インフィニット・ストラトス ~蒼天の魔王~   作:ハルン

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出来たので投稿。

シリアスと説明会が苦手ですねやっぱ。






王の目覚め 明かされる事実

学園祭襲撃によって、戦闘になった一夏だが、ISとの戦闘は慢心して余裕で勝利した。

だが、思わぬ襲撃者によって、一夏は深手を負った。

そのまま、学園祭は最後まで行われた。

 

 

 

たった一人を除いて。

 

 

 

 

 

「ねぇ、マナ。一夏、まだ目を覚まさないの?もう一週間は学校に来てないよ」

「うん。まだ目を覚まさないの」

 

 

そう、学園祭は一夏を除いた状態で再開されたのだ。

マドカとの戦闘で一歩間違えれば、死んでもおかしくない重傷を負った一夏は再生も出来ないまま、眠りについている。

心身共に負った傷は深く、マハードの推察では『本能がこれ以上は危険だと判断し、意図的に深い眠りについた』となっている。

一夏が万全の状態になるまで目は覚めないと考え、逆に言えば、いつ目覚めるかは分からない状況である。

 

 

「普段の一夏なら、寝ていても最低限の防衛はできますが...、今の一夏は意識がかなり深い所にまで潜っている為、出来ません。そのような状態で襲われれでもしたら大変です。それに、何も知らない人によって一夏の容態が悪化するのを避けるために面会謝絶にしています」

「それは僕や簪さんも駄目なの?」

「極力は避けたいですが、......まぁ、お二方ならいいでしょう。放課後、一夏の自室に来てください。それとこれが合言葉です。授業が始まりますので、そちらに集中してください」

「うん...」

 

 

マナとシャルロットは一夏の事が気になり、授業は集中できず、千冬の宝具(出席簿)を受けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「簪さんは一夏の容態についてなんか聞いてる?」

「...ううん。かなり重症としか聞いてない。...甘粕さんに少しだけ聞いただけだから。あ、甘粕さんは正史編纂委員会の人で、正史編纂委員会は日本政府直属の魔術組織で、私は一応、媛巫女の一人でお手伝いを...」

「簪さん巫女なんだ。僕はまだ見習い魔術師だよ」

「大丈夫、努力さえすれば魔術師として力がつくから」

「そういえば、マハードさんって魔術師としてどれ位の実力なの?」

黒き魔術騎士(ブラック・パラディン)という二つの名を持つ、ものすごく有名な人。一夏専属の従者である、あの人に教えてもらうなんて血縁者でもない限り普通はあり得ない」

 

 

 

よく隠れがちだが、マハードも魔術関連ではかなりの有名人であり、その実力は聖ラファエロに匹敵すると言われている。

二人は話を進めながら、一夏の部屋の前に着くと、ノックを二回する。

すると、ドアの向こうから声が二人の耳に聞こえた。

 

 

『神殺し、王の中の王、魔王これらの意味する者の名は―――』

「「カンピオーネ」」

 

 

ガチャ、と音が聞こえるとドアが開き、二人は中に入る。

二人は今も眠りについたまま、目を覚まさない一夏の傍に移動する。

 

 

「ねぇ、一夏は大丈夫なの?かなり重症だって聞いたけど...」

「左目の失明、全身の切り傷、アキレス腱の断絶、全身の筋肉に深刻なダメージ、内臓に空いた穴、そして、心に負った傷は深いでしょう...。生き別れの妹が敵になっただけに留まらず、因縁のあるまつろわぬ神に近い存在になったとなれば複雑でしょう」

「そこまでなの...。一夏はいつも、こんな傷を負っているの!?」

「いつもではありませんが...腕を食い千切られたや、全身が吹き飛んだこともありますが、一夏は肉体再生、蘇生の権能があります。ですが、今回の敵はその効果があまり発揮しなかった。それによって、一夏はこのような手傷を負いました...」

「権能にも相性はあるの?」

「ええ、あります。例えば――」

 

 

