東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 色々書いたんですが、なんかこっちもやり過ぎた感がっ。

 今回も紅魔館編です。もう少しのんびりとする様子を書きたかったんですが……うーむ。

 それでは、どーぞ!


~三十五頁目(紅魔館)~

 「っ……よしっ! 次は緑ね!」

 「殆ど穴ぼこじゃねーか! こうなったら……よし、セーフ」

 「ちょっと! そこは私が狙ってたのに!」

 

 

 開幕いきなり何してるか読者の皆さんが理解に苦しみそうなので簡単に言うと、レミリアとフランがさっきまでやっていた『ジェ●ガ』と言う木で出来た立方体の積み木の様な物を積み上げ、そこから倒さない様に積木を抜いていく___一般的にはそんなルールの遊びをやっている。本来と違う点と言えばバツゲームに玉葱か塩水が待っている事ぐらいだ。

 

 そんな調子でレミリアは積木を引き抜く。そしてフランの番が回ってくる……って、

 

 「ふぁ~もっふもふ~」

 

 ……現状報告。フランに全力で尻尾を撫でたり抱きつかれたりとされています。

 

 「……いい加減にくすぐったいし、フランの番だからストップな」

 「はい、次良いよー」

 「速い!? そして尻尾に抱きつくのも速い!?」

 

 速攻。そして尻尾に抱きつく動作はまるで熟練者(何の?)の流れ作業の様だった___とか現実逃避してないで生か死___ではなく、生か玉葱(又は塩水)かが懸かった作業に尻尾をもふられながら戻る。集中出来ん。

 

 ……と、言っても殆ど抜ける所は抜かれており、下の方が一本の積木で支えられているのでかなり不安定の殆ど積み状態だった。積木……殆ど積み……ハッ!?

 

 

 閑話休題(なかったことに)

 

 

 

 

 「……いや、これは積んだ?」

 

 震える積木を掴む為の右手を下ろして二人を見る。二人は『積みとかどうでもいいから続けろ』と目で伝えてきた___気がする。壮大に崩すのを期待している顔だった。

 

 (押せ……押せ……!)

 

 「声、聞こえてるからな」

 

 フランの小声に突っ込みを入れる。本人も分かっていたらしく、小悪魔の様に(図書館の小悪魔ではない)クススと笑う。こう見るとつい最近まで精神不安定が頻繁に起きていたとは思えない。最近は全くその様な事は無くなり、それらしい予兆も見られないと聞いた。

 でも、何時かはあの時の様に些細な事からあの様な事件を引き起こすかもしれない。それに万が一起きた場合、あの時の様に死人が出ずに綺麗に収まるとは限らない。

 

 「ほら、緑。ボーッとしてないで続けなさい」

 

 ハッと我に帰るとレミリアが俺の心を読んだらしく、問題ないと目で伝えてきた___気がする。俺もそんな高性能な読心術は持ってない。

 

 「___逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ……」

 「……13時の方向に逃げる?」

 

 フランが首をかしげながら言った。お前何故その下りを知ってるんだ? と言うか、自分でも13時ってなんだ。普通に1時の方向だろ。

 

 「っ……!」

 

 いい加減に観念し、俺は一本の積木に手を伸ばす。雰囲気は爆弾解体のワンシーンだ。心臓の鼓動が爆発までのカウントダウンの音にも聞こえなくない。

 

 「くっ……」

 

 人指し指が積木に触れ___

 

 

 

 『___お嬢様、妹様』

 

 

 扉の向こうからコンコンコン、とノックの音がして咲夜の声が聞こえた。ピタリと伸びた手が止まる。

 

 『そろそろお食事の時間ですので食堂に来てください』

 

 「……わかったわ」

 「はーい!」

 

 扉に向かって二人は返事をする。するとコツコツと遠ざかる音が聞こえた。

 

 「くっ……惜しかったわ」

 「……いや、惜しかったってなんだよ」

 

 拳を握って悔しそうにするレミリアを見て突っ込みを入れる。そんなに塩水飲んで欲しいのか。取り合えずジ●ンガの恐怖からは解放された。

 

 「おー姉ーさーまー! 緑ー! 早く行こーよー!」

 

 ジェ●ガの危機から解放された安心感に浸っていると、いつの間にか扉の前で待ちくたびれた様にフランが呼んできていた。

 

 「……私たちはちょっと片付けるから先に行ってて」

 「うん、わかった。じゃあ先に行ってるね」

 「おいおい、俺も含めるのか」

 

 しかし、俺の突っ込みは却下されてしまい俺とレミリアが部屋に残る形になってしまった。

 

 「……ねぇ、緑」

 「……何だ?」

 「貴方に聞きたい事があるって咲夜から聞いたかしら?」

 「ん? それなら聞いたな」

 

 レミリアは積木を集めながら聞いてきた。……おい、足で集めるなよ。枯れ葉とかじゃねーんだぞ。

 

 「じゃあ、聞くけど貴方は残るのかしら?」

 「……一応聞くが何処にだ?」

 「八雲の緑として幻想郷に残るか、よ」

 「……やっぱり、か」

 

 一瞬、気まずい静かな空気になる。当たり前だ、この後の人生がかかっている選択だ。俺は目を瞑って咳払いをする。

 

 「……予定ではな、もし本当の名前が分かったら帰ろうって考えてるんだ」

 「……」

 「……だが、自分の名を知る術は今のところ無い。それに今の俺は妖怪だ。仮に外の世界に帰れる様になっても決心が揺らげば変わるかもしれない」

 「……つまり、はっきり決めれてないのね」

 「……そう言う事だな」

 

