東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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~二十六頁目(守矢神社~博麗神社)~

 「そんじゃあ、続きを始めるよ」

 

 夏らしい日照りと青空の下で説明会が再開された。

 あの後、守矢神社のメンバーで話し合いをし、何があったのか全員納得した顔で戻って来た。本当に何があったのか。

 そしてその話し合いのせいなのか早苗と俺に加えて真ん中に神奈子が座っていた。あんた教わることないだろうし、そして時々睨み付けるのをやめてほしい。

 なんて考えてたら背中を神奈子に小突かれる。もしかして心を読まれたのか!?

 

 (……いいかい?)

 (?)

 

 此方をちらりと振り向いた神奈子を見る。何が言いたいんだろう?

 

 (……家の早苗に下手なことをしたら……お前さんの首が飛ぶからね……?)

 (……はい)

 

 特に早苗をどうこうしようとか考えてはないが頷かせる様な恐ろしい気迫があった。取り合えず心に深く刻んでおこう。

 

 「最初はなんの話をしたかは忘れたけど今回は『使い魔』。まあ、式神について教えるよ」

 

 早苗がまた『いえーい!』とか言うと思ったら目を輝かせて真剣に聞いていた。彼女も知らない事だったらしく、まるで新単元を教わる小学生の様だった。

 

 「使い魔とは自分の意思で命令して行動をとらせる霊力や妖力とかの塊が殆どだね。何処かの巫女は陰陽玉を投げるけどね」

 

 そう言えば霊夢が魔理沙に赤い陰陽玉を投げつけた事があったなー……とぼんやり思い出していると早苗が何やら片手を出して何やら集中していた。神奈子を見てみると彼女もわからなかったらしく困惑した顔をしていた。

 

 「……あーうー、道具無しに言うことを聞く使い魔を出すのは上級者向けだよ?」

 

 それを聞いた途端に早苗はガックリと肩を落とす。流石の二柱の神も苦笑いだった。

 

 「それじゃあ……何か質問は?」

 「あ……じゃあ、はい」

 「はい、そこの武器を持たない少年B!」

 

 諏訪子の相変わらず変な台詞を聞き

流して質問する。今は主力となっていた武器を持っていないからぜひ知っておきかったのだ。

 

 「その使い魔に必要な道具って具体的に何だ?」

 

 そう問うと諏訪子はニヤリと笑い、得意気に話した。

 

 「……♪詳しくは知らないけど……そうだねぇ、紅白の巫女の陰陽玉とか……かな?あれだけ投げつけてるんだから要らない陰陽玉もいくつかあるんじゃない?」

 「おk、ありがと!ちょっと行ってくる!」

 

 「行動が早い!?」

 

 諏訪子から話を聞いた俺はすぐに立ち上がり博麗神社に向かって走り、飛んでいった。後ろから神奈子が突っ込んでいたのを聞いたが構わず行った。

 

 「行っちゃいましたね……」

 「ふぅ……警戒してて疲れたからもう一足先に部屋にいるね」

 

 早苗が少し名残惜しそうに諏訪子に話す中、神奈子は頭を掻きながら部屋に戻っていく。

 

 「……全く、やっぱり男ってのは元気がいいねぇ___」

 「なあ!悪いんだがお守りか何かないか?天狗に目をつけられちゃってるんだった」

 

 妖怪の山に差し掛かろうとした時に思い出してUターンして戻ってきた。毎回早苗が助けてくれる訳が無いので証拠が必要になるだろう。

 

 「あーうー、やっぱりげんきだねぇ……早苗!悪いんだけどお守りを取ってきてくれないかな?一番良いやつを頼む」

 「諏訪子様の死亡フラグなのか、緑さんの死亡フラグなのかわかりませんが取ってきますね」

 

 そう言い残すと早苗は倉庫に向かって走っていった。

 

 「……なあ、何で良いお守りを選んだんだ?」

 「そりゃ……お金でしょ」

 「教師が生徒から金を巻き上げるか普通」

 「その設定はそれ。今は神様と参拝者だよ」

 「一様、俺もなんだがな……」

 

 今まで教えて貰った分の月謝の様な物だと自分の中で解決させてお金を払う事にした。結構嫌々だが。

 

 「……?なあ、諏訪子」

 「何?ツケは出来ないよ?」

 「違う違う、そんなどこぞの白黒や紅白と同じことはしないから……で、なんで俺が武器がないって知っていたんだ?話したっけ?」

 

 そう聞いたとたんにピシリと固まり帽子に一筋の汗が流れてた。何故帽子から?

