「お前って艦これで好きなキャラ誰?」
「金剛さん、霧島さん、長門、空母棲姫」
「いつから提督に赴任した?」
「赴任歴ゼロだよ」
この時、友達がこの世に存在しないモノを見るかのような目で私を見ていた。
艦これのキャラは好きなだけで、ゲーム自体やってないんだよなー。
今からやっても、ついて行けるのなら、やりたいけどどうなんだろう?
それ以来、友達から艦これやろうぜと言う話ばっかされる...。
放課後、一夏達は千冬に教室に残るよう言われ、マハード達と雑談をしながら待っていた。
「はぁ、何か面倒事に巻き込まれるな」
「そんなの気にしないたら、キリがないよ。それと高飛車をギャフンと言わせましょ」
「あの温厚なマナがここまで言うとは・・・。一夏、頼まれていた物をお持ちしました」
「サンキュー」
マナの発言に驚くマハードだが、気持ちを切り替え、一夏に頼まれていた物を渡す。
「ふむふむ。やはり、居たか」
「何が居たの?」
「あぁ、このざる警備のIS学園がなんで『IS学園は絶対安全』って豪語出来るのか
気になっていたんだが、それを実行できるだけの後ろ盾があるという事が分かった」
「へぇー」
「その主な実行部隊は千冬姉率いるIS教師と更識家の連中が居るから、あそこまで言えるんだよ」
更識家という言葉に首を傾げるマナに溜め息を漏らす一夏とマハードは分かっていないマナに説明するのだった。
「お前らも知っている正史編纂委員会は日本の呪術師や霊能者が関わった事件の情報操
作などを行う政府直属の秘密組織なのに対して更識家も同じ裏で活躍する政府直属の組織なんだよ。で、ここは日本政府が運営しているので、その中で実力のある更識家の人間を護衛に付けているんだ」
「この二つの相違点を上げるのであれば、扱う事件、不祥事が違うという事だ」
「
「話によれば、正史編纂委員会は更識家の事を知っているけど、更識家は正史編纂委員会の事は特に知らされていないらしい」
「なんで正史編纂委員会だけ扱いが違うの?」
「あぁ、解決できる事件や規模が違うのと組織の内容を非公開にする事で下手に介入させないようにして事件を最小限で食い止めよう、て感じなんだよ」
無理矢理な感じもするが、実際にそうなのだから仕方ない。下手に魔術と関わらせることで、余計な被害を出さないようにするために秘匿扱いされている。
更識家は普通の人間やISを対象にしているのに対し、正史編纂委員会は人間―――呪術師などの魔術関係やまつろわぬ神等、更識家では到底、解決出来ない事を行う為、上下関係的には正史編纂委員会の方が上である。他にも関わってきた歴史が違うというのもあったりする。
「だけど、その更識家から媛巫女が出たって話だしな。今後、更識家が
「私も聞いたことがあります。確か、万里谷祐理にも劣らぬ強大な霊視能力を持っているという話だったはずです」
「で、その更識家の娘が二人この学園に居るんだよ。ちょっと興味があるんだよね」
「では、捜索の方は私がしておきましょう」
「いや、それは俺がやる。良い暇つぶしになるだろうしな」
そんな会話をしていると教室のドアが開き、山田先生が入ってくる。
「あ、織斑君!まだ教室に居てくれたんですね」
「待てと言われたのでね」
「待たせたことには謝ります。これが織斑君のルームキーです。後、お二人も同じ部屋です」
「やったー!!」
一夏は山田先生からルームキーを受け取り、一夏と同室という事に両手を上げて喜ぶマナ。
一夏は一週間は自宅通学だった事を思い出し、何故こうなったのか分析する。
織斑一夏と言う存在は現在の世界では非常に大きなものだ。
女性しか扱えないISを現在唯一扱える男として、まつろわぬ神に対抗できる神殺しとして双方に大きな影響力のある存在なのだ。
一夏を解体したいと思っている変態や一夏を人身売買で一儲けしようと考えている黒服の人から護る為であり、過激なまでに現在の女尊男卑の風潮を信奉している存在から、その風潮を壊すかもしれない劇薬ということで狙われることもありえるだろうし、逆に現在の風潮を壊そうとする存在が一夏を神輿として祭り上げようと誘拐を企てる可能性だってありえなくは無いのだ。
そう言った思惑がある事を考えた上での配慮だと考える。
「俺の生活用品とかはどうすればいいですかね?」
「安心しろ、それならば私が既にここに運ぶように手配した。既に寮に届いているだろう」