 瞑っていた目を開くと目の前にレミリアが立っていた。少し寂しそうな表情をしている気がする。

 

 「霊夢も似たような事を言っていたと思うけど、私達は貴方に言う『権利』は無いわ。でも貴方には選ぶ『義務』がある」

 

 そう言いながらレミリアは徐々に近寄って来る。そして___

 

 「___っ!? な、何だ?」

 「……さっきのは威厳を保つための『表』の私の言いたい事。そして『裏』の私の言いたい事は……貴方がここ(幻想郷)を出るのだったら私達はしっかりと見送るわ。でも、貴方が残るのだったら、仮にそれが私達だけだったとしてもしっかり受け入れるわ」

 

 突然、腹の当たりに手を回し、抱きつかれて俺はかなり焦るが、レミリアは気にせず話してきた。最初の威厳のある言い方とは違い、自分の気持ちをそのまま言葉にした様な感じだった。

 

 「……で、出来れば___いや、何でもないわ」

 

 下を向いてレミリアは小声で何かを言いかけるが、首を振って中断した。

 

 「……まあ、その…なんだ。俺の事を考えてくれてありがとな」

 「っ~~~!」

 

 レミリアは俺がそう言うと、抱きつきながら下を向いてプルプルと震える……がすぐに目にも止まらないスピードで扉の方に移動する。

 

 「ほ…ほら! 皆が待ってるから行くわよ!」

 「あ、そうだった。じゃあ、行くか」

 

 何やら焦った様子でスタスタと廊下に出るレミリアを追うために俺も後に付いて行った。

 

 

 ……そういえば、部屋の掃除は良いのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……ふぅ、腹が痛くなるぐらい食ったな」

 「りょく、たくさん、たべた」

 「お前もワインを飲んでたが大丈夫か?」

 

 食事を終えて紅い廊下を歩きながらコロと話す。俺の食べた量は腹十分ぐらい行ったんじゃないだろうか。コロも絶対に体の体積と同じくらい飲んだだろ。

 

 ……食事中、色々あったが語る気にはなれない。きっと番外日記がやってくれるだろう。うん。

 

 「……って、もう殆ど真っ暗じゃん。そんなに長く居たっけ?」

 「いま、しちじ。ひるみじかい」

 「もうそんなに昼が短くなったのか。本格的に冬が始まるのかねぇ」

 

 他人事の様に数少ない窓から暗い外を見てしみじみと呟く。おじさんか俺は。

 

 「ん、りょく。ふたり、くる」

 「……お前の情報が頼りになるのかならないのかよく分からんな」

 「たより、なる」

 

 ……断言した。そして二人……?

 

 「……ほら、居たわ」

 

 不意に後ろから声が聞こえて俺は振り返る。そこに居たのは咲夜とやはり、レミリア。

 

 「二人してどうした? 何かあったか?」

 「いえ、今夜は遅いからもし急ぎの用事とかが無かったらゆっくりしていっても良いとお嬢様がおっしゃっていた事を伝えに来たわ」

 

 咲夜が微笑みながらそう伝えてきた。……本人はそばにいるし、咲夜が伝えなくても別に良いんじゃないのか? なんて考えていたらレミリアが一歩前に出た。

 

 「……緑! 今夜は館に泊まって行きなさい!」

 「折角咲夜が遠慮気味に伝えたのに突然の命令!?」

 

 ビシッ! と指を此方に向けてレミリアは直球を放つ。なんと言うか、素直なのかワガママなのかよくわからないな……

 

 「泊まっていけ、ねぇ……」

 

 さて、どうするか、などと考えていた時___

 

 「___っ!?」

 「!?」

 「この音……図書館からね」

 

 何かが大きく崩れる音が館を揺らしながら響く。図書館からと

言うことは……パチュリーの身に何か起きたのだろうか……?

 

 「っ! 図書館に何が!? ……ちょっと行ってくる! コロ、行くぞ!」

 「ん、いそぐ、できるだけ、なの!」

 

 「あ、ちょっと! 緑!」

 

 後方から咲夜の声が聞こえたが、構わず俺は廊下を駆け抜けて行った___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……行っちゃったわね……図書館からのあの音はアイツに決まってるわ……」

 

 駆け抜けていった緑の姿が曲がり角を曲がって見えなくなった所でレミリアは呆れる様に呟いた。

 

 「……私も向かいましょうか?」

 「いいのよ、咲夜。……それより、緑の事なんだけど……」

 

 コツ、コツ……とレミリアは窓に向かい、真っ暗な空に浮かぶ月を見る。月はまだ欠けていた。

 

 「……緑の能力の副作用で私達の能力を効かなくする事が出来るのは知ってるわよね?」

 「ええ、今日も使っていました」

 「……それのせいなのか、私の能力は途切れ途切れでしか彼の運命が見れないの」

 「お嬢様の能力すら……ですか?」

 「ええ……そして問題はここ。先程、少し彼の運命を覗いて見たのよ……もし、このまま運命通りだとアイツは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……死んでしまう、かもしれないわ___」

 

 

 

 

 

 





 『早苗ルート入りすぎたなら、他ルートに入ればいいんじゃね?』とか先程これを書きながらでほざいていましたが、世間には『ハーレムルート』って言うのがあったんですね……ちくせう。
 勿論、(残念ながら)恋愛とかは今作は無いので……単にニヤニヤ程度な物が書きたいのだがっ……!(膝を付く)

 そして今回もフラグの乱れ建ち。これが幻想日記です(ぉ

 それでは、次回に続きます。
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