インフィニット・ストラトス ~蒼天の魔王~   作:ハルン

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王の裁き

一夏とシャルルの間に沈黙が流れる事、数分が経っている。

何故、そんな状況になっているのかと言うと、シャルルが一夏のISである、白式のデータを盗んでいる現場を目撃されたからである。

 

 

「まぁ、気にすんなよ。見方を変えれば、ドジッ子属性と言う新たな自分発見なんだぜ」

 

「そんな発見要らないよ...」

 

「まぁ、シャルルの新発見は置いておいてだ。あんな事した?理由は容易に想像が付くがな」

 

 

死を待つ死刑囚のように怯え、顔を真っ青にするシャルルに一夏は通常運転で対応する。

 

 

「そうだな。とりあえず、氏名、年齢、国籍、犯行に及んだ簡単な説明でもしてもらおうか」

 

「え?えーと、シャルル・デュノアは偽名で、本名はシャルロット・デュノア。一夏と同い年、生まれも育ちもフランスで、僕のお母さんが病気で死んだ時にデュノア社の社長に引き取られて、間もなく、デュノア社が経営不振に陥って、第三世代のISを作れていなかったでデュノア社はイグニッションプランから外されるかもしれないという状況になって、そうなると国からの援助が無くなるから、打開策として、一夏のISのデータと世界で一人目の男性操縦社のデータ採取をする為に送り込まれました」

 

「ふーん。ハイリスク、ノーリターンな事を考えるな上の人はよ。理由が想像通り過ぎて、つまらね」

 

「つ、つまらないって...」

 

「最後に聞くけど。もし、自由が手に入るなら欲しい? 例え全てを失ってでも」

 

「え?」

 

 

先程までのふざけた表情から一変し、真剣な表情になり、シャルロットは少し困惑した。

 

「YESかNOのどっちだ? 未来を掴むために、地べたを這い、泥水啜って、周りから白い目で見られて、みっともないと言われてでも生きて行きたいか?それとも全てに挫折して、抵抗もせずに流されるまま自分の心を殺して、人形のように生きるか?」

 

「それってどういう...」

 

「なら、分かりやすく言おう。お前はシャルル(人形)か、それともシャルロット(人間)どちらで生きたいんだ?」

 

「そんなの決まってるよ!人形(シャルル)としてじゃなく、人間(シャルロット)

として生きたいよ!!誰かの命令じゃなくて、自分の意志で僕は生きたいんだッ!!」

 

 

一夏の質問に答えるシャルロットに一夏は不敵に笑う。

 

 

「喜べ、少女。君の望みはようやく叶う」

 

「それはどういう...あれ?」

 

 

一夏の言っている意図が分からず、聞きなおそうとした時、眠くなかったはずなのに突如、強烈な睡魔が襲い、そのまま眠ってしまう。

 

 

「シャルロット、お前は運がいい。なにせこの俺、白き王を味方にしたのだからな!」

 

「一夏。例の調査が終わりました」

 

「いいタイミングだ。拝見させてもらうぞ」

 

 

一夏は外で待機していたマハードから、資料を読むとマハードから受け取ったロングコートとを身に纏う。

 

「仮面はしないのですね」

 

「顔を覚えたのなら、恐怖で忘れないようにしてやるさ」

 

「流石一夏。やることがえげつない」

 

「じゃ、フランスまでちょっくら行ってくるわ。見張りよろしくね」

 

 

フッハハハ、と笑いながら、縮地で跳んで行く一夏を見て通常運転具合に安堵すると同時に、この後襲撃される人たちに向けて心の中でマハードは手を合わせた。

 

 

 

 

 

「ここがデュノア家か...。デカイな」

 

 

少し血塗られたロングコートを靡かせながら、豪邸を見る一夏。

 

何故、ロングコートが汚れているのか、それは一夏がデュノア社に強制捜査しに行った

時に出会い頭に数名程、麻酔と拳で気絶させた時についたモノである。

 

その後、デュノア社のサーバーにハッキングし、デュノア夫婦の行先を調べ、自宅にいる事が分かり、現在に至る。

 

