若干急ぎ足で書いたので誤字があるかもしれません……
それでは、どーぞ!
「___喰らいなさい!」
鈴仙の放った弾幕で辺りの動きを制限されている中、更に速い弾丸を早苗に向けて放つ。
「くっ……えいっ!」
早苗は体を上手く捻って回避し、捻った時に取り出した札を体を戻す時の遠心力をつけて投げる。
「そっちこそ……喰らえ!」
早苗が札を投げたのを見て、俺は銃を鈴仙に向けて弾丸を五発放った。早苗と俺の攻撃がほぼ同じスピードで鈴仙に向かっていった。
「危ないわね……!」
そう言うと鈴仙は指から放ったとは思えない大きさの弾丸を放ち、爆発させて俺と早苗の弾幕を相殺させる。
「上手くいったと思ったが通じないか……」
そう呟きながら俺はマガジンを取り出して霊力を補給させる。勿論、その間も鈴仙の放つ弾幕に目を外さない。弾丸が飛んできたら少し退いて避けてリロードを続ける。
「コロ! 援護してくれ!」
リロードを終えてマガジンをしっかりと銃に差し込むと同時に声をかける。弓の放つ霊力の矢はそこまで威力が高い訳ではないが、援護が無いよりは数倍良い。それに稀にだが弾幕だって消すことが出来たりする。
「一気に攻められると不味い……なら!」
鈴仙はブレザーのポケットから一枚のカード___スペルカードを取り出した。
「これでどうかしら!? ___狂符『狂視調律(ビジョナリチューニング)』!」
「っ! 早苗! 気を付けろ!」
「はい!」
鈴仙が宣言をした直後に早苗に呼び掛ける。確か鈴仙は相手を錯乱させる攻撃が多かった筈。それに本人も『月の狂気』と言っていたからそんな感じの攻撃がくるだろう。
そして鈴仙と俺達の間に使い魔らしき物が壁を作る様に弾幕を張りながら飛んできた。
「っ! 量が多くで届きません!」
壁の様な弾幕が早苗の札を遮っていて鈴仙には到底届きそうになかった。ここは貫通系の攻撃を使った方が良いかもしれない。
「ただ弾幕が多いだけじゃないわよ!」
そう鈴仙が言った瞬間、世界がぼんやりと赤くなる。これは……そうだ! 確か___
「気を付けろ! 幻覚だ!」
世界が赤い中、壁の様な弾幕は薄くなって横に平行移動する。そして世界が元の色に戻った直後、弾幕はそれぞれ移動した位置から飛んできた。
「くそっ! 駄目だ! ___コロ! 一回戻れ!」
「ん!」
気がつくと俺の周りは弾幕に囲まれていた。しかし、そこまで狭くはないので落ち着いてコロに指示を出し、マガジンを取り替える事が出来た。
そして銃口を相手に向けて貫通するレーザーを撃ち込んだ。レーザーは弾幕を突き破り、そして鈴仙に当たる……が、やはりそこまで威力は期待出来なさそうだ。
「秘術『グレイソーマタージ』!」
ここから少し離れた所で早苗の声が聞こえた。スペルカードだと思われる青白い線が星形を作って弾幕を消していく。
「___よし、攻略したな」
突然、フッ……と辺りを埋め尽くした弾幕が消える。幻覚ではない。制限時間が来たのだ。
「さあ、まだやりますか!?」
早苗が札を片手に構えて鈴仙に言った。ここまで来て妖怪退治が板についてきた気がする。と言うか、慣れすぎて怖い。このテンションじゃ何時か良い妖怪だろうと勢いで退治し、そのまま妖怪と一緒に記念撮影でも撮ってしまいそうだ。
「まだまだ! これからよ!」
鈴仙は早苗に向けてそう言うと続いて次のスペルカードを取り出す。
「___散符『真実の月(インビジブルムーン)』!」
宣言すると鈴仙は円の様に弾丸を放つ。弾丸自体はそこまで速くない。
「早苗! 気を付けろよ!」
「はい! 大丈夫です!」
迫ってくる弾幕の隙間を潜り抜けようと身構える……が、
「っ!?」
「なっ!? どこいった!?」
なんと、突然弾幕が消えたのだ。止まってる訳でもなく、移動している訳でもない。完全に消えていた。
俺はつい、“足を止めて”辺りを見渡してしまった。
「……視界ばかりに頼ってたら駄目よっ!」
鈴仙がそう言うと、今度は何もない所から弾幕が突然、目の前に出現した。
「___っ!? しまった!」
弾丸は目の前だ。別に俺は退くことが出来るが、このままだと同じくらい近くにいて動けないでいる早苗に弾幕が当たってしまう。
(こうなったら……!)
