東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 テスト終了のテンションを生かして一気に書き上げ投稿。人間テンションでやっていけるんだね。

 そしてやっと異変に入ります。今回は異変の繋ぎなのでちょっと拙いですが暖かい目で見てください……

 それでは、どーぞ!

 追記:合計話数50行きました。遂にここまでやったか自分。


~三十七頁目(自宅~守矢神社)~

 

 

 ___気がついたら俺は数回程訪れた事のある竹林のど真ん中に来ていた。

 恐らくは、夢。それも妖怪桜の異変の時に見たような自身が普通の狐の姿になっている夢だ。

 

 (……どこ行きゃ良いんだ?)

 

 突然、何もない竹林のど真ん中に出た物だから現在位置も方角もわからない。日の傾きも竹の葉で覆われて見えないし、何処を向いても同じ竹しか見えな……あ、一本だけ大きな爪痕ついた竹あった……とかそこじゃないから自分。

 

 こりゃ詰んだな。とか他人事の様に見ていると、突然場所が変わった。只の竹林の先になんと和風な建物があるのだ。

 

 (ここは……)

 

 慣れない四足歩行をして建物の扉の前に来た。自身が通常サイズの狐なので扉がやたら大きく見える。

 

 「……誰かしら?」

 

 不意に目の前の扉がガラガラピシャリ、と素早く開いて本気でビビる。オマケに弓矢を構えているので尚更ビビった。何? 死んで目が覚めるパターンか? 崖から落ちて目が覚めるより酷いじゃないか。

 

 「……貴女だったのね」

 (はい?)

 

 女性はよくわからない事を言い、弓矢を下ろした。さっきから弓矢に目が行っていたが、この女性は髪が銀色で奇妙な服装をしており、半分は赤、半分は青のどこのピエロだと言いたくなる格好だった。

 

 「こんな忙しい時にでも貴女は緊張感も無しに……まったく」

 

 そう言うとこの女性は俺を片手で抱き上げ……!?

 

 (うわっ!? ちょ、ちょちょちょ!)

 

 抱えあげられ俺は必死に抵抗しようとするが、こんな状態じゃ人を振り払える抵抗なんか出来やしない。精々持ちにくくなる程度だろう。

 

 (……!? はい!?)

 

 抱き上げられて少し運ばれた辺りでまた突然場所が変わった。何これ、なんで座布団に座ってんの俺。

 

 「……と、言うわけなの」

 

 先程俺を抱えた女性は壁に向かって座り、何かを書いていた。束ねた髪の毛が地面に接してしまってる。そして女性は振り返って微笑んだ。

 

 「……今回も、力を貸して頂戴。___」

 

 (っ!? な…何だ……っ!)

 

 突然、首が強く押さえつけられている感覚がした。謎の女性は何かを話している様だったが首を見えない何かに締め付けられていて聞いている場合ではなかった。

 

 (っ……___)

 

 

 そのまま、視界は真っ暗になり___

 

 「___ん?」

 

 目が覚めた俺は違和感を感じた。変な夢の中で味わった首の苦しさが現実でもあるのだ。

 恐る恐る、目を開けると首の上に白く長い物。嫌な予感を覚えながらも横に首を傾けてみる。

 

 「……シュルル」

 「え」

 

 ……白い蛇が首の上を跨がっていました。

 

 

 

 「首絞められた感覚の原因は貴様かーっ!」

 

 蛇を布団ごと弾き飛ばしながら俺は叫んだ。銃の発砲音に勝てそうな声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『いやー、突然跳ね起きるからびっくりしたびっくりした』

 「お前のせいで変な夢見ちまったじゃねーか……」

 

 現在、使い魔である白い蛇越しに諏訪子と対話中。とぐろを巻いている蛇に人間同士の様に話し合う姿は遠くから見ればさぞかし滑稽な物だろう。

 

 「お前のせいで…こう……竹林に迷ったり、変なピエロに矢を向けられたり、抱え込んでお持ち帰りされたし、気がついたら座布団に座ってて、そんで首が絞まって……」

 「……ごめん、訳がわからない」

 

 まあ、あの夢は俺ですら理解不能だったしどうでもいいや。そんな事より、俺の首を絞めてまででも訪ねて来た事を聞くことにする。

 

 「で、何で使い魔を不法侵入させてまで来たんだ?」

 「あれ、今日が満月の日だって知ってたっけ?」

 「思いっきり初耳なんだが……で、また酒を呑むとでも?」

 「流石神様、二重丸っ!」

 

 なんだそれ、と言うかお前も神だろうとかそんな突っ込みは置いておくとして、折角の好意だ。是非参加させてもらおう。

 

