東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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【千切れた幻想日記】紅霧異変EX(紅魔館) 後編

 オリジナルの魔法に必要な魔力等を貯めきった状態で呟く様に唱える。

 その時、辺りに降り注いでいた弾幕が突然消える。

 

 「……時間切れかぁ。じゃあ、これでどう!?」

 

 時間切れでスペルカードのが終わった直後にもう一枚宣言する。

 

 「___秘弾『そして誰もいなくなるか?』 」

 

 

 フランが宣言した途端にフランの妖力が異常な程低下して……消えた。

 

 「なっ!?どこいった!?」

 『……ここだよ?』

 

 声のした方向を横目で見ると弾幕を発生させる魔法陣が浮いていた。オマケに少しずつ此方に寄ってきている。

 

 「……予定とは違うけどまあ、良いか?……来い!使い魔!」

 

 そう大声を出すと遠くから使い魔が戻ってくる。いい加減こいつの呼び名を考えんとな。『使い魔』ばっかりじや可愛そうだ。

 使い魔を目の前に浮かせて魔力を込めながら自作の魔法のスペルカードを宣言する。

 

 「陽 水+日符『狐の天気雨』!」

 

 魔法と言ったら英語なのに漢字バリバリなのは自分の悪い癖。とか変な解説が入ったが、使い魔を上に打ち上げて魔法の雨を降らせる。この雨は弾幕を消せるけど何故か濡れない水なのだ。迫ってくる弾幕を雨で消していく。

 

 「……!こいつのまだ追ってくるかよ!」

 

 消しても更に発生して狭い廊下を飛んだり走ったりとして迫る弾幕を避け、ピンチになったらスペルカードを発動させて切り抜けて行く。

 

 『……それじゃあ、次行くよ!』

 

 迫る弾幕が消えたと思うと弾幕が辺りを囲んで一斉に迫る。

 

 「……囲んでやるスペルカードは俺の銃を使った十八番技だったんだがなぁ……っ!」

 

 隙間に無理矢理体を通して迫る弾幕を避ける。

 

 「無理……だったら!」

 

 抱えた本を開いて唱える。使い魔はそれを察して自分から戻って来た。結構賢くて良いやつだな。

 

 「……陰 水+日『狐雨の土砂崩れ』!」

 

 宣言すると、後方から雪崩の様な勢いで土や水が流れて周りを囲む弾幕を全てら押し流した。

 流して弾幕を無力化した事は良いんだが……あの方向だと……!

 

 「……不味い!?」

 

 場所を意識し忘れていたので弾幕が流れる方向を意識していなかった。流した弾幕の向かう方向は妖精や小悪魔達の居る図書館の方角だ。

 フラン対策はされてあるのだが、あの量の弾幕では意味が無いだろう。

 自分の行動に後悔しながら流してしまった弾幕を止めよう。と思い、刀を取り出して止めに向かおうとした___その時だった。

 

 「……弾幕が……止まった?」

 

 弾幕を流している水が途中で止まったのだ。まるで壁があるようにピタリと止まっている光景を見ていると俺はある物に気がついた。

 

 「____簡易結界、張らせて貰ったわ」

 「ったく、魔法使いなら自分の魔法の考慮ぐらい頭に叩き込んどけよな。私みたいに」

 

 何時も聞いている声が廊下の四方に貼られた札を見ていた俺の耳に届いた。

 

 「……霊夢…?魔理沙……?」

 

 スペルカードで姿を消していた筈のフランが駆けつけたらしい二人と俺の間に立っていた。

 

 「咲夜から聞いたのよ。妹様と緑が戦ってるから来い。みたいな事を言われて飛んできたのよ」

 「おう、緑が魔法大会、フランが弾幕大会を開いているって聞いてな」

 

 魔理沙はちょっと違う事を言っているがスルーする事にした。

 

 「……初めて霊夢と会った時、初めて人間と弾幕ごっこをやった時、あの時私は負けちゃったけど…凄く、とっても楽しくて嬉しかった……」

 

 フランが下を向いて突然話始めた。突然だったので俺はどうすれば良いか本気で悩んだ。

 

 「……あの日、神社に来ちゃ駄目って霊夢に言われたけど、何時かまた遊びに来てくれる。弾幕ごっこができると思ってずっと、ずっと地下で待っていた……でも来なかった」

 

 霊夢の表情が僅かに変わる。

 

 「魔理沙は何時か遊びに来てやるって言ってくれたけど、何時もパチェと遊んでばっか。つまんない」

 

 魔理沙は苦そうな顔で髪を掻いた。

 

