ヴォバンに向けて、槍を投げる。

「ぐっああああああああああああ!!!」

ヴォバンの悲鳴を聞きながら、一夏は呪力の消費を押させるために神速を解除し、縮地で護堂の近くに後退する。

「一夏さん。準備が出来ました!」

「りょーかい!」

やっとか、と内心苛立ちながら、護堂の近くに行くと護堂が聖句を紡ぐ。

「我は言霊の技を以て、世に義を顕す。これらの呪言は強力にして雄弁なり。勝利を呼ぶ智慧の剣なり」

そして、護堂の周りに黄金の空間が広がり始める。

「これが、草薙殿の化身...。なんと神秘的な空間なんだ...」

この空間を始めてみるマハードは驚きを隠せずにいた。

そして、黄金の剣はヴォバンに刃を向けた。

教授の術によって得た知識を駆使し、ヴォバンの権能を切り裂くと、30mの狼から元の姿に戻るが、ここで、化身の効果が切れた。

「さて、貴様の言霊...。アポロン以外に効くのかな?」

「クッ」

「はぁ。仕方ない、後輩の尻拭いでもしますか!」

ヴォバンとの戦闘を考え、比較的、呪力の消費が少ない、自身が持つ権能の中で、弱い部類の権能を使う。

「魂を見極めし、戦乙女よ!我に剣を授け、我らをヴァルハラに導き給え!」

一つの身の丈はあるであろう大剣を右手に持ち、カスールを左手で構え、接近戦と射撃戦による戦闘を始め、"死せる従僕"とヴォバンを相手にする。

「クソォ...。ここまでなのか...」

「まだ諦めるのは速いわ。何か策があるはずよ」

「侯爵は一夏に任せて、時間まで死守するのが、一番いいのでしょうが...戦力的に不利ですね」

迫りくる従僕を倒しながら、マハードは一夏が一から鍛え、授けた特製の剣で応戦している。

そんな時、一人の少女の声が響いた。

「草薙さん!剣を創り変えるのです!!アポロンとオシリスは元は極めて似た性質を持つ神です。きっと出来るはずです!」

「よし、やってみるか!」

輝きを失った剣に輝きが戻り始めるがここで、ある問題が起きた。

護堂にはその知識が無いのだ。

先程はアポロンの知識を得たが、オシリスに関する知識は今の護堂にはないのだ。

「少しは神話を覚えておけよ!」

「他に意識を配るとは...余ほど余裕があるようだな!」

「チッ。ハイヤッ!」

「ぐわぁ!?」

剣を地面に刺し、中国に住む師匠から学んだ中国武術を使い、応戦する。

震脚を利用した移動と同時に、背中による至近距離での突進で、体勢を崩させ、頂肘と呼ばれる技、所謂、肘打ちをし、一夏の身体能力+権能によりその威力は桁違いに上がっている。

一夏はチラッと護堂の方を見てみると剣を作り変えようとしているのだろう。

しかし、剣の形状が安定せず、燃え盛る炎の様に揺らいでいた。

そんな護堂に万里谷が近づき、キスをした。

そして、剣の形状を変えた戦士の化身は死せる従僕の権能を切り裂いていく。

 

だが、ヴォバンはまだ倒れていなかった。

 

「新参の神殺しとの闘争...。暇つぶしのつもりで、夜叉王の誘いに乗ったが...存外に楽しかったぞ!」

「チッ!」

護堂に向かって放たれた紫電、今の護堂では危険と判断した一夏の行動は早かった。

「ぐぉおおおおおおおおおおおおおお――!」

「い、一夏さん!」

放たれた紫電を受け止める一夏。

この行為には二つの意味があった。

一つは護堂を護る為、そしてもう一つはゼウスの権能の応用、自ら雷を放つのではなく、吸収する事で自らの力に変える為だ。

自虐とも取れるこの行為はダメージを喰らうが、その分吸収した雷は自らの呪力を使わず、扱う事が出来る為、呪力の節約にもなるのだ。

地面に刺した、剣を服に仕込んでいた鋼糸で剣に絡め、自分の所に引っ張るとそのまま掴み、構えると剣は炎と吸収した雷を纏う。

「お前たちは昔の私に似ておる。魔術など知らぬ身で王の権能を手に入れ、如何なる魔術師達も取得できぬ術を、その闘志と知恵で使いこなす。それは私が嘗て、通った道だ。フンッ!」