 「うん、参加するよね。今はもう三時ぐらいだから……もう少ししたら来てね」

 

 そしてじゃーねー、と諏訪子が言った後は何も声が聞こえなくなる。用が終わった蛇はまた一礼して去っていった。

 

 ……『はい』と言う隙すらもらえなかった。

 

 「諏訪子のフリーダムは今に始まった事じゃないし、魔理沙の手伝いをしたからって午後まで寝ちまったか……今から行こうかな___ほら、コロ。出てこい」

 

 陰陽玉を片手に持って霊力を注ぐとポン、と姿を変える。結局、初登場から何十話経ってもコイツが何なのかは分からないままだ。でも何かと役にたってくれるので気にしていない。遂に俺にも霊夢の悪い癖が移ったな。

 

 

 閑話休題。

 

 

 

 「りょく、やま、いく?」

 「おう、今から行ってどのくらいで着くか分かんないし、天狗に足止めされたら怖いし」

 

 一応、天魔とか言うギ●ス天狗がどうにかするとか言っていたが不安がやはり残っていた。何かを知ってる様だし何考えてるのか全くわからん。わからない事だらけだな、自分。

 

 「えっと……念のため一通りの武器は持ってくか。襲われたら強行突破するつもりで___よし、コロ。これ持っといて。武器としてな」

 「ん、あいさー」

 

 コロに魔導本とついでで弓を渡しておく。天照からもらった弓(矢は勿体ない気がするから飾ってある)にとある少女にちょっと手を加えてもらって『霊力を矢に変形させて放てる』と言う凄い機能をつけてもらったが、俺には銃という遠距離武器がある。なので、近、中距離の魔法しか使えないコロにピッタリではないかと思い渡してみる事にした。サイズ的にもピッタリだ。

 

 

 

 武器等の準備も終わり、貰った物や必要ない物はリュックに詰め込んでタンスの中に突っ込んでおいた。雑である。……そう言えば、紫に貰った扇子が出てきて思い出したけど、最近紫達と会ってないな……忙しいのだろうか?

 

 

 玄関の扉をガララ、と開けて下駄をきちんと履きなおす。遠出は下駄、近場は草履が自分ルールである。

 

 「___よし、あんまり遅いと日が暮れちゃうから急ぐぞ」

 「はーい」

 

 遅れて飛んで来たコロを袖の中に入れさせ、俺はいつ、何があっても良い様に銃を片手に山に向かって飛んでいった___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___守矢神社。

 

 

 「……」

 「……?」

 

 もう少ししたら『夕方』と呼べる時間帯。俺は飛んでそのまま鳥居を潜って着陸した。

 

 「……すげぇ、あの天魔って名前の天狗凄いな……!」

 

 さっきから無言になっていたが理由は簡単で我ながらアホらしい事だ。妖怪の山を越えようとして天狗にバッタリ出会っても『緑さんですね、守矢神社は彼方です』って必要以上に丁寧な扱いされたからだ。天魔が何か向こうでしたらしいのだが……。

 精々、『コイツは無害』みたいな程度に扱われると思っていたので初期の扱いに比べると何か感動した。天魔さん、ありがとう。

 

 

 閑話休題。

 

 

 「さて、まず来た事言わなきゃな」

 「コロ、つたえて、くる?」

 「おん? ……じゃあ、お願いするか」

 

 そう言うとコロは真っ直ぐ建物の方に飛んでいった。あいつ、場所分かってるのか?

 

 「さて、どうしてるか」

 

 コロが伝えに行ったので今の俺は完全にフリーだ。やることが無くなってしまった。

 

 (……じゃあ、待ってるとしますかい)

 

 俺はそばの鳥居に寄り掛かる様に座り込む。秋だから石の道が恐ろしい程に冷たい。なんだこれ、湖関係でチルノでも来たのか?

 

 「よっこらせっ……と。……やっぱり、いつ見ても綺麗だよな」

 

 幻想郷の殆どが一望できる場所なので、幻想郷の殆どが赤から黄色の木々に覆われているのがよくわかる。オマケに空が快晴な為、徐々に赤みが増してくる太陽がその木々を照らしていてその名の通り幻想的だった。

 

 「やっほ、思ったよりも早かったね」

 

 不意に寄り掛かった鳥居の裏からひょっこりと諏訪子が出てきた。

 

 「おう、それじゃあ、行くか」

 「うん、今夜は呑んで呑んで呑みまくんぞー!」

 「……興奮し過ぎて口調変だぞ」

 

 一人、テンションが高い諏訪子と共に既に準備に取りかかっている神奈子やコロ等のもとに歩いて向かった___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___まあ、そんな事もあったわけだい。で、結局やつらはそのまま失敗してねぇ___」

 

