インフィニット・ストラトス ~蒼天の魔王~   作:ハルン

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一夏の夏休み part2です。

夏休み編は三話で終わらせるつもりです。


王の夏休みと会談

一夏の家に集合してきた一夏ラヴァーズ。

流石に、このまま何もしないというのも暇なので遊ぶことにしたのだが。

 

「で、遊ぼうとしたら一部を除いて全然、据え置き型のゲームをしたことがないと」

『ハイ...』

 

一夏の言葉に力なく答える箒、セシリア、シャルロット、ラウラ。

 

「だが、ゲームなどと言う軟弱なものに時間を費やすなど―――」

「その軟弱なゲームの技で沈められた奴が何を言うか」

「私は家を守るのに必死で...」

「僕はあんまり時間がなかったからね...。アハハ...」

「クラリッサはそういう類のものを勧めていたが、...。軍に戻ったら早速クラリッサに教えてもらおう」

 

等々、ゲームに触れる機会がなかった人達に対し

 

「せっかく、一夏さんと遊ぶためにいっぱい練習したのに!」

「ガガは負けず嫌いですからね。一夏に負けたのが相当悔しいのでしょう」

「私達は一夏と一緒に住んでるから、触る機会が多いからね」

「主と共に娯楽を楽しむのもまた、従者の務めです」

「暇を見ては簪とかとゲームしてるが、マハードはともかく、簪は強いよなー」

「伊達に引きこもりみたいなことはしていない。ゲーム、アニメ、漫画、ライトノベル何が来ても私は話についていける」

 

負けず嫌いなガガは一夏に対して対抗心を燃やし、マナとマハードは一夏ともにいる時間が多い分、サブカルチャーに触る機会が多い。

そういった類に精通している簪は何でも来い、とやる気満々である。

 

「後メジャーなトランプ、UNO、ジェンガ...。大穴突いてバルバロッサしかないな」

「ほう、我がドイツのゲームではないか」

「ああ、バルバロッサですの」

「これは、どうやって遊ぶのだ?」

「たしか、プレイヤーが作った粘土を当てるゲーム......だったよね?」

「うむ。簡単に言うとそうだな」

 

その横から、セシリアと箒が覗き込み、バルバロッサの遊び方を知らない箒に、簪が簡単なルールだけ教える。

一応念のために、ゲーム発祥国のドイツ人であるラウラに確認を取り、一同はこれをしようと決めた。

 

「あ、一夏。アニメ、ゲーム、神話ネタは無しですよ」

「「ナ、ナンダッテー!」」

「今この状況かでそんなネタで攻められたら、答えられる人限られているでしょ!」

「「知らない方が悪い」」

「なら一夏。試しに作ってくださいよ」

「はーい」

 

一夏は慣れた手つきで粘土をこね、形を整えていくと、炎の様に燃える鳥が出来上がった。

それを見た瞬間、一部は納得した表情になるが、残りは首をひねっている。

 

「よし、一夏に質問だ」

「よかろう」

「それは鳥か?」

「YES」

「それは昔から存在するものか?」

「YES」

 

このゲームでは、質問者は回答者が『No』と言わない限り、質問をしてもいい。

もしもNoと言われれば、その場で回答することになっている。

もちろん、それ以前にわかったのならば、質問ではなく回答してもいいが、それで間違えてしまえば、その回答者のターンはなくなる。

 

「この世に存在するものか?」

「NO」

 

ここで一夏からNoという言葉が出た。

箒は一夏の作ったものが何なのかを回答しなくてはならない。

 

「ああっ!」

 

閃いた!

