そして、ここから大きく話が変わってきます。
天災の出現で一夏は疲れている中、ISの暴走という緊急事態が起き、専用機持ちは指定の場所に集められている。
集まっていた専用機持ち達の前にホロウィンドウが投影された。
そのホロウィンドウには、地図と件の機体の写真が表示されていた。
「今から約数時間前に、アメリカとイスラエルが共同開発した最新鋭軍用IS、シルバリオ・ゴスペル。通称、福音が原因不明の暴走を開始。投入された追撃部隊を壊滅させて、亜音速で逃走。こちらに向かってきているとの情報だ」
千冬がそう説明すると、表示されていた地図にその福音の逃走経路が表示された
千冬は全員がそこまで確認したのを見ると
「そして、この福音に対して迅速に部隊を送れるのが我々のみということで、政府はアメリカ、イスラエルからの要請を受諾し、我々に迎撃命令を下してきた」
一夏はこの命令を出した人物に一夏は馬鹿じゃないの、と内心呟いた。
自分ならまだしも何故、素人同然の彼女達を参加させたのか、その意図が分からずにいた。
(最低でも、甘粕が命令を出しているという事は無いだろうな。アイツは俺の事をよく知っているからな)
命令を出した人物は一夏の
「何か、質問はあるか?」
「対象機体の詳細な情報を!」
「いいだろう、許可する。ただし、機密情報だからな。もし、他の者達に漏らしたら、外出の制限と在学中に監視が付くからな。そのつもりで」
千冬がそう説明した直後、専用機持ち達の前にホロウィンドウが開いた。
そのホロウィンドウには福音の詳細なスペックが表示されている。
武装自体はたった一つ、
が、この武装、ただの射撃武装ではなく、砲口を36も持つ広域射撃武装であり、下手に近づこうとすれば近づく前に面で制圧されるだろうことは最早火を見るより明らかだ。
速度を持って戦場を翔け、持ち前の面制圧力で戦場を支配する。
「高機動型の遠距離機体か...。交戦は一回、出来て二回かな?」
「それに、この特殊武装も厄介ですわね。ブルーティアーズと同じ、オールレンジ......」
「攻撃力も、かなり高いみたいだね......本社から新しく送られてきたガーデン・カーテンでも、何回もは防げないかな......」
と鈴達が呟くように確認していくが、一夏の顔は優れていない。
「この中で、一番の適任者は一夏よね」
「だろうな。だが、目標まで運ぶ足が必要だ。俺は目標までの足と援護要因として簪を推奨する」
「その作戦ちょっと待った!!」
と、いきなり天井の板が吹き飛び、穴から束が入ってきた。
「ちーちゃん。私の頭の中にもっと良い作戦がナウ・プリーティング!!」
「出て行け。束」
千冬に詰め寄る束の襟首を掴み、扉の外に放り投げようとするが
「ここは断然紅椿の出番なんだよ!」
「なに?」
その言葉に動きが止まった。
これを見よと言わんばかりに束が指を鳴らすとモニターが紅椿のデータに変わった。
「紅椿は高機動パッケージ無しでも超音速飛行が可能なんだよ!それはさっき見たでしょ!?」
「......」
「でもって、展開装甲を調整すれば、すぐにでも出撃は可能だよ!!」
「......それはどれくらいかかる?」
「ざっと七分!!」
「よし、では織斑と篠ノ之の両名の出撃にする。何かあるか」
その言葉に真っ先に挙手したのは一夏だった。
「悪いが今の俺はルーキーを庇いながら戦うのは無理だ。体調が悪い上に無性に嫌な予感がする」
「待て一夏! 私では不服だといううのか!!」
「おうおう、束さんお手製のISにケチ付けるのかい?」
「ケチも何も、例えどんな
「ど、どういう事だ...」
一夏は知っているのだ。
「専用機貰ってはいるが、お前にそれは相応しいのか?国家代表でも、代表候補でもない。軍属でも企業のテストパイロットでもないお前が専用機を持つのが可笑しんだよ。お前は努力して、専用機を手にしたのか?違うだろ」
「そ、それは...」
「力に振り回されるようなら三流、その力を十全に扱え、昇華させる奴が一流なんだよ。俺から見ればお前は三流以下のズブの素人だよ。そんな奴に背中を任せたくないね」
「なら、他の奴らはお前の言う一流なのか!」
