東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 前回の続きでもあり、次回への繋ぎです。異変中に大きな戦闘がないと上手く書けてる気がしないんですよね……うーむ。

 それでは、どーぞ!


~三十八頁目(森~迷いの竹林)~

 

 

 ___結局、あの後俺は突然の異変を解決しに行く早苗のサポートとして同行する事となり、突然の皆既月食が原因なのかを調べるため、暴れている妖怪を蹴散らしながら夜の道を飛んでいた。

 

 そして早苗は妖怪退治に初参加だ。早苗の弾幕やスペルカード等は充分に強いのだが、実戦は初な事に不安を感じていた。

 ……いや、だってさ。妖怪退治の準備の時、早苗は___

 

 

 

 

 

 『___虫よけスプレーよし、懐中電灯よし、双眼鏡よし、ブーメランは……ないか、よし! 緑さん、此方は準備完了ですよ!』

 

 

 

 

 

 

 ___うん、多分なんかの冒険と間違えてないか? 本人は妖怪退治がメインだと言う事は分かっているので大丈夫だと思うが……でもさ、鼻歌がインディ・●ョーンズなのが一番気になるんだけど、果たして本人は本当に妖怪退治しに来ているのだろうか。

 

 

 「ひゃー、凄い冷えますね」

 「ああ、昼が快晴だったから夜は冷え込むな……うぅ、寒っ」

 「いきもの、さむがる、ふべん」

 

 二人して秋風の寒さに耐えてるとコロが他人事の様に呟いた。仕方ないだろ、生き物だもの。

 

 「良いですねぇ、コロちゃんはぁ。早苗達は寒くてですねぇ、辛いんですよぉ……」

 「早苗、語尾が震えているぞ……コロ、魔導本に飛行用の“風避けの魔法”って載ってなかったか?」

 「ん、まってて。さがす」

 

 コロは体の大きさに合わない本から探し始めた。

 

 「魔導本って辞書みたいになってるんですね……開く方に頭文字が書かれてありますし」

 

 うんうん、と俺は黙って頷いた。パチュリー曰く、戦闘時に直ぐに使いたい魔法のページを引く為に必要らしい。

 ……説明がよく分からない人は実際に辞書を手にとってもらうとわかるはず。あの『あ、か、さ、た、な』って開く方の側面に書かれてるやつ。

 

 

 閑話休題。

 

 

 

 取り合えず魔法によって風をある程度防げる様になったのでどんどん進んで行く。目的地は無い。霊夢が言うには『そこら辺をぶらぶらしてれば辿り着く』のだとか。

 

 「そう言えば、今年は虫が少ないですね」

 「……そういやそうだな。今年は寒すぎて全滅したのか?」

 

 早苗としょうもない会話をしながら飛んでいる……その時、

 

 「全滅なんてしてないわよ!」

 

 そんな声と共にマントの様な服をした緑の髪をした少女。特徴的なのは頭に虫と思われる触角生えていた。

 

 「ほら、噂をすればなんとやらってやつですね」

 「だとしても、こう堂々と出てくるとはな」

 「むし、でた」

 

 「何よあなた達……反応が薄いわね」

 

 あまり良い反応が返って来なかったからか少女は肩を落とした。人を襲ったり驚かす妖怪か?

 

 「まあいいや。先に進ませてもらうか」

 「さき、すすむ。じゃま、よくない」

 

 「私を無視しようとしてもさせないわ。虫を甘く見たら痛い目に会うわよ!」

 

 そう言い少女はスペルカードを構えた。スペルカード戦の合図だ。此方もスペルカードを構え___

 

 「___はい、緑さん、コロちゃん。ちょっと息を止めて目を瞑って下さい」

 「はい? いや何で___はぶっ!?」

 

 突然、早苗にスプレーの様なものをかけられる。独特な臭いのする霧___恐らくこれは……

 

 「なっ!? 臭いっ!?」

 

 ……虫除けスプレー、だよな?

