インフィニット・ストラトス ~蒼天の魔王~   作:ハルン

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タイトルで何が起こるか分かると思います。


王の怒り そして、新たな王の誕生

一時間目のIS基礎理論の授業が終わり、今は休み時間である。

 

 

「あー、暇だ。本、読もう」

「一夏。粗茶をお持ちしました」

「ありがと。ん?この本、前にも読んだな」

 

 

一夏は授業が終わると読み終わったケルト神話の本を仕舞い、民族神話でインカ民族に伝わる神話インカ神話につて書かれた本を読んでいるが、如何やら一度読んだことのある本の様だ。

マハードは授業が終わる少し前に教室を静かに抜けており、恐らく、先程一夏に渡したお茶を淹れに行ったのだろう。

 

 

「マハード、少しいいか?」

「なんでしょうか?」

「さっき気づいたんだが、お前の視線と気配で授業に集中できていなかった奴がいるから、もう少し、周りに配慮しろ」

「一夏が仰るのであれば、少し、気配を消すことにします」

「お兄ちゃんのガン見凄かったよ」

マハード達と会話を楽しんでいると一人の少女が一夏に近づく。

「少し、いいか?」

「ん?...あぁ、箒か。久しぶりだな」

 

 

かけられた声に、一夏は顔だけは動かして声の主を見上げた。

声をかけてきたのは一人の少女はISの生みの親、篠ノ之束の妹、篠ノ之箒だ。

 

 

「そうだな、少し、いいか?」

「別に構わんが、俺はマナ達との会話を楽しんでいる。できればここから動きたくない。変な話じゃないんならここでも話せるだろ」

「まぁ、いい。さっきから気になっていたんだが、その二人とやけに親しいが、どういう関係だ?」

「んー、そうだな。箒が転校してから、俺が身寄りを無くした二人を見つけて引き取って一緒の家で暮らしている」

「まさか、そこの女と破廉恥な事を・・・!」

「なんで、そんな変な考え方するんだか。俺は家族に手を出す趣味はねーよ。お前の頭の中お花畑か?」

 

 

一夏の答えに箒は変な解釈をし、一夏は身の潔白をと同時に箒に仕返しとして少し、からかう。

 

 

「な!?一夏貴様!!」

「変な考えをした罰だ。嫌だったら少しは頭を柔らかくしろ。自分の発言で言われた側は不愉快になることだってあるんだから気を付けろよ」

「そ、そうだよ。 一夏となら別に良いんだけどね(ボソッ)」

「そ、そうだな。私も言われて理解した。すまなかった」

 

そんなやり取りをしているうちに、予鈴のチャイムが鳴り始める。

 

 

「悪いな。久しぶりの再会だが、時間がなくて」

「いや、いい。また後で来る」

 

 

箒は自分の席に戻り、一夏達も出していた物を仕舞い、授業の準備をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、今から授業を始めます。入学して初めての授業ですから、まずはISについて本当に知っておくべき基礎知識についてです」

 

 

本を読む機会は多いが、IS関連の本を呼んだのは初めてであり、前もって渡された教科書は古い電話帳ほどの大きさがあり、一夏は理解するのに苦労しなかったが、隣のマナの姿を見るに如何やらあんまり理解していないようだ。現に頭から煙が出ている。

 

 

「織斑君、何か判らない点はありますか?」

「大丈夫です」

「そうですか、他の皆さんも分からないところがあれば言ってくださいね」

 

 

そう尋ねてくる山田先生に対し、教師として人として立派だと一夏は思った。

女尊男卑が当たり前となったこのご時世に人に対して手を差し伸べる人が減っている。

女性側は『男性なんだから出来て同然』『出来ない方が可笑しい』と当たり前の様な認識を持っており、そして、女性が男性に手差し伸ばす事は無く、『ISを動かす事の出来ない男性に助ける価値なし』『家畜に差し伸ばす手は無い』等という始末、そういった事が多々あるこの世の中で男性は女性に対しての反骨精神は薄れていってる。

男性が女性に対し、反抗すれば、大したことでも無いのに警察沙汰になり、そのまま裁判になり、女性優遇の社会で平等な判決などあるはずもなく、特に何もしていないのに留置所送りとなったケースがあり、これにより、男性は女性に対して卑屈な考えを持ち始めている。

そんな社会で教師という仕事抜きで、山田先生の行動に一夏は心の中で称賛し、まだ、こういう真っ当な(・・・・)女性もいるのだなと実感した。

 

 

「マナさんは大丈夫ですか?頭から煙が出ているように見えるんですけど...」

「だ、大丈夫です・・・。分からない所は一夏におしぇてもらいましゅ...」

「何で俺?まぁ、理解出来てるから別に問題ないけど」

 

 

頭から煙を出しながら授業を受ける、マナを尻目に一夏は授業を受けていた。

 

 

 

 

二時間目が終わり、一夏は身体を伸ばしながら、マナに視線を配る。

 

 

「あー、ダメだこりゃ。頭の中がショートしてやがる」

「......」

 

 

机に頭を付け、煙を出しながら微動だにしないマナに一夏は重症だなと心の中で思った。

 

 

「マナ、この程度の授業に付いて来れない様だったら、一夏に仕えることはできないぞ」

「勉強嫌だよぉー。でも、一夏の力になりたい...」

 

 

マナが勉強に対して文句を言ってると箒とは違う女子が近づいてくる。

 

 

「ちょっと、よろしくて?」

「ん?」

 

 

一夏は声のした方を向くとくと縦ロールのある長い金髪に透き通った碧眼を持つ如何にもお嬢様という女子がいた。

 

 

「まぁ? なんですのそのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄ですのだから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」

 

 