 

「さて、行くか」

 

「ちょっと、待った」

 

 

一夏がデュノア家の中に入ろうとした途端、門番に止められる。

 

 

「ここから先は入場許可書を持ったものしか入れないわ」

 

「そうよ。アンタみたいな餓鬼が持ってるとは思えないけど、持ってないならとっと消えな。この家畜」

(女尊男卑の信者かよ。あ、殺意の波動に目覚めそう)

 

 

少し、穏便に行くかと思った矢先にこの始末に一夏は少し、過激に行くかと考え始めた。

 

 

「許可書があればいんだろ」

 

「有るの?なら見せなさいよ。こっちは忙しいのよ」

 

「許可書はこれでいいかな?」

 

「「!?」」

 

 

一夏はロングコートの袖からカスールとジャッカルを二人の門番に向けると問答無用で引き金を引く。

 

麻酔弾で門番二人を撃つと即効性が非常に高い為、何も出来ぬまま、倒れる。

 

「たくよ、何でこんな奴が門番やってんだろう。こんなの可笑しいよな」

 

 

疑問に思いながら豪邸に入る為の認証する機械から離れ、二人の門番の前で油性のマッキーをクルクル回しながら近寄る。

 

 

「取り敢えず、シャルロットの為三割、憂さ晴らし七割で行くか」

 

 

ガチャ、と大きな扉が開くと蓋の開いたマッキーを仕舞い、中に入っていく。

 

 

開いた扉の近くには盛大に落書きされた二人の門番がおり、余りの奇怪な落書きに近くを歩いていた人から写真を取られ、ネットで話題になるのはすぐ後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、見た目、心構え、殺る気、問題ないな」

 

指を鳴らしながら準備運動をしている一夏は一度辞め、玄関の前で拳を大きく振りかぶる。

 

 

「お邪魔しまーすッ!」

 

元気な声で扉を破壊しながら、中に入りこむ一夏に何事だと使用人や従業員たちが続々と現れる。

 

 

「誰だ貴様!」

 

「悲しみに沈む少女を助ける男。スパイ〇ーマッ!」

 

「戯言など要らぬ!何をしに来た!」

 

「問題のあるデュノア家に過激な家庭訪問に来たのさ」

 

 

ネタを挟みながら用件を言う一夏。

 

「健全な私達に問題などありませんよ」

 

「あ、そう。なら、個人的にムカつくから、テメーら潰すわ」

 

「過激な人ですね。お引き取り願いましょうか...命を持ってね!」

 

 

そういうと、女性使用人が銃を構え、放ち始める。

 

一夏は一切躱そうとせず、そのまま立ち止まる。

 

 

「馬鹿め!自らハチの巣になる事を望んだか!」

 

「男がでしゃばるからそうなるのよ!」

 

「この程度で俺を殺したと思った、お前の姿はお笑いだったぜ」

 

「なッ!?」

 

 

一夏のいた所は盛大に土埃を上げ見えなくなるが、ハチの巣になったと確信した女性陣

は勝利の声を上げるが、土埃から無傷の一夏が姿を現す。

 

 

「攻守交替でいいよな?」

 

「うわぁっぁぁ!?」

 

 

縮地で近づき、鳩尾を抉るように殴るとそのまま、天井に突き刺さる。

 

 

「俺を殺したかったら、バズーカでも持ってくるんだな!」

 

「なら、リクエストに答えてあげるわ!」

 

「なにィ?」

 

 

一夏は声のした方を見ると其処には一人の女性がバズーカを構えていた。

 

 

「吹き飛びなさい!」

 

 

飛来するバズーカを受ける一夏。

 

 

「流石に死んだでしょう「ギャハハハハハ!」嘘...」

 

「演出ご苦労ゥ!華々しく散らせてやるから感謝しろよ。三下ァ!」

 

 

爆炎から姿を現した一夏は狂気の笑みを浮かべながら、進んでいく。

 

 