 

 「……おーい?」

 「っ!いや……あー…うー早苗!早苗から聞いたんだよ」

 

 何か言いにくそうにモジモジとしながら返答する。その時、ちょうど早苗が戻って来た。

 

 「お待たせしました、この二つが一番良いんですが……」

 

 そう言って見せたのは一本の破魔矢

と緑の御守りだった。どちらも高そうでお守りを貰おうとした事に少し後悔。

 

 「……まあ、よくわからないし両方貰うわ」

 「分かりましたっ!」

 

 そう答えると早苗はご機嫌そうに御守りを渡してくる。俺は御守りを受け取った反対の手でお金を取り出して渡した。その時もご機嫌そうだった。まるで何処かの紅白の巫女の様……

 

 「それじゃあ、また後『……待ってください!』……おん?」

 

 立ち去ろうとした所を早苗に静止の声をかけられる。

 

 「あ…あの…また来てくださいね!」

 「ん。それじゃ、また今度」

 

 破魔矢を懐に、お守りを握りしめて俺は博麗神社に飛んでいった___

 

 

 

 

 

 「……今度こそ、行っちゃいましたね」

 「うん、一様私も頼まれたことをやり遂げたし。お守りも売れたし一石二鳥だね」

 

 フフンと鼻をならす諏訪子。心の中ではお守りが売れた事をもっと喜んでいた。妖怪からは信仰が集めれてもお守り等を買ってくれる妖怪はほとんどいない。

 

 「しっかし……あの子は何処まで成長するんだろうねぇ……」

 

 すでに点よりも小さくなった緑を眺めながら諏訪子はしみじみと呟いた___

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___で、霊夢。陰陽玉とか無いか?余ってて使わないようなやつ」

 「……随分突然な要求ね」

 

 絶対薄すぎるであろうお茶を飲んでいた霊夢が濃すぎたお茶を飲んだ様な顔をした。

 

 「でも使い魔って……本当にあの土着神の言っている事が正しいのかしら?」

 「いや、分からん。言ってしまえば自信無い」

 「考えてから動きなさいよ……まるで魔理沙だわ」

 

 そこまで言うとそのまま湯呑みを一気に傾け、香りがするお湯同然のお茶を一気に飲んだ。それ美味しいかい、霊夢よ。

 

 「まあ、前回のソウメンの件もあるし……分かったわ。ただし、全く使ってないから動くか動かないかは分からないからね」

 「それでも恩に着る。ありがとう」

 

 そう言うと霊夢は湯呑みを側に置いて縁側から神社に入った。廊下への襖を開けたときに手招かれたのでついていく。そこまで長くない廊下を歩き、奥の全く知らない部屋を霊夢は開けて入る。

 

 「ここらの……これ、この箪笥の中に入ってる筈よ」

 

 と、古い年代物の箪笥を指差す。上には大小様々な箱が積まれており、真ん中ぐらいに積まれた箱からは一本の銀の針が飛び出ていた。管理ちゃんとしろよ。

 

 「細かい管理はしてないけどある程度整理はたまにやってるわよ?仮にも退治道具をしまう場所だし」

 「お前何故心を読めたんだよ。と言うかお前は危険物が危険な状態になっていても二の次にするのかよ」

 「めんどくさいからね。心なんて上の方を見れば丸分かりよ。文章に出てるんだし」

 「……最近無いと思っていたがここで出てくるか、メタ発言」

 「博麗の巫女に不可能は無いわ」

 

 不可能は無くてもモラル辺りは知っていただきたかったが、俺の頼みを聞いてくれているのだ。文句など言える立場じゃない。仮に言ったら豊富にある退治道具で滅されそうだ。

 

 「取り合えず良さそうなのがあったら貰ってくよ」

 「お好きなように、私はお茶飲んでいるから終わったら呼んでね」

 

 と、言い残して霊夢は去っていった。またあのお茶(の風味がするお湯)を飲むのだろうか……今度はお茶を贈ってあげよう、うん。

 

 「さーて、ここに入っているのか……」

 

 ガッ、と開けるとそこには色とりどりの陰陽玉が陳列されてました。

 

 「……いや、いくらなんでも多すぎだろ」

 

 臨場じゃない数に呆れもしながら一つ一つ見ていく。と言うかここまで必要なのだろうか?あ、そう言えば投げつけて攻撃もするから必要だったな。……でもこの量が果たして持ち運び可能なのだろうか?絶対かさばるだろこれ。

 

 「それじゃあ……この白黒を……」

 

 不意に魔理沙の姿が思い浮かぶカラーの陰陽玉を手に取る。野球ボールぐらいの重さだ。

 

 「霊夢ー!どうしたら動くんだー?」

 