マハードから、一夏の容態を聞くと、そのあまりの酷さに、思わず目を背けたくなった。

常人なら、誰かの介護が無ければ、生きていくことは到底できない程の重症。

マハードはこうなったのには権能の相性があると言い、詳しく説明しようとした時、ドアを強く叩く、音が聞こえると複数の話し声が聞こえた。

 

 

『えぇい、一夏!いつまで引きこもってる気だ!!』

『此方も急いでいる故、篠ノ之。ISの使用を許可する』

『はい。来い!紅椿!!』

「一体何を!?」

 

 

斬ッ!と音をたてながら、ドアを切り裂かれ、状況が掴めないマハード達を他所に紅椿を纏った箒を先頭に続々と部屋の中に入ってくる。

 

 

「ここは王の寝床であり、神聖の場です。己を弁えず、この様な愚行...。少々、やりすぎですね」

「無礼は承知だ。だが、此方も状況の説明もなく、『説明することはありませんので、関わらないでください』といわれて引き下がれると思っているのか?」

「下がらないでしょうね。結果がこれなんですから」

「師匠は!師匠はどうなっているんですか!」

「そうですわ!一夏さんが相当傷が深いのでは...」

「肉体そのものはほぼ完治しています。日常にも支障はないでしょう」

 

 

そう、肉体自体は一夏が渡したフェニックスの権能で作って霊薬によって治っているが、起きないという事は精神の方で問題があるという事なのだろう。

 

 

「一週間で、そこまでの重症が治るものか。ならば設備の整った病院に送るのが本来やるべき事だろう」

「そのやるべき事を終えて、今も眠っているのですよ。肉体の傷が治っても眠ったまま、ということは精神にまだ傷があるという事。それはどれほど医療施設が整っていようと治りませんよ」

「それにお姉さんはあの戦闘で起きたい異常ともいえるアレの説明もして欲しんだけど、それも無理かな?」

「無理ですね。一夏から話は聞いてますよ。神殺しについて調べていると...。悪いことは言いませんから、それから手を引いた方が身のためですよ。それに一介の従者が王の承諾も無しに説明するとでも?」

「貴様が話さないというのなら、一夏をたたき起こして説明させるまでだ!あの様なオカルトに手を出しおって!その根性叩き直してやる!!」

 

 

二人の話を全て、NOで答えるマハード。

楯無はあの戦闘で、一夏の異常性を確信し、もし学園の敵になるのであれば、排除しなければならない。

敵か味方か、判断する為に、説明を求めるが、マハードは逆に自分達について、説明することで、危険な目に遭うと確信したマハードは戻れるうちに戻った方がいい、と意味を込めて言い返す。

だが、何も知らない箒の自分勝手すぎる発言に久しぶりに怒りを覚えた。

 

 

「何も知らない小娘が、言いたい放題言ってくれますね。この様な愚者の為に一夏が身を削って戦っていると思うと、一夏が哀れですね」

「な、ななな何をするつもりだ!?」

「貴女のような愚者でも一人でも減れば、一夏への負担は減るのでしょうか?傷を負った一夏を叩き起こす?根性を叩き直す?それは貴女でしょうに。王への侮辱...許しませんよ」

「ヒィ!?」

 

 

箒の言ったことに完全にキレたマハードは濃密な殺意と敵意を箒に放ち、小さい悲鳴を上げる箒。

向けられていない筈の千冬達ですら、心臓を鷲掴みにされたような感覚に生きた心地がしなかった。

だが、その息苦しい殺伐とした時間もすぐ収まった。

 

 

「......そこまでだ、...マハード」

「一夏...目が覚めたのですね」

「あんなの放っておいて、...よく言うぜ」

 

 

深い眠りについた一夏が目を覚ましたのだ。

その光景を見た金髪の少女が一夏に勢いよく抱き着いた。

 

 

「一夏!」

「だーかーらー!けが人に思いっきり抱き着くな!!」

「っ!?」

「出遅れたと思ったけど、やらなくてよかった」

「うん。僕たちもマナの二の前になってたね」

 

