東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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~十六頁目(魔法の森~天界)~

 麗らかな春が終わりを告げる頃、俺は魔法の森の中である場所にいる。

 

 「……うん、いい加減自立しないとな」

 

 いつぞやの骨組みの家をバラバラにしながら俺は言い聞かせる様に言う。四本の柱は長い雪のおかげで形が歪み、腐っている。なので、となりのト●ロみたいに腐っている柱で数分もの間遊んでいた。アホらしい。

 

 「うーん…木材、木材。釘は四本……あれ?」

 

 置いておいた木材の下にノコギリが下敷きになっていた。これではノコギリが歪んでしまう。

 

 「うわっ!これは酷いな……」

 

 案の定、ノコギリは見事綺麗な曲線に曲がっていた。オマケに一部の歯が欠けてしまっていて明らかに使えない。

 

 「どうやって木を倒そうかな……」

 

 まだ木材は乾かしているのも含めて数本足りず、この今は歪んでしまったノコギリで作る必要があった。

 

 「……min●craftみたいに斧を作れないし……霊夢の家で何か貸してもおうかな?」

 

 そう言い俺は曲がったノコギリを針葉樹に投げつける…が、やはり弾かれてしまう。それを見届けた後に俺は神社に飛んだーーー

 

 

 

 

 

 ーーー博麗神社。

 

 

 

 もう慣れた動きで神社の石の道の上に降りた。にしても日照りが暑い暑い……夏になってきたなぁ。

 

 「あら、来たのね……って何で木の粉まみれなのよ」

 

 指摘されて体に着いた木の粉を払い落とす。落ちた粉は弱い風で飛ばされて行った。

 

 「ちょっとね……で、霊夢。ちょっと借りたい物があるんだが……」

 

 「……」

 

 そこまで言うと霊夢はがっかりしたような表情をした。

 

 「……? おい、霊夢?」

 

 「……ん?どうかしたの?」

 

 「いや、なんか心からがっかりした表情をしていたから……」

 

 「ああ、別に。家に来た理由が魔理沙みたいだったなーって思っていただけ」

 

 「……流石に死ぬまでは借りていかないぞ?」

 

 「それもそうね……まあ、暑いし中で話しましょ?」

 

 そう言われて断る訳にはいかず、霊夢の後ろをついていった……

 

 

 

 

 

 

 「……っぷ、やっぱり暑い日は冷茶だな」

 

 「だけど、食べ物と一緒に飲んでもいまいちなのよね……特に味噌汁とが……あ、そう言えば最近暑くても熱いお茶を飲まないと落ち着かないて……」

 

 「冬が長すぎて熱いお茶に舌が慣れちゃったんじゃないのか?」

 

 そう言いながらゴクゴクと冷茶を飲む。木の皿に煎餅が乗っているが、いまいち冷茶と煎餅は合わなかった。

 

 「……だったら今度腹いせに冥界を襲撃しに行くわ長い間熱いお茶を飲ませていたのはあいつらだし」

 

 なんでだよ、と言いたかったが止める気がしなかった。どうせ冗談だろうし、じゃなかったら困る。

 

 「冥界に罪は無いぞ?」

 

 「何よ、どうせ「三周目」とか言って同じ異変がまた起こるんじゃないの?だったら先に潰しておくわ」

 

 「……メタと物騒な発言はやめた方がいいぜ?」

 

 その声主は縁側から箒を片手に持って帽子の位置を直しているこの日照りの中は辛そうな黒の格好をした少女、

 

 「出たな、泥棒魔法使い!」

 

 「否定はしないな」

 

 「……こいつらひでぇ」

 

 泥棒魔法使い、霧雨 魔理沙 だった。

 

 「全く、夏の暑さに悩まされているのに何時も通り来るのね……」

 

 そう言うと霊夢は台所に歩いていった。多分、お茶を用意しに行ったのだろう。

 

 魔理沙の方を見ると何故かその周りが薄暗くなるのを見た。同時に湿った匂いを俺の鼻が感じとった。

 

 「ゲッ!雨が降るぜ!?」

 

 そう言うと魔理沙はヒョイと身軽に靴を脱いで縁側から家に飛び入る。その直後に雨が降ってきた。

 

 「ふぅ……間一髪だったなぁ」

 

 「……にしても急だな」

 