とばかりに箒は立ち上がり、一夏の作ったもの指差す。

 

「ずばり、鳥の丸焼きだ!」

「違うわ、ボケ」

 

バッサリ切り捨てた。

しかも不正解ついでに毒も吐いておく。

当の本人は不正解だった事に納得できないのか、ソファーに座り込むと、首を捻って、ラウラの作り出した物を睨んでいる。

 

「一夏の作った物の正体がわかった人」

「はい」

「はい、簪」

「...フェニックス」

「正解」

 

正解したことに安堵しつつ、心の中でガッツポーズを取る。

他に分かったのはマナ、ガガ、シャルロット、鈴であり、他は箒と似た答えである。

 

「セシリアは分かりそうだがな」

「出身の違いでしょう。フェニックスはギリシァ神話に出てきますが、これは東南ヨーロッパが発祥とされています。ですがウェールズ地方やアイルランドはケルト神話の方が有名かと、後はアーサー王伝説とかですかね」

「やっぱそこら辺の差か」

「これで分かったでしょ?その類のネタは通じないのだと」

「不満しか残らない」

 

アニメ、ゲーム、神話ネタは無しのバルバロッサをする事になった。

原作と同じ展開なので割愛する。

 

 

 

 

 

 

そして、時間が過ぎ、そろそろ夕飯という時間になった時、一夏とマハードが厨房に立とうとした瞬間、女性人によって止められ、自分たちが作ると言い出し、稀にはそういうのもいいかと。一夏は承諾した。

晩飯をどうするか決めた一夏達は近くのスーパーで買い物する事にした。

 

セシリアが料理を作るといった瞬間、食べた事のある一夏は死にたくないィ!死にたくないッ!?死にたくないィィ!!、と某ダメギの様な悲鳴を上げていた。

 

 

 

とりあえず、全員それぞれ作りたいものを決め、それに必要な素材を選んでいるようだ。

 

 

 

「軍ではローテーションで食事係があったからな。軍仕込みの腕を見せつけてやる!」

「ラウラ、軍の料理って......一般家庭の料理に合うかな?」

「何を言う、マナ! 軍ほど栄養価を考えた料理人はいないのだぞ! ならば問題はあるまい」

「そうかなぁ...。意外と偏ってそうなイメージだけど」

 

正直ラウラが厨房に立っているイメージがわかない為、セシリア同様作らせても大丈夫なのだろうかと不安になるマナ。

 

「どうしてわたくしが料理をしてはいけませんの!? わたくしもイギリス代表として腕を振るいたいですわ!」

「...あんたがイギリス代表なんて言ったら、イギリスの人たちに失礼でしょ」

「どういう意味ですの!?」

 

既にセシリアの料理人としてのレベルの低さを知っている鈴からすれば、今回の夕飯の仕度自体を、やらせたくない気持ちでいっぱいだ。

そんな事して、完成品を食そうものなら、死人の一人や二人が出てきてもおかしくはない。

そして一番ひどいのは、当人にその様な自覚が一切ないという事だ。

 

「死ぬなら、一夏の泰山特製の激辛麻婆豆腐で死にたいわ」

「だから、どういう意味ですの、それは!」

 

一方、一夏は―――

 

 

 

「誰かが俺の麻婆を食べたがってる気がする」

「そんなわけないでしょ。あんな料理を食べるのは一夏か紅洲宴歳館・泰山によくいるという神父くらいなものですよ」

「そうかな?」

「あんな、味覚どころから痛覚すらマヒする麻婆なんて、この世にあってはいけないんですよ」

「大丈夫。あれは中辛だから」

「中辛であの辛さ!?」

 

何処からともなく聞こえた麻婆に反応した一夏だが、マハードは一度食べた麻婆の恐怖を思い出していると、あの辛さで中辛という事実に驚きを隠せないでいた。

 

「まさか、作らないでしょうね?」

「自分用に作っている」

「進行形!?いつからですか?」

「一週間前から、厳選された香辛料と合わせればさらに辛さを引き立たせる材料を入れて煮込んでいる」

「その辛さのランクはどれくらいですか?」

「激辛だ。あと一つ上がある」

「もはや、殺人料理!?」

 

一夏が紅洲宴歳館・泰山で学んだ辛さは中辛、激辛、愉悦の三種類である。

中辛でさえ、異常なのにその上が二つもある。しかも、愉悦に関しては言葉で言い表せない辛さが全身を襲う。

その愉悦を食べれるのは一夏と一夏曰く「ラスボスやってそうな神父」の二人である。

 