「一流かどうかはともかく、他の奴らは覚悟も実力も上だ。お前よりは専用機を得るために血が滲む様な努力はしている。そう言う奴は素直に称賛するし、嫌いじゃないね」
「なら、私だって――――ッ!?」
何か言いかけた箒だが、一夏の殺意の含んだ眼を見た瞬間何も言えなかった。
「いい加減にしろよ。たかが剣道大会で優勝したくらいで調子に乗ってるんじゃね。ルール―アリの死の無い戦いしか知らない餓鬼が、お前みたいな奴が戦場を混乱させ、被害を大きくするんだよ」
「ISには絶対防御が―――」
「この世に絶対などという文字は存在しない。絶対防御?そんなもんいくらでも破れるし、零落白夜を使えば一発だぞ。で、指揮官はそのあたり分かってんだろうな?」
「織斑の言っている事は事実だ。だが、猫の手も借りたい状況だ。作戦には織斑と篠ノ之の二名をメインとし、有事の際は補助に回れるようにデュノアと更識妹を空域に待機させる」
「ち、千冬さん!?」
「二人だけよりはマシか...」
一人で騒ぐ箒を無視し、千冬が命令する。
「よし、では本作戦は織斑、篠ノ之の両名による目標の追跡及び撃墜を目的とする。そしてバックアップで更識妹、デュノア。残りは旅館に待機。作戦開始は10分後。各員、直ちに準備にかかれ!!」
「ねぇ、一夏」
「何だ?」
「さっき、調子が悪いっていたけど、大丈夫?」
「肉体的には健康だろうな。だが、精神的には、と聞かれたら答えはノーだ」
「え?」
一夏の事が心配になった簪は一夏に容態は大丈夫か聞く。
「何故だろうな、今から戦う福音に対して、言いようの無い不安と恐怖が俺に押し寄せてくる。俺の勘が言っているよ、この戦いは只では終わらない、とな」
「大丈夫だよね?」
「大丈夫だ、何が何でも、どんな結果になろうと俺が守ってみせる」
「そろそろ、時間だね。何かあったら、言って。すぐ駆けつけるから」
作戦開始の時間になると二人は行動を開始した。
「暫時衛星リンク確立......情報照合完了!!10秒後に接触する!!」
箒の言葉に一夏は雪片弐型を大きく振りかぶる。
だが、福音の装甲を掠めるだけで撃墜とまでは行かなかった。
一夏も一撃で仕留められるとは思っていなく、次の一手を打つ。
「はァァァァァァ!!!」
一夏は縮地を使い、福音に接近すると斬り上げをするが福音は容易に避けると、福音が大量の光弾を放つが一夏は雪片弐型をブーメランのように投げると、相殺し、相殺しきりなかった残りをカスールとジャッカルで撃ち落としていく。
「私のことを忘れてもらっては困る!!グァ!?」
『力の無い人間が鬱陶しい』
背後から一撃喰らわせようとした時、振り向きもせずに回し蹴りをすると聞こえてくるはずの無い声が聞こえる。
福音の操縦者は気を失っていると事前に分かっており、暴走を止めると同時に搭乗者を救う救出作戦でにあるのだ。
一夏は聞こえてくる狂ったフルートの音色に困惑する。
聞いているだけで、自分の中の何かが湧き上がってくる感覚に戸惑いを隠せずにいた。
「チッ!耳障りな音を出しているんじゃねーよ!!」
「隙ありィ!!」
一夏は縮地を使い、雪片弐型でガードしながら、敵の正面に突っ込むと、そのまま斬り上げると仕込んでいた鋼糸を柄の部分に撒きつけるとそのまま回転しながら切りつける。
一夏の攻撃が止むと同時に箒が背後から福音の翼を一刀両断する。
翼を失った福音は海に沈む中、一夏は海に沈んだ福音を見据える。
「ふん。他愛もない。貴様程度では紅椿と私の敵では無かった。どうだ?一夏。少しは私の事を見直したか」
「―――!?チィ!!」
「な、何をするいt――― 一夏!?」
「グゥ...」
油断している箒の直下の海面に異変が起きると同時に一夏は箒を押しのける。
その事に気づいていない箒は一夏に何かを言おうとしたが、一夏の苦悶の表情と背後に居る倒したはずの福音に驚愕の色隠せずにいられない。
「一夏!大丈夫か!!」
「背中を少し、斬られた程度で騒ぐな...。来るぞ!」
一夏を心配する箒だが、一夏は平気な表情をするが、白式の装甲が切り裂かれ、赤く染まっている。
一夏は福音に注意するよう箒に呼び掛けたその瞬間、変化が起きた。
福音に異変が起きたのだ。
人型だった福音の手足から何百人の血を吸ってきたカのように赤黒い鋭利な爪、斬られた翼は生物的な霊長類を思わせる翼が六対生え、身の丈はあるであろう尻尾、フェイス部分を突き破るように現れた凶悪な牙。