真山田先生にに自身の生活用品について伺いを立てようとした時、教室に入ってきた千冬が一夏にそう告げる。
「へぇー、家では体たらくを晒している千冬姉にしては用意がいいな」
「織斑先生と言え、馬鹿者。届けてもらうといっても、必要最低限の物だけだがな。携
帯の充電器や数日分の着替え等だ。ほかに必要なものがあったら購買である程度は揃えれる。そこで買うといい」
「俺の神話関係の本は?」
「あんな物は置いてきた。授業の邪魔になるだけだからな。ISの授業の傍らにお前はそんな本を理解する余裕があるのか?それとこの学園にはそう言った本は売っていない」
「マハード!GO!!」
「了解した。我が主よ!!」
バンッと思いっきりドアを開けるとダッシュで廊下を走りだすと、数秒後、土煙を上げながら外を走るマハードの姿が見えた。
確かに多くの本を読んでいる一夏だが、読んだ本を覚えていないモノはあるかというと無いのだ。それは一夏の特殊な記憶法によって一字一句間違い間違いなく覚えているのだ。
「あ、あのー、マハードさんはどうされたのですか?」
「マハードは一回家に戻って千冬姉が置いてきた本を取りに行きました」
「え?でも何も言ってませんでしたよね・・・」
「お兄ちゃんと一夏は会話が成立しなくても意思疎通が出来るんです。伊達に一夏の従者やってないってことですよ」
「へぇー、凄いですね」
マナ達の言葉に感心する山田先生に自慢げに言うマナ達、それと対照的に千冬は何処か悔しそうな顔をしていた。
「クッ...。一夏の趣味を何とかする為にあえて持ってこなかったんだが...。余計な事をしてくれる」
「前にも言ったが、自分の価値観を押し付けてもらっては困る。マナ、マハードが戻ってくる前に部屋に行くぞ」
「はーい」
ルームキーをポッケに入れて、自分達の部屋に向けて移動を開始するのだった。
「織斑先生って自宅では体たらくなんですね。すごく意外な事実にビックリです」
「...山田君。どうです?久しぶりに一戦交えませんか」
「え?えぇぇ!?結構です!!仕事があるので......」
「そんな遠慮せず、確か、第一アリーナが空いていたはずですから早速行きましょうか」
「た、助けてぇぇぇ!!」
この後、第一アリーナで女性の悲鳴が聞こえたとか、聞こえていないとか。
寮へたどり着いた一夏は寮の入り口近くで千冬が手配したであろう自身の荷物が入った大型のカバンを回収すると1021号室に鍵を使い中に入る。
「中々、良い部屋だな」
「うん。高級ホテルみたいな感じだね。行ったことないけど」
「ちゃんとベットも三つあるな」
ここまで設備がいいのと三人用の部屋になっている事に驚く。
そんな会話をしていると誰かがドアを三回ノックする。
『一夏。ご自宅より、本を持ってきました』
「よし、入れ」
一夏が入室を許可するとドアが開き、段ボール4つを抱え込んだマハードが入ってくる。
「一夏の部屋にあった本は全て持ってきました。書庫にある本も持ってくればよろしかったですか?」
「いや、これだけあれば十分だ。よくやったぞ、マハード。流石、俺の右腕だな」
「お褒めの言葉、ありがとうございます」
「所で一夏はあの高飛車になんか対策はあるの?」
「いや、特にない。強いて言うなら、権能は使わず、魔術を少し、補助に使うくらいかな。使っても基礎の基礎だな」
「そうですか。錬金術はおやめください。アレは目立ちますので」
「個人的に好きだけど使わねぇよ。試合中に『持っていかれたァァァ!!』何て言いたくないし」
一夏が魔術を使うのは卑怯と思うかもしれないが、逆に言えば
一夏は過去に自分の忠告を無視した組織を潰した経験があり、その時は権能を使い壊滅させたのだが、それに比べればマシな方である。
「先程、甘粕冬馬と遭遇したのですが、一夏にとって喜ばしい情報を手に入れました」
「へぇー、どんな話だ」
「はい、サルデーニャ島でまつろわぬ神が現れたとの事です」
「で、誰か対処しに行ったのか?俺の予想だと、剣馬鹿か狼ジジィだと思うんだが」
「いえ、そのどちらでもありません」
「む?じゃ、翠姐さんかそれともアレクかな...。二人とも動きにくいだろうし、ジョン・プルートーか?災厄兎の可能性もなくもないんだが...」
一夏は頭をワシャワシャと乱し、一つ思いついたが、それは一番可能性が低く、一夏は降参と両手を挙げた。
「倒したのは一般人です」
「待て。今、倒したって言わなかったか?」
