東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 明日がテストなんて知ったこっちゃない。自分は自分の道を行く(ぇ

 あと、少々急ぎ気味に書いたので変な部分があったら指摘して下さい。

 そんなわけで、どーぞ!


~三十六頁目(紅魔館~霧雨邸)~

 長い廊下を走り続けると大きな年代物の雰囲気を持った扉___図書館への扉が見えてくる。それを勢いに任せて勢いよく開く。

 

 「……っ! おい! パチュリー!」

 

 大きな図書館で大声を出す。しかし、少し声が響くだけで反応はなかった。

 

 「ん! りょく! あそこ!」

 「彼処? ……あれか!」

 

 コロが指を指した先の真っ暗闇に点々と光が見える。あれは……弾幕ごっこだろうか?

 

 「パチュリーは彼処か? 取り合えず急ぐぞ!」

 

 出来るだけスピードを出して俺は点々と光の見える所に飛んでいく。

 

 「っ! やっぱり弾幕ごっこか!」

 

 飛んできた火の玉を避けながら腰につけていた刀を鞘から抜き出す。刀の刃が赤い火が反射して淡く光っている様に見えた。

 

 「くっ! 流れ弾が多すぎだろ!」

 「りょく、うえ。ほし」

 「星? ここは室内___なるほどねぇ……」

 

 様々な色の弾幕を叩き切っていると上から星形の弾幕が落ちてくる。そこまでスピードは速くなく、容易く切れるので驚異的ではないが何処かで見覚えある……?

 

 「……あ! おい! パチュリー!」

 「っ! ……何だ、緑だったのね」

 

 弾幕を切って視野が広がり、パチュリーの姿が見えた。パチュリーに声をかけると一瞬警戒されたが、直ぐに息を切らしながらも一息をついた。

 彼女は喘息持ちだ。激しい動き等で直ぐに息が上がってしまうと言う。

 

 「弾幕ごっこだってのは分かるが、一体誰とやってるんだ?」

 「ちょっと……図書館に泥棒ネズミが出たのよ……」

 

 「それは私の事か?」

 

 泥棒、ネズミ。そのワードを頼りに考えている真っ最中、一つの声が後ろから聞こえた。

 

 「……成る程、魔理沙か」

 

 「人の居ない所で……誰がネズミだって? それに私は盗んでない、死ぬまで借りてくだけだ」

 

 俺の直ぐそばに箒に乗った魔理沙が近づいた。黒い服の脇には緑色の本が挟まれていた。

 

 「……あー、昔に魔法を教えてもらった時もそんな事してたよな」

 「ああ、すっかり常連客だぜ」

 

 果たしてそれは客で良いのか。なんて思っていると、魔理沙は俺の肩を掴んで、

 

 「そうそう、私はちょっとやりたい事があるんだったな。それじゃあ、閉店時間っぽいし帰る事にするぜ」

 

 帽子の位置を直しながら魔理沙はそう言うと、俺を無理矢理引っ張って箒に座らせる。コロは何故かソワソワとした様子で俺の服の袖の中に入り込む。何だ?

 

 「なっ…魔理沙! 一体どうする気なの!?」

 「どうするも何も、何時も通り家に帰るだけだ」

 

 脇に挟まれていた本をしっかり持ち直すと箒が突然カクン、と少し揺れる。そして今度は真下に一直線に落ちた。

 

 「うわああぁぁぁぁあああ!?」

 「ほらほら、捕まってないとこのまま本当に落ちるぜ……っ!」

 

 魔理沙と俺の乗った箒はそのまま自由落下し、床にぶつかるかぶつからないかギリギリの所でバンジージャンプの様に止まる。そして今度は前方にとんでもないスピードで飛び出した。

 

 「魔理沙ああぁぁぁあああ!! 飛ばし過ぎだああぁぁぁあああ!!」

 「甘いぜ緑。甘い甘い、ソーマトコッカス並みに甘いぜ!」

 

 そう言うとそのまま魔理沙は壁に開いた穴の隙間を通り、外に出る。外は星空が広がっているのがとてつもないスピードの中でもよく分かる。

 

 「さあ、ここからが私の本気!」

 