 途切れず霧吹きの様に降り続ける雨を眺め、溜め息をつきながら言う。

 

 「あれ?魔理沙は何しに来たんだ?」

 

 早速ちゃぶだいに乗った煎餅に手を伸ばしている魔理沙に聞いた。

 

 「ああ、ここら辺で色々と活動していたがなぁ……雨が降ってきたから近かった神社に逃げてきたんだが……結局はこうなったな」

 

 煎餅の海苔の部分を少し細めの指で摘まみ上げ、煎餅の一部をパリッ!と前歯を使って綺麗に折って食べた。

 

 「……全く、嫌な天気ね」

 

 そう言い霊夢がコトッと音を立てて三つの湯飲みを置く。中にはあっつあつなお茶が入っていた。

 

 「おお、悪いねぇ」

 

 「ん、ありがとう」

 

 そう言い俺はお茶が熱い事に警戒して、恐る恐る口をつけた。その後は二人の何時もの会話を聞いていたーーー

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、もう晴れてる……」

 

 「ほんとだな。これが神様パワーか?」

 

 「どちらかと言うと小説の余分な部分のカットだと思うけど?」

 

 「言うなよそれを……」

 

 五煎目のお茶を飲みながら言ってはいけない事を霊夢が言い、魔理沙が頭を抱えて突っ込む。

 

 「……あ、そうだそうだ。ここに来た目的を忘れる所だった……霊夢、ちょっと道具庫から物を借りて良いか?」

 

 「盗まないんだったら」

 

 霊夢は簡素にそれだけを伝えるとお茶を飲み始めた。

 

 「ありがと、それじゃ!」

 

 「おお!またな」

 

 魔理沙が手を降るのを見ながら道具庫に走って入る。

 

 そこから少し雨などで痛んだ小型なノコギリとこの前使った小さな鉈を取り出して家の建設予定地に向かって飛んだ。

 

 「……あれ?もしかして今の雨で木とか痛んじゃっているんじゃ……?」

 

 少し嫌な予感がして俺は急いで飛んで向かったーーー

 

 

 

 

 

 ーーー魔法の森

 

 

 

 「……ほぉら見ろ、見事にびっちゃびちゃだ」

 

 目の前には濡れた木材やら金属の道具やらこれは酷い。やる気がなくなるレベルだ。と言うか無くなった。

 

 「はぁ……」

 

 溜め息をつきながらその場に座り込む。その体勢で空を見上げると上は白く曇っており気がつくと周りに白く湿った霧が出ていた。

 

 「……うわっ!寒い!そしてじめっとしてる!」

 

 これが真夏の異常気象だろうか?常識に囚われない天気の変わりっぷりが凄い。もう少し肩の力を抜けよ、幻想郷。

 

 <……あーあ、あっちは退屈だねぇ>

 

 「はい!?」

 

 突如、誰かの言葉が聞こえて薄く霧のかかった辺りを見回す。それと同時に銃と先の折れたままな刀を出す。

 

 <……ん?ああ!あんたは確か……!>

 

 またそう聞こえた と、思ったその時に湿った霧の中に強い妖気が含まれた霧が出てくる。

 

 <……あんたは緑。だったっけ?」

 

 言葉の途中で霧が集まり一人の少女になった。……何これ。

 

 「いや、なんで俺の名前を?そしてお前は?」

 

 突然出てきた少女に訪ねてみた。頭には二本の長い角。しかし、角の長さがあまり合っているとは思えないぐらいの体型だった。ちっちゃい。

 

 「紫からよく話を聞いたからね。結構上とかでも有名だよ?あと、私は伊吹 スイカ(漢字変換ができませんでした by 0% )。四天王の一人の鬼だね」

 

 「はぁ……鬼かい」

 

 俺は頭を刀を持った手で掻いた。てっきり牛とか動物系だと思ったけど……

 

 「で、私は今暇なんだけどさぁ……」

 

 「?」

 

 鎖がついた腕をぐるぐると回しながらすいかは言う。

 

 「あんたは話によるとかなり強いって聞いたけどさ……一回、試してみない?」

 

 そう言い右腕を左の手のひらにパシン!と殴り付け、聞いてきた……が、

 

 「ごめんなさい、今建設中なので」

 