「テメェらが魔術使えるのは知ったんだよ。本気出さないとサクッと逝っちまうぞ。相

手は何せ、神殺しなんだからな!」

 

「神殺し、白銀の髪、...白き...王...」

 

 

白銀の髪に戻った一夏はマハードの調べで、デュノア家で働いている者は全員魔術に関係していると知っている。

 

 

「か、神殺しが何よ!相手は只の子供よ!」

 

「そうよ、私達があんな、男性の子供に負けるわけがないわ!」

 

「皆で戦えば勝てるはずよ!」

 

「オラ、こいやァァァ!!」

 

 

火炎弾やゴーレムを使い攻撃するが一夏はカスールとジャッカルを取りだす。

 

 

「マッチのようにつめてぇ火炎弾だな!」

 

「ギャァ!?」

 

「このぉ!潰しなさい!」

 

「動作がおせぇんだよ!」

 

「私のゴーレムが!? でも、まだよ!」

 

「術者ががら空きだぜ!」

 

「キャア!?」

 

 

火炎弾を銃弾で相殺し、相手の懐に潜り込み、ゼロ距離からカスールの弾が切れるまで撃ち、ゴーレムを太刀で切り伏せ、がら空きの術者に峰内で、倒す事まで約10秒である。

 

 

「何よ!化け物じゃない!?」

 

「これならどう!」

 

 

複数で一夏を囲い、一人の女性が一夏の頭を狙撃し、撃ち抜く。

 

 

「倒した...」

 

「やったか」

 

「しーなーなーいーよー」

 

 

仰向けで倒れた一夏はそのまま重力に逆らうかのように起き上がり、撃ち抜かれた所から血を流しながら不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「ハァァ!」

 

「グフッ?!」

 

「アガッ!?」

 

「イィィヤァ?!」

 

 

十名で固まっていた団体の前に行き、二人の首を掴むと地面にめり込むように叩きつけ、カスールとジャッカルで七人をハチの巣にし、強烈な蹴りを叩きこみ、残り一人の頭を鷲掴みにするとそのまま家の壁にめり込むように叩きこむ。

 

 

「敵は...この奥か」

 

一歩進もうとした時に、左右から感じた殺気に気づき、上体を逸らし、躱すと二つの剣が通り過ぎる。

 

 

「躱したか」

 

「ほぉ、ISか」

 

「そうよ!アンタを倒すには勿体ないモノよ!」

 

「私達が味わった屈辱を晴らすために使う事にしたわ!」

 

 

一夏はカスールとジャッカルをISに放つがカチカチ、という音が出る。

 

 

「弾切れか」

 

「このチャンスでアンタを倒す!」

 

「ISで倒されることを光栄に思いなさい!」

 

「そらよっと」

 

「なっ...ゴハッ?!」

 

 

一夏はカスールとジャッカルと一緒に二つ上空に投げるとロングコートか取りだした刃渡り80cmの投擲剣を三本ずつ指で挟むように両手で持つと上段の構えで接近するいSに投げ、同じくロングコートに隠していた太刀を取りだすと一緒にIS乗りの方に移動する。

 

投擲剣を切り伏せていくIS乗りだが、投擲剣に隠れて一緒に向かっていた一夏に対応で

 

きず、無明三段突きを喰らわせ戦闘不能にし、もう一人のIS乗りの方に視線を向ける。

 

 

「私をさっきのと同じにしない方がいいわよ!私はISと魔術を合わせた攻撃が得意なのよ!最強の兵器と魔術があればアンタなんか目じゃないわ!」

 

「長ったらしんじゃボケ!」

 

 

一夏は先程上空に投げたカスールとジャッカルを掴むともう一人の方に接近、IS乗りはルーンの炎を纏った剣で攻撃するが一夏は剣に銃身を交差させ、防ぐ。

 

 

「どう?手も足も出ないでしょう!」

 

「手は出なくても、足は出るよね!」

 

「グッ!」

 

 

空いていた足でIS乗りを蹴り、姿勢を崩させるとそのまま接近し、銃口を顎に突きつける。

 

