その後に咲夜と合流して帰ろうとした時に目の前に紫が突然出てきた。
その時の俺の気持ちは「嬉しい」とか「驚いた」とかではなく「疲れた」だった(皆も同じ心境で魔理沙はスルーしかけた)。
「……紫、何しに来たのよ」
「私の口からは変かもしれないけど礼を言いに来たわ、ありがとう」
その瞬間、霊夢の顔が歪んだ。
「うわっ何この紫っぽい謎生物」
「あれだろ?外の世界で言うメタ●モンだろ?」
「……魔理沙、隠せてない」
「……酷いわね」
涙目になりながら紫は突っ込んだ。
「……で、緑。ちょっと良いかしら?」
「…?一体な…うのおっ!?」
「UNO?」
突然足下が浮いて落ちた!霊夢が何か言った気がするけど……
「と、考えているうちに懐かしい我が家に着きましたよっと」
気づいたら懐かしい紫達の家の茶の間にいた。そしてチャブダイの向かいには紫が座っていた。珍しく正座で、『酔ってるのか?』と思い鼻を働かせたがアルコール量は殆ど無し。飲酒運転してない……いや、そんな事なんで確かめたんだ?
「緑、今まで黙って貴方を家から出した事、ごめんなさい」
深々と頭を下げる紫を見て俺は慌てた。
「いや、あの…紫?ちょ…」
「その後も何も言わなかったり…」
「いや、聞いてって…」
「森に出したり……」
「紫だからき…」
「茸の胞子を吸わして踊り狂わせた事も……」
「聞けって!!紫!あと、それは触れるな!黒歴史!日記の「長崎県は~」と同レベル!」
怒鳴り声を上げて紫を止める。そして恥ずかしい事を言うな。
「なんで謝る…?」
「私はあなたに悪いことをしたわ……」
「あのなぁ……お前は俺を「家族」と言った。家族に改まって謝る奴が居るか?少なくともお前は違うだろ?まるで家族じゃない様な言い方じゃないか」
「……今まで家族と思っていたわよ……でも今で……いや、ごめんなさい。今までの無しね」
そう言い謝罪中に溜まった涙を指でぬぐい、
「……今まで黙っててごめんなさいね、緑」
「ああ、良いとも。ちゃんと迎えに来てくれたしな……じゃあーーー」
「「仲直り、だな(よね)」」
偶然はもった言葉につい笑ってしまった。紫も一緒に笑い声を上げていた。
「……ふぅ、?あれ、藍は?」
「ああ、藍はね…しばらくあの桜の側で作業したから少し寝込んじゃってるのよ……多分、神社での花見には間に合うわ」
「……そうか、じゃあ、その時は家族と皆で笑うか」
「ええ、皆で仲良く笑いましょ?」
そう言いまた二人で仲良く笑っていたーーー
ーーー博麗神社。
何時もは静かな神社。その神社で数少ない賑やかになる時、異変解決後の宴会……つまり、花見が開かれていた。
「緑、どうだった?どんな感じだった?」
「いや、まあ、うん。あれだ、魔理沙に聞いてくれ」
「うぉい!?緑!私に投げるなよ!」
「……お嬢様、あまり乗り出すと日傘から出てしまいますよ」
レミリアがどうだったかとスーパーヒーローの活躍を聞く小学生の様に熱心に聞いてくるのを流したが魔理沙が手を慌てて否定するように振ってきた。
「まったく……苦労した後にあるのは掃除ねぇ……」
「いや、まあ霊夢。手伝うから……」
お酒をグッと飲んでため息を吐く霊夢に慰めるように声をかける。
「あら?それは家の自慢の庭師がやってくれるわよ?」
「出たな、ピンクの悪魔!何しに来たのよ!?」
「悪魔は私よ!」
霊夢のよくわからない反応とレミリアが謎の反応をしてきた。
「ピンクは聞くけど悪魔は聞き流すわ。だから、やってあげるのよ。家の妖夢が」
「うう……白玉楼の次は神社ですか……」
辛そうにため息を妖夢はついた。
「あら、此処はとても小さいじゃない」
「……秋に出直してこいよ……地獄を見るぞ……?宴会も割りと辛いけどな」
俺の経験談をボソッと呟くと「みょん」と言いがっくりと顔を落とした。
「……!悪い、ちょっと向こういってる」
皆が妖夢の反応を見て笑っている中、神社の縁側に向かった……
「……藍」
「?ああ、緑か……」
団子を少しずつ食べていた手を止めて藍は笑顔を向けてきた。その隣に俺は座る。
「……あの時も藍とここで話したっけな」
「……ああ、懐かしいな」
上に広がる六分咲きの桜を見ながら呟く。
「ここで同じ名字同士で呼び捨てするようになったっけな」
「……ああ、一年ぐらい前だったな」
そう言い、少し静寂が訪れて桜が風で揺すられる音がしている。
「……やっぱり、すまなかったな……あの時」
暗い顔で藍が此方を向いてきて謝る。
実は目覚めた後、何度も藍はこう言ってくるのだ。
「いやいや……あ!じゃあ、こうしよう」
「?」
「これからもこんな仲でいてくれるなら無かったことにしよう」
そう言い笑顔を向けて「な?」と声をかけると藍の顔に明るさがでて、
「じゃあ、約束しよう」
「ああ、絶対だぞ?」
「仲がいいわねぇ……」
突然後方から声がした。声主は紫だった。
「藍しゃま!」
と、言い紫と共に出てきたのは
「あ!あの時の猫又!」
「緑、橙だ。……橙!挨拶しなさい」
藍に呼ばれて縁側に座っている俺の前に立った。
「はい!私は橙。藍しゃまの式神よ」
「此方は緑。八雲家の家族だーーー」
どんな物も自然が一番。
一ヶ所にまとまるよりも複数に色々な場所に存在するのが一番その物の価値が出るのだ。
だが、一ヶ所にまとまらないと価値の出ない物もある。今のところ彼はそれに気づいていない。
何故なら一ヶ所にまとまらないと価値の出ない物の幸せを今一番感じているのだから……
Good End
また駆け足ぎみに……取り合えず妖々夢編はこれで終わりと言うわけで……
一言言うと推敲したい(しろよ)
流れからして次は……と、行きたい所ですがそろそろあの作品の時間帯なので……
それでは、次の話で。
感想、批判、アドバイス等をいただくと嬉しいです。