自分は有名人ですよ、と言わんばかりのデカく出るが、一夏自身どうでもよかった。

このIS学園で大体威張るような態度を取るのはIS関係者もしくは虎の威を借りた狐しかいない。

 

 

「機嫌を損ねたのなら謝るけど、俺は君が誰なのか知らない。知らない人間に対して『何で知らないのよ。このクソ虫』みたいに言われても困るんだよね」

「知らない?このセシリア・オルコットを?イギリス代表候補生にして、入試主席のこの私を?」

「国家代表候補生?わー、すごいですねー。で、そんな事を威張りに来たの?もしそうだとしたら頭の中は愉快なお花畑で出来てるんだろうな」

「わ、私は優秀ですから、あなたのような人を小馬鹿にする様な人間にも優しくしてあげますわよ。わからないことがあれば泣いて頼めば教えて差し上げてもよろしくてよ。なにせわたくしは入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから!!」

 

 

一夏の煽る様な態度に我慢するセシリアだが、一夏の煽りはまだ終わらなかった。

 

 

「へぇー、お前も倒したんだ。なんかいい気分になってるところ悪いけど俺も倒したんだよねー。教官」

「な!?私だけと聞きましたわ!!まさか・・・」

「ププッ、そんな事に気づかないお前は本物のお馬鹿さんなのだ―」

 

 

煽りに煽りまくる一夏にセシリアは肩をプルプル震え、涙目になりながら一夏を睨むが一夏は涼しげな顔でセシリアを見ている。

「グスッ...。私だけだと聞いていましたが...」

「女性限定というテンプレ的な事にも気づかないとは...。本当に愉快な思考回路の持ち主だな。ホラ、落ち着いてお茶でも飲みなよ」

「こ、これが落ち着いていられますか!? ウ、ウワァァァァ、お母様ー!!」

 

 

先程の勢いはどこやら、チャイムが鳴るとセシリアは泣きながら席に向かって走った。

 

 

「恐悦ながら一夏よ。先程のは些か酷な扱いだと思いますが...」

「知るか。俺はあいう奴が大っ嫌いなんだよ」

「一夏って高飛車な人嫌いだからね」

「てか、教官弱すぎなんだよ。神獣の二匹や三匹くらい連れて来ないと相手にならんぞ」

「神獣って...私達からしたら脅威なんですけど...」

 

 

一夏の言葉に苦笑いするマナであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは実践に向けての授業を始めたいと思います」

 

 

山田先生は授業の内容を説明し始めるが、授業を始める前に千冬が教壇に立つ。

 

 

「授業を始める前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める。自薦他薦は問わない」

「一夏君を推薦しまーす」

「一夏を推薦します!」

「私も!」

「じゃ、私も!」

 

 

一人が一夏を推薦すると次々と一夏を推薦し始める。

 

 

「はぁ!?何でそんな面倒事を...てか、何お前も推薦してんだよ!!」

「いやー、一夏なら余裕かなって、それに一夏が活躍するとこ見たいし」

「お前...アトデオボエテロヨ」

一夏は本業(神殺し)の事もあり、無駄な時間を過ごしたくないので、拒否しようとすると一人の女子が待ったを掛ける。

 

 

「このような選出は認められません!!大体男が、クラス代表だなんていい恥さらしですわ!私に!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間味わえと言うのですか!」

「うわー」

「本当にメンドクサイタイプだわー」

 

 

一夏は突如、叫び出したセシリアに少し、引きながら長くなりそうな話を聞く。

 

 

「今の社会を作ってきたのは女性ですわ!!所詮、男性なんて子孫を残すことにしか能がない存在ですわ。女性に劣る劣等種である男性が脚光を浴びるなどと耐えれるわけありませんわ!」

「貴様!一夏に向かって「やめろマハード」一夏・・・」

「言わせたければ言わせればいい。所詮、虎の威を借る狐・・・いや、ISの威を借りる女性だ」

「何を涼しげな顔をしているのです!!決闘ですわ!!その涼しげな顔を二度と出来ないようにして差し上げますわ!!それとISを動かせない男がでしゃばらないでくださいませ!目障りですわ!!」

 

 

バンと机を叩くセシリア。

 

 

「何よその態度!!アンタなんか一夏に掠ることなんてできないわよ!! それに自分が1番だ何て、自惚れが過ぎるんじゃない?」

「よせ、マナ。俺はこっち(IS関連)では無名だ。こうなる事は薄々、予想はしていたが―――」

「「ゾクッ」」

 

 

一夏から溢れる殺気と威圧感にクラス全員が身を震わせる。

 

 

「俺の家族を馬鹿にされるとは思ってなかったな。家族を馬鹿にされて黙ってるなんざ、王でもなければ人ですらねェ。セシリア・オルコット、貴様の申し出受けてやる。だが、勝てると思うな、ただで済むと思うな。俺の家族に対する無礼は高くつくぞ。決闘なんだ、骨の1本や2本や一生モノの傷が出来たとしても恨むなよ。決闘って言うのはそういう物だ」

 

 

一夏がそう言うと、一夏の殺気に飲まれていた千冬が、我に返ると手をパンと叩き、一度場を収める。

 

 

「さ、さてと、話は纏まったな。それでは勝負は1週間後の月曜、放課後第3アリーナで行う。織斑それにセシリアはそれぞれ準備をしておけ。それでは授業を始める」

 

 

一夏は先程の殺気と威圧感は消し、授業を受ける。

 

 

 

 

 

 

この日、イタリアのサルデーニャ島にて9人目のカンピオーネが誕生した事を一夏はまだ、知らない。

 

 




新しい神殺しの誕生。

まぁ、誰かは言いませんがあの人です。

そう、天然女たらしです。

え?一夏もそうだろって?

一夏はまだマシ・・・・・・かな?
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