東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

5 / 75
前回からの続きです。

前回から見ることをおすすめします。

 それでは、どーぞ!


~三頁目(八雲家~博麗神社:宴会)~後編

 [日記:ここは紫によると『幻想郷』と呼ぶらしい。

 

 

 ここには基本、少女達が住んでいる。……つまり、一部を除いて女性しかいないらしい。

 

 

 

 

 ここの人たちは異変や現象の解決後、人間や妖怪。鬼や亡霊と色々な種族が神社で開かれる宴会に集まる(ここの神社の巫女は乗り気ではないが)。

 

 

 

 集まる人達(?)は十人十色、皆個性的だが必ず一つの共通点がある。それは___

 

 

 

 

 

 「___おおう? 何書いてるんだい?」

 

 日記を書いている途中、かけられた声でピクリ、と指が止まる。声をかけてきたのは角を生やした鬼だった。

 

 「……あ、いえ、ただ日記を書いているだけです」

 「おう、そうかい! 私達の事も書いてくれよ!」

 「はあ……」

 

 やる気のない返事だったが気にされず、その鬼は宴会の輪に復帰した。

 

 気が付いたら周りの声がさらに強くなっていて“会話”よりも“雑音”に近い。

 

 周りをぐるりと見渡してから、反射的に閉じた日記を開いて俺は続きを書き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ___全員、酒が大好きのようだ……]

 

 

 

 

 

 

 

 書き終わった後に万年筆を日記に挟み、閉じる。

 

 閉じた後にいつの間にか肺に溜まっていた周りの熱気と酒の蒸気を一度息を吐きだしてから新しい空気を吸い込む。

 

 「どうしてこうなった……」

 

 一呼吸ついてから俺は呆れた様に呟いたが、その言葉は周りの声でかき消されていた___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっと時間が戻って今居るのは八雲家。そんな中庭を溜め息を何度かつきながら俺は縁側を歩く。

 

 先程、『能力を教える』などと言われたが、紫が言う直前で何かを思い出したかの様に『詳しく教えるその前にあなたの幻想入り祝いの宴会に出て交流してきなさい。話はそれからよ』と言われた。俺が何故か聞いたら、『ひ・み・つ・♪』と指を振りながら言ってくるので籃が持ってきた熱湯で淹れられた玄米茶を気が付いたら湯飲みごと投げつけた(籃がいい笑顔で親指を立て『グッジョブ』と小さく呟いていたのが聞こえた)。

 

 そんな回想を浮かべてながら歩いた先に九本の花のように並んだ尻尾があった。回り込んでみると、籃が中庭の池に最も近い縁側に腰かけていた。

 

 「あれ? 籃さん、何してるんですか?」

 「! ……あなたでしたか。あの後、紫様に何かされませんでしたか?」

 「ああ、それに関しては特に」

 

 そう言いながら籃の側に座る。紫が言うには、まだしばらく時間がかかると言う事なのでのんびり話していても問題ないだろう。

 

 ……それに、紫に何かされた事に関してはどちらかと言うと何かしたのは俺だったし。

 

 「それはよかったです……紫様は博麗の巫女以外、あんな馴れ馴れしい感じじゃないんですけど……」

 

 そう言いながら何処かから茶色のハムスターフードの様なものを取り出した。見た目だけではよくわからないが多分、魚の餌だろう。それっぽい匂いが鼻に届く。

 

 「多分、紫様に気に入られたようですね」

 

 笑顔をこちらに見せながら、さっき取り出した物を池に片手の人差し指で弾いた。それは綺麗な放物線を描いて池に落ちて波紋を広げた。

 

 「気に入られたって言われましても……」

 

 池に弾いた物を赤や黒色の鯉がバシャバシャと音を立てながら食べているのを眺めながら呟くように言った。……ちょうどその時、

 

 「___らーん、そろそろ行くわよー」

 

 遠くの方から紫の声が響いてきた。恐らくもう玄関にいるのだろう、大声らしいのに声が小さかった。

 

 「はーい、紫様。今行きます」

 

 と籃が答え、立ち上がる。服をパンパンと払うと此方を見て笑顔を向けてきた。

 

 「それじゃあ、行きますよ」

 

 籃が歩く後を俺はついて行ってそのまま(無理矢理詰め込まれて)スキマの中に入って行った___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして場所は変わって博麗神社。