「一夏さん!このお菓子買っていいですか?」

「構わん。金なら余るほどあるんだからな」

 

そして、一夏達も買い物を進めていくのだった。

 

 

 

 

そして一同、織斑家に戻ると、調理場に行き料理を始める。

 

「にしても、暇だな」

「まぁ、今回は彼女たちが作るということですから。私たちは気長に待ちましょ」

「待つのはいいんだがさ...」

「言いたいことは分かります。呪術の儀式をしている魔女セシリアの事ですね」

 

一夏が口ごもりながら言うとマハードはそれが何か察しながら言う。

セシリアは赤が足りない!、ということでケッチャプ、タバスコ等、赤い物を大量にぶち込んで煮込んでいるのだが、その姿が魔女の儀式にしか見えない。

一夏とマハードはセシリアの後ろでテーレッテレー、という音が聞こえていた。

 

「師匠、師匠!」

「ん?」

 

突然、ラウラから声をかけられ、すぐそばにラウラが来ていることに気がついた。

 

「もう出来たのですか?思ったよりも早いですね」

「勿論ですよ、兄さん!見るがいい! 私の渾身の一品を!」

 

バッ! と出されたその料理に、一夏と、その隣にいたマハードが呆然とした。

串に刺してある竹輪、大根、三角形のこんにゃく。

大根にはかつおだし薫るつゆが染み込んでおり、ほんのり茶色がかった色をしている。

それは正に――

 

「おでんだ」

「え?」

「『おでん』だ」

「二回言わなくていいわ。いや、なんでおでんよ...」

「何故と言われてもな......。これが日本の伝統的な食べ物なのだろう?」

 

伝統的な食べ物と言えばそうだが、基本的におでんは冬などの寒い季節になって食べるものであり、真夏に食べる料理ではないだろう。

 

 

 

 

バアアアアアーーーーン!!!!

 

 

 

 

「うわっ!?」

「な、なんだ!」

 

そんな事を考えていると厨房から突如、爆発音。

ガス漏れでもあったのか、それとも、セシリアの料理が本当に何かの儀式として成立したのかと思い、急いで厨房に行く。

いや、そのどちらとも違う。

よく見ると、セシリアが煮詰めていた鍋はひっくり返り、中の物がコンロにぶちまけられていた。

そしてその近くには、浮遊する蒼いフィン状の物体がそこにはあった。

 

「おいおい、冗談だろ...」

「ちょ!? 何してるのセシリア」

「何って...火力を上げただけですわ」

「レ、レーザーで加熱なんて無茶だよ...」

 

セシリアの両隣から、マナ、シャルロットがセシリアに問いただす。

マナと一緒に作っていたガガも、まさか料理にBT兵器を用いるとは思ってもいなかったらしく、セシリアの行為を未だ信じられないと言った表情で見ていた。

 

「『失敗は成功の母』! 今度こそ成功させてみせますわ! 行きますわよ、セシリア・オルコットの《IS料理》‼︎」

「させるか!マハード、あれを持ってこい!!」

「ハッ!」

 

これ以上は危険だ、と確信した一夏はマハードにあるものを取りに行ってもらうとレンゲに入った赤い料理――麻婆がそこにあった。

 

「げ、それは...」

「おまえはこれでも食って、おとなしくしていろ!」

「くぁwせdrftgyふじこイ゙ェアアアア!?」

 

一夏はマハードが持ってきた紅洲宴歳館・泰山特製麻婆―――別名外道麻婆を食った瞬間、声にならない悲鳴とどこぞの館のような悲鳴を上げ、口から先ほど食べた麻婆が吐血したような感じになりながら倒れた。

 

「そ、それはあまりの辛さから食べれる人が世界で二人しかいないという伝説の麻婆!?」

「...合言葉は愉悦、だったはず」

「あ、その二人のうち一人は俺」

 