「何処を撃ち抜かれたい?5秒以内だったら、リクエストに答えてやろう」

 

「ざ、残念ね。その銃には弾は入ってないわよ」

 

「そうか、時間切れだ!」

 

 

一夏は一回引き金を引くと女性の顎に衝撃が襲う。

 

「嘘...」

 

「悪いな、リロードはあの上空に投げた時にしてあるんだよ。俺の特技の一つ、空中リロードだ」

 

「ま、待っt」

 

「喰らいなッ!!」

 

 

一夏はリロードが完了したカスールとジャッカルで女性に向け、乱れ撃つ。

 

乱れ撃ち終えた一夏は銃身を持ちそのまま、首筋に叩きつけ、気絶させる。

 

「弱っ。何が科学と魔術が交差した時、強くなるって? 全然よえーじゃん」

 

「何よアレ...化け物じゃない...」

 

「撤退よ!撤退をしないと全滅するわよ!!」

 

「逃げろォォォォ!」

 

 

後方に居た女性たちは一夏の戦に飢えた修羅の如く、襲い掛かってくるその姿に恐怖し、逃げ始め、地下へのエレベーターに乗り込む。

 

「これで少しは逃げる時間を稼げるわね」

 

「そうね。でも、なんでドアが閉まらないのかしら?」

 

「ウヘへへへへ」

 

「アンタ何してるのよ!」

 

 

エレベータのドアが閉まらない事に疑問に思った一人の女性が周りを確認すると、来たばかりの新人が狂ったように開けるを押し続けていた。

 

 

「そんな事したら、アイツが来ちゃうじゃない!」

 

「ヒィへへへ!」

 

「まさか、催眠術に掛けられてるんじゃ...」

 

「クッ!」

 

「フグリッ!!」

 

 

行っても聞かない新人に苛立ちながら、一夏に視線を配ると近くまでに来ていた、虹色に輝く瞳をした一夏の姿に催眠術の類に掛けられたのではと思い、護身用のスタンガンで新人の意識を刈り取る。

 

 

「オープン...セサミィ...!」

 

 

ドアが閉まり始め、安心すると、閉まりきる寸前に白と黒の銃身が交差し、強引にドアを開けると其処には魔王が居た。

 

「従業員並びに使用人諸君、任務ご苦労」

 

「ア...アァァ...ァァ」

 

「ハァァ...アァァァ...」

 

「うわぁ...あぁぁ...」

 

「さようなら」

 

「ギャヒッ」

 

「アガッ!?」

 

「ガッ?!」

 

 

降りていくエレベータの中で鳴りやまない銃声と悲鳴が響きつづけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏が過激なエレベータアクションで血祭りにあげている頃、地下の牢獄を思わせる場所に一人のボロボロの衣服を着、無精ひげが生えた男性と対照的に身なりが整った一人の女性が居た。

 

「上の階が少しうるさいわね。まぁ、彼女達なら問題ないわ、今日も私の愛妻弁当を食べなかったのね」

 

「お前の作った料理に何を盛ってあるか分からんからな、近くにいたネズミに食わせたよ。...結果は案の定だったがな」

 

 

男性はここ数日、出されていた料理を食べずにいる為、水だけしか飲んでおらず、衰弱している。

 

 

「無理にでも食わせてみろ。その瞬間、舌を噛み切って、死んでやる。そうすれば、事件性が出て、警察の手入れは確実だろうな!」

 

「男性風情が...!」

 

「私だって、男だ。大切な部下や娘を護る為なら死など恐れはせぬよ!シェリーヌ、無能な貴様に社長も、私の先祖代々受け継いできた黄銅十字社の長も務まらんよ!衰弱死となれば、色々不都合が出て、引継ぎに時間と金が掛かるし、無理矢理奪った魔術結社に付いて来る者もいないからな」

 

「言わせておけば...!」

 

 

衰弱しているとは思えない気迫で叫ぶ男性。

 

男性の名はエルリック・デュノア、デュノア社の社長にして、黄銅十字社の長であり、シャルロットの実の父親である。

 