 

 

 

 神社の表にはこの前のような寂しさが無く、色々な人やら妖怪が集まってどちらかと言うと騒がしかった(もうすでに樽一つの酒が無くなっていた)。

 

 「えーと、はい。皆さん、今回宴会を開いたのはこの子の幻想入りの祝うためです……えーと……」

 

 思いっきり紙切れを見ながら皆の視線を集めて紫が司会をしていた。俺はその脇に居るため、視線が希に此方に向けられて少しビクビクしていた。

 

 「……はい、此方で挨拶して」

 

 小声で俺に紫が言ってきた。言われた通りに前へ出る。うわぁ、皆見てるよ……って言うか彼処が睨んでいる気がするんですが、止めて貰えませんかね。

 

 「あ、ええっと……俺はなんやかんやあって、ここに来た……ぁ」

 

 今、自分の名前を自然と言おうとしたが今は俺の名前がない。名前を忘れてしまったのに自然と持っていこうとした自分が恥ずかしい。と言うかどうしよう、この状況。

 

 助け船を求めて紫に視線を送るとあ、と小さく反応してくれた。どうやら察してくれた様だ。助け船が来た。

 

 「あー、えっと……この子の名前は……緑! 八雲 緑(りょく) です!」

 

 「ええ!? あー、はい。どうかよろしくお願いします!」

 

 こんなグダクダだったが、周りはイエーイ! と大声を出してそれを合図に『乾杯!』と言い、酒を飲み始めた。

 

 そしてガヤガヤとした空気の中、緊張の糸が切れたのかその場にだらしなくヘナヘナと座った。

 

 「___はぁ、どっと疲れが……」

 「お疲れ様」

 

 そんな俺のそばに紫が寄って来て俺に話しかけてくる。

 

 「紫、あー、なんだ? あの名前」

 「……とっさだから仕方ないじゃない! もしかして、嫌だったかしら……?」

 「へ? いやいや、誰が嫌だと言った。むしろありがとな」

 

 その時、紫の顔が少し赤くなった気がしたが、片手に持っていた酒と思われる飲み物を一気に飲みだしたので詳しくは確認出来なかった。……気のせいだろう。

 

 「そ…それより、貴方も飲んでいきなさい」

 

 紫はそう言って俺の元を離れた。紫にそんな事を言われたが、ちょっと問題がある。俺は甘酒でも顔が赤くなる体質なのだ。そんな俺が日本酒なんか飲んで大丈夫だろうか? アルコールの破壊力で即死するんじゃないか?

 

 「___おーい、そこの妖怪もどき!」

 

 どうするか悩んでいる中そう呼ばれ振り向くと、ここの神社の巫女、霊夢が座っており、その側で白黒の魔女のような格好の少女が俺を呼んでいた。

 

 「さあ、あなたの宴会だから楽しんできなさい」

 

 いつの間にか近くにまた来ていた紫にそう言われ、俺はその魔女と巫女達の元に走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お前さん、八雲家に入ったのか?」

 

 そう言ってきたのはいかにも魔女らしい格好をした先程、俺を呼んでいた霧雨 魔理沙と言う名前の少女だ。

 

 「いや、勝手にそうなっただけだよ」

 「八雲 緑 ねぇ……」

 「橙、紫、籃と緑。見事な程あいつらしいな」

 

 と巫女と魔女が呟く。そう言えば、名前が皆何かの色だな、今気づいた。

 

 

 そう言えば、さっきから魔理沙に日本酒を注いでもらっているがこれを含めてなんと五杯目だ。甘酒で酔う体質何処いった。

 

 「まぁ、こんな感じに酒を飲みあうのも良いかもな……」

 

 小さく呟いたつもりが思ったより大きく言ってしまったらしく、霊夢と魔理沙に笑われてしまった。

 

 自分の事を笑われているのに不思議と嫌とは思わず、気が付くと一緒に自分も笑っていた___

 

 それからしばらく魔理沙達のもとを離れ、周りを回った。のだが___

 

 

 

 

 

 

 「へえ、貴方が緑って言うのね…私h「私は十六夜 咲夜と言います」

 

 「あ、初めまして。咲夜さん」

 「ちょっと!! うぅ~咲夜のばかぁ!」

 

 「……え? ちょっと、咲夜さん? 何か心の底から幸せそうな顔をしてるんですが一体何が……?」

 