その後、鈴が蹴り起こして、食器をテーブルに並べさせることで料理を作らせないようにした。

なお、麻婆のことは覚えていなかった。

 

「ま、まぁ、いろいろあったけど、食べましょうか!」

 

そのテーブルの上には、様々な料理が並んだ。

鈴の作った『肉じゃが』

シャルロットの作った『鶏の唐揚げ』

箒の作った『カレイの煮付け』

ラウラの作った『おでん』

マナとガガ作ったエジプト料理『コシャリ』

ガガが作った『デミグラハンバーグ』

マナが作った『野菜サラダ』

一夏専用『紅洲宴歳館・泰山特製麻婆(激辛)』

簪が空いた時間に作った『杏仁豆腐』

 

「凄いな、どれも美味しそうだ」

「えぇ、どれも美味しそうです」

 

並ぶ料理の数々に、一夏の口から賞賛の声が上がる。

その言葉に、作った六人の顔は綻び、笑顔が咲いた。

一同は両手を合わせた。

そこからは、とても楽しい晩餐会になった。料理の腕も悪くない。食堂でも、こうやってみんなでテーブルを囲み、同じ釜の飯を食べてきたが、今日のそれはいつもの食事よりも、美味しくいつもより笑顔が輝いて見えた。

それ見ていた簪は『こんな時間が、これから先も、ずっとあります様に...』と心の中で思った。

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌日

 

 

豪華客船の中で一人の男性が優雅にワインを飲んでいた。

男性の名はアレクサンドル・ガスコイン。一夏同様神殺しの一人である。

アレクは今日会う予定の人物である、一夏が来るのを待っている。

予定した時間が近づき、腕時計を見ようとした瞬間、一つの人影が近づいてくる。

スーツを着込んだ一夏である。

 

「ふむ、相変わらず時間ぴったりに来るな」

「間に合ったから、いいだろう。てか、なんでスーツ着用義務よ」

「その場にあった服装を指定したまでだが?」

「ハイハイ。で、今日は何の用で俺を呼んだんだ?」

 

一夏はアレクの正面に座るとグラスにロゼワインが注がれていく。

注ぎ終わったロゼワインを一口、口に含むと、テーブルに置く。

未成年が酒を飲むのは違法だが、一夏はもう、成人している(・・・・・・)ので問題ない。

 

「世界が注目している、男性操縦者が朝からワインを飲んでは色々、騒ぎになるんじゃないのか?」

「どっかの能天気夫人のせいで、実質的に俺は成人しちまったよ」

「過去に飛ばされた回数は本人に次いで多かったな」

「いい迷惑だよ。面倒ごとを起こした上で相手を巻き込むから。なお、質が悪い」

 

何か思い出したのか、心底嫌な顔をする一夏。

一夏は本題を話せと、目で訴える。

 

「ISを動かした貴重な男性操縦者として、感想が聞いてみたくてね」

「今の社会を作った元凶であり、現代兵器を上回る性能があるが上、絶対防御というのもあるが、俺たち(神殺し)からすれば弱い。SEがある間はある程度自由に動けるが、ガス欠になれば強制解除して生身になって普通の奴なら危険だ。神獣相手は相当腕の立つ奴が複数いれば、勝てるかもしれない程度だな」

「やはり、そんなものか」

「お前が話題に出すという事は興味があるのか?」

「あるとすれば、なぜ一夏が動かせて他の男性が動かせないのか、という所だな」

「それに対してはある仮説がある」

 

ほぉ、と両肘を立てて寄りかかり、両手を口元に持っていき興味深そうに耳を傾ける。

 

「俺たち神殺しは一度、転生している。それに古文において『神殺しは人であって、人ではない』というのがある。それが力ではなく、存在的な意味だとすれば、ISは俺たち、神殺しを人間の『男性』としてではなく、例として『神殺し』という理解できない存在だと認識した場合、エラーとして処理するか、例外として処理するかによって、起動するか否か決まる」

