一日で異常なお気に入りの数増加に喜びと恐怖を覚えました。どういうことなの……?
こんな作品が皆さんの暇潰しになってくれれば嬉しいです。
それでは、新章をどうぞ。
~十四頁目(八雲家~守矢神社)~
ーーー春。
咲いていた桜の花も落ち、まだ葉桜には早い頃、活気の出た人里に足を踏み入れた。
「……よっ…と。さて、この辺りだったっけな」
そう独り言を言い人の声で溢れている表とは違い、とても静かな里の裏に入った。
「えー……と」
目的の家の前に着き、片手に持った先端がすっかり綺麗に折れてしまった愛用の刀を見た。
桜に突き刺さり、その後回収しようとしたのだが……あー、この事は何時か書こう。ネタになるし。
取り合えず刀を貰った鍛冶屋の戸を開け、
「すいませーん…」
と、言ったが中は汚く、埃が溜まっており、金床はひどく錆び付いていた。
「……はい!?」
あまりの違いに唖然とした。劇的な変化だった。悲劇的ビフォーアフターだ。
「いやいやいや…有り得ない、有り得ない…おーい、いないのかー?」
「…何をしている?」
「うわあっ!?」
後方の玄関からの声にひどく驚いた。声主は知らない男性だった。
「……そこの家にはあまりの近寄らない方が良いぞ……昔から誰も居ないのに鉄を叩く音が時々聞こえてくるのだ」
「痛っ……って、え?」
驚いて尻餅をついてしまったがその後の男の言葉を聞いて目を見開いた。
「え?って言われてもなぁ……まあ、気を付けるんだぞ、妖怪」
そう言うとその男は去って行ってしまった……
「……いやいや、これは何?ドッキリ?」
俺の言葉が小さく家に響いた。
あの男が言った話……じゃあ、俺が来たときのあの家族は……?
「うわー!……って人だったら言っているけど妖怪だからねぇ……」
妖怪が霊に驚く事はまずない。と言うかこの前亡霊に会ったし……俺はそう言って周りを見渡し、
「じゃあな、またいつかここに来るぞ」
と、言い玄関から外に出ようとした……
「……また来てね」
「……はい?」
出る直前、後ろから声がして振り向く……そこには当たり前だが誰もいなかった。
「……おいおい…」
ここで俺は大きく息を吸い、叫んで外に出た。妖怪にだって怖いものはある。饅頭とか。
「……で、飛び出したけど、どうしようか」
色々と怪奇に会って魔法の森上空をゆっくりと飛んでいる。特に目的はなく、散歩と言える状態だ。歩いてないけど表現する言葉がない……これが言葉の限界か。
「……そうだ!一回銃の練習でもしよう!幽々子に言われたし……」
いままでで上手く銃を当てれなかった事を思いだし、近くの木の生えていないスペースに降りようとした……その時だった。
「誰か、助けて!」
「ん?」
ちょうど降りようとした所に人間の女性と四足の犬のような妖怪がいた。どっからどう見ても襲おうとしている……
「……暇潰しよりも、人命第一だな」
銃を構えて女性と4WDな妖怪の間に降りる。
「っ……!?」
「グルルルル……」
女性の方は俺を見て怯えて、妖怪は予想通り、俺に敵意を出している。
「あ…あな…あなたは……」
「いや、落ち着け、そして待ってろ」
そう言うと妖怪が俺にとびかかって襲いかかる。邪魔者を先に倒そうとしたのだろう。
ズガン!
「ギャン!」
妖怪の左前足に的確に撃ち込んで怯ませた。そのまま犬のような妖怪は勝てないと悟ったのか森の中に走っていった。弱い。
「よし、もう大丈夫」
「……」
優しく声をかけたが女性は酷く震えていて動こうとしなかった。
「……大丈夫か?」
「…はい…大丈夫…です……」
「悪いけど大丈夫そうじゃないよ?……うん、取り合えず村まで送って行くぞ?」
「え?…あのっ…!?きゃあっ!?」
女性を無理矢理おんぶして空を飛んだ。ここから人里は少し遠い。何故ここにいるのかは取り合えず聞かないでおこう。
「……ありがとうございました」
村の門の近くに降りて女性を降ろした。まだ足はややふらついている。
「いやいや、こっちこそ勝手にお節介をして悪かったな」
そんな…と首を振ってきた所で本来の用事を思い出した。
「じゃ、俺はちょっと用事があるから」
そう手を小さく振って空を飛んで去ろうとした……その時、
「あの!…お名前を教えてください……」
「名前?ああ、俺の名前は「緑」だ」
そう言うと今度こそ空を飛んで去っていったーーー
その後もいつも通りの日常が過ぎていった。
射的の練習をして、家に(スキマで無理矢理)帰らされたり、食事を仲良く取ってイタズラした紫にお茶を投げつけ……最近、これが幻想郷流の日常って悟ったよ。
ーーー夜。
いつも通りに日記にスラスラとペンを走らせて日記を書く。
今日はあの怪奇についてよく書いた。やはりトラウマ級かも。人間だったら。
「……よし、おやすみなさい」