「はい。倒したと言いました」
一夏は思わず笑みを浮かべる。
何故なら、自分の退屈な時間を潰す存在が増えたのだから。
「そいつは誰だ?名前は?何処に住んでる?どの神を倒した?どうやって倒した?」
「まだ、情報はそこまでありませんが、現れたまつろわぬ神はゾロアスター教の神、軍神ウルスラグナとの事です」
「ウルスラグナといえば、十の化身が有名だな。なんとなく想像は出来るが、黄金の刃のある剣を持つ人間がどういうのか分からねぇな」
「では、新たなカンピオーネの情報を集める事にします」
「そうだな。できればその後の動向とかも探っておいてくれ、ちょっとそいつに会ってみたいからな」
「畏まりました」
今、一夏の中でセシリアとの決闘なんかどうでも良くなっており、今は新たなカンピオーネの事で頭がいっぱいだった。
「そういえば、一夏は昼食の時に幼馴染みとお約束があったと記憶しているのですが」
「あ、すっかり忘れていたわ。今すぐ向かうわ」
「私も行く」
「では、私も御同行させて頂きます」
一夏達はこれ以上待たせるのは申し訳ないと考え窓を開け、飛び降りるがこのままでは人目に付くので、権能を使い周囲の認識を騙し、約束の場所に向かった。
一夏は目的の場所である、剣道場に着くと権能を解除し、剣道場の中に入る。
「遅かったな。一夏」
「あぁ、悪いな。さて、こんな事とっと終わらせようぜ」
「待て一夏。防具は付けなくていいのか?」
「こんなお遊びにイチイチ防具なんかつけるかよ」
「お遊び...だと...」
一夏のお遊びという言葉に眉間に少し、皺を寄せる箒。
「あぁ、お遊びだ。命のやり取りをしない時点でお遊びだ」
「一夏!剣道を侮辱するのか!!」
「お前にとっては侮辱に聞こえるかもしれんが、俺はそう言う認識なんだよ」
一夏は小太刀を逆手で持つと、そのまま棒立ちで左手をポッケに入れている。
「なんだ...その構えは?」
「我流と言ったら納得するのか」
「そんな不出来な構え、私が修正してやる!!」
箒は上段から振りかぶるが一夏は小太刀で受け止める。
箒は一歩下がると面、胴、小手とランダムで攻撃してくるが、一夏はそれを最小限の動きで躱す。
「何よ。あれだけの減らず口を叩いておいて、防戦の一方じゃない」
「やっぱり、言葉だけのようね」
「いいぞ!そのままやっちゃえ!!」
マナは一夏を馬鹿にした女子に苛立ち、前に出ようとするが、マハードによって、止められる。
(ちょっと!なんで止めるの)
(私だって一夏に対する暴言に怒りを感じているが今は我慢だ。今、行動したら最悪、
一夏の顔に泥を塗ることになる)
マナ達は小声で話し合っていると眼鏡を掛けた水色の髪をした女子が前に出る。
「貴女達の目は節穴」
「何ですって?」
「私達のどこが節穴よ!!」
「全部。彼が不利だと思っている時点でダメ。もう少し観察力を磨いたほうがいい」
「じゃ、この状況でも、私達の目は節穴だっていうの?」
女子の一人が剣道場の様子を指差す。
「うん。彼女は攻撃が当たらず、焦っているけど、あの人は最小限の動きで躱しているから、相当余裕がある。それにそろそろ、終わる」
「え?」
水色の髪の女子は視線をずらすと其処には手首を抑え、竹刀を落とした箒と首筋に小太刀を首筋に添えている一夏の姿があった。
「貴女達の目は節穴だった。もう少し、冷静さと観察力を身に付けないと生きていけない」
そう言うと水色の髪の女子はその場から離れ、少し経ってから剣道場から一夏が出てく
る。
「お疲れ、一夏。やっぱ、生身でも強いよね」
「一夏。お飲物をお持ちしました」
「ありがとさん」
一夏はマハードから、飲み物を受け取るとその場から離れ様とするが、剣道場の中から、一夏を呼ぶ声が聞こえた。
「待て一夏!なぜそこまで強い...。どうしたらそこまで強くなれる!!」
「...人が強くなる大まかな理由は三つだ。一つは自分の欲望の為、二つ目は生きる為、三つ目は何かを護る為だ。俺はこの全てが当てはまるがその中でも二つ目と三つ目が大きいな」
「護る為はなんとなく分かるが、生きる為とはどういう事だ?」
「それは教えられない。ここから先は後戻りのできない一方通行だ。強くなりたいんなら、何のために強くなるのか考えるんだな」
そういうと一夏は剣道場を後にし、マハード達が一夏の後ろをついて行った。
チラッと出て来た神殺しが誰なのか分かったかな?
答えはWEBで