 

パシィーン!、といい音を立てながらマナの頭をハリセンで叩く一夏。

その光景にやらなくてよかった、と心の中で思う簪とシャルロット。

 

 

 

「遅い目覚めでしたね」

「すぐ起きれる状態だったが...、飲んだくれの御老公に精神を幽世に連れてかれ『まつろわぬ神になりかけた妹にやられるとか、白き王も落ちたものだな』と大笑いしながら言ったのでさっきまで喧嘩をしていた」

「人が心配してる時に...貴方と言う人は...」

「心配かけたのは悪いと思うけど、それが俺だからなー」

「まぁ、一夏らしくて、逆に安心しましたよ」

「痛い...。でも、よかった」

 

 

 

 

一夏はすぐ目覚める事が出来る状態だったが、飲んだくれの御老公―――須佐之男命と先ほどまで喧嘩をしていたらしい。

その有様にマハードは一夏らしい、と笑みを零し、抱き着いたマナは叩かれた頭を抑えながら一夏が、目覚めたことを喜んだ。

 

 

「早速で悪いが、一夏。今回の事について説明してもらおうか」

「パス。説明したところで、対処なんかできないよ」

「何故だ、一夏!ここにはISと千冬さんがいるのだぞ!!何か不満があるのか!?」

「は?だから何」

「なっ!?」

 

 

説明を求める千冬に一夏は拒否するが、ほぼ関係のない箒が食って掛かってきたが、予想外な反応をする一夏に箒は驚きを隠せずにいた。

 

 

「たかが、地震や天変地異を止めることも、起こすことも出来ない。ISなんていう玩具に群がって喜ぶ子供の集団と過去の栄光に縋り、胡坐を掻いている奴に話す事なんざないね」

「まるで、自分なら出来るみたいな言い草ね。それにISが玩具なんて、一夏君だってそのISを使ってるじゃない」

「本音を言えば、俺は暇つぶしで此処にきてるだけだしね。俺、いや俺たち(神殺し)からすれば玩具だろ。本来は宇宙開発の発明が、世界最強の兵器に生まれ変わり...。碌に意味も在り方も理解せずに上っ面しか見ずに、女尊男卑だの馬鹿馬鹿しい考え出てくるし、画期的な発明品が、人類の汚点に早変わりだよ」

 

 

ハァ、と溜息を吐く一夏は内心、翠姐の言っている意味が分かるな、自分の師匠の考えが理解できるような気がした。

 

 

「俺の知り合いの言葉を借りるなら『人類は蒸気機関から堕落している』そして、その決定的なのがISだろうな」

「汚点って...。そのISを一夏さんも使っているのですよ。...なら、もう少し評価を――」

「改めろと?変えられないね。俺からすれば暇つぶし、学校なんざ別に行く必要なんて俺には無い。世間的(・・・)に仕方なく行っただけだ」

「行く必要がないだと...。今の社会では高校卒業しないと、就職は難しいぞ。国家代表や企業代表になるにしろIS学園を卒業せねばならん」

 

 

話が平行線のまま進み兼ねない状況に一夏は内心舌打ちをする。

 

 

「一々...。()に上からモノ言うとは...貴様ら愚民はいつからそこまで偉くなった?」

「い、一夏?」

「その口を閉じろ、愚民()。さっきから聞いていれば、織斑千冬に同調し、何かを言い...、俺がISに関わる事が確定したような言い方なんだ?」

「関わるも何もお前は専用機を―――」

「誰が喋ることを許した?」

 

 

一夏から放たれる静かな威圧は先ほどのマハードの敵意がかわいく思える程、箒たちは勿論、10年以上一緒にいる千冬も知らない一夏(神殺し)の側面に圧され、静かになる。

 

 

「今回の事について説明と言っていたが、俺はしない。この世界には知らぬが仏、と言う言葉が存在する。お前らの知ろうとしているのは、正にこの事だ。中途半端に知ることは許されぬ。言いたいことがあるなら言え、発言を許可する」