その姿から、先程までの天使を思わせる姿から、悪魔よりおぞましい姿になる。
そして、福音が嗤った瞬間。
「ガハッ!?」
「一夏!?グッ!!」
目にも止まらぬ、速さで一夏に接近すると一夏の鳩尾を殴ると身体を回転させ近くにいた箒に尻尾を叩きつけると一夏に狙いを定め、猛攻撃をする。
「この感じ...。アイツと同じ...気配がする...」
「私を無視するなぁぁ!!」
「よせ!そいつに無暗に近づくな!!」
「グァァァァ!!」
一夏を助けようとした瞬間、箒に飛び蹴りをかますと連続で殴ると回し蹴りをする。
攻撃はそこで終わらず、箒にその鋭利な爪を突き立てようとした。
箒は思わず、目をつぶるが、いつまで経っても痛みが来ない事に不思議に思い、恐る恐る目を開けると其処には
「グボァ...」
「い、一夏...」
護るように立ち塞がり、鋭利な爪で腹部を貫かれている一夏の姿があった。
「心配だから、応援に...、一夏!」
「よぉ、簪...。来て早々に悪いが、頼みがある」
「待って。今すぐ、助けるから」
「そんな事はいいッ!!今から言う事をよく聞けよ」
一夏を助けようとしたシャルロットだが、一夏の声に思考を中断した。
「コイツはISじゃ、到底敵わない化け物だ。コイツに勝てるのは特別な人間だ」
「い、一夏...。何をいって」
「俺も長くは持たない!だから、早くここから逃げろォ!!」
ガシッ、と自分の腹部を貫いている腕を掴む。
一夏は理解しているのだ、この福音に取り付いている敵の正体に
「時間なら俺が稼ぐ...。だから!?」
「お前を置いて、逃げるモノか!一人でダメなら二人が掛かりなら、倒せる!命など惜しくもない!!」
「あのバカ箒!一夏の言っている意味が分からないの!?」
「シャル、少しここで待っていて」
「簪?」
箒の無謀なその姿に叱咤するシャルロットに簪は待つように言うと一夏お得意の縮地を使い箒に背後を取ると
「フン」
「うっ...」
「馬鹿は回収した。ここから離れるよ。シャル」
「う、うん。一夏、無事に戻って来てね」
「信じているよ。必ず戻って着てくるって」
そう言うと、二人は箒を担ぎながら、その場から、今出せる最大速度でその場から離れていく。
「さて、やっと二人っきりだ、な!」
一夏は福音の肩を掴むと膝蹴りをかまし、出来た一瞬の隙を見逃さずに福音の腹部を蹴り、福音を自分から離す。
『そうだね。やっと二人っきりだね』
「女性...?」
機械交じりの声だが、何とかその声の持ち主が女性だと聞き取れた。
『僕はこの時を待っていたんだ!君と二人っきりになれるこの時を!』
「チィ!!我は天を廻る不死鳥と成り、空に昇る太陽となる!」
一夏は不死鳥の翼を出し、傷を塞ぎ、新たに聖句を紡ぐ。
「我は戦国の世に生まれし魔王なり、神仏に仇成す修羅なり!」
虚空から現れた刀を手に取ると一夏は福音に近づき、斬りつける。
「お前は何者だ!?何のためにここに来た!!」
『僕は僕の目的の為、君の前に現れた。まぁ、今回は
「シナリオ...?」
『そう、修正だ。君は彼の権能を全く使わないからね。おかげで思うように進んでいないみたいだから、僕自ら動くことにしたのさ。まぁ、君に会いたいという気持ちもあるんだけどね』
爪と刀が交差し、火花が飛び散る。
一夏は白式を解除し、戦闘を行っている。
「わけのわからないことを、ぬかしやがる!」
『ほれほれ、懐がお留守だよ?』
「ガァ!?」
さっきのお返しと言わんばかりに一夏に飛び蹴りをし、爪で一夏の肩を貫く。
「ゲホッゴホッ...。くそ、傷の治りが遅い...、グゥ...」
『僕は君の権能と相性がいいからね。僕自ら君を傷つけた方が進行が速いみたいだね』
「な、何だこれは...!?」
一夏は自分の中から目の前の敵に対して湧き上がってくる怒り、悲しみ、憎しみ、殺意等といった感情が自分を支配しようとする同時に一夏の身体に異変が起きる。
「ア...ガァ...アァァ...!?」
『フフフフ』
息苦しい、自分の中のナニカが変わっていく久方ぶりの感覚に身体が思うように動かないでいた。
『このまま、待つのもいいけど、さすがに暇だ。さっきの彼女の達と遊んでこようかな?』