 

 「ひ…卑怯よ! う…うわあああぁぁぁん!」

 

 スプレーを使った途端に少女は涙目になりながら退散してしまった。どうやら、虫にとってはこの臭いは駄目な様だが、ここまで効くものなのか。と言うか、これで良いのか。

 

 「さて、先に進みましょう!」

 「お前もいきなりすごい行動とるな……」

 

 虫除けスプレーを片手にニッコリ笑う早苗。若干黒い気がする。気のせいだと思うが。

 

 「虫は一匹いたら三十匹います。一匹を倒す事に時間を掛けてちゃ大変ですよ」

 「まあそうだな。潰すか逃がすか迷っていようが虫は動く。一気にやらないとな」

 「ごかていでも、いっきやる、だいじ」

 

 構えたスペルカードを仕舞い、俺は二人の方に戻った。

 

 ……なんか三人してカッコつけたけど、結局は(早苗の)卑怯戦法による不戦勝である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 途中から森に入り、チルノとは中のよいらしいミスティアと言う名の夜雀の妖怪に出会ったりとして森を抜け(二面ボスのスルーに定評がある気がする)、やっと着いたのは目的地___

 

 

 

 

 

 

 「___じゃなくて、全くの無関係な場所じゃないか」

 「全然異変と関係ないですよー……」

 

 神社から飛び出して辿り着いたのは人里。結論的には遠回りして人里に来ただけだった。

 

 「ったく、勘を頼りにするべきじゃないな。一応、人は出てない様だが……単に寝てるだけかね?」

 

 店も閉まってるし家の窓とかから火の光は見えない。寝静まってるのだろう……とか、自分の中で結論付けていたら早苗が首をかしげた。

 

 「え、緑さん? 人どころか、ここ何もないですよ?」

 「……え、いや、思いっきり民家とかあるけど?」

 「え? 特に建物は見えませんが……?」

 「いや、普通に人里の門前だぞ?」

 「いえ、普通に拓けた場所ですよ?」

 

 ……あれ?

 

 「いや、ここに家あるって」

 「いえ、何もありませんよ」

 「ここにあるって」

 「ありませんって」

 「あるって」

 「ないです」

 「あーるーかーらー!」

 「なーいーでーすー!」

 

 ここに人里があるかないかで討論が始まった。可笑しいな、確かにいつも通りの人里の前なんだが?

 

 「……なに変なコントやってるんだお前たちは」

 「はうっ」

 「ぐはっ」

 

 いつの間にか後方に人影が近づき、ペシシッと叩かれた。そこまで痛くは無かったが、結構驚いた。

 

 「あ、慧音さん!?」

 「慧音さん? 何故こんな夜中に?」

 

 後方から叩いてきた人影は慧音であった。腕を組ながらため息をつく。

 

 「……昔の異変にそっくりな異変が起きたものだから、誰か異変解決に来るとは思ったが……お二人さんだったとはな」

 

 「『前も』って部分は気になるが急いでるから置いておく。突然だけど、何か早苗と俺の意見が噛み合わないんだが……もしかして、慧音さんが原因、とか?」

 「うむ、正解だ。念のため妖怪対策で里を無かったことにしたのだが……杞憂だったようだな。普通に考えて、山の現人神と里の守り神が人里を襲うわけがない」

 

 なんとなく尋ねてみると慧音は笑顔で答えてくれた。幻想郷でこんな礼儀正しい人(半妖)は他に居ないだろう。なんかホッとした。

 

 「ええっ!? じ…じゃあ…緑さんには里が見てて、私には見えてないって事ですか!?」

 「そうだな。早苗は現人神とかそれ以前に人間だからだろうな。緑は力のある妖怪の身でありながら里の守り神であるからだろう。……神様関係無しに賢者には容易く破られたがな」

 

 むむ、と少し悔しそうに慧音は言った。賢者って紫だよな? いやホント昔に一体何が。

 

 「ほれ、そっちに竹林の道がある。その先が前回の異変に関わってたって聞いたぞ」

 「前回って……こんな異変か!?」

 

 そう言いながら俺は皆既月食を起こしている月を指差す。

 

 「……? あの時は『偽物』に変わっただけでこんな事には……」

 「そうですか……分かりました、ありがとうございます! さあ、緑さん! 早く行きましょう!」

 「え、何、どうした? 何で先を急いでる?」

 

 突然テンションが上がった早苗が俺の手を引きながら言ってくる。何でそんなハイテンションに?

