そういえば、言い忘れていましたがこの話は風神録の物語終了後の話です。
ああ、冬の豪雪、暴風恐ろしい……
それでは、どーぞ。
~九頁目(博霊神社~???)~
雪が降り積もっていく幻想郷___
見た目を変えたその姿を下級妖怪や人の子供は降る雪を楽しみ、大妖怪や鬼は雪見酒を楽しみ、神社に引き取ってもらっている中級の半人半妖はその神社の巫女とこたつで暖をとっていた。
そんな季節はすぐに過ぎ、何時もならそろそろ雪は溶け、雪解け水は里の畑を潤し、人は畑を耕して今年の豊作を祈りながら鍬を振るう……
___しかし、今年は違った。
神社の裏の桜が咲き、花吹雪が神社の裏で舞う代わりにまだ降り続ける雪が裏で舞っていた。
「可笑しい……」
「ああ、三重、四重の意味を含めて可笑しい」
「?私の勘だと一つ目はこの雪。二つ目は紫達が来ない……ここまでしかわからないけど残りはメタ発言かしら?」
「大・正・解。三つ目はこたつの動力源で四つ目はいつも通りだとここは日常編とかをもう一話挟んでくるはずなのになぁ……」
「やっぱりね。私の勘は必要な時以外はメタ発言が分からないのよ」
「お前ら……」
この謎の動力源で動くこたつで暖を取りながらあっちの方向の話をしている俺らを見て、魔理沙は引きつった顔で見ていたのだった……
「やっぱり異変レーダーは役に立つな!」
「誰が異変レーダーよ……でも、やっぱりこれは異変よねぇ……」
「ああ、しかも過去の異変が更に凶悪になった感じだな。緑、お前はどうだと思う?」
髪の毛を飛ばして攻撃する少年を思い出している真っ最中、魔理沙の言葉で意識が現実に戻り、さっきの話を素早く脳内で再生する。
「うーん……異変だと俺も思うけど……そんなことより人里の様子が気になるな……うん、ちょっと見てくるね」
「おお!気をつけて行けよ!」
「ん、異変解決の準備もしておきなさいよ」
俺の入っていたこたつの席に魔理沙が入るのを見て、俺は人里に飛んでいった。
「これは……」
予想していた最悪の状態の次に酷いかもしれない……
人里の人間は異変に気付き、パニックを起こしているかもしれない……と思っていたがそれだけは避けれたようだ。
この里には会ったことがないが半人半獣が里の異変による混乱を押さえているのだとか……半人ってのはなんだか親近感が沸くな……
「おーい、誰かいないかー?」
返事はない。寂しくこだまする程度……人間は家に閉じ籠ってしまったらしいな。
「おーい、d「よーく!!」おおっ!?」
途中で聞き覚えのある声を聞いた。恐らくこの前の少女だろう……
「こっち!こっちに来て!早く!!」
手を招いたり少しジャンプしながら俺を家に招いてきた。あ、後ろにその子の母親らしき人がいるな。
手招きされて来た家は広いがほとんど金属を加工したり鋳造……ってここ刀とか扱っているのか!?あの子の家がこんな刀を作る家とは想像できん!