 魔理沙は右手にミニ八卦炉を取り出して後方に向ける。突然、顔面に八卦炉を突き出されて俺は反射的に伏せた。

 

 「私以外で体験したことのないスピードをお前に味合わせてやるぜ!」

 「え、何か嫌な未来が見えた気がする」

 

 その予想は的中したらしく、ミニ八卦炉が徐々に輝きだす。そして中心の丸い窪みから光が溢れ出た。

 

 

 

 

 「彗星『ブレイジングスター』!」

 

 

 

 

 

 

 

 ……あ、俺死ぬかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……」

 「あー、悪かったって。あの時の私は確かに調子に乗りすぎてて……」

 「りょく、こわい、なの?」

 

 現在、魔理沙の家の暖炉前でマナーモードになっています。緑です。でもタンスにはいません、ブルーベリー色をした奴にも追われてません。

 

 「地の文が丁寧語になってるぜ……ほら、ちょっとスープ温めてくるから……」

 

 魔理沙は頭を気まずそうに掻き、足元に散乱した本を踏まない様に避けながら台所に向かった。

 

 「……」

 

 それにしても、本人に言ったら悪いが、家が散らかっているのが気になって仕方ない。もしも神社で起きた地震がここで起きたら大惨事になるのではないだろうか。壁の殆どは物で埋め尽くされており、大きな窓がすぐ近くにあるのに解放感が全く無い感じがする。

 

 『な~、緑。お前って熱くても飲めるか? 一応狐って犬科だし……あ、コロはどうなんだ?』

 「俺もコロも全然平気だぞー」

 

 遠くから魔理沙の声がカチャカチャと金属同士がぶつかり合う音と一緒に聞こえてきた。鍋をかき混ぜてるのだろう。

 

 「ん、いいかおり」

 「……ふー、何か落ち着いてきた気がする」

 

 スープの匂いが漂ってきたお陰かさっきの恐怖のアトラクションから立ち直った気がする。

 

 「……掃除、してやるか」

 

 大きく欠伸をしながら立ち上がり、周りを見渡した。何処かの動く城の掃除婦の気持ちが分かった気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こいつは纏めて……怪しい瓶は……こっちに纏めとくか」

 「りょく、ひも。おいておく」

 

 広間と思われる部屋が半分ほど片付き、ふう、と息をつく。床には重いものが落ちた様な後が幾つかあり、カーペットを引かないと誤魔化せなさそうだ。

 

 「緑ー、持ってきた……なわぁ!?」

 

 台所から戻って来た魔理沙が短い断末魔の様な声を上げた。

 

 「おま、何掃除してるんだ……よ……?」

 

 呆気を取られた様なポカンとした表情で魔理沙は尋ねてきた。そして疑問系になってるぞ。

 

 「今からスープをご馳走になるからお礼の前払い的な何かで」

 「そこじゃない! お前は女の子の使っている部屋を平然と勝手に掃除するのか!?」

 「いや、まずおじいちゃんの仕事の手伝いの癖があってだな……」

 「だから、私の言いたいところはそこじゃなーい!」

 

 魔理沙は握り拳を天に向けて大きく怒鳴る。そしてはー、はー、と息を切らして近くにあった簡単な作りの椅子を引っ張って腰かける。

 

 「取り合えずこの話はなかった事にする……今回招いた事には理由があるからな」

 「理由?」

 

 そう言うと魔理沙は帽子を脱いで中から本を取り出した。

 

 「それは? 盗んできた本か?」

 「違う違う、こいつは私の書いた本だ」

 「本を……魔理沙が?」

 

 魔理沙はページをパラパラと捲って途中のページで捲るのを止めた。

 

 「今回招いた理由なんだが……魔法について聞きたい事があってだな……」

 「魔法?」

 「そ、新しい案が浮かんでな、設計だと森のある茸の汁に魔力を込めた液体を瓶に詰め込む。そして中の液体に何らかの方法で大きな衝撃を与えると……ドーン! ってな」

 

 ……説明よりもドーン! の部分で体を使って表現する所が子供っぽく見えて仕方ない。

 

