東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 番外編っ!何時もこのシリーズを書き込む時(番外日記)、タイミングが良いのかいまいちわからないんですよね……完結したらまとめようかなぁ……?

 そして、予約投稿しようとしたらミスったよ! バッカジャネーノジブン!

 あと、今回は特別で一話のみです。

 それでは、東方の番外日記をお楽しみくださいな。


【走り書きのメモ】東方の番外日記その三

 

 ~千切られる幻想日記(紅魔郷EX編のED前)~

 

 

 

 

 

 

 ___夏。

 

 そろそろ秋へ入るというのに吹いてくる風も未だ夏っぽい青臭さの多少混じった香りがし、日射による暑さは未だ健在で、山の方で鳴くアブラゼミの鳴き声がこの暑さを1,5倍にしていた。

 

 「おー、イテテテ……ぐわーっ」

 

 縁側に寝転びながら誰もいないのに声を出す。この間に起きた事件のお陰で体は毎度お馴染み筋肉痛。オマケに腕やら腹やら熱を持った腫れが出来てそこからジワジワとした痛みがあるわ、頭が何故かガンガンと痛いわで歩くことすら容易ではなかった。小悪魔曰く、薬の痛み止めが効く前に暴れるから変な作用が出ただそうだ。完全に自業自得。と言うか、それなんて薬?

 

 「ぐむむ……いい加減に飯作らないと飢えて死ぬ……その前に水分取らないと干からびて死ぬ……」

 

 まさに満身創意だった。体力も、空腹とかも。

 

 「……まさか、咲夜に様子はある程度聞いてたけど、そこまで瀕死だったとは……」

 「ぅんー……?」

 

 体力が現在、RPGで言うHPの数字が一桁程度しか無い状態な為、返事とかそんなものではなく只の呻き声みたいな声が出た。

 そんなことより、振り向いた先には事件の原因である吸血鬼の姉、レミリアが日傘を差しながら縁側に座っていた。

 

 「うぉいー…不法侵入だろぅ……」

 「いやいやいや! そんな事よりなんか意識が途切れかかってない!? そこまで酷いの!?」

 

 まあ、ざっと2日食ってない気がする。我ながら凄いな、今体重計乗ったらどうなるんだ?

 

 「こんな時に体重計とか呑気な事考えてないでしょ! と言うか目を瞑るな死んじゃうじゃない! と言うかフランもいい加減に出てきなさい!」

 

 何かカリスマより何処かの忙しい母親みたいな雰囲気を出しているレミリアが茶の間の奥に向かって言う。

 

 ……あれ、フランも?

 

 「……」

 

 おぉ、台所の方を見たら普通に居たわ。と言うかお前も不法侵入……

 そんな考えより、何故かフランは部屋の隅でソワソワした感じであちらこちら見ている。なんと言うか気まずそうな感じにその場に立っている。あ、おま、土足で畳はヤメテ。

 

 「うがーっ! 何でこうなるのよ! はい、緑、差し入れ! さっさと食べなさい! フラン! 貴女の意思で来たんだからしっかりしなさい! そして___」

 

 レミリアはそう天に叫ぶと俺の目の前にさっきから片手に持っていた箱を目の前に小さく投げる。そのまま、今度は家に乗り込んでフランの手を掴んで連れてこようとし始める。

 

 ……本当に大家族の母親みたいに忙しそうだな……咲夜に負けず劣らず大変そうだ。

 

 ……とか、そんなしょうもない感想を目の前に置かれた白い紙製の箱の上に手を乗せながら思っていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……ご馳走さまでした。いやいや、本当に助かったよ」

 「わざわざ会いに来たと言うのに客を置いて無縁塚に行っちゃうのは勘弁だわ」

 

 瀕死だったのも今では数分前。現在はレミリアの持ってきたカスタードタルトを二切れ頂き半分ぐらい復活した。因みに、咲夜が腕をかけて作ったカスタードタルトはちゃんと作られていた。咲夜が作っている前提で『ちゃんと』とは何かと問われると思うが……ほら、紅魔館の料理って大抵アレ入ってるだろ……アノ肉が。

 

 (……なぁ、レミリア)

 (……分かってるわよ。フランの事でしょ)

 

 ちゃぶだいを三人で囲んでいるが、フランが下を向いてフォークでタルトの欠片をカツカツとつついていたので俺とレミリアは出来るだけ隣に移動して小声会議を始めた。

 

 (あんなに落ち込んでいる理由は知ってるのか? あ、あとコレの作り方教えてくれないか?)

