東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 今回は真相への触れる直前までっぽいかもしれません。……軽い気持ちでやっていて気が付いたら数千字も書いてるんですよ? なんか怖いです(ぇ

 それでは、どーぞ。


 注:一回だけ会った事のある人物は緑はうろ覚えです。覚えてるのは名前と見た目程度です。


~四十頁目(迷いの竹林~永遠亭)~

 

 「あいたたた……」

 

 下の地上から頭を擦りながら霊夢は飛んでここまで来た。……あれを喰らって痛いで済むのだろうか?

 

 「見ましたかっ! これが私達の合体奥義です!」

 「……そんな戦闘物のロボットアニメとかじゃ無いんだからそんな言い方しなくても良いだろ……」

 

 ビッ! と決めポーズを取る早苗に突っ込みを入れる。と言うか、体が本気で怠い。神力を卸し過ぎたかもしれない。

 

 「……仕方ないわね。今回私は妖怪退治の途中で、何も見ていないって事にするわ。あー、何もなーい、何もなーい」

 

 いや馬鹿にしてるだろ、と言う突っ込みも疲れきった体には辛く、素直に聞き流す事にした。

 

 「取り合えず、私は里の方に行ってるわ。あの宇宙人らは確かこの辺りに居るはずよ。あんたたちも気を付けなさいね」

 

 スカートの土埃を払い、霊夢は大きく欠伸をしながら言ってきた。と言うか、宇宙人ってなにさ。

 

 「大丈夫です! この調子でなら文字通り、『朝飯前』に終わりますよ!」

 「……『夜食前』にだといいんだがなぁ……」

 

 そう言いながら溜め息をつく。結局、一から元凶を探す事になるな……と、考えている時、ある物に気がついた。

 

 「……あれ、あの竹、傷がついていないか?」

 

 俺はそう言って危なっかしい飛行で近づく。確かに深い傷がついていた。

 

 「緑さん! この傷、他の竹にもついてます!」

 

 俺のそばまで飛んできた早苗が指を指す。その先には確かに深い傷がついた竹があった。それもたくさん。

 

 「……!」

 

 偶然か、予知夢と言うものなのだろうか。確か、昨日見た夢だと迷いの竹林に居て、変な建物があって、竹に変な傷がついていて……!

 

 「こいつだ! 早苗、この傷ついた竹のある方に行くぞ!」

 「ふぇぃ!? な、何でですか?」

 「それは後で話す事にする___コロ、傷の付いた竹の場所を教えてくれ!」

 「ん、わかった。……こっち」

 

 俺の突然過ぎる行動のせいか、戸惑いを隠せない早苗を何とか連れていき、更に奥に進んだ___

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 「___全く、騒がしいわね……」

 

 早苗を連れて進んで行った緑達を見て土埃を払いながら私は呟いた。

 

 「でも、早苗が緑と一緒ね……。うーん……」

 

 ……何か、モヤモヤする感じがする。この感じが何なのかよくわからないが、心の中にある言葉が浮かぶ。

 

 「……羨まし___ハッ!? いやいやいや、違う違う。それは無い」

 

 自分の発言を全否定する為に首を飛んで行ってしまうのではないかと言える勢いで首をブンブン振る。だが、逆に徐々に顔に熱が溜まっていく様な感覚がする。

 

 「___!」

 

 首を振るのを止めると、私の下の地上に妖怪が集まってきたのが見えた。やはり、この月の影響で妖怪は狂暴になっている様だ。

 

 「……っ! あんた達には恨みが無いけど、何となく私の気晴らしになってもらうわよ!」

 

 

 その後、しばらくの間竹林は阿鼻叫喚の様になっていた、と後に目撃者である夜雀の妖怪は後に語ったと言う___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……ほーら、見ろ。怪奇現象の集まる幻想郷でもここまで来ると怖いな」

 「りょく、おおあたり?」

 「色々となんの事か気になるんですけど……元凶は此処なんでしょうか? まあ、ここ以外に無さそうですけどね」

 

 早苗を引っ張って竹を目印に進んだ先には___やはり、夢で見た光景が広がっていた。

 昔の日本の民家の様な見た目の家。完全に夢と一致している。その家は大昔からある様な雰囲気を出していた気がした。

 