小さい蝋燭をフッと一息で消して眠りについた……
ーーーいつも通りの朝。
何時もは藍が起こしに来るまで寝ているのだが、今回は体が気持ち悪い感覚がしていたので早く起きた。
「ふわぁ~……?あれ?」
まず、気づくのは体から溢れる力。
今までの妖力と霊力と違い、不思議な力が込み上げてくる。
次に髪。いつもの黒からかけ離れ、何故か白に染まっていた。
「……いやいや、まてまて。不安だったからってここまで白くなるか?」
ある人が寝るときにあまりの恐怖で髪が真っ白になったらしいが、それと同じ現象なのか俺の髪も真っ白だった。
「……うん、夢。そもそも藍より早起きしたところから疑わないと」
そう言い布団を広げて……
「緑、起き……ろ…?」
起こしに来たと思われる藍の驚いた顔を見た。
「な……何で…」
「?ああ、そうなんだよ。朝起きたら何故か髪が……」
「そっちじゃない!緑、なんで神力があるんだ!?」
「……はい?神力?」
知らない単語に頭をかしげた。何それ、なんか凄そう。
「ああ、それがお前から出てきてる!……ちょっと失礼」
Uターンして藍は走って行き、直ぐに眠そうな紫を連れてきた。
「緑……おはよ……って!?あれ!?」
藍と同様の反応をされてなんだか気まずい様な悪いような変な気持ちが芽生え始めた。なんか不安になってくる。
「……緑、ちょっと良いかしら?」
「?何を……アブスッ!?」
突然足元が宙を浮いてそのまま下に落ちてしまった!紫、おのれ。
「うわっ!?」
「きゃ!?」
「!?」
「何!?」
見事に着陸したのは昔に来たことのある場所の茶の間の座布団。顔から着陸した。
「り…緑!?」
「痛っ……あれ?なんでここに……?」
ここは守矢神社。昔に幻想入りした時に初めて訪れた場所だった。
「ちょっと用事かあるからねぇ」
そう言い隣でスキマを開いて出てくる紫。
「おおっ!緑!久しぶりじゃん!」
「緑さん!お久しぶりです!」
と、突然の不法侵入を気にせずに久しぶりと挨拶してくる諏訪子と早苗。
「……全く…なん……で…!?」
早苗の隣にいた神奈子が威圧した表情から驚きへと変わった。
「さあ、神様。この子の変わったことにに気づくかしら?」
諏訪子が何何?と依ってきてジロジロと(帽子も)見てこう呟いた。
「神力……?」
そして、神奈子が
「信仰……?」
と呟いた。二人は顔を見合わせて頭に「?」を作った。
「いやいや!可笑しいわ……どうやって信仰を得たのかしら…?」
神奈子がムッと悩みながら言ってくる。その神奈子の前に諏訪子が乗り出て、
「ねぇ、何か食べたり行動を起こした?」
と、言い、神奈子が諏訪子を手で押し退けて、
「御神水を一気飲みとか桃を異常に食べたとかさ」
と、言ってきた。諏訪子と神奈子の同時発言に押されながら、うーん……と俺は悩んで一つの答えにたどり着いた。
「……そう言えば昨日、妖怪に襲われていた人の女性を助けたな」
その瞬間、頭に「!」を作って
「成る程!そっからか!」
「その人が信仰…いや、『感謝』しているのね」
とそれぞれ違う事を同時に喋ってきた。
「……で、詳しくは分からない?」
ややイライラしている紫の声でハッと我に帰り、また俺をジロジロ見てきた。そろそろ精神的にヤバイ。あの帽子の目をどうにかしてほしい。
「……うん、信仰しているのは約4~5人。でも、緑は不思議な事に何故か神力を蓄えている……」
「その神力って普通は蓄えれないのか?」
「うん、普通はね。どんな生き物も信仰とか感謝されれば神力を得ることはできるけど大抵はそれを蓄えれないの。神とか修行者か特殊な形で信仰を受けた者とかでしか蓄えれない」
諏訪子が軽快に説明してきた。途中で早苗が少し恥ずかしそうにしていた。
「で、あんたは特殊な信仰を受けたわけじゃない。つまり元から何かの形で神力を蓄えれるようになっている……ってわけよ」
諏訪子と神奈子の入り混じった説明を聞き終わりほー、と無関心にうなずいた。
「まあ、貴方は今日から神力が使える。つまり、言ってしまえば神様の仲間入りみたいなものかな?」
……はい!? ……と、一年前の自分なら言っていただろうが常識がアレな幻想郷だ。「まあ、うん」と軽く受け止めた。
「……なるほどね…さあ、緑。家に帰りましょ」
「ん、分かった……じゃあ皆、またな」
紫がスキマを開く中で皆に挨拶した。
「うん!神力とか神について聞きたい事があったら神様の先輩として答えるよ!」
「はい!また来てくださいね!」
「ああ、またな」
そう返される中、紫に続いてスキマに入った。中に入ったら茶の間で料理が並んでいる最中だった。
取り合えず緑のパワーアップフラグでも(ぉ
少し短めで区切りが悪く、無理矢理な感じがしましたが文字数やここ以外で区切れなさそうな気がしたのでご勘弁ください。
それでは、続きをお楽しみに。