 

 (それはもちろん知ってるわよ。落ち込んでいるってより悪く思ってるんだけどね。 そんな事は咲夜に聞きなさいよ。私は作ってないもの)

 

 (悪く思ってるって何でだ? だって咲夜に聞きにいったら門前払い喰らいそうだもん)

 

 (貴方にお礼を言いに来たのよ。貴方のお陰で寂しくて独りぼっちだったフランを助けてくれたじゃない。 だったら諦めて館に遊びに来れば良いじゃない)

 

 (そんな助ける程の事をやったつもりじゃ無かったんだがな…… あ、それだけは勘弁)

 

 (貴方はどれだけ私を避けようとしてるのよ……)

 

 変な会話が混じっている小声会議だったが、どうやらフランは何かを悪かったと思っているらしく、そのせいでこんな感じらしい。吸血鬼でもちゃんと感情は持ってるんだね。

 

 (……取り合えず、自然と接してフランの思ってる事を聞いてみる。 あ、お茶はどうする? 飲むか?)

 

 (ええ、分かったわ。お願いね。 紅茶をお願いするわ)

 

 (家、紅茶置いてないんだが……)

 

 よっこいしょ。と声を出して(レミリアに隣から『おじさん臭い』と突っ込まれた)台所に向かう。が、途中で振り替える。

 

 「……フラン、何か飲むか?」

 「……いや、別にいいわ」

 

 ……これはある意味あの事件より解決が辛そうだな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……」

 

 (……駄目だ、まるで進展が無い!)

 (と言うか、むしろダークサイド側に寄っている……!)

 

 暗いフランを前に二人で第二回小声会議を始める。

 

 と言うか言っちゃ悪いが、こんな悩みの無さそうな無邪気な感じの子がこんなに責任感じて暗くなるものなのかねぇ……

 

 (……問い出す処か溜めちゃってるんじゃ無いかしら……?)

 

 溜めてる。ねぇ……別に本人が目の前に居るんだし、打ち明けても良い気がするんだがなぁ……誰も怒鳴ったりする奴は居ないし……ん? 俺に打ち明けるつもりで……レミリア?

 

 (……なぁ、レミリア。暫く席を開けてくれないか?)

 

 (はぁ!? 何でよ!)

 

 (此方にも作戦があるんだよ。だから地下室があるからそこに隠れててくれよ)

 

 (あんた、何で和風な家に地下室があるのよ……)

 

 此方にも趣味があるんだいっ。と、言うわけでレミリアにはログアウトして頂いた。と言うわけで……

 

 「……ほら、フラン。言いたいことがあるんだろ?」

 「……うん」

 

 フランはやっと小声で返事をした。流石に人前じゃ話したく無かったんだな。やはり人っぽいな……

 

 「……」

 「……ほら、俺は何も怒らないぞ? それに確かに今は神様だが元は人間だ。祈ったり考えてても口に出さなきゃ相手には伝わらないぞ?」

 「……」

 

 駄目か? そう思っていたが、フランはやっと此方を真っ直ぐ見てきた。瞳の紅い部分が泣き目なせいで更に紅くなっていた。

 

 「……ごめんなさい」

 「いや、それに関しては気にしてないよ。むしろ友達が増えたから嬉しいさ」

 

 俺はそう言って笑って見せる。

 

 「……でも! 私は緑を傷つけちゃったし、殺そうともした! ……なのに友達なんて言えないわよ……私だって友達として仲良くしたい! ……でも…でも……ぅ……うぅ」

 

 やっと考えていた、悩んでいた事を代々聞くことが出来た。悩みを一気に打ち明けた反動か、フランから涙が一気に溢れだし、溢れた。見ていると此方も辛くなりそうだ。

 

 「うぅ……ひっ……」

 

 フランは手で顔を覆って泣き出す。つまり俺に怪我をさせてしまった事を悔やんでいるんだよな……うーん……

 

 過去に失敗をしてしまったらそれを生かせばいい。だが、生かすことのできない辛い経験なら引きずらずに忘れてしまう事が良い。

 

 「……ちょっと待ってろ」

 

 そう言い残して立ち上がり、俺は寝室に向かう。

 そのまま机に置かれていた小さい本。自分の日記を掴んで中を捲りながらフランの元へ向かう。

 

 「……なぁ、フラン。嫌な記憶は忘れてしまう方が良いときがあるんだよ」

 「……?」

 

 顔を上げたフランに笑顔を向けながらページを一部見せる。

 内容はその時の事件の日の日記だ。事件のおおよそが簡単に書かれている。

 