 しかし、大体の原理は分かった。つまり衝撃を与える事で魔力の爆発を起こす手投げ爆弾って所だろう。

 

 「予定では今までのキノコを煮込んだだけのやつの何倍もの威力があるけど……問題があってな。液体のままだと持ち運ぶだけで爆発するんだよなぁ……」

 

 なるほど、と持ってきてもらったスープをいただきながら頷く。スープはキノコの出汁が良く出ていた。かなり美味しい。

 

 「つまり、何らかの方法で液体を個体とかにすれば良いのか」

 「おう、流石緑、分かってるぜ。だけどただ冷やすだけなら私もやったぜ? 光ってボン! だったけどな」

 「何でそんな物騒な物を……」

 

 俺は呆れる様に言いながらスープをすする。コロも少しずつ陶器で出来た小瓶のスープを飲んでいた……が、飲む手を止めて、

 

 「そのきのこ、なーに?」

 

 ……と魔理沙に尋ねた。すると魔理沙は席を立って笊に乗せた干からびたキノコを持ってきた。

 

 「全部使っちまってな……これしか無いんだよ」

 「こいつがそのキノコか……」

 「……りょく、きのこ、ひだ」

 「ヒダ? ……あれ、これって確かイクチじゃないか?」

 

 イクチ、茸の種類で他のと比べて珍しく、ヒダがスポンジ状になっている種類だ。

 

 「……! そうだ! 外の世界でもこんな事あったぞ!」

 「? 何なんだ?」

 

 俺はピン、と閃いて落ちていた白紙に持っていた万年筆を使ってスラスラ書いていく。

 

 「昔、ニトログリセリンって名前の液体の爆薬があってな。それを衝撃で爆発させない為に土に染み込ませて携帯できる様にしたんだ。……それを真似て、魔力を含んだ液体をそのキノコに染み込ませれば___!」

 「そうか! 液体が殆ど揺れなくなるから起爆方法は衝撃だけになる! さっすが緑だぜ!」

 

 ガシッと首に手を通されて少し苦笑いになる。ちょっとした事でここまで喜ばれる事と、教えた事が他の人の真似と言う点が俺をそうさせていた。

 

 「さあ、まず計算と仮説の組み立て、それから……ドーン! だぜ!」

 「……いや、普通に実験って言おうよ」

 

 その日の実験は深夜から早朝まで続いた。いやいや、どうしてこうなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いっ……けぇ!」

 

 ポーン、と放物線を描いて飛んだ瓶はポン、とバウンドする。

 

 そして、そのまま ポン、ポン、ポン___

 

 「っ!?」

 「おお!?」

 

 見事、青い煙が爆発音と共に吹き出た。青い煙を追って見上げると、空は朝焼けの色をしていた。

 

 「いやー! ありがとな、緑」

 

 魔理沙は笑顔でもう満足と言う顔で手を握ってブンブン振ってきた。普段見せない態度に少々びびり気味だったり。

 

 「それじゃ、俺は帰って寝る事にする。……ほら、コロも帰るぞ」

 「ん、じゃあね、まりさ」

 「おう、またいつかな」

 

 手を振る魔理沙に手を振り返して俺は空を飛ぶ……

 

 「……あ、そうだ。緑!」

 「ん?」

 

 振り返ると魔理沙が例の瓶を持っていた。

 

 「私からのちょっとしたお礼で試作品をあげるぜ」

 「え、ち…ちょっと待て___」

 「ほーれ、ヒアーユーアー(Here you are)」

 「うわわっ!? ノーセンキュー!? ……あっぶねぇ、死ぬとこだった」

 

 ……びっくりしたあまりに英語で返してしまった。流石に威力を知ってるのに投げて渡されたら……な?

 

 「今度こそ、じゃーなー!」

 「おう、今度からは投げて渡すなよー」

 

 朝焼けの空を今度こそ飛んで俺は家に向かった。

 

 

 

 ……その後、爆睡したのは言うまでもない筈である。






 EDまでの道のりが少しずつ……

 あと、次から異変予定です。

 色々やり過ぎたとある人は今回のために……いや、それにしてはやり過ぎたな。うん。

 と、言うわけで少々更新遅れますが次回もお楽しみに。
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