「なるほどな。だが、その理論が正しいのであれば、ISは後者として認識したのなら、コアネットワークを通してそれが広がることによって、他の神殺しも動かせることになるという事か。確かに理は適っているな」

 

一夏の仮説に納得したのか、首を縦に何度か振る。

次に話を出したのは一夏だった。

 

「で、今お前が一番興味あるのはISじゃなくて、『聖杯』だろ」

「あぁ、そうだ」

 

聖杯という言葉に一夏は腕を組み、考える。

その手の人間でなくても、ゲームやアニメに度々出てくる単語で言葉だけなら多くの人が知っているであろう。

 

「聖杯か...。一番著名なのがアーサー王物語の一つ聖杯伝説だろうな。最も関わりのある円卓の騎士はパーシヴァル卿とその妹のボールス卿、そして―――」

「マーリンからは「父をも超える最も優れた騎士となる」と予言された騎士ガラハッド」

「アーサー王の城で聖杯の幻影が姿を現すようになり、アーサー王は聖杯を見つけ出すよう円卓の騎士に言ったのが始まりだったな」

 

聖杯探索を命じたアーサー王だが、円卓の騎士が挑むが失敗に終わり、ガラハッドの父であるランスロットはグィネヴィアとの不倫があったため、穢れ無き者しか手にすることが出来ないとされる聖杯探索を辞退したとされている。

そんな中で白羽の矢が立ったのがガラハッドである。

パーシヴァル卿とその妹、そしてボールス卿と出会い、彼らと旅路を共にする。途中、パーシヴァルの妹が亡くなり、それを機に二人と一度は袂を分かって父・ランスロットと旅を続けたが、しばらくのちに再会する。

ガラハッドは旅路で数々の聖遺物を手に入れ、それらの助けを借りて遂にカルボネックに至って聖杯に到達した。

聖杯を得た帰路でサラスに到達した一行は、異教の王に囚われ、投獄生活を送ることになる。

しかし聖杯を隠し持っていたおかげで食に窮することはなく、死期を悟って改心した王は三人を赦し、王の死後はしばらくガラハッドがサラスを治める。

それから一年の後、ガラハッドは聖句を唱えているアリマタヤのヨセフをはっきりと幻視し、彼に「この世を去りたい」と申し出た。

ヨセフはガラハッドの願いを聞き入れ、天使たちを呼んで聖杯と血を流す聖槍を抱えたガラハッドを昇天させた。

 

「というのが大まかな内容だが、伝承の通りならガラハッドが持っているのが妥当なんだが、以前に聖杯争奪戦があったがどれも偽物だったんだろ?」

「あぁ、だが偽物が存在するということは本物が存在するということになる」

「本物があるから偽物があるか...。伝承通りなら白い盾が必要になるんじゃないか?あれがあったから聖杯を手に入れたと言えるからな」

「白い盾にはヨセフの血の文字があるとされ、血を流す聖愴はロンギヌスの槍を示している...。やはり、彼女も関わってくるのだろうな」

「神祖グィネヴィアか...。俺の所にも表れたな...、伝説の大英雄と戦ってみないか?みたいなこと言われて、その話に乗ってみればそこに居たのは古代ペルシャにおける伝説の大英雄と来たものだ」

「奴は何かを企んでいると考えた方がいいのかもしれんな」

 

だな、と短く答えると一夏は気になることを聞く。

 

「所で、なんで聖杯に興味があるんだ?」

「何、どういう代物か研究してみたいだけさ」

 

そう言いながら、ワインを一口に運ぶアレク。

その回答に一夏は予想通りだな、と思いながら自分もワインを飲むのであった。

その後は互いの持論を含んだ考察が続けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

アレクとの議論を終え、ロサンゼルスの高層ビルの一角にあるレストランに向かう。

そこは各国の富豪や大物俳優、政治家などがよく訪れる店である。

その中を一夏は躊躇いもなく入ると、一人の受付の人が立ちふさがる。

 

「お客様、当店は会員様限定となっております。お手数ですが、会員証もしくは招待状をご提示ください」

「これで」

「お預かりします」

 