そして、女性の名はシェリーヌ・デュノア、デュノア社の社長夫人であり、今回の一連の事件が起きた原因である。

 

エルリックとシェリーヌの関係は最悪と言っても過言ではない。

 

本来、エルリックが愛し合た女性は目の前の女性ではなく、ヒルデという女性であり、その女性こそが、シャルロットの今は亡き、実の母親である。

 

ヒルデとは学生の頃からの古い知り合いであり、十代の頃からの恋人関係である。

 

互いに大学卒業間際に、シャルロットを妊娠し、卒業と共に結婚し、父親から引き継いだデュノア社を一緒に支え、いずれ大企業にしようと考えていた。

 

だが、当時の資産家の娘であるシェリーヌとの縁談が持ち上がり、エルリックはそれを丁重に断った。

 

ヒルデが妊娠数から数か月後に、シェリーヌがエルリックとの女児を妊娠したと言う一報を受け、この事実を武器にしたシェリーヌの実家は婚約を迫り、エルリックの実家は抗議し、裁判沙汰にまでなり、結果は惨敗。

 

シェリーヌとの婚約をせざるを得なくなり、ヒルデと破局することになった。(ヒルデ一筋だったエルリックは見に覚えが無い為、逆レイプされたと推察している)

 

しかし、ヒルデの事を忘れる事の出来なかったエルリックはいつのしか、ヒルデとお腹の中の赤ちゃんと暮らす事を夢見て、自らの地位を上げ、周囲から文句を言われることの無くなるまで権力と地位を身に着け、いずれは離婚し、ヒルデを迎い入れようと考え行動を開始した。

 

迎い入れるまで不自由をさせまいと資金援助を続け、父親から引き継いだデュノア社を更に成長させ、周囲の誰もが認める手腕の社長として、成功を収め、シェリーヌとの離婚は時間の問題となった時にISが発表され、女性と男性の地位が逆転し、社内においての権力の低下と地位の逆転により、離婚は出来なくなり、自分の子供の様に育ててきた社員の不正解雇や女尊男卑の風潮に染まった人物を採用し、シェリーヌは自分の力を増長させ続けた。

 

このままではまずいと、努力するも如何せん、時代が時代なだけに認められることは無く、只時間だけが過ぎ去っていった。

 

不正解雇された社員には出来る限りの退職金を個人資産から出し、路頭に迷うという最悪な事を避けるようにした。

 

シェリーヌという女性は気位が高く、異常なまでの独占欲と出世欲の持ち主で、デュノア社での地位を我が物にしたシェリーヌは黄銅十字社も手に入れようとし始めた。

 

親は子に似ると言うが、娘のエルザもまた、女尊男卑に染まり、母親と同じ側面を持つ娘だ。

 

 

「貴方さえ、『はい』と言えば、後は勝手に捏造して、終わりなのにね」

 

「何でもかんでも、思い通りなると思うなよ。お前の不正解雇した社員に退職金を払い、そのおかげでヒルデへの援助が少なり始め、ヒルデが重い病に罹った時、後少し、金があれば助けれたモノを、賭博に無駄な金を使い、私の給料を減らし、会社の金に手を出し始めたおかげで、助けることが出来なかった!あの時の思い忘れはせんぞ!!」

 

「デュノア社も社員も、そして、黄銅十字社も私のモノよ! どう使おうが私の勝手よ!」

 

「ヒルデが死んだ時、お前の尻拭いの為に葬儀にも参加できず、デュノア社の経営が悪くなった時、人件費の削減と言い、シャルロットを呼び出し、危険な実験をさせた! 中には死ぬかもしれないモノも有っただろうが!!」

 

「あんな、小娘が死んだところで、もしそうなったら世間に『社長の愛人の娘、不慮の事故で死亡』としておけば、私に被害は無いわ」

 

「貴様ァァァァ!!」

 

 

胸ぐらを掴み引き寄せる。

 

「貴様の人を人と思わないその態度、自分の為なら周りの事を省みない事を知っているからこそ、私はシャルロットをIS学園に送った」

 