 すぐさま俺は断った。冗談じゃない。話が本当なら鬼と喜んで戦う人は無だと思う。いや、絶対にいない。断定する。

 

 「まあまあ……ほら、建築の手伝いとかするから……」

 

 「え、あー、うーん……と言うかなんでそこまでお願いするんだ?」

 

 少しスイカの頼みをどうしようか考えながら聞いた。霊夢とかなら強いし喜んで戦ってくれそうだけどなぁ……きっと封印とか退治のつもりで来るけど。

 

 「さっき言った通り、最近退屈でさぁ……宴会でも開こうと思っても今は忙しくてできなさそうだし……ねえ?」

 

 ねえ? って言われても正直困る。退屈だから戦う。これが鬼の暇潰しか……これなら家でゲームばっかりする不健康な遊びの方が正しい選択肢に思える……

 

 ……しかし、このスイカの「手伝う」と言うのは今の俺には中々有難い事だった。戦いと言ってもどうせスペルカード戦だと思うし。

 

 「……うーん…よし、手伝ってくれるなら良い…かな……?」

 

 「よし!じゃあ!ちゃんと開けた場所に行こう!今すぐ!」

 

 と、凄い早口で言いながらスイカは銃を持っている腕を掴み、とてつもなく強い力俺をで引きずりながら走った。……どんだけ暇だったんだよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……さあ、着いたよ!ここが天界だよ!」

 

 と、言われた場所は地面は白っぽい岩で所々に草や花畑が出来ていて山のてっぺんと思われる部分が分厚い雲から僅かに出ていた。

 

 「……何ここ、天国?」

 

 俺はスイカに各地を引き摺り回され、気がつくと空を飛んでいたり誤って自由落下させられたり……で、いつの間にかここにいたのだ。誰だって最初思うでしょ……自由落下後だと。

 

 「いやいや、そんな場所じゃないから……それに、冥界があるから天国は要らないでしょ。と言うか無いし」

 

 「天国は無かったのか……」

 

 俺は特に信仰とかしてないし、むしろされる側だが昔から良く聞いていた天国が存在しない事が何故か悲しく思えた。

 

 「天国って場所もいつかは幻想郷に来るんじゃない?まあ、そんなことよりここならいくらでも暴れられるよね?」

 

 そう言うと手持ちのスペルカードを確認していた。スペルカード自体はトランプぐらいの大きさで花札の様な色彩で描かれている物だ。相手は20枚も持っている……確か最大所持可能な数だったはず。大抵そこまで使えないけど。

 

 ……と、色々考えている中、俺は重大な事に気がついた。

 

 「……あ、ヤバイ…俺、今は20枚も持っていないぞ……」

 

 今持っているスペルカードは俺の十八番の「霊光夢弾」等やそれらの強化版を加えて14枚。霊撃が3枚……3枚足りない。そこでえらいこっちゃと頭を抱えて悩んでいるとスイカは「はぁ…」と息をついて、

 

 「……しょうがないなぁ、はい、これで補っといて」

 

 「うわっ!あわわっ!……と、 何これ?」

 

 スイカから投げられた3枚のカードを見ると赤く太いの様な物が雲に突き刺さっている様に見えた。

 

 「これからはそのカードが役に立つからね。じゃ!始めようか!」

 

 取り合えずカードを札に混ぜるとスイカは眩しい笑顔をこっちに向けてきた。凄い眩しい。多分、一部の人は浄化されるくらい。

 

 「ああ、異変以外でのスペルカード戦なんて久しぶりだしな」

 

 「準備は良い……?じゃあーーー」

 

 俺は銃を手でしっかりと持つ。スイカは何時でも動ける体勢だ。

 

 「さあ、始めるよ!!」

 「さあ、行くぞ!!」

 

 天界では二人の声が響いたがそれを聞いたものは誰もいなかったーーー

 




 今回は最近買った緋想天編です……が、急すぎな展開。これは作者の悪い病気です(ぇ

 取り合えずしばらくの間は緋想天編をやっていきますがゲームもそうですが戦闘が比較的多い編になりそうです。
 結局はこれからも気長に待っていただくと有難い。と言うことですね。

 次回はこの続き&何時か書くと思っていたオマケの小話です。
 同時進行で書き、同時に終わるつもりなので楽しみにしていただくと嬉しいです。

 感想、批判、アドバイス等をお待ちしております。
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