 今度はそのページの根元に左手、そのちょっと外側に右手で摘まんで___

 

 

 

 

 ___一気に裂いた。

 

 

 「!? え…? 何で……?」

 

 その千切ったページを持ったままフランの手を引いて外に出る(フランにはちゃんと日傘を持たせた。もう少し遅かったら危なかったかも)。

 

 「この日記はな。俺の思い出を書き留めた『記憶』みたいな物なんだよ」

 

 千切ったページの一部を更に千切って地面に添える。今日は風がそこまで強くないので簡単には吹き飛ばない。

 

 そのまま苦手だが火の魔法を使ってビー玉程度の小さな火玉を作り、落とした。

 

 「……」

 

 フランは何も言えずそれを見届けているだけだった。瞳には赤く燃える千切れた日記が映っていた___気がする。

 

 「俺だって嫌な思いでは忘れるさ。だからフランも忘れようや。それを今後に生かせるんだったら別だがな」

 

 そう語りかけると暫くゆらゆらと揺れる火を眺めてから、

 

 「……うん。分かった!」

 

 そう返事する。その顔には迷いがなかった。そうか。と言いながら片手に持っていた先程千切った日記の断片を差し出した。

 

 「? 緑、これは何?」

 「ほら、俺は良い記憶を易々と忘れる様な奴じゃないぞ?」

 

 そう言い差し出した日記の断片をフランは読む。たったの一行程度の物なのにフランは何かに取り憑かれたかの様に長々と見続けていた。

 

 「……緑」

 「? どうしたんだ?」

 

 フランの頬にもう一度一滴の水が流れるが、その目は笑っていた。

 

 「ずーっと、ずーっと! 友達で居てね!」

 「ああ、遊びに来るとは限らないが、ずっと友達でいてやるさ」

 

 アハハ! と無邪気に笑いながら腰に飛び込んできたフランを片手で受け止める(もう片手は日傘を持っていた)。

 

 「……二人とも、なに外で楽しそうにしてるのよ。フランも下手すると灰になるわよ」

 

 いつの間にか縁側に座っていたレミリアがつまらなそうに言ってきた。

 

 「ん? ああ、そっちに行くぞ? フラン」

 「うん! あ、お姉ちゃん嫉妬してる?」

 「んなわけないでしょう!?」

 

 レミリアは早押しクイズの如く突っ込みを入れた。フランも凄い質問するなぁ……

 

 「ごほん……まぁ、これで伝えたい事は終わったし、咲夜も待ってるし帰るわ。さぁ行くわよ、フラン」

 「うん、分かった。じゃあね! 緑!」

 

 「ん。またな、レミリア、フラン」

 

 日傘を持って出てきたレミリアはそう言うとフランを呼ぶ。俺は持っていた日傘をフランに渡してレミリアの元に行かせた。

 

 「……あ、そうだ。緑、今度館でお茶会を開こうと思ってるけど……来ない?」

 

 まるで何処かのお嬢様(実際そうだが)の様に傘を肩にかけてクルクルと回しながら聞いてきた。

 

 「……まあ、フランとの仲もあるし、行こうかなぁ……?」

 「……」

 「……あ、勿論。レミリアとの仲もあるぞ?」

 「っ……! と、取って付けた様に言うなあぁぁああ!」

 

 指を何処かの逆転しちゃう裁判の弁護人の様に突きつけて大声で言った後にフランを引いてフン!フン!と言ってそうな足取りで館に歩いていった。

 

 

 勿論、その時もフランが笑顔で手を振っていたのに対して此方も振っていた___

 

 

 

 

 「……フラン?」

 「なぁに? お姉さま?」

 「その片手に握っているのは何かしら?」

 「ん? これはね、大切な思い出なの」

 「思い出?」

 「うん。緑のでもあって、私のでもある大切な思い出……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時、フランに渡していた日記には確かこう書かれていた気がする……

 

 

 

 

 [___その時から俺とフランは友達になった。フランにとっては初めてでも、大切でもあって、俺にとってはとっても大切な友達に……]

 




 イイハナシカナー?

 そんな感じで今回はおしまいです。これが書きたくてしょうがなかったのもあって勢いで書いちゃいましたー。反省。
 でも、ちゃんと伏せんも張りましたよ?(何の話

 実は、緑尻尾が燃えちゃってそこからの下りも考えてたんですが、この方が収まりが良い気がして……つまり、文字数オーバー(台無し

 あと、これから暫くテストで更新がすこぶる遅れます。

 それでは、また次回に。

 感想は作者の燃料、批判、アドバイスは作者の良い薬になります。
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