 「……何時も何時も、皆は私を置いてどっかに行っちゃうの。パチェも咲夜も、お姉さまも私の事を何とも思っていない。毎日毎日、世話が飽きた魚の棲む水槽に餌入れる。そんな程度の関わりよ」

 

 徐々に鼻をすする音がいつの間にかしゃがみ込んだフランから聞こえた。

 

 「最近、また異変を起こして楽しい事をやっている。なのに私には仲間外れだわ!お姉さま達だけで、霊夢や魔理沙達で楽しそうにして!」

 

 遂にフランは小さく声を出して泣いてしまった。魔理沙が目で『どうすれば良い?』と聞いて霊夢が『知らん』と目で返しているが、気にせずフランの側に歩き寄ってしゃがんでフランの肩に手をのせる。肩も小刻みに震えていた。

 

 「……なあ、よく聞けよ。その異変は本当はフラン、お前の為に起こした異変だったんだ」

 「……え?」

 

 「!?」

 「なぁ!?」

 

 フランは紅い目を真っ赤にしながら此方を覗き込んでくる。霊夢達が驚いているようだが気にせず続ける。

 

 「あの時、紅い霧を発生させた理由はレミリアがお前が外に出れるようにして喜んで貰いたかったからだったんだよ」

 「……お姉さまが……?」

 「ああ、レミリアから直接聞いてきた」

 

 レミリアと会った時に俺はその事実を聞かされたのだ。その時は魔理沙達と同様に酷く驚いたが、確かに二度も同じ異変を起こすのは何か理由があったからだ。幽々子達との件が良い例だ。

 

 「……ダウト。そんな事ないわ。だってお姉さま達がそんな事をやっている筈が……」

 「……お前は何で悩んでいる事と苦しんでいるのを自分一人だけの事だと思っていたんだ?」

 「……ふぇ?」

 

 突然の質問に呆気を取られたのか、情けない様な返事が返ってくる。

 

 「レミリアは今言った通り、お前を喜ばせたかったんだ。咲夜は何時もお前が喜んでくれるように飯を一生懸命作っていた。パチュリーは……この間こっそり机を見たんだが、お前の情緒不安定を治す魔法とかを探していたんだ。小悪魔は『皆戦っている』って言っていたが、お前が今まで必死に悲しさや狂気とかと戦っているって意味もある。美鈴はお前が毎日楽しくやっていく姿を楽しみにしていたし、何時も望んでいたな。この間寝言で頑張れ頑張れ言っていたが恐らくお前に対してだろ」

 「……え…え…」

 

 紅い瞳を少しずつ水が___涙が包んでいった。

 

 「……俺の本来住んでいた場所じゃ、お前みたいな年齢だったら『友達百人出来るかな♪』なんて言っているのに辛いだろ?だから___」

 

 続ける言葉を良く良く考えるとかなり恥ずかしい物だったので少しひねくれた様に言う。

 

 「___魔法を使う妖狐か、小規模な神様やってる白狐。どっちかをお前に紹介してやる」

 

 笑顔を作ってそう声をかけるとフランは「うぅ……」と声を漏らして、

 

 「うっ…うわあああああああああぁぁぁぁぁあああん!」

 

 首に手を回して抱きつき、今まで寂しさの中堪えていた涙を全て流すように館に大きく、幻想郷に響く声で泣いた___

 

 

 

 

 

 「……私たちは不要の様だぜ?」

 「……そうね。それにしてもアイツらしい方法で解決したわね」

 「アイツらしい……ねぇ、本来は神と悪魔は対立するもんなのにな」

 「アイツは只の神なんかじゃない。自称でも小規模なんかじゃない。だってアイツは___」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___様々な種族だろうと相手を幸せにする。言ってしまえば幻想郷の幸せの神様___それが今のアイツなのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……さて、言いたい事は?」

 「……いえ、むしろ言われる立場です」

 

 フランの件を解決後、案の定パチュリーに呼び出された。やはり勝手に魔道書を持ち出したからだろう。

 

 「……私は勝手に魔道書を使ったら此処から出ていって貰うって言ったわよね?」

 「……はい」

 

 正座してるお陰か、パチュリーの威圧が凄い。蛇と蛙、神奈子と諏訪子だ…ってあれは例えにならんな、蛇に対して蛙の方がフリーダムだし。

 

 「……私は確かに言ったから少しもったいないけど、仕方ないわね」

 「う……」

 

 

 「……合格しちゃったから卒業して出ていっちゃうのは……ね」

 

 ………

 

 ……

 

 ……へ?