 謎があったけど次に、

 

 

 

 

 「___初めまして、貴方が緑ね? 私は幽々子って言うわ。宜しくね」

 

 「あ、始めまして。___ってか、なんかこの人の周りだけ皿すらないけど……? 料理は? この重ねられた大量の皿は何処から?」

 

 「幽々子様はこういう人なんです……っ!? ああ、幽々子様! そっちは他の方に迷惑が___」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___私は鈴仙って言うわ。よろしくね」

 「あ、どうも。俺は___「うどんげー! 向こうからワイン、ビール、酒瓶2本、焼き鳥数本にサラダを持ってきて」

 「なあっ!? わ、わかりましたお師匠様!」

 「私はそれにワイン瓶二本で」

 「姫様!?」

 「私はここから一番遠いものを」

 「てい(変換出来ない)!? あんたまで!? ああ、もう! 少し待ってて下さい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ! ええっと……緑さん! 無事だったんですね!」

 「はい、大丈夫でした。これからは緑です」

 「名無しだったのに今では名前を持ってるとはねぇ……」

 「名無しって……諏訪子さんもお久しぶりです」

 

 「ん、おひさー。兎に角、今はもうパァーッ! とやろうよ!」

 「えっ。あー、酒はこれ以上はちょっと……元々、酒に弱いので」

 「あーう、早苗みたいだね……早苗も酒に弱いんだよね」

 「いえ、私は大丈夫ですよ! Z●Nさんの作った作品のキャラが酒に弱くてたまるもんですか!!」

 

 「あーうー、早苗。その発言は……っ!? 早苗!? その樽の酒をどうするつもりなの!?」

 「っ! 諏訪子、早苗を止めるぞ!」

 「分かってるよ神奈子!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからしばらくして、ほとんどの参加者が寝てしまった頃、

 

 

 

 「緑~! 酒をの~むぞ~」

 「あー、これ以上飲むのはちょっと……と言うか正気残ってます? 完全に酔いきってませんか?」

 

 残っている人達は一人残らず完全に酔っていた。お酒って怖い。

 

 

 

 ___そして、やっと話は最初の方に戻る。ここまで来ると寝てしまっている人が羨ましい。

 

 もう、思いっきり限界まで飲んで寝てやる。と思っている中で何度か聞いたことのある声が聞こえた。

 

 「___やあ、楽しんでるか?」

 「ああ、藍さんでしたか」

 

 やって来た藍はお酒を片手に俺の元に来た。そして俺の返事を聞いてうーん、と一度唸る様な声を出すとこう言った。

 

 「___折角、同じ苗字だからこれからはお互い呼び捨てにしませんか?」

 

 藍は照れ臭そうにそう言った。特に血は繋がっていないけど同じ苗字。……ちょっとその事を考えると何故か少し照れくさく思えたが、

 

 「はい、喜んで」

 「それじゃあ___改めてよろしくな、緑」

 「ああ、よろしく。藍」

 

 

 そう言い合ってからお互いのお酒の容器を打ち付け合った。

 

 

 

 その後は神社の縁側に二人で座り、秋の綺麗な夜空を見ながら酒を飲んでいた___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___らーん、りょーく。帰るわよー」

 

 いつの間にか飲みすぎて意識がして飛びかけていたが、二人に声がかけられてハッ、と意識が帰った。

 

 「さあ、緑。同じ苗字でもあるし、長い間は一緒に住んでもらうわよ?」

 「ああ、わかった」

 「……あら、特に嫌だとか言わないのね。言っても多分連れて行くと思うけど」

 「まあ、いい友人(家族)ができたからな」

 

 少し笑った藍を見て、紫は頭にハテナを浮かべていたが、分かった様な顔をしてスキマを開いた。

 

 「まあ、いいわ。それじゃあ帰るわよ。籃、それに緑___」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 [日記:紫によると、ここの神社の巫女は未来予知レベルの色んな意味で恐ろしい勘があるらしい。霊夢には及ばないだろうけど、俺の勘ではこれから楽しく、慌ただしくなると思う……]

 

 

 続きを使い慣れた万年筆でそう書くと、俺はゆっくり日記を閉じ、灯りに息を吹き掛けて消した___

 

 

 

 





 今回はキャラの参考に……なるように書こうとしたのに出来てませんね……


感想、批判、アドバイスよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。