何時か自分専用のスペック高いPC買って、それで小説を書きたい……なんで4000字しか書けないねん……
それでは、どーぞ!
あの事件から次の日。
あの後に解明した事は諏訪子と神奈子、あの時の二柱の日本を代表する神様はあの後散々探していて、しばらくしてから戻ってきた事(無駄な心配かけたと神奈子に叩かれた)。向こうの武器のやり取りは現実で、刀が無い代わりに弓矢があった事。そして……
「お前なんだよな……」
「?」
この俺の使い魔と名乗る謎の九十九神だった。
「……さて、まず聞きたいんだが、お前は何て言うんだ?」
座布団に胡座をかいて手の杖に頬を乗せて尋ねる。この九十九神らしき少女はちゃぶだいで足をパタパタ動かしながら答える。
「えーと……つかいま!」
「あー、そうかそうか、それは二回以上聞いた。聞き方がアレだったな……名前とかあるのか?」
元気に答えられて少し困る。間違っちゃいないが、そんな返答が来るとは思わなかった。
「うーんー? まだなづけられて、いないから、ない」
コイツは俺の使い魔と名乗っている。本当だと(今のところ信じきれていない)確かに名付けようとは思ったが、名付けていない。
「名前かぁ……」
そう言うと俺は少し唸る。そして、
「……じゃあ、名前をつけるか?」
どうせ俺に付いてくるのだろう。だとしてもしなくても名前が必要だ。この使い魔と名乗る少女はうん。と頷いた。
と、言ってもそこまでセンスの無い俺だ。深い意味を持った名前なんて到底思い付かない。犬にポチ、猫にタマが普通と思っていたし。
「やっぱ、見た目から付けるかなぁ……」
まず目に入るのは狐の耳に結構大きめな尻尾だ。そして茶色い髪の毛。赤い目。そして何よりとても小さい。陰陽玉レベルだ。
「……」
小さい……かぁ……そう言えば、日本のとある伝説で何か小さい種族の話を聞いたっけな……確かその種族の名前が……
「……『コロ』……とか?」
かなり安易な名前である。と言うか元ネタと繋がっている部分はその種族とこの子が小さい事だけで、耳と尻尾は無関係である。
「……いや、やっぱり違うのが…「それ、いい」…はい?」
違うのが良いんじゃないか。そう言う前にこの子の言葉が遮った。
「コロ、いい。とっても、とっても、いいなまえ!」
「は、はぁ……」
目を輝かせて安易と思われる名前に賛成する少女。良いのかと頭をポリポリと掻くが、遂には自分から名前を楽しそうにいい始める始末だ。
「……まあ、お前が喜ぶんなら、それでも良い……のか?」
こうして、使い魔と名乗る少女の名前はコロになりましたとさ。
……もうやだこの自分のネーミングセンスの無さ。
___午後。
太陽が一番上まで登りきった頃、俺は茶を飲みながら縁側をでゆったりとする老人の様な事をしていた。
因みに、問題のコロは適当に置いておいた魔道書を楽しそうに読んでいる。あれ、そこまで面白いかねぇ……
再び、数口お茶を飲んで口を潤した……その時、家の前に見覚えのある人影が空から降りてきた。
「……珍しいな、霊夢。お前から来るとは」
「何よ、来たら駄目な訳?」
「誰もそんな事言ってない。そのつもりなら既に門前払いしてるから」
霊夢の顔がムッと文句を言いたげな顔になったがお茶を飲んで見なかった事にする。至近距離で覗き込むようにその顔で見てくるが見てない、見てない、見えてる、見てない。
と言うか、なんで霊夢は見てくる……あ、そうか。
「……湯呑みならここにあるぞ?」
「やった、ご馳になりまーす」
……切り替え速いな。まあ、この前の出来事をズルズルと残さない事が彼女の良さでも(悪さでも)あるが。
「~♪……え。何これ」
湯呑みを手に取った霊夢の手が止まる。俺も霊夢を見て、その視線の先を見る。
「……あー、そう言えば初対面だったな」
霊夢の目線の先はコロだった。確かに、初めて見ると結構驚くよな。狐耳生やした小人みたいな九十九神だなんて。
そんな感じに勝手に納得しているとコロが霊夢の視線に気がつき、見上げる……が、
「! みこ、こわい!」
悲鳴に近い片言を残して俺の後ろ、正確に言えば尻尾の影に隠れた。と言うか埋もれた。
「……なんか私、初対面で嫌われてるんだけど……あと、こいつ誰?」
霊夢が湯飲みを持ちながら顔を引き吊らせている。初対面で確かにこれは訳がわからないだろう。俺も分からないし。
「おい、コロ。何でそんなに恐怖心を抱いてるんだよ」
「……みこ、はりいっぱいのはこ、コロいれる。いたい、こわい」
……成る程ね。
どうやら、コロは霊夢の倉庫に居た頃の記憶とかも有るらしく、その時の霊夢の管理の仕方がアレだったのですっかり恐怖心を抱いてしまった……と。そう言えば、コロを見つけた時も針の入った箱から飛び出したんだもんな。
「ほら、道具は大切にしないと怖がられるぞ?」
「いやいや!まずそれが誰なのか教えなさいよ!」
そう言いながら霊夢は湯呑みに茶を入れる。聞くか飲むのかどっちかにしてほしいが、取り合えず俺はコイツの事について説明するのだった___
「……はぁ、よくわかんない所があるけど、多分その使い魔をそんなことに使ったからだと思うわ」
「ですよねー。まあ、結果的には話し相手が出来たんだがな」
神無月の出来事をある程度説明し終わった頃、霊夢が唸りながら結論付けた。確かに、あれしか原因が思い付かない。
「……」
不意に霊夢がお茶を飲む手を止めて、お腹の辺りで両手で持って止めていた。
「……どうしたんだ?」
そう問いかけるとまるで決心したかのように息をついた。
「……緑。話があるわ」
「……?」
湯呑みをコトッ、と置く音がしたと思ったら霊夢が此方を真剣な目で見てくる。思わず唾をゴクリと飲み込んでしまう程だ。
「……いきなりだけど、名前ってどれだけ大切か知っているかしら?」
「名前?」
確かに、名前は自分がどの家系の者なのかを示したり、名前で権力を示すのもあるのだ。名前はとても大切な存在であるだろう。
「家系とか、身分とか考えていると思うけど、そんなものじゃないわ」
自分の考えが意図も簡単に読まれ、崩された瞬間だった。ガクッと肩を落とすと霊夢はヤレヤレと言わんばかりに溜め息をつく。
「名前は大雑把に言うと『自分の存在』を表すのよ。つまり、名前が無いものは生きて行くことが出来るかどうかじゃなく、存在出来ないのよ」
しかし、霊夢の言っている事はまるで自分の名前が無いと言っている様なものだ。霊夢を見ると考えている事はお見通しのようで、こう続けた。
「貴方は名前を失ったのよ。幻想郷に来た時の貴方を思い出してみなさい」
「……!」
確か、守矢神社に倒れてて……名前を聞かれて……思い出せなくて、そして紫が俺の名前を決めたんだったっけ……?