 シンと一瞬静まってから、

 

 「霊力込めてから宙に放り投げなさいー!」

 

 と、返答が飛んでくる。

 

 「よし、それじゃあ……ほらっ」

 

 指示通りに霊力を込めてから宙に放り投げる。陰陽玉は宙に浮かんだ後、重力に引っ張られ……

 

 「痛ぁ!?」

 

 ……足に不時着した。

 

 「痛……何でだ?」

 

 俺の足に落ちた少し憎たらしい陰陽玉を拾い上げる。手のひらでフリーホールを繰り返すがウンともスンとも言わない。仕方なくそれをしまう。

 

 「それじゃあ……せっかくだから俺は敢えてこの赤色を選ぶぜ!」

 

 何処かの銃を思い浮かべながら手に取る。この陰陽玉、色以外違いがいまいち分からない。

 

 「こいつは……ほっ」

 

 霊力を込めてさっきの二の舞にならない様に少し遠くに投げる。

 

 「……おお!」

 

 見事に浮かび上がった陰陽玉を見て少し感動する。なんか自分で作った紙飛行機がかなり遠くに飛んでいった時と同じ嬉しさだ。

 一定距離を保つしこれは成功«チッ!»……チッ?

 

 「……!」

 

 頬に汗が流れたと思って指で液体を取るが取れたのは赤色をした鉄臭い液体、血だった。

 

 「これは……」

 

 陰陽玉は込めた霊力が少なかったのか既に地面に落ちていたが反対方向の箪笥には赤い霊力でできた針が突き刺さっていた。

 

 「……こいつも駄目……と」

 

 ……無かった事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「だーっ!良いのが見つからん!」

 

 様々な陰陽玉を確認したがどれもよく分からない(もしくは危険な)ものだった。

 一番謎だったのがなんと陰陽玉が猫に変わったのだ。トランスフォームだ。早苗が見たら喜ぶのは間違いないだろう。

 

 「……やっぱり専門家に聞いた方が良いのかな?」

 

 結論から出すと初心者が下手に手を出して良い代物ではない。霊夢に聞くのが最善の選択肢だろう。俺だってまだ針で串刺しにはされたくない。

 

 「よし、霊夢の方に…«ゴトッ!»…あれ?」

 

 部屋を立ち去ろうとすると数本の針と共にガラスの様に透明なボールが出てくる。サイズは明らかに……

 

 「……陰陽玉…だよな……?」

 

 透明な中に白い模様がついており、陰陽玉の模様にそっくりだった。何故こんなものが出てきたのだろう……

 

 「……なるほど」

 

 先程気になっていた針の飛び出ていた箱に穴が空いていた。それで針と共に出てきたのだろう。危ないな……

 

 「……こいつも持っていってみるか」

 

 どうやって使うのか聞くためにその陰陽玉を持って霊夢のもとに歩いていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……何これ?」

 「調べてたら出てきたんだが……」

 「そんな物あったっけ?大抵赤とか青しか使わないからね……」

 

 本人も知らなかったらしく聞いたら逆に聞き返された。

 霊夢はそう言うともうお湯だろと突っ込みたくなる薄さのお茶を飲む。

 

 「霊力を込めて……こうで良いんだよな?」

 

 そう言いながらポイと宙に投げる。すると……

 

 「!?」

 「な…何よこれ?」

 

 宙に浮かんだ陰陽玉は赤い火を放って浮かんだ。驚いて少し距離を取ると陰陽玉もついてくる。見た目はまるで……

 

 「……狐火ね」

 

 霊夢がそう突っ込む。見た感じが妖怪っぽくなったがこれで何か銃が無い間は手助けになりそうだ。

 

 「それじゃ、これ貰っていって良いか?」

 「別に問題ないわよ」

 

 簡素な返答が帰ってきたが有り難うと返して家に飛んでいった。

 

 

 

 

 念願の使い魔を手に入れたぞ!




 最近、ややスランプっぽい感じがします。何かグダグダな感じがするんですが……気のせいだと良いんですけど……いったいどうなることやら(まるで他人事)。

 そんなこんなで緑の新武器が出ましたー、うわーい(嬉しくなさそう。

 後、新キャラを考えていたりとしています……が、出そうか出さないかの境目をうろうろしてます。紫!助けて!

 色々と書きましたが、次回も宜しくお願いします!

 感想、批判、アドバイス等宜しくお願いします。





 そう言えば今日はろうそく出せの日なんですが誰も来ていませぬ……
 何故か狐火を周りに出しながら近所を歩き回る緑の図が浮かび上がった……誰か絵に描いてくれぇ!(無理
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