「あの……貴方が緑さんですか?」
「え?ええ、そうですよ」
静かな場でも消えてしまいそうな声を出して母親らしき人は聞いてきた。
「あのねー、よーく。家のお父さんはハリからほーちょー。かたなを作っているんだよ!」
あー、よーくが定着しちゃっているな……まあ、良いや。と頭で勝手に解決しているとまた母親が消えてしまいそうな声を出してきた。
「霊夢さんから聞きましたけど、妖怪退治に出るんですか?」
「はい、そのつもりで今はその下準備を」
「なら……この刀、持っていってくれませんか?」
「はいっ!?」
すると母親が出したのは俺の片腕ぐらいの長さの刀を出してきた。やっぱりこの世界は女性が武器を出す世界のようだな……後で日記に書くか……
「あの、嫌でしたら……」
「いえ、ありがたく使わせていただきます……が、本当に良いんですか?」
赤褐色の鞘に納められた刀を少し出しながら聞いた。なにか怪しい光を放っていた。
「ええ、お役に立つのでしたら遠慮なく使ってください」
「あ……ありがとうございます!」
俺は笑顔を出しながら別れの挨拶を二人にして人里の道の真ん中を歩いた。
なんか腰に刀をつけて歩くってなんか憧れだよな……そんな中、不機嫌そうな少女を俺は見た。
「あれ、咲夜。何しているんだ?」
「あら、桃太郎さんじゃない。きびだんごをおひとついただこうかしら?」
俺の腰を見るなり咲夜はやや不機嫌そうに言う。多分紅茶を買いに来たが無かったのだろう……
「生憎俺はそんなもの持っていないし、持っていても今ごろ霊夢達の茶菓子になっているだろな」
「そんなのじゃ鬼退治出来ないわよ?」
「大丈夫。原作の流れだと鬼退治は次章だから」
「メタ……で、貴方はなんでここにいるのかしら?」
「ああ、犯人を痛めつける道具を探していてだな……」
「私は犯人に腹を立てている真っ最中ですわ」
誰も居ない道の真ん中で無言で黙り込む。
「……」
「……」
「……今回は……ねぇ……」
「……協力するか……」
この日からしばらくの間、二人は(ちょっと違う意味で)和解したのだった……
共通の経験をすることで互いを好きになる、そんな特別な経験があるものだ。異変の元凶をぶっ飛ばしたいという同じ考えを持ったという経験もまさしくそれだった。
「なんでこの手のネタが来るのよ」
「作者は今、生き残った男の子の話がマイブームだから仕方ない」
「___というわけで、準備も人数もバッチリだよ」
咲夜と俺は神社に飛んでいき、霊夢達のもとに戻った(咲夜は時を止めてレミリアに許可を求めた様だ……その時、何故か出していた鼻血の原因が妙に気になるが……)。
「おお!元凶を吹っ飛ばし隊結成だな!」
「そんなことは置いといて、霊夢。元凶は分かるかしら?」
咲夜は霊夢に聞く。皆の霊夢に対する扱いはやっぱり異変レーダーだな……
「うーん、やっぱりあの亡霊の辺りかしらね」
「またかよ……こてんぱんにされたのにまたやる意味がわからないぜ?」
「やっぱり亡霊が一番怪しいわね」
三人で意見を出しあっている内に俺は妙な心騒ぎを感じていた。
(もしかしたらそこに……籃も……紫も……)
「___であんたはどうするの?」
不意に霊夢の言葉が聞こえ、俺は慌てた。
「え?やっぱりその亡霊が怪しいんじゃないの?」
「……は?今話しているのは……」
「誰が元凶をぶっ飛ばすかだ」
「今の私は雑魚清掃することに気が向かないわ」
「は……はは……」
俺は苦笑いをしながら悟った。
この世界、ある意味戦闘狂多く暮らし杉だろ。
やはり雪の舞う冬の小道。そこは雪が地面に落ちる微かな音しか聞こえない。
「ハッ!」
「おらっ!」
「フッ!」
……前言撤回。目の前で札やらナイフやら異臭のする小瓶とか投げててすっごいうるさい。
「緑?何で手を止めているんだ?」
箒に乗りながらマリサが聞いてきた。あの小瓶、茸か何かが腐った臭いがするな……鼻が曲がるなぁ……
「いや、なんか冬のせいなのか皆やけに攻撃的だなーって」
「あーもうっ!さっさと黒幕とか出てきなさいよ!」
言っている側から夢想封印を使う巫女がここに……ってあぶなっ!?散じゃなくて集にしろよ!こっちも滅される!?