一夏はスーツの胸ポケットから一つの封筒を渡すと受付の人は確認すると一夏を一瞥する。

 

「アニー・チャールトン様の招待状ですね。ご案内します」

 

一夏は案内されるがまま奥に進むと一室に案内される。

 

「アニー・チャールトン様、ご招待された方がご到着です」

『分かりました通してください』

 

「中にアニー・チャールトン様が居ます。よいひと時を」

一夏は中に入るとそこには谷間を覗かせる黒いスーツを着た燃えるような赤毛のショートヘア―の眼鏡を掛けた、如何にも秘書という感じの女性がそこに居た。

 

「予定より、少し遅いですが...、来たので問題ないでしょう」

「よ、ジョン・プルートー・スミs...イィッ、タイッ!?」

「貴方は毎度、出会う度に言ってますが...、貴方は何故そうもその名で呼びたがるのですか...。踏みますよ?」

「踏んでから言った~、しかもハイヒールの踵で踏んで。痛ッ、足に罅が入った」

「その程度の怪我、貴方なら問題ないはずです」

「ひでぇな」

 

そういいながら、一夏は回復の霊薬を飲み怪我を直すと席に座る。

 

「よくもまぁ、毎回こんな高級料理店を取れるものだな。1年予約待ちだろ、ここ」

「貴方と共に過ごせるのであれば、これ位の苦労、苦でもありません」

「お、おう...」

 

話をしていると、一夏達の前にフルコース料理が並んでいく。

 

「なんも頼んでないぞ、俺」

「勝手ながら、此方でこの店のNo,1フルコースを頼んでおきましたので」

「アッ、ハイ」

 

流れの主導権持っていかれたな、と思いながら、フルコースを食べていく。

この手の礼儀作法は師匠から教えてもらっている為、問題なくこなせる。

 

「そういえば、一夏はIS学園に入りましたよね」

「世界的ニュースになったからな」

「IS学園は基本女性しかいません。えーと...、気になる女性とか居たりするのですか...?」

 

どこか不安げな声で言うアニー。

 

「気になるね~。親友以上恋人未満ならいるが...。あ、そういえば許嫁がいたな」

「い、許嫁!?一体どこの女ですか!私ですらまだ、親友的なポジションなのに......、そんな羨ましいゴホゴホッッ...、失礼、一夏に許婚が居たのは驚きですが、それは一体どこの輩なのですか?」

「輩って...、親同士が決めたものらしくてな、フランスの代表候補性の子なんだ。まぁ、綺麗な方だと思うぞ」

 

アニーから睨まれながら一夏は料理を食べていく。

 

「それに俺が女性と親密な関係作りたくないの知っているだろ?」

「あの原初の悪魔に襲われた(意味深)時からですよね」

「あぁ、あれ以来、俺は女性が苦手になったね。服越しとかならまだしも、生身で抱き着かれたらトラウマが蘇って発狂するな」

「その原初の悪魔で小耳に挟んだのですが」

「ん?」

 

どこか言いずらそうな表情をするアニー。

 

「一夏がかの悪魔を封印した石碑が破壊されていたとの情報と実際の写真があります」

「ハァ!?おいおいおいおいおい、冗談だろ?」

「実際の写真です」

「ナッ!?」

 

一夏はアニーが見せた写真を見て絶句した。

そこに映っていたのは封印の呪文と何かの模様が描かれていたであろう石板である。

石板は完全に砕け散り、周りには複数の足跡が残っていた。

 

「恐らくは複数による計画的な犯行でしょう。初見では突破できない魔術結界を破ったことから、相当な実力を持った魔術師若しくは魔女だと考えるのが妥当でしょ」

「マジで......、俺はまたアイツと会うのか...。やばい、自我を保てる自信がない」

「まぁ、いままで封印されていた以上、ある程度時間が経てば恐らくは」

「うわぁぁぁ」

 