その辺りはまるで記憶から無理矢理隠されていたかのように忘れていた。しかし、少しでも思い出すと一気に思い出せた。
「……」
「名前が無い者は改めて名付けられると完全に『それ』になるのよ。八雲緑。それは幻想郷で付けられた幻想郷内だけの名前よ。だから貴方は本来持っていた筈の外の世界での名前を失っていた為、あんなこと___突然幻想郷に戻された」
……確かに、今まで完全に『緑』としてやって来ていた。名前を名乗るときも『緑』と名乗ってきた。仮に名付けられた事も、名前を忘れた事が無かったようになっていた。
「……なあ、分からない事があるんだが、それを教えに来た理由は何だ?」
一瞬、風が木を揺する心地よい音が聞こえるほどの静寂が訪れた。
「……私は『博麗の巫女』よ。役目は幻想入りした外の人間を送り返す事。だけど、送り返す事が役目であって帰るか残るかは私の役目じゃない。本当は私としては黙っておくべきだと思っていたけど、博麗の巫女として言っておくわ」
「……だが、名前が無いと___」
「___消える。あの時は仮の身があったから良かったけど、今度こそ何も無くなるわ」
そこまで言うと一区切りついたのかお茶を飲み始める。俺も飲もうとしたが、すっかり手の中で秋風のせいで温くなっていた。
「……なあ、もし俺の名前が分かったとして、お前は俺にどうしてほしいと思う?」
すると、ピタリと霊夢の手が止まった。
「……言ったでしょ。私はそんな事に口を挟むつもりはないわ」
霊夢は下を向きながら何時もよりトーンと低い声で返事して来る。そこからは俺も霊夢も無言でお茶も飲まずに秋の風景か、虚空を見続けていた。
……気まずい。本気で気まずい。
誰かこの空気を跡形もなく消してくれと願いながら先程の発言を後悔していると、意外な場所から助け船がやって来た。
「りょく、しろと、くろいおきゃくさん、きた」
コロがそう呟いたのが耳に入った直後、目の前を風が___黒い風が通りすぎて行った。
「大変だ! 緑! ……って!? 霊夢! こんな一大事なのになんで呑気にしているんだぜ!?」
やけに焦った黒い風___霧雨魔理沙は箒に又借りながら大声を出してくる。
「妖怪共が人里に攻めてきた!どうも知能の低い奴等だから話し合いも弾幕ごっこも通じやしない! 襲う気だぜ!」
「何ですって!?」「何だと!?」
ぴったりと声を重ねながら即座に立ち上がる。霊夢は袖から何時もより小型のお祓い棒を取り出して片手の上で軽く回す。恐らく臨時の時用なのだろう。
「……コロ。お前は使い魔に戻ったりできるか?」
「つかいまにも、なれる。コロにも、なれる」
そう言うとコロは透明な陰陽玉になった。それに妖力を込めて近くを飛ばさせる。そして開きっぱなしな魔道書を片手に持つ。
「……!そうだ、弓があったな」
「緑! 急がないとタクシーに置いていかれるぜ!?」
「今行く! ってか、なんでタクシーなんか知ってるんだ?」
箒に又借っている魔理沙の後ろに急いで飛び乗る。後ろに霊夢が横向きに座った。
「さあ、落ちないようにしろよな! 勝手に落ちた奴を拾うほど私は優しくないぜ!」
「お前も俺たちを落とさない程度に、最高速度でな!」
魔理沙の箒に乗り、文字通り、ほうき雲を残しながら人里に飛んでいった___
書き方少し変えてみましたー全く違いわかんねぇ……
完全に余談ですが、コロの元ネタはアイヌの伝説にある『コロポックル』から。そう言えば、サ●パルに居るスライムのキャラクターの名前の元ネタでもあったんですね(絶対理解されない発言)。
そんなこんなで、今までストーリーの浮き沈みがアレだったので沈ませたり(極端)。
あと、次からまたまた番外編を考えています。同時進行なので適度なぐらいにお楽しみに。
感想は作者の燃料に、批判、アドバイスは作者の有難い薬になります(謎の台詞が今ここで出来ました)。