 「それじゃあ、潜入しますか?」

 「潜入って……普通に正面からじゃ駄目なのか?」

 「駄目ですよー! ここはダンボールを被り、相手の隙を見極めて___」

 「そっちの方が駄目じゃねーか。と言うか、配達員が絶望的に居ないこの幻想郷でダンボールじゃ逆に怪しまれるから。せめてバケツだろ」

 「バケツはトイレ専用アイテムですよ! 基本はダンボールです!」

 

 ……取り合えずこれ以上話してても早苗のダンボール愛しか分からないので先に進む事にする。

 

 「……そう言えば、今更ですがどうしてこんな異変が起きたのでしょうか?」

 「さあ? でも、今まではちょっとした理由から幻想郷の危険を回避するためとかあったな」

 「何か、後半は凄いですが……今回は分かりませんね。皆既月食にする意図が掴めませんし」

 

 取り合えず玄関の前でお互い装備を整える。俺は刀を先に出しておき、銃に弾を装填してライトとレーザーポインタのスイッチをオンにする。

 

 早苗は札の枚数を確認。そして袖の中に仕舞うと小さいお祓い棒を持つ。

 

 「さて、一気に行きますよ!」

 

 そう言うと早苗は玄関に手をかける。

 ……あれ、確か夢では玄関から……なにがあったっけ? あ、そうだ思い出した。確かピエロっぽい奴が___!?

 

 「おい! 待て早苗!」

 「ひゃっ!?」

 

 大声で早苗が玄関の扉を開けるのを止める。確か夢だと弓を持ったピエロみたいな奴が出てきた筈だ。兎に角、いつソイツが出ても対応できる様に身構えた……が、玄関からその様な奴は出てこなかった。___と、安心したその時、

 

 「……っ!?」

 「わっ!? と、扉が勝手に!?」

 

 ススス……と、じれったい程にゆっくりと玄関の扉が開く。まさか、ここまで正夢に___

 

 「___ふぁ~あ、……あれ、誰?」

 

 何が出ても良いように全力で警戒していた俺達の前に兎の耳を生やした少女が玄関から出てきた。

 

 「あ、あの……緑さん? これは……?」

 

 眠そうに目を擦るウサギ耳を生やした少女を見て早苗は固まったまま俺に尋ねてきたが、俺も固まっていた。……だって確か___

 

 「___あの豬の時の白兎!?」

 「……あれ、あの猪の時の狐?」

 

 俺もこの白兎も互いの顔を見てピン、と思い出す。随分と前に竹林で会ったのだが、こんな所に住んでいるとは思わなかった。___ん? 此処に住んでる?

 

 「……なあ、まさかお前が異変の関係者、なんて事は___」

 「異変? ……ああ、そっか。確かにそう見えるっちゃそう見えるね」

 「……はい?」

 

 何やら意味深なこの白兎の言葉に聞き返してしまう。

 

 「ええっと……すっかり私は蚊帳の外なんですが……貴女が異変の関係者で間違えないですか?」

 「いやいや、私達はどちらかと言うと『被害者』だね」

 

 はぁ、と俺は気力のない返事をする。何か謎が多すぎて訳がわからない。と言うか、普通に教えてくれないのか?

 

 「……まあ、あの時の縁と言う訳で入っても良い(と思う)よ」

 

 そう言い白兎は玄関から外にピョン、と跳び出る。予想外の行動に思わず俺は唖然とした。一応、人の家に押し掛けに来た訳なんだが……良いのだろうか?

 

 「それじゃあ、緑さん! 先に進みましょう! ___お邪魔しまーす!」

 「え、ちょ、何も躊躇いも無く……まあいいや。ちょっとこの異変が何故起きたのか、この家の人が知ってそうだからお邪魔するぞ」

 

 何も思わず家に入る早苗を見て少し恐ろしく思えたが、取り合えずこの白兎に一言言ってからお邪魔する事にする。

 

 「……あれ、私からは聞かないのかい?」

 「いや、何か教えてくれなさそうだし……それに早苗が楽しそうにしてるのにここで真相とか解決しちゃったら駄目だろ?」

 「おー、流石女性を大事にする紳士だねぇ」

 「今のは聞かなかった事にしておく」

 

 そんな冗談を言い合いながら俺は早苗についていく様に中にお邪魔した。

 

 ……何か、白兎が変に笑っていたが何故だろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「長いですね……」

 「永いよなぁ……」

 「むぅ、ながい」

 

 現在、俺らは長い廊下をひたすら飛んでいるが、未だに何処にもたどり着かない。流石に俺にも焦りが出始める。早苗は何か物足りない顔で、コロは困った様な顔をしていた。て言うか、無限ループって怖くね?