 

 「え?え?え?」

 「言ったわよ……

 合格、

 卒業、

 さようなら」

 

 なんで三行に纏めたか不明だが理由はもっと不明だ。

 

 「……貴方の頑張りを見て不合格にする奴が居るかしら?それも、私達の願いを危険な事をしてでも叶えてくれた奴に」

 「……」

 「?どうしたのかしら?」

 

 ……もう、我慢の限界だった。

 

 

 

 

 

 

 「……パチュリー先生ええぇぇええ!!」

 「きゃあ!?」

 

 何時もは暗い図書館は今日だけ楽しげで騒がしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紅魔館。自然と存在する館は夏の日青い空の下でも、差しの中でも自然と建っていた。

 

 「おーい、やって来たぞー」

 

 「あっ!……ごほん、やっと来たわね、緑」

 「いらっしゃい、呼んだ通り来たわね」

 

 大広間に繋がる扉の前で咲夜と珍しくレミリアが待っていた。

 

 「さって……と。って、魔理沙…お前、いつの間に……」

 「なんなのぜ?お茶会開くと聞いて遥々やって来ちゃ駄目なのか?」

 

 扉を開けて入ると小悪魔とパチュリーと何故か魔理沙が座っていた。

 

 「あ!緑だーっ!」

 「お、フラ…グボハァ!?」

 

 不意に溝に飛んできたフランに抱き締められながら一瞬、生と死の境界を見た。気がした。

 

 「はいはい、レミリアお嬢様、お席に着いてください。フランドールお嬢様、緑が死ぬ前に席に着いてください」

 

 「分かってるわよ」

 「はーい!」

 

 フランが咲夜に手を上げて返事をした時、やっと溝に掛かった圧力が消える。もう少し遅かったら水揚げされた深海魚の様になっていただろう。

 

 「……って!?咲夜!?鼻!鼻血!」

 「あ、大丈夫。嬉し鼻血だから…ズズ……」

 「何その新単語!?そしてフランも笑顔向けただけだろ!レミリアも笑顔で返事しただけだろ!?お前にはそれが致命傷か!?」

 「……愛は、命より重いのよ」

 「このロリコン虚弱粘膜メイドめ……」

 

 加速するメイドの不治の病を少し不安に重いながら俺も席に着いた。

 

 「はい、緑。今日はアップルティーよ」

 「どうも」

 

 そんな感じで咲夜が紅茶を配り終わった時に隣の席のフランが此方に身を乗り出した(咲夜は既に鼻血が止まっていた。ある意味立派な粘膜である)。

 

 「はい!これあげる!」

 

 身を乗り出して渡してきたのはサブトンの様な形のクッキーだった。

 

 「はい、あーん」

 「……何だって?」

 「あーん!」

 

 いや、何そのカップルとかが喜んでやりそうな謎行為は。

 

 「ちょっと!フラン!何やってるのよ!」

 

 ガタッとレミリアが席を立ち上がる(今ので俺と小悪魔の紅茶が1/3溢れた)。

 

 「何もあーんでしょ?」

 「あんたねぇ、意味もわかってないのにやろうとする事じゃないのよ!」

 「じゃあ、お姉さまはやった事あるの?」

 「うっ……や…やる予定よ!」

 

 変な無茶しやがったぁ!?と言うかなんで変な方向に会話が行ってるんだよそれ以前にこの小説そんなのはまだない筈だから……

 

 「お姉さまだってやってないじゃん!じゃあ、私がやる!」

 「妹の癖に言うわね……貴女なんかじゃなくて私がやってやるわよ!」

 

 「やっぱ軽い気持ちで来るべき場所じゃねーな!?」

 

 フランが立ち上がり弾幕ごっこが始まりそうな中、魔理沙が笑いながら言ってくる。

 

 「なんだなんだ、遂にハーレムか?」

 「うるさい、タグ見ろよ白黒本泥棒」

 「……怒り方があんまりだぜ」

 

 

 

 何処までも青い空の下の紅魔館。

 

 去年と同じ様な日射しだが昔とは違い、騒がしさと賑やかさ、そして楽しげな声が異常に中の広い館に溢れていた___

 

 

 

 EX Good End




 文字数ギリッギリ!


 上手く書けたか不安な感じですがこれでEX編は終わりです。

 最初はこの小説、事故満足(誤字にあらず)の練習のつもりだったのが最初でここの辺りで終わりのつもりでした(様々なサイトで書いてるのもそれが理由だったり)。
 でもやっぱり書いていると楽しくて、計画やふせんを立てて後からどのタイミングで回収するか考えると楽しくて仕方ないのです。

 何が言いたいかと言うと、これからも宜しければ東方の幻想日記を宜しくお願いします!

 感想、批判、アドバイス等宜しくお願いします。
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