東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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~十頁目(魔法の森~上空)~

 

 さっきの里を後にして俺たちは魔法の森の中にいる。

 

 「……ここはあんまり来たくなかったがな」

 「そりゃ、誰だってあんな感じに踊り狂えばそうなるな」

 「作者がたまに踊る影響かしらね」

 「この前は左膝をベットにぶつけてアザを作ったらしいわね」

 

 「……」

 

 咲夜の発言と霊夢の付け足しを無視する。構っていたら気が狂うな、こりゃ。

 そんなことより何で猫って可愛いんだろ?猫可愛い、猫猫猫猫猫猫猫……

 

 「……気は確かかしら?」

 「やっぱり茸の胞子か?」

 

 「人の心を読むなよ……」

 

 あ、反応してしまった。畜生。

 

 「あー、寒いわね……」

 「あー、猫暖かいなー」

 

 「!?」

 「!?」

 

 俺の首の辺りを見てマリサと咲夜が目を見開く。

 理由は簡単。俺の首から猫の顔がひょこりと出ているからだ。

 

 さっきの里には人は居なかったが、何故か猫が多く住んでいたので少し借りてきたのだ。

 

 「……緑、戻してらっしゃい」

 

 霊夢が猫を拾ってきた子供に反対する親みたいに……子供と親を除けば完全に一致してるな……

 

 「霊夢の分もあるぞ?」

 「よろしい」

 

 「お前ら……」

 「仲がいいのかよくわからないわね」

 

 俺の首からもう一匹、三毛猫を出して霊夢に渡す。猫を抱えた霊夢の顔が緩んだ。

 ……魔理沙の呆れる声を聞いたが気にしない。

 

 抱えた猫は服越しでもとても暖かい。そう言えば、近所のあの猫、どうなっているかなー。

 

 「猫好きな狐って斬新だぜ……」

 「狐は犬科らしいのにね」

 

 そんな会話をしていたらいつの間にか夜のように暗くなっていた。

 

 「……流石にこれ以上連れていくのは不味いわね」

 「……俺もなんか悪く思ってきた」

 

 ここまで来てしまったし、送り返すわけにはいかないし、ここで放つのもなんか不安だ……そんな時、

 

 「あら、こんなところに何のようなのかしら?」

 

 また聞いたことのない声を聞いた。やっぱり妖々夢編は新しい出会い多いなー。

 

 「……誰?」

 「あれ?緑はあったことなかったっけな……あいつはお前の師匠と同じ魔法使いだ。私と同じく魔法の森の中に住んでいるんだよ」

 「ああ、そういえばそんな設定(師匠)あったっけな。で、誰だ?」

 

 話が逸れたのでもう一度聞き直す。

 

 「私の名前はアリス・マーガロイドよ。人里の方ではあなたのことよく聞くわよ?」

 「人里ってことはよくいるのか?」

 「ええ、寺子屋の人形劇をするためにね……そう言えば、貴方が噂とかで『よーく』って呼ばれまくっているけど……あれ、何なの?」

 

 うげぇっ!?そこにも広がっているか!?情報伝達速度が異常に速いぞ……流石幻想郷、格が違った。

 

 「そんなことよりも、アリス、ちょっとたのみごとがあるわ」

 

 霊夢が俺の持っていた猫を量腕で抱え込みながら話を中断させる。

 

 「?何かしら?」

 「ん」

 

 ずい、と霊夢が猫を差し出す。

 

 「?」

 「ん!」

 

 今度はつき出す勢いだ。

 

 「?え、ええ……」

 

 アリスは威圧に負け、取り合えず受け取った。あれ、このくだりって……

 

 「!!あっ!ちょっと!!」

 「アリス、マヨヒガの所に返してあげてね~」

 

 渡した瞬間、霊夢は宙を飛んでいた。これはひどい巫女。

 

 「霊夢達のせいで時間を食ったわ、行くわよ」

 「あー、咲夜待ってくれ、これだけは言わせてくれ……『やーい、お前ん家、おっ化け屋敷ーっ!』」

 

 どこかで聞いたことあるぞ!?