「……時間的にそろそろ出てくるかしらね。このステージのボス」
「咲夜、それややアウトだ」
そんな会話をしている中、聞き覚えのない声を聞いた。
「黒幕~……きゃあああああ!?」
横の木の影から出てきた人影は霊夢の投げていたホーミング弾に当たった。まあ、そりゃ投げていた中飛び出せば当たるわな。
「ちょっと!……っ痛い!痛い!痛い!止めてよ!!」
涙目になりながらその少女は逃げ回っている。と言うか言葉が霊夢に届いていないな……
「うっさい!夢符「封魔陣」!!」
「きゃあああああ!?」
ピチューン!と音を出してその少女は雪の深いところに落ちて埋まった。いつ見てもひどい巫女。
「なあ、これって作者が飽きたからこんなに早い訳じゃないよな?」
「……だといいんだがな。現実は非情だぜ」
「この際、巫女が妖怪でもありじゃないかしら?現人神だっているらしいし」
「ほらほら、何やってるのよ。さっさと異変を解決して一緒にこたつで暖まるわよ、緑」
そう言ったと思うとピュンと音を立てて飛んでいった。
やけに霊夢の顔が赤く見えたが……気のせいかな?うん。
「おお、レミリアのライバルか?」
「どういう意味だ?それ?」
「……鈍感ね(ボソッ)」
「!?おい、咲夜。何かバカにしたか?」
[日記:この一瞬で咲夜にバカにされた気がして仕方なかった。]
雪道を抜けた4人は民家が並ぶ道に出た。
しかし、そこには人どころか妖怪すら見かけない。オマケに村の入り口の鳥居が気になる……
「あら、またこれたわね」
「今回は根こそぎ貰っていくか!」
「食料とかはあるかしら?」
……なんか、俺たちって異変解決が目的だよな……?
「お前ら、なんで観光している感じでいるんだ?」
呆れたように俺は聞いたがそんなことは気にしない様子だ。貰っていくって盗賊かよ……
「だってなぁ……」
「貴方がこの作品の主人公なんでしょ?最終的に元凶は貴方が倒すーみたいな感じてしょう?」
「はいはい、緑も喋ってないでこれを持ちなさいよ」
霊夢が薄く緑色がついた急須を渡そうとした時、声が聞こえた。
「何しているのよ!!」
「ほら、メタ発言ばっかするから変なのが来るじゃん」
子供のような声が少し遠くの家の影から聞こえた。
「変なのじゃないわ!私は橙って名前があるの!」
出てきた少女は怒ったような口調で俺たちの前に出て来る。
「……おや、耳と尻尾。この世界はこういうのが当たり前なのか?」
「当たり前じゃないし……あなたも当たり前じゃないことに含まれているのよ」
頭を掻きながら霊夢は返してきた。なんか悔しい。
「あれ?あなたもしかして緑かしら?」
「おおっと、あいにく緑は偏頭痛でいないぜ?」
「話がめんどくさくなるから変な嘘はやめろよ……」
「あ!あの時の三人!?」
俺たちを見た橙と言う名の妖怪は酷く驚いていた。あと、二本あるんだなこいつの尻尾……なんか負けた。
「なんで俺の名を?」
「あれれ?この辺りでは知らない者は少ないよ?」
ふーん、と軽く受け止める。これは小弱妖怪に襲われなくなるので少し便利かもしれないが逆に大妖怪とかに襲われるかもしれない……
「……で、そこの三人、何か持っていくつもりでしょ?」
ギロリ、と橙が後ろの三人に目を向ける。
「そりゃ、ここはマヨヒガだぜ?」
「魔理沙、理由になってないぞ……」
「……ゆかり様やらんしゃまに『けっかい』の使い方でも聞こうかな……」
「え!?紫に籃!?」
今度は俺がひどく驚いた。
「ええ、私はらんしゃまの式神なの。でも、最近用事か何かでここで生活してるの」
「用事か何かって……やっぱり、何かあったのか」
くるりと振り返ると霊夢が湯飲みを持ちながら言ってきた。
「異変の点と点が繋がってきたわね。さあ、紫をぶん殴るわよ!」
「殴るだけじゃなくてな……」
「三枚に下ろさないといけないわね」
霊夢の言葉に続き、壺を持ったマリサとティーカップを持った咲夜が言った。
「ああ、殴ったり三枚に下ろさないが今までの分、怒らないとな!」
腰につけているこの刀が三枚に下ろすために使う……何てことが無いように俺はこっそり祈った。
そして、俺はこう呟く。
「あと、お前ら盗みを止めろよ……」
雰囲気が台無しだな、こりゃ……
あの時の猫はいつの間にか何処かに行ったのに気づくのはもうちょっと後。
更新とても遅れました!すいませんでした!
……ついに、『やるやる詐欺』になってきたような……そうでないような……
あと、これから更新の「%」をつけていきます。
感想、批判、アドバイス等よろしくお願いします。
(7/31と8/1の境界)推敲しました。