「そうね。おかげで溜まっている実験が出来ないわ」

 

 

シャルロットをIS学園に送り込んだ本当の理由はシャルロットを護る為なのだ。

 

残った自分に付いてきてくれる社員や魔術の同士は被害に遭わないように離れた所に非難させている。

 

 

「このまま私は衰弱しするだろう。ヒルデを助けることは出来なかった。だが、シャルロットは護る事が出来た!最初っから正体がバレナイなど考えていない。正体がばれた時、デュノア社の事を離せば、この事をは明るみになるだろう。私はそうなるように日本の知り合いに手配している。貴様の年貢の納め時も近いぞ!」

 

「...なら、そうなる前に逃げればいいのよ。今の社会ならいくらでもやりなおせるわ!!」

 

 

シェリーヌは懐から拳銃を取り出すとエルリックに向ける。

 

「さようなら。クソッタレな旦那様!」

 

「アガッ?!」

 

 

放たれた弾丸はエルリックの腹部を貫き、その場に倒れ込む

 

「グッ...、私もここまでか...。すまんな、秋十、春七...お前との約束守れそうにない...。シャルロット...お前は幸せに...」

 

「死に間際の遺言ってやつかしら? みっともないわね」

 

『そーでもねぇよ』

 

「だ、だれ!?」

 

 

ガタガタ、と誰かが降りていく足音が聞こえ、階段の方を見ると、返り血でロングコートが汚れた一夏の姿があった。

 

「子供?一体何者!」

 

「魔術に関係するものならわかると思うんだがな...。新参者か?まぁいい、俺の名は織斑一夏。白き王、神殺しだ」

 

「織斑...そうか、君は...」

 

「神殺しだか、白き王だか知らないけど、死になさい!」

 

先程、エルリックを撃った拳銃で一夏を撃つが弾丸を掴み、地面に捨てる。

 

 

「クッ...!エルザ!私のエルザ!!あの男を殺しなさい」

 

「分かったよ、ママ」

 

反対側の階段から現れた、一夏と同い年であろう金髪のボブカットの女性はラファールを纏い、ガトリングガンで一夏を襲う。

 

「こんなもんが効くと持ってるのかよ...。切り裂け!噛み砕け!飲み込め! 我は神々に仇成す、狼なり!」

 

「アレは...聖句か...」

 

「名誉に思いな。テメェらカス如きに俺が権能を使うんだからよ!」

 

「グッ!なにこの鎖!?」

 

 

一夏の両手足に枷が現れ、そこから現れた鎖がガトリングガンの攻撃を防ぎ、地中や壁を貫きあらゆる方向から現れる。

 

 

「当たらなかったら、どうってことないわ!!」

 

「フッ、感情的過ぎるな」

 

「これで...!?」

 

「まんまと人の策にハマってやがるよ」

 

 

エルザはアサルトライフルを取り出し、一夏に放とうと腕を動かすが、途中で鎖によって止まる。

 

 

「じゃ、地獄に逝くか?」

 

「ま、待っt」

 

「オーラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!」

 

「ゲッ、アガッ、ブッ、ゲフッ!」

 

「織斑百裂拳!なーんちゃって」

 

 

身動きの取れない、エルザに蹴りを放ち、残像が残る程の速さで殴り続け、最後に腹部に強烈なのを入れる。

 

 

「え、エルザ!」

 

「ママ、痛いよ...助けて!」

 

「エルザ、...アンタも結局私の役に立てないの!?この金食い虫!アンタを育てるためにどれだけの金を使ったと思ってるのよ!!」

 

「ま、ママ?」

 

「どいつも、此奴も役に立たないわね!この私、シェリーヌ・デュノアの役に立つというのが、どれだけ名誉な事だと思ってるの!私は王!女王なのよ!!愚民は私の言う事をただ聞いていればいいのよ!」

 

「貴様!私だけではなく、実の娘に対しても!!」

 

「役に立たないんなら、親だろうが、夫だろうが、娘だろうが捨てるわ!所詮、貴方達は私の駒なのよ!!」

 