 

 「なっ!誰の家がお化け屋敷よ!!こらっ!待ちなさいっ!!」

 

 それだけ言うと魔理沙達はすぐに飛んでいった。そこにいると八つ当たりを喰いそうなので俺も飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……ここどこ?」

 

 ポカンと口を開けながら俺な言う。気づいたらここは雲海の上だったら誰だって驚くよな、普通。

 

 「おお、懐かしい風が吹くぜ」

 「ステージタイトル出る頃に森羅結界が発動したり……」

 「中盤の毛玉は攻撃しない方が楽だったりしたわね……」

 「パワー不足で最後の妖精に逃げられたりもしたぜ」

 

 「……何で軽く“あるある“みたいなことしているんだ?」

 

 懐かしんでいる中、完全にアウトな会話になる前に釘を刺しておく。

 

 「ほら、来る来るぞ?ほら来るぞ?すぐ来るぞ?」

 

 魔理沙が意地悪そうに笑いながら指を指した所に妖精やら……何あれ?ケセランパサラン?やけにでかいし……流石幻想郷。常識なんか無かったか。

 

 「緑!頼むぜ!?」

 「分かった。弾を撃ってくるだけの動く的なんかうち落としてやるよっ!」

 

 スライドが開ききった拳銃にマガジンを入れ、スライドを引っ掻けているレバーを下ろしてカシャン、と鳴らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バン!バン!

 

 「おらっ!この程度でよく4面の妖精に勤まれたな!!」

 「緑!ややアウトだぜ!?」

 「もう、誰が突っ込み役か分からないわね」

 

 バンバンと撃ち、弾切れになったらマガジンを取りだしてそれを霊力を込めた片手で軽く撫でる。そしてそのマガジンを入れてまた撃つの繰り返しだ。

 

 「なんでこんなに妖精が多いんだ!?」

 「いったでしょ?妖精はボウフラの様に沸いてくるって」

 「……そのままの意味だったのかよ……」

 

 俺は聞きながら飛んでくる弾を体を軽く捻って避ける。

 

 「……あれ?あの妖精が来ないな……?」

 「あら、本当ね」

 

 俺と霊夢の上の方を飛んでいる魔理沙と咲夜が不思議そうに言う。

 

 「あの妖精って?」

 「春を告げる妖精のことだ。名前はリリーホワイトとか言う名だぜ」

 

 頭を回して過去を振り返ってみるが「会ったことない」と頭で結論付けられた。

 

 「あら?あれは門じゃないかしら?」

 

 魔理沙の説明の中、咲夜が声を出す。

 

 「……オマケに門までの道中に妖精が一匹もいないわ」

 「え?」

 

 リリーホワイトとか言う名の妖精がいないのは別に問題なかったが、妖精が一匹もいないのは逆に不安になる。さっきまで妖精がボウフラの様だったのに、突然いなくなれば鈍感な人だっておかしいと思うだろう。

 

 「……やっぱり、冥界は当たりね」

 「最近、前回と全く同じ異変を起こしすぎたぜ……またこてんぱんにされたいのか?」

 「え?前回と全く同じ?」

 

 ふと引っ掛かる言葉を聞いて俺は聞く。

 

 「ああ、全く同じだ。ただ、妖精がいないのを除いてな」

 「……その前回には藍とか紫はいたか?」

 「いたな、EXで藍、紫は……何て言うんだ?あれは?」

 「いや、原作の登場場面じゃなくて……つまり、いたって事だな?」

 「ええ、いたわね」

 「……よし、早く行くぞ!」

 「!?」

 「おい!?待てよ!」

 

 俺は興奮と期待を胸にその門に飛んでいった___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……何この足腰を集中的に痛めさせる仕様は」

 

 門に到達し、それを越えた俺たちは長い階段の上を飛んでいた。ちなみに門には結界が張られていたが霊夢が軽く拳で殴ると『パン!』と音をたてて消えた。「前は触っただけで消えたのに……」と言っていたが……まさかな……うん。

 

 「大抵ここに来るやつは飛んでいるのにこれって意味あるのかねぇ」

 「そしたら神社の階段も余計になるじゃない」

 「そうね、参拝客も来ないしな」

 

 咲夜の発言に対して霊夢はムッと睨み付ける。思いっきり地雷を踏んだな……流石咲夜、俺たちに出来ないことを平然とやってのける、そこに痺れるし憧れるぅ!かもしれないが霊夢の怒りがこっちに来そうなのでやめてもらいたい。

 

 「おお、幽霊すらいないぜ?二番煎じでは無いようだな?」

 「でもなんでいないのかしら?」

 

 「今ここは御取り込み中よ。だからここには生きている者どころか、幽霊が一人もいない」

 

 霊夢の疑問はあまり聞かない声で答えられた。たしか宴会の時にいた人だろう。

 