「後先短いジジィの癖に無駄にタフなんだよ!」

戦士の化身は似た性質を持っていれば、先程の様に作り変える事も出来るが、あの権能は類似するところが無いに等しい、故に効力は無い。

その事に気づいた一夏は迫りくる雷撃を切り伏せていく。

「確かにお前が通った道なのかもしれない。だがな、俺達は俺達の道を歩む!テメェみたいになるつもりは無い!!なぁ、そうだろ―――

 

 

―――護堂!」

 

「あぁ、俺はアンタの様な、神殺しになるつもりは無い!」

山羊の化身を使った護堂の手には一つの雷球があり、それをヴォバン目掛けて、放つが、ヴォバンは雷球を弾くと後方のフェンスに衝突する。

ヴォバンの後方では雷雲が蠢き始める。

それに対し、護堂は仲間と無念に散った従僕たちと心を一つにし、対抗する。

ヴォバンの紫電を防ぎ、護堂は人々の思いを受け止め、ヴォバンに思いの結晶ともとれる雷を落とす。

「グッヌゥゥゥゥゥ!!」

相手も最古参の神殺しとあって、簡単にはやられず、その雷を防いでいる。

「こ、この攻撃さえ防げば...!「何か忘れてないか?」何っ?」

この攻撃させ耐えれば勝てると思ったヴォバンだが、ふっと聞こえた声に疑問を浮かべながら声のした方を向くとフェンスの上で雷が迸る業火の剣を肩に担いだ一夏の姿があった。

「俺達はソロで戦ってるんじゃない。タッグ(・・・)で戦ってるって事をよぉッ!!」

「グワァァァァァァ!!??」

フェンスの上から縮地を使いヴォバンに接近する一夏に両手で護堂の雷を防いでいるヴォバンは防ぐことが出来ずに、振り落された雷炎の剣をまともに受け、防御が崩れたことにより、護堂の雷を直撃する。

閃光が止み、そこには巨大なクレーターが出来ている。

「勝った...のか...」

「人はそれをフラグと言うんですよねー」

疲労困憊の護堂とまだまだ余裕のある一夏。

「やるではないか...!」

「なっ」

「フラグ建てるからこうなる」

「これから始まるのは第三ラウンドという事でよいかな?小僧共!」

底が見えないクレーターから這い上がってきたヴォバンの姿は地獄から舞い上がってきた死者の様だ、と一夏は思った。

だが、ここで一夏はフっと笑みを浮かべる。

「残念だったな。どうやら、第三ラウンドは中止の様だぜ」

「アレは...」

「夜明けね!」

薄暗かった大地に光が差し込み、小鳥が鳴き始める。

それは夜が明けた知らせだった。

「グッ、ヌゥゥゥ...」

「さて、試合終了のゴングは鳴った。万里谷と簪を守り通した俺達のな。さぁ、どうする?」

「草薙護堂、夜叉王!貴様らに勝利をくれてやる!次、会いまみえる時は貴様らの命、全力で刈り取ってやろう!」

そういうと、ヴォバンは一筋の風と共に姿を消した。

そして、ヴォバンが居なくなった事で死せる従僕が解除されたのか、従僕たちは次々と消えていくが、一夏や護堂に称賛の言葉を送って言った。

「さて、俺達も帰るとしますか。約束を守ったかは分からんが、大きな問題が起きる前に助けることはできた」

「大丈夫、一夏はちゃんと約束を守ってくれた。あの時の様に、起きた後じゃなくて、起きる前に私達を守ってくれた。だから、一夏は約束を守ってくれた。ありがとう、ちゃんと守ってくれて」

「あぁ、そうか」

背負っていた物が一つ消えたせいか、一夏の笑顔は何処か清々しかった。

「マナの話だと、学園内では特に目立った行動は無く、簪が居なくなってる事に気づいてないそうです」

「警備ざるすぎだろ。まぁ、そのおかげで、容易に戻る事が出来るんだがな。じゃあな、護堂。また何かあったらいいな。今回の様に助けてやるからさ」

「はい。一夏さんのお陰で万里谷を助けることが出来ました」

「そうかい。次会うまでに少しは知識を身に付けておけよ」

 

 

一夏は簪をお暇様抱っこし、IS学園に向けて、三人は帰宅するのだった。

 

 

 

 

 




待ちに待ったFGOのコラボが空の境界...。

これは全力で行くしかない。(コンビニで買ったカードを片手に

個人的には月姫が良かったんですけどねー。

アルク使いたかった。
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