 

 「異変解決って最初は細かい情報収集を繰り返す物だと思ってちょっと嫌だなー……って思っていたのですが……誰も知らない真相を暴く! 素敵じゃないですか!」

 

 ……確か、神奈子は『早苗を幻想郷らしく、妖怪退治とかに慣れてもらう』って言ってたけど……しかも当時の目標から脱線してる気がしてたまらない。

 

 「……分かったよ、但し、『妖怪退治』だからな?」

 「はい! ガンガン退治しますよ!」

 

 

 ……早苗ってこんなキャラだっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ___迷いの竹林。

 

 

 名前からして不吉なこの竹林は道が入り組んでいると言うかそもそも無く、下手に散歩すると生きて帰ってこれる自信がない程だ。妖怪もわんさか出てくるし、富士の樹海よりたち悪いんじゃないだろうか。

 

 「り、緑さん! そこら辺とじゃ比にならない量ですよ!?」

 「わかってる! だーっ! 寄るなたかるな近づくなっ!」

 

 竹林に入って見ると満員電車並みの密度で妖怪達が居た。居たじゃなくて詰め込まれたんじゃないかと思えるレベルだ。

 

 「あびきょうかん。まさにじごく」

 「どっからそんな言葉覚えてきたっ___てか危ないっ!?」

 

 地上では飛べない妖怪が集まって小山を作っていた。下から妖力の弾幕の様な物も飛んできて、飛んでいれば安全では無さそうだ。

 

 「___駄目です! きりがありません!」

 

 ちょっと遠くでこの妖怪の量を見て頭が冷めた早苗が叫んだ。札を投げて吹き飛ばしては集まる……と言う無限ループを繰り返してる。

 

 「この場を引きたいんだがっ……! 弾幕飛ばすやつをどうにかしないとなっ!」

 

 俺は弾幕を避け続けながら返事をする。妖力の弾幕を飛ばすのは七体程。そいつらをちょっとでも怯ませれば……

 

 「……っ、えいっ」

 

 ___などと思っていると、すぐそばでコロが弓の弦を引き、放つ。霊力の棒が妖怪達に真っ直ぐ飛んでいき、霊力の矢は大きく弾けて妖怪を纏めて吹き飛ばす。

 

 「ナイス、コロ! 早苗、取り合えずあっちに行くぞ!」

 「はっ…はい!」

 

 竹林の奥深くに俺らは飛んで行く。奥の方は妖怪が異様に少なく、竹林内のほぼ全ての妖怪があそこに溜まっているのだとわかる。

 

 「り…緑さん……ここから何処に行きますか……?」

 「前後左右、竹しかない場所で『何処に行きます?』なんて聞かれてもな……」

 

 つまり、迷った。ほれ見ろ、名前が不吉過ぎるからー。

 ……なんて考えて無いでどうしたら異変と関わり深い所に行けるか赤い月を見ながら考える。

 

 (……あれ?)

 

 皆既月食が起き始めたのは三時間以上前のはず。なのにどうして短時間でしか起きない皆既月食が続いてるのだろうか?

 

 「ん、りょく、ひと」

 

 そんな事を考えていると、不意にそばを飛んでいたコロがそんな事を言った。こんな竹林に人?

 

 「ここに人なんて来るか普通?」

 「だ、誰ですかっ?! コロちゃん! 一体どんな人が!?」

 

 辺りをまるで挙動不審な人(失礼)の様に見回す早苗に対し、コロはうーん、と少し唸って、

 

 「あかと……しろい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___そこまでよ!」

 

 

 

 

 竹林の隙間から見える大きな赤い月。それを背にして紅白の人影が飛んでいた___





 と、言うわけで戦闘は次回にー……そして一人 VS 二人+@の戦闘を上手く書けるのか……どうなるのやら。

 あと、実は最後の登場キャラ。初期は黒白の方を出そうとしたのですが、日常パートに出したので急きょ此方に……この人に勝てるの?

 それでは、次回をお楽しみに。
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