「今回襲ってきたテロリスト...。その中に居た、織斑先生の妹との戦闘について、その妹に何が起きたのか。それについても話さないつもり?」

「くどい。全てにおいて半端な貴様らに何故、話す必要がある? 知ってどうするつもりだ...」

「どうするも何も、対策を練って、対処するわ。捕まえるにしろ、殺すにせよ情報が必要なの。この中で、一番情報持っているのは一夏君だけなの。協力してくれないかしら?」

「ククク...フフフ、フフハハハハハハハ!!」

 

 

話すつもりなどない一夏だが、楯無の話を聞いた途端、腹を抱えて笑い始める。

 

 

「な、なにがおかしいのよ!!」

「何が可笑しいって...、無知故に知りたがり、剰えマドカを捕まえ、殺す?人間じゃ出来ない事を絶対に出来ると思い込んでるその態度が可笑しんだよ。クククッ...」

「ISは世界最強なのよ。人を捕まえること位、造作もないわ」

「まだ、そんなこと言うのかよ...。フフッ、やばい...。笑いすぎて腹が痛い...」

 

 

いまだ笑い続ける一夏は目元に薄っすらと涙を浮かべながら、楯無を見る。

 

 

「俺をここまで笑わせた礼だ。一つだけ教えてやる」

「何かしら?」

「ISに縋ってる時点で、アイツには勝てない。ましてや、お前が調べている神殺しは特にな」

「何を馬鹿な事を、IS世界最強の兵器なんだぞ。その神殺しとやらもISの前では手も足も出ないはずだ!」

「神殺しにそんな常識は通用しねぇーよ。馬鹿馬鹿しい...全世界にあるIS全てに千冬姉並みの人が乗っても無理。あー、久しぶりに笑ったぜ」

 

 

大笑いした一夏は千冬達を部屋から出そうと、マハードに言おうと思った時、窓の向こうを睨む一夏。

一夏の行動に首を傾げる箒たちを他所に天災が飛来した。

 

 

「ヤッホー!いっくーん!!呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん!天災の束さんだよ!!」

「オラッ!兎は月に帰りやがれ!!」

「ギャッ!?」

 

 

窓を突き破り、一夏にダイナミックに現れた束はそのまま一夏に抱き着こうとするが、その場でサマーソルトキックをし、束は天井に頭部をめり込ませ、ぶら下がっていた。

 

 

「ね、姉さん!?」

「博士がマミッた!?」

「痛いなー、いっくん。束さんじゃなかったら死んでたよ」

「チッ...」

 

 

殺意の籠ったサマーソルトをするも、自力で天井から抜け、何事もなかったようにする束。

 

 

「お前に構っている暇はない。とっとと帰れ」

「酷いなー。いっくんが面白い話をするから飛んできたのに」

「おい、変なこと言うんじゃねーぞ」

「大丈夫大丈夫。ほら、束さん口硬いから、間違ってもいっくんが神殺しなんて言わないよ」

「何サラッと言ってんだァァ!!貴様ァァ!!」

「ぷぎゃ!?」

 

 

言うなと言った瞬間にナチュラルに一夏が神殺しだと、喋った束に激昂しながら、ジャーマンスプレックスをする。

 

 

「この野郎...。人が喋らないまま終わらせようとした瞬間に...」

「まぁまぁ、喋ったところで何も出来ないんだしさ。いいじゃん、減るもんじゃないんだし」

「あ゛ぁ゛?」

「おぉ、怖い怖い」

「待ってください、一夏君が神殺しってどういう事ですか!?」

 

 

聞き流してくれればな、とほのかな希望も今、必死に神殺しに関する情報を集めようとしている楯無が見逃すはずもなかった。

 

 