「サセルカァァァ!!!」
『おっと、いきなり無明三段突きとは...女性に優しくしない男性は嫌われるよ?』
「大切な...家族を...、傷つけようとする奴に、好まれたくないッ!!クトゥルフの神々さんよ!!」
そう言うと一夏は新たに聖句を紡ぐ。
「あらゆる叡智、尊厳、力を与えし輝きの主よ。我が心を、我が考えを、我が成しうることをご照覧あれ!救世の一矢となり、戦いに幕を降ろそう!」
一夏は縮地を使い、福音の懐に潜ると現れた赤い弓矢を福音に向ける。
「我が絶技はを見届けよ!我が生死を汝らに託そう!―――
『ぐぅぅぅぅぅ!?』
放たれた究極の一矢は天を裂き、流星より疾く福音を射抜いた。
一夏が腕を降ろした瞬間、ピキッという何かが割れた音が聞こえる。
「チッ、今回は駄目か。まぁ、こいつは
よく見ると一夏の顔に、腕に、胴に、脚に罅が入り、その罅から炎が顔を見せている。
一夏が放った一撃は純粋な威力だけで言えば、かなり高い部類なのだ。
この権能の伝承では2500kmにも及ぶ射程距離と文字通り「大地を割る」威力を持つ、人ならざる絶技なのだから。
人ならざる絶技の代償として、高確率で死ぬが。
『今のは中々だったよ。でも、僕には届かなかったね!』
「今ので倒せればよかったんだがな!」
『グッ!な、何をする気だ!』
「今の状態じゃ、お前を倒す事は出来ない。だが、只で負けるわけにはいかない。痛み分けまで持ち込ませてもらう。だが、二回戦目は俺が勝つ!」
攻撃が終わり、機体の至る所に傷があるが平気そうな顔をする福音に一夏は背後を取り、逃さないと言わんばかりに福音に取り付く。
取り付いた瞬間、一夏の身体が、激しく燃え始める。
『まさか...自爆!?』
「傷も塞がらない。このままジリ貧をするくらいなら、一度場面をリセットしないとな!」
『グッ!このままじゃ――なんてね』
「何?グァァァァァァ!?」
福音に取り付いた一夏だが、福音の背中が膨れるとそこから、無数の棘と成り、一夏を貫く。
だが、いくら身体を貫かれようと力を緩める事は無く、むしろ先程よりも強く、拘束する。
『まさか、死に体同然のその身体ここまでの力とは...。流石は僕が認めた存在なだけあるよ』
「認めた...?俺は...お前と会うのは初めてのはずだ!」
『そうだね。
「訳の分からんことを...」
グラッ、と意識が遠のいていく感覚に本格的にヤバいと思う一夏。
あまりにも血を出し過ぎたのだ。
そして、一夏の身体がより、一層激しく燃える。
「
一夏の身体が眩い輝きを放つと轟音ともに爆発し、福音を紅炎が襲う。
例え、太陽が沈んでも時間が経てば、空に昇る様に、この技も一度死んでもまた蘇る事から名づけられた技。
灰となった一夏の身体は海中で集まり、燃え始める。
一夏の身体が蘇ろうとしている証拠だ。
炎が人型になり、少しずつ消火され、最終的に炎が消えると其処には五体満足の一夏の姿があった。
だが、まだ目覚めの時ではない。
一夏は潮の流れに身を任せながら、海中を彷徨う。
IS学園の制服を着た一夏は砂浜に立っていた。
「ここは...」
目の前に広がるのはただ、広い海と白い砂浜が広がっている。
「あの忌まわしき狂ったフルートの音色が鳴った。こうも速い段階で、奴が動くとは思っても見なかったがな」
「お前は...」
一夏は声のした方を見ると其処には黒いズボンに白と黒のラインが入ったタンクトップに、五芒星が描かれたグレーのロングコート、背中より少し長い黒髪、その姿に一夏は見覚えがあった。
「久しぶりだな。織斑一夏」
「旧神...」
嘗て倒した、まつろわぬ神がそこにいた。
今回の一夏の使用した技の解説。
落陽して日は昇る
自分の命を一つ犠牲にした自爆技。
その自爆は太陽爆発と比喩されるほどの爆発を起こし、敵に大ダメージを与える。
極短時間で復活出来、傷も塞がるが一夏の精神力を大きく削る為、多用は出来ない。
元ネタ ウルトラマンタロウのウルトラダイナマイト
今回使った新しい権能は...分かる人ならすぐ分かります。
感想の返事は16日以降になります。実家に帰るからです。
戻っても、FGOはやりますけど!
水着スカサハ、水着モーさん、清姫を全力で取りに行く。