 

行き過ぎた人間の末路とも思えるその姿にエルリックやエルザは只、唖然とするしかなかった。

 

 

「テメェみたいな暴君は有史以来沢山いたが、大抵の末路は滅びだ。そして、お前もその例に漏れない」

 

「何を言ってるのかしら」

 

「つまりこういう事だ」

 

「え?――グギャァァァァァァ!!」

 

 

鎖を消した一夏はシェリーヌの目の前まで行くと左腕を比喩ではなく、握りつぶす。

 

 

「怒りのおかげで、聖句を紡がなくても権能が発動出来たわ。片方だけだと、可笑しいし、もう片方も潰すか」

 

「ちょ、待って!」

 

「何ィ?聞こえんなぁ!」

 

「ピギャァァァァァ!!」

 

 

今度は右腕を潰し、力が入らなくなったせいか、持っていた拳銃を落としてしまう。

「どうせ、今の社会だとお前みたいな奴は真っ当な罪に問われないだろうし、俺がお前を裁くか。まぁ、これも王としての仕事だよな。罪を犯した愚民を裁くのはよ」

 

「ヒィ!?」

 

「煉獄の劫火よ、焼き尽くせ。世界に終わりを、汝に終焉をもたらせ、全てを無に帰す、焔と成れ」

 

 

一夏から放たれる聖句は何処までも冷たく、まるで聞いているだけで、凍ってしまうのではないかという程、冷たかった。

 

右手に現れた炎の大剣を掲げる一夏。

 

「待って!私と手を組まない。そ、そこの男を殺せば沢山のお金が手に入るわ。私がデュノア社の社長になれば、副社長に任命してあげていいわ!わ、分かったわ!女ね、女が欲しいのね!思春期の男の子だからそう言うのに興味あるんでしょ?なら、多くの女性を飽きるまで抱かせてあげるわ!無能な奴らの代わりに私が面倒を見てあげる。そうすればあなたの人生も安泰よ!だ、だからお願い助けて!!」

 

「言いたいことはそれだけか?なら、大地に還りな」

 

「待ってくれ!」

 

「ん?」

 

「ハッ...アワァァァ...ァァ...」

 

 

一夏は劫火の剣で塵にしようとした瞬間、待ったを掛ける声が聞こえ、斬る寸前で止める。

 

止めたのは驚いたことに今回の被害者の一人、エルリックだった。

 

 

「待ってくれ、彼女を殺さないでくれ」

 

「変わった奴だな。こいつのせいで散々な目にあってきたんだろ。なら、何で止める?」

 

「確かに酷い目にあってきた。だが、無暗に消えていい命はこの世に存在しないと思うんだ。彼女には真っ当な報いを受けさせるべきだ。それに若い君がこれ以上、手を汚す必要は無い」

 

「真っ当な報いね...。今の世の中なら、無理だぞ。それでもか?」

 

「それでもだ」

 

 

一夏は目をつぶり考え、そして溜息を吐きながら頭をポリポリとかく。

 

 

「分かったよ。殺しはしねぇよ。その代り、顔面整形(物理)はするぞ」

 

「死なないのなら、構わない」

 

「ハァー、オラッ!」

 

「げぶっ!」

 

 

劫火の剣を消した一夏はシェリーヌの胸ぐらを掴むと顔面目掛けてタコ殴りにすること数分、整った顔立ちから、鼻は折れ、顔の至る所は大きく腫れ、顔の至る所の顔のパーツを物理的に変えた事によって醜悪な顔になり、元の顔にはもう戻らないだろう。

 

 

「すまない。私の我が儘を聞いてくれて...ゴホッ」

 

「そう言えば、お前撃たれていたな。ホレ、これを飲めな。俺お手製の霊薬だ。変な薬

は入れていないから」

 

「アイツらの子供だからな、そんなことはしないだろう」

 

 

一夏は渡された霊薬を飲むエルリックの発言に気になるところがあった。

 

 

「ん?アイツらって、俺の両親の事か?」

 