「なんだよ、そこの駄目水色」

「だ、駄目...。私は今、神殺しに関して調べています。篠ノ之博士も神殺しをご存じなんですか?」

「なんなんださっきから...。ふぅーん、しーちゃんに比べて、凡人な姉に興味はないよ」

「ぼ、凡人...。確かに篠ノ之博士に比べたら私は凡人ですが―――」

「違う違う。束さんが言っているのは媛巫女としても、魔術師としてもからっきし駄目な君に興味はないの。そういう意味だと、ちーちゃんや箒ちゃんも同じなんだけどねー。結局、ISは人間の中で最強って話だしね。あ、別にちーちゃんや箒ちゃんが嫌いってわけじゃないから安心してね」

 

 

束はISの生みの親であるが、その束は最早、今のISに興味はなく。

故に先ほどから話しかけている楯無をそこまで煙たがりはしないもの、その目は全く興味を持っていなかった。

 

 

「まぁ、優しい善人の束さんが親切に教えてあげるよ。ありがたく思え!神殺しはいっくんや束さんの様な、人の身で神様を倒した物凄い人たちの事を言うのだ!」

「神って...。そんなオカルトが信じれるわけないでしょ!ふざけないでください!!」

「チチチッ、頭の固い箒ちゃんに信じられないだろうけど事実なんだよねー。もう少し、頭を柔らかくしないと、成長したのはその豊満な胸だけかな?」

「神を倒したとして、その後どうなる?英雄にでもなるのか」

「英雄?違うよ、ちーちゃん。神殺し、王の中の王、魔王と呼ばれ、倒した神から権能...その神様の力を手に入れることが出来るの。おとぎ話みたいでしょ」

 

 

愉快に話す束は箒にセクハラ発言しつつ、神殺しがどういう存在か簡単に話していく。

その光景に眉間を押さえ、盛大に溜息を吐く一夏。

 

 

「他にも普通の人間と違う所があるけど、まぁ、話すと半日以上は掛かるし、詳しくはいっくんに聞いてよ」

「話すだけ話して、人に振るな。最後まで自分の口で言え、災厄兎」

「えー、めんどくさい。夜叉王なら、説明するの問題ないでしょ?いっくんは束さんと同等の頭脳の持ち主なんだし」

「先天的か後天的かの差だろ。なぁ、自称ライバルさんよ」

「自称じゃなくて、事実だよ。まぁ、世の中何があるか分からないよねー。誘拐されて助けた女の子に再開したり、その助けた女の子の姉が目障りにも神殺しについて探ったりさー」

 

 

 

楯無は束の言っている事に心当たりがあった。それは正に自分がやろうとしてることで、実際に妹の簪に起こったことだからだ。

 

 

「待って!じゃ、あの時簪ちゃんが誘拐されたのって...」

「まぁ、同じ神殺しが神様呼ぶために集めた人身供物だね。まぁ、それに止める為に戦ったのがいっくんとにーくんで、また誘拐された君の妹を助けたのもまた、いっくんなんだよねー。正にヒーローだね、惚れ惚れしちゃうよ」

「はぁー、とある人からあの老害が幼い子供たちを集めてまつろわぬ神を呼び出そうとしてるのを知った俺は知り合いを呼んで、現場に向かった。そこで見たのは儀式の影響で倒れ、狂気に飲まれた同い年の子供...。まつろわぬ神は一緒に来た奴に任せ、おれはあの老害と戦った。苦戦はしたが、勝つことが出来た。今でも思う、あの時力があれば、もう少し、早く行動出来ればあんな事にはならなかったのかもしれない。己の無力さを痛感した」

「知らない私たちの為に、命を懸けて戦って、守ろうとした。あの時、一夏は泣いていた...。助けることが出来たのに、あの時一夏は泣いていた。きっと自分達の事を思って泣いているんだって、だから一夏のした事が間違ってないって、誰かの為に戦う一夏の力になりたくて、私は媛巫女になったんだから」

「待って...。じゃ、簪ちゃんが神殺しに近づいたのって...」

「...うん。付き纏われているわけでも、脅されてるとかない。私は一夏の支えになりたくて、自分から媛巫女になる事を決めたの」

 

 