 

 「……長いな」

 「……ながい」

 「……暇です」

 「……暇って何だよ暇って」

 「だって敵一匹にすら会わないんですよ!? あれですか!? 戦闘シーン省いてるんですか!? これじゃあこのパートに戦闘要素無くなっちゃうじゃないですか! 異変中なのに!?」

 「あー、こらこら。大声でメタ発言は控えろ」

 

 そこで一時、会話は終わって薄暗い廊下の中で飛ぶ時の風の音しかしなくなる。

 

 「……それじゃあ、しりとりしませんか」

 「いや、何故そうなった」

 「しりとり、する、なの?」

 「やっぱり、コロちゃんもやりますよねー?」

 「一応言うが、仮にもそうでなくても異変の元凶がすぐ近くにあるんだぞ?」

 「じゃあ、しりとりの『り』から___」

 

 

 「何、呑気な事をしてるのよ」

 

 

 不意にそんな声が誰も居なかった筈の廊下に木霊した。

 

 「忙しかった直後だって言うのに家の事情を何も考えてない来客がよりにもよって今日来るなんてね……」

 

 ぼやけた物が突然現れ、徐々に形を作り、人の形になった。

 

 「あ、また知ってる妖怪が」

 「……緑さん、思ったより顔が広いんですね」

 「りょく、ともだち、おおい?」

 「うーん……どちらかと言うと知り合いだな」

 

 「何か、出てきたのに蚊帳の外にされてるんだけどー……」

 

 つい二人ともう一人で余計な会話をして目の前の兎の耳を生やし、学生服を着た少女の事を忘れてしまっていた。

 

 「……コスプレですか?」

 「しんざん、ほいほい?」

 

 「初対面でいきなりそんな事言うな! あと何よ新参ホイホイって!」

 

 この少女___たしか、鈴仙は顔に青筋をうっすら浮かべながら早苗とコロの失礼な発言に言い返す。と言うか、コロはどっからそんな言葉を覚えてきたんだ?

 

 

 

 「___あら、誰か来たのかしら?」

 

 鈴仙の後ろからそんな声がしたと思うと、一人の少女が出てきた。しかし、そんな事より今の俺は驚きを隠せずにいた。

 

 「お前、確かあの夢の時の……」

 「……!!」

 

 そう、夢の時に出てきたピエロの様な半分赤と半分青の服。完全に一致していた。

 

 「___ふふ、これは久しぶりの来客ね……それじゃあ、鈴仙。ここは任せたわ」

 「はい、今のうちにお休み下さい」

 「いいえ、楽しみだから落ち着いて休めないわよ」

 

 そう言い残すとピエロの様な少女は廊下の奥の闇に消えてしまった。

 

 「何だか良く分かりませんが、このコスプレイヤーさんを倒す。話はそれからの様ですね」

 「だーかーらー! コスプレイヤーじゃなーい!」

 

 鈴仙は早苗に大声で言い返した。と言うか、何時までその下りをやってるんだよ。

 

 「……まあ、いいわ。そんな呑気な様じゃ私の月の狂気には耐えれないわよ」

 

 話を戻し、鈴仙は指を銃の形にしてそう言う。若干中2病臭く思えたが、話をとっとと進めたいので空気を読んでおく。

 

 「月の狂気?」

 「ん、あのうさぎ、きょうき、きけん。」

 

 「既に自分が真っ直ぐ飛べない程にやられているのに、たったの今知った様じゃ遅すぎるわよ!」

 

 鈴仙は指を此方に向けてくる。俺達はそれぞれ武器を取り出して弾幕ごっこに備えた___

 

 




 早苗「ほら、言わんこっちゃないですよ(戦闘シーンの事)」


 ちょっと早苗を爆走させ過ぎた気がします……初の異変解決でテンションが星蓮船の神奈子装備並みにしたかったのですが……。これが『半妖神様爆走日記』……!(違う)

 そんな訳で次回、戦闘から始まります。
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