気分消失気味な一夏はとりあえず、この時間を楽しもうと頭の中切り替えることにした。

 

 

 

 

「だーかーら、一夏。貴方、IS学園に入ってどうなんですか?好きな人が出来たんですか?それともハーレムでも作るきですか!?」

「嫌...、だから作る気はないって...。それともうやめた方がいいって。それで何本目だよ?」

「あれ、一夏はいつから残像拳を使えるようになったんですか?あ、ワインが空っぽだ?!新しいの下さい!」

「あかん。完璧に酔いどれや」

 

先ほどから、度数の高めのお酒を飲みまくっているアニーは完全に出来上がっており、一夏はかなり食いつき気味に話す女性関係に疲れていた。

 

「どうせ私みたいな沈黙系迷惑コスプレヤ―は売れ残るんですよ...!」

「いきなり何言ってんですか...」

「ギャングとの抗争を防ぐために3年間恋人のフリするんでしょ?後ワインついで」

「だーれが極道の跡取り息子だ。ほら、もうお開きにしますよ」

「一夏が私と結婚してくれるな辞める~」

「なぁにそれ。ほら冗談言っていない帰りますよ」

 

一夏はアニーを担ぐと荷物を取り、レジに向かう。

 

「すいません。会計お願いします」

「ハイ。こちら、合計65万7560円になります」

「カードで」

 

一夏は財布からクレジットカードを取り出すと会計を済ませ店を出る。

背中に背負ったアニーから柔らかい二つの感触が伝わってくるが、特に気にしないで進んでいく。

 

「一夏...なぜ私の気持ちに気づいてくれないのですか?私は...貴方の事が好きなんですよ...」

「...知ってるさ...それくらい。マナやガガ、簪やシャル達が俺に好意を向けてるくらい」

 

そういうと一夏は空に昇った月を見上げる。

 

「俺は愛情というものを知らない。小さい頃に親は行方不明、千冬姉はいつも抜き身の刀のような感じだったし、小さい頃に与えてもらえるはずの愛を知らず、ISが出来れば、俺は千冬姉のオプションか差別の対象だった」

 

アニーからの返事がないため独白に近い形になっているが一夏は自らの心情を語り続ける。

 

「俺は愛を知らず育ってきた。だから、俺に向けてくる好意にどう向き合い、どう答えればいいのかわからないんだ。知っていて知らない振りをする...残酷な男だな。例え向き合ったとしても、あの人たちの様に突然消えると思うと...俺は...。周りから強いだとか、頭いいとか、尊敬とか、恐怖とか、いろいろ言われているがな、結局俺は臆病でヘタレなんだよ。ただ、背伸びして、見栄はって、ないものを取り繕って立派に見せようとしている餓鬼なんだよ...。ん?」

 

喋っていた一夏は一向にアニーから相槌すら帰ってこないことに疑問に思った一夏はアニーの方に視線を向けると

 

「...スゥー...スゥー...」

「こいつ...寝てやがる...。はぁー、なに一人で恥ずかしい事ペラペラ喋っていたんだろうなー」

 

寝ていることに気づいた一夏は口は災いの元という言葉を思い出し、口を閉じ、アニーの住んでいる家に向かう。

歩いている最中に突如、強烈な痛みに一夏は胸を抑えるが、収まる。

臨海学校以降起きるようになった原因不明の痛みが一夏を襲うようになった。

 

「原因は分かっている...。俺に残された時間は短いんだ...、そんな俺の為に人生を棒に振るような真似をさせたくないな」

 

どこか哀しみのある表情を一瞬した一夏だが、まずはアニーを自宅に送り届けようと足を進める。

アニーを自宅に送った後、一夏は近くのホテルに一泊し、羅翠蓮の元に向かうのだった。

 

 




ハロウィン復刻!この調子でいけばぐだぐだ本能寺もワンチャンあるな。

あー、沖田さん取らないと

クレオパトラの声がくぎゅうで、ダンロンだったのが驚きでした。

そして、どスケベマシュ取ったどぉぉお!!
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