そんな...、とてっきりその逆を想像していたが、実際は自分の意思で、媛巫女として神殺しと関わっていく事を決めた事に驚きを隠せずにいた。

自分のしようとしていた事はなんだろう、と自分の中で何かが崩れていくのを感じた。

 

 

「いっくんは戦闘狂だから、まつろわぬ神が現れたら、真っ先に戦いに行くよね。まぁ、それが神殺しの役目だから何も言わないけどさ」

「待て、じゃ、一夏は毎回危険な目に遭っているというのか?他に神殺しとやらが居るのなら、そいつらに任せればいいだろう」

「分かってないなー。神殺しは自分本位な人しかいないんだよ?そんな連中が、興味のない相手に戦いを挑むと思う?世界各地に出る神様を駆逐しているいっくんに感謝しないと、皆平和なのいっくんのおかげなんだから」

「まぁ、アイツらを放置すれば、国の一つや二つ消えるしな」

「だからって、島一つ消すいっくんも大概だけどねー」

「あ?」

 

 

明らかに規模が違う会話をしだす、二人についていけない箒たち。

 

 

「で、どうするの?まどっち助けるの?」

「そうだ!マドカは助かるのか!?」

「相性が悪いんだよ...。俺の再生も雀の涙程度しか発揮しないし、他の権能は強力すぎて逆に殺しちゃう可能性ある。だが、俺は諦めない...、必ず救ってみせる」

「いっくんの権能って強烈だよねー!山や島を簡単に消しちゃうもんね!!」

「うるせ」

 

 

マドカの事を思い出した束はどうするか一夏にどうするか聞くと、一夏は助けるという意思を示すと束は頷き、ある事を提案する。

 

 

「そうだ!いっくんの神殺しとしての姿をみんなに見せちゃえば、認めてくれるんじゃないの?」

「何?権能ショーでもやれってか?」

「違う違う。束さんと模擬戦をするのさ。そうすれば神殺し同士の戦いがどういうものかわかるじゃん。明日、死合しようぜ!」

「マジか...。まぁ、リハビリには丁度いいか」

 

 

束の申し出にどうするか考えた末、一夏は受けることにした。

 

 

 

「何が始まるんです?」

「大惨事大戦だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

 

 

「そういえば、俺の王冠どうなった?」

「それなら、簪が手に入れて、一夏の同室権を手に入れたわよ」

「だから、皆やる気になっていたのか」

「一夏と同室になると決まった時、楯無が抗議しまして、此方になります」

 

 

一夏は王冠がどうなったのか気になりマナに聞くと王冠は簪が手に入れ、それを楯無が抗議、マハードが録ったボイスレコーダーが再生する。

 

 

『まだよ!まだ劇は終わってないわ!ノーカウント!ノーカウント!ノーカン!ノーカン!ノーカン!』

『ふざけるな!』

『恥を知れぇ!』

『馬鹿やろう!』

『そうだそうだ!!』

『死んでしまえェェェ!』

 

 

ここで音声は終わるが、一夏は困惑した表情で聞いていた。

 

 

「賭博黙示録のようなセリフが聞こえたぞ」

「まぁ、妹を思っての行動なんでしょうが、罵詈雑言の嵐でしたね」

「で、いつから来るんだ?」

「今日です」

「はやっ」

 

 

地下強制労働のシーンを沸騰させる流れを聞きながら、いつ来るのか聞くと今日だと、言うマハード。

 

 

「...え、えっと...今日から、よろしく一夏...」

「あぁ、よろしく簪」

 

「パルパルパルパルパル」

 

念願の一夏と同室に嬉しさと恥ずかしさが混ざった表情で挨拶をする簪とその光景に呪詛を吐く女性が一人いた。

 

 

 

 




サンタ・リリィのおかげでロリに目覚めっ掛けましたね。



七章はクリアできたけど、六章に次いでやっぱいい話でしたね。

そして次はソロモン戦!絆礼装はジャンヌだけ...あと一つは欲しいな。
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