 「あら、今ここにいるじゃない。ここに半分人で半分亡霊な者が」

 

 咲夜が揚げ足をとる。関係無いけどやっぱり半人とかは親近感が沸くな……

 

 「半分なので 1 人ではなく、0,5なので大丈夫です」

 「じゃあ、どちらでもない0,5、道を開けなさい」

 

 遂には人にでも亡霊にでも扱われなくなった。これはひどい巫女……って何度目だろう、この台詞。

 

 「通しませんよ!今幽々子様達は御取り込み中です!」

 

 そう言うと腰と背中から長さの違う二本の刀を出し、両手に持った。側を浮く白い半透明な物にも妖力が集まる。

 

 「客に刀を向けるって失礼だな。幻想郷で非常識なのは山の巫女だけで充分たぜ?」

 「五月蝿い!あなた達はここで切り捨てます!」

 

 そう言うと少女は剣を振り、白い三日月形の斬撃を数個放った。

 その斬撃は真っ直ぐ俺の方に飛んできて、

 

 

 ガキンッ!

 

 「!?」

 「うわっととと!?」

 

 俺は腰の短刀を出して受け止めた。斬撃は金属音と共に消えたが俺は宙を二回、三回回った。空中だと踏ん張れないので少し厄介……あ、そこで霊夢の能力を使えばいいんだな!何で今まで思い付かなかったんだろうな!あはははぁ……

 

 

 「……なんか、緑の目からハイライトが消えているんだが……?」

 「可笑しいです!?そこらの刀に防げる様な技じゃないはず……」

 

 相手の少女が困惑する。確かに、あんな空中で回転させるような衝撃受け止めたら刀のヒビの一つは当たり前。根本から折れても可笑しくない。

 

 「!?その刀って”治金丸”じゃ……!?」

 「はい?」

 

 その少女は目を見開いて指を指して驚いていた。なんかレアなカードとか見る目みたいだな……

 

 「治金丸?なんか珍しそうな名前だな?」

 「ちょっと誰か解説を」

 

 魔理沙の目が輝いている中、存在が空気同様になっていた咲夜と霊夢に声をかける。が、咲夜は両手の平を顔の高さで天に向けた。その仕草は「わからない、お手上げ」と物語っていた。

 

 「……ある農家が持っていた不思議な庖丁を刀に打ち直したものよ」

 

 そこで不意に霊夢が語った。

 

 「すまん、感じ読めないから 庖丁 のところ平仮名で」

 「……包丁のことよ。その庖丁は不思議な力があって相手の首の前で振るうと首が切れたらしいわね」

 「さらっとグロ発言しないでくれ。警告タグ詐欺になっちまう」

 「……貴方が何故それを持っているのは分かりませんが、好都合です。一つ、お手合わせ願いますよ!!」

 

 チャキッ!と刀を握り直す。相手の片手の短刀以下の長さで勝てるか?これ!?

 しかも相手はその手のプロっぽいし……これは瞬殺かなー。

 そんな時、意外な人物から助けが来る。

 

 「……チートなお前に助言だ。そいつの名前は魂魄妖夢だ。そして確か……あー、剣術を扱う程度の能力だったかな(多分)」

 「なんか不安なんだけど!?」

 

 そう答えて何時でも対応出来るようにしている妖夢を前にしたまま俺は後ろの三人に目線を送った。

 

 まず、霊夢だが「早くしろ」と意味の籠った無言の圧力と共に目線を送られ返り討ちに。次に咲夜だが腕を組んで見てくる……これ、見せ物じゃないんだぞ?生死が掛かっているんだぞ? 最後に魔理沙は……持っている刀に釘付けだ。こんなことになるのならこんな設定無ければ良かったのに……

 

 「……ここで『逃げ』は良いの?」

 「逃がしませんよ!!」

 

 そう言うと妖夢は長刀でXを空に書く。するとそこから弾幕が張られた。

 

 「うわわわわっ!?」

 

 もう完全にパニックになってしまっている。俺は慌てて短刀を横にスッ……と小さく、短く振るった。

 

 スパッ!

 

 「!?」

 「!?」

 

 なんと、飛んできた弾幕が十個ほど真っ二つに切れて消えたのだ!

 弾幕を放ってきた妖夢は驚いた表情を見せてきたが俺はその数倍驚いた自信がある。だって無意識だし……

 




 文字数オーバーで中断。畜生。

 余談ですが、「魄」の字を打つのに苦労しました。「たましい」で出るんですね……

 それでは、続きをお楽しみに。
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