 月見酒をする前に折角だし、夕飯でも食べようと諏訪子の提案で食事……もとい、神奈子の世間話(ジャンルは様々、神との仕事の付き合いから天狗関係。後は魔理沙が空き巣をしてくるとか)を聞いてきた。最近、ご馳走になりすぎてる気がするが気にしない。

 

 「はいはい、呑んで呑んで。コロちゃんは甘酒だね。早苗は……取り合えず甘酒で」

 「あ、諏訪様。ありがとうございます」

 「ありがとう、すわこ」

 「だからって呑ませ過ぎるなよ。二日酔いになるかもしれないし……あ、どうも」

 

 コロはどれぐらいで二日酔いになるかはわからない。普通の酒は余裕で二日酔い確定だ。あれ、でもワインの時は全然平気だった気がしたが……そういう体質なのか。

 

 「……さて、そろそろいいんじゃないかい?」

 「いい加減、始めちゃうよ?」

 

 何処かで聞いたことある台詞とか、それはチルノの台詞だろとか突っ込みは無しにして、確かにそろそろ月が上がる筈である。

 

 「ほら! 今日は晴れだしよく見れるよ」

 「おー、本当だな。寒いのが気になるが」

 

 月明かりでうっすら藍色の空に金色にぼんやり光る月を見て感嘆の声を上げた。早苗もそばで同じ様に感嘆の声を上げていた。

 

 「さて、そろそろ飲むことにしようか」

 

 諏訪子が酒瓶を持って笑顔で言ってきた。やっぱり酒が大好きだな、皆。

 

 「……あれ? 緑さん、諏訪様、神奈様。何か……変じゃないですか?」

 「……?」

 

 縁側に料理を移動させようとすると月を見ていた早苗が呼び掛けてきた。変じゃないかって……?

 

 「ほらあそこ、あそこです。今日は満月なのに欠けてきてませんか?」

 「欠けてきてる……? 元からじゃなくて?」

 

 良く目を凝らせて見ると月の一部が欠けている事に気がついた。

 

 「早苗ー? どうしたのー?」

 「す…諏訪様! 月がどんどん欠けてきています!」

 「はぁ!? なんだあれ!? 凄い欠けて来てるじゃねーか!」

 

 どんどん月の欠けた部分が凄いスピードで広がっている事に気がつく。なんだありゃ、何があった。

 

 「あれは……『月食』かねぇ? にしては可笑しいスピードだけど」

 

 神奈子が月を見上げて言った。月食って言うのは確か、地球の影に月が入って欠けて見える___そんな現象だ。勿論、こんなスピードで欠けないが。

 

 「あ、わわわ……き…消えちゃいますよ!」

 「うわっ! 本当に消えるぞ!?」

 「うわ! 本当だ!」

 

 駆けつけた諏訪子が驚く声を上げた。そして月は完全に黒くなり___

 

 「な、何ですかあれ!?」

 「……皆既月食か?」

 「そのようだね。でもこれは可笑しいわ。何時もなら月読が何か連絡入れて来るけど……」

 

 月が完全に消えた途端、月が赤くなる。紅い霧の時とは違い、本当にうっすらである。

 

 「……早苗」

 「はっ、はい! 何ですか!?」

 

 すっかり怪奇現象(?)を前にテンパってしまった早苗に諏訪子が声をかけた。諏訪子は何故かフッフッフ、と笑っていた。

 

 「早苗! 異変だよ! 今こそ早苗の出番だよ!」

 「出番……? ああ、異変解決か?」

 

 幻想郷の巫女は異変解決の義務があるのだろうか。諏訪子が指をビシッ、と月に向かって突き立て、何処かの指令官の様に言った。

 

 「……一応聞くが、早苗って異変解決した事あるのか?」

 「いえ、それが……その……」

 「無いよ。だから一度は経験してもらおうとね」

 「……経験浅い奴が言うが、かなり辛いぞ?」

 「……そこで緑の出番だよ。初異変解決の早苗を手助けして貰うよ」

 

 諏訪子のニヤケ顔に対し、俺の顔は引き吊っていた___

 




 永夜抄編入りましたー! 今回は早苗と緑の『現人神コンビ』で時に悲しく、時に美しく解決していきます。 はい、嘘です。
 このコンビにするために色々信頼しあえる様にフラグやら何やらした結果、恋愛的な方になってしまうと言う裏話。これが現代っ子か。(関係無い)

 完全に余談ですが、この小説書き初めてから国語の書き抜きとかの問題の答えを纏める力がついた気がします。あとは英語が身に付けば……

 そんな訳で次回から異変解決に入りますが、よろしくお願いします。

 感想は作者の餌に、批判、アドバイスは良い薬になります。
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