「そうだが?私の事は聞いていないのかね?」

 

「俺の両親は俺が小さい頃に行方不明になってね。親代わりとして千冬姉がある程度、育ててくれたよ」

 

「...つらいことを思い出せたね。すまない」

 

「別に気にしてないさ。立てるか?」

 

「あぁ、ありがとう」

 

 

一夏は衰弱しているエルリックに手を差し伸べると、フッ、と含み笑いをするエルリック。

 

 

「なんだ、急に?」

 

「何、困っている人が居れば手を差し伸べる姿が、二人にそっくりでね。二人とは同じ大学の同期なんだよ。勿論、ヒルデとも同期だ」

 

「ふーん、取り敢えずどっかのフランスの魔術結社にお前を預けさせるか。何かあったら権能でおどsゲフンゲフン、O☆HA☆NA☆SIすればいいや」

 

「少し、ニュアンスがおかしくないかい?」

 

「そうか?」

 

「あのー」

 

「ん?」

 

 

一夏はエルリックに肩を貸し、出ていこうとした時、一人の女性が声を掛ける。

 

 

「えーと、エルザだっけ?何の用」

 

「私はどうしたらいいのかな?信じていたママに否定されて、行き場が無いんだけ

ど...」

 

「知らねぇよ。親子関係直すのか、それとも一人で路頭を彷徨うのかはお前の自由だし、まぁ、その女尊男卑を直せば、ある程度、幸せな生き方が出来るかもしれないぜ。それでも駄目なら、俺が少し、手を貸してやるよ。改心する奴を見捨てるほど非道じゃないし」

 

「ア...」

 

 

この先に不安に思ったエルザは一夏達にどうしたらいいのか聞く。

 

先程までは倒す敵として見ていたが、いざ見直すと、整った顔立ち、細身でありながら

鍛えられて肉体、誰に出も差し伸べるその優しさ、そして先程の一夏の発言。

 

 

『行くところが無いんなら、俺の所に来いよ。面倒を見てやるからよ』

 

「ポッ」

 

「は?」

 

 

女性特有の身勝手な脳内変換により、言っている事の本質を少し曲げた解釈をするエルザ。

 

この時、エルザの中で一夏に対して何かが芽吹き始めた。

 

 

「取り敢えず、お前の自由以上」

 

「あ、待ってください!」

 

「こういう所もそっくりだな...」

この様子を見ていたエルリックが小さく呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜道を歩いてる最中

 

 

「そう言えば、何か私関係で言い残してる事はあったかね?」

 

「ねーよ」

 

「そうか(あの約束を知らないのか。無理に私達の間で起きた約束を守らせるのもいいが、彼らの今後に関わるからな)」

 

「何かあるなら言えよなー」

 

「君は異性として好きな人はいるのかね」

 

 

エルリックの言葉にエルザは物凄い形相で一夏を見る。

 

 

「いないよ」

 

「そうか。貰えるモノがあれば君は貰うかね?」

 

「意図が分からんが人の善意は貰うね基本。お前は後で、シャルに謝罪でもしておけよ」

 

「一夜直伝の空中回転式トリプルアクセル土下座をしようと思う。アイツはやたらとモテル男でな、ついでに言えば女癖も少し悪い。そう言った事を夏燐にバレた時、土下座の最上位に値する土下座をしていた。アイツ曰く『これをすれば大体、機嫌を直す』らしい」

 

「せ、せやな(何だろう、父さんについて知るのが怖いな)」

 

(その時にシャルロットとエルザにあの約束について話そう。ダメならそれで構わない)

 




デュノア社を襲撃回でした。

なお、ヒルデはヒロインにするかは未定です。






FGOは邪ンヌとイスカンダルが来たので迷わず入れた。
そして勝った

贋作イベのビュリュンヒルデさん...壊れすぎでしょ。
百合で、ドMで、テケテケで色々、可笑しかったな。


茨城イベで、狂ニキは上手く回れば生存率高いかったなー。
孔明とジャンヌはあると鬼ごろし上手く回れるわ
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