本当はこんな方法はやりたくなかったが仕方ない。咲夜の能力を使うにも、発動するのに必要な時間があって間に合わない。なので、俺が早苗を直接移動させる事は出来ない。しかし、間接的なら出来る。
(風を起せば……!)
能力の“ありとあらゆる能力を扱う程度の能力”から早苗の能力の俺版の「奇妙な事を起こす程度の能力」を使い、突風を吹かす。
「きゃっ!?」
人を突き飛ばす勢いの風を受けて早苗は後ろの方に吹き飛ばされた。
「___グハッ!?」
早苗が後ろに押し出された後、鈴仙の放った弾幕はそのまま俺に命中する。
(……思ったより……ヤバいかもな……)
能力に意識や霊力等が集中していたせいだろうか、当たった弾丸は想像よりも強く、意識が持っていかれそうだ。何故か冷静にその事を理解できた。
そしてそのまま意識が消えかけながら俺は床に落ちた___
「___ぎゃん!?」
……突然頭に拳骨の様な痛みが走り、意識が強制的に戻された。
「ぐぅ……むむむ……痛てぇ……しゃらこうべが陥没する……」
頭を抱えながらその場で胡座をかく。と言うか痛すぎる。さっき意識消えかけてまた戻されたけど、このまま更に気絶しそうだ。
いい加減に痛みが引いて、やっと自分がどんな状態になったか分かるようになった。
「……は? 地面? なんで外? なんで昼? なんでこんなに草が青いの?」
辺りを見渡すとここは外で草原だとわかる。いや、分かっても訳がわからない。確か、室内で弾幕ごっこしてたし、悔しいけど撃ち落とされたし……つまり___
「___ダウト。お花畑的なやつじゃなさそうだし、三途の川なんて見えないし……夢か」
ほら、あれだ。やられて意識不明状態で変な物を見てるのだろう。と言うか、やっぱり変に冷静だな、自分。
「何か異様に懐かしい気がするんだが……あー、これってもしかして?」
俺は起き上がり、少し離れた所に立っている木製で黒い防腐剤が雑に塗られてある看板を見る。名前は確かに『緑地公園』と書かれていた。
「これって……俺の実家付近の公園だよな?」
当たり前だが、俺の実家は幻想郷にない。つまり此処は外の世界だ。懐かしいし、久々にこの公園を見ることが出来て嬉しいのだが、やはりあり得ない。
「……取り合えず、頬でも引っ張ってれば何時かは覚め___何だ?」
頬を引っ張って目を無理矢理覚まそうとしたその時、足元で鈴の様な音がした。
「……ボール?」
明るい蛍光色で中の空洞に鈴が入ったと思われるボールが足元に転がってきた。俺は広い上げようとする___
「……っ!? うわわっ!?」
ボールに手を伸ばそうとしたその時、黄色い何かが通り過ぎて行き、それと同時にボールを取って行った。
「……狐?」
飛んでいった方を見ると黄金色の毛をした狐が口にボールをくわえていた。……もう少し、手を出すのが早かったらどうなってた事やら……あの鋭い牙はヤバい。
『キャン!』
「あ、ちょ、何処に行く!?」
その狐は一鳴きすると真っ直ぐに、この狐の来たと思われる方向に走っていく。
「おーい! 何処に……?」
声を上げて狐を追おうとした時、狐はボールをくわえたまま子供の手の内に飛び込んだ。
その子供は大体幼稚園児ぐらいで何やら英語を書かれたTシャツを着ていて、ズボンは迷彩柄の短パン。帽子を被っているが、ツバに歯形があちこちに付いていた。
『わーっ! こら、あはは! くすぐったい!』
その子供はボールを手の内にいる狐から取ると頬を舐められてくすぐったそうにしている。どうやらこの狐はこの子の飼い主であり、狐はこの子になついている様だ。
「……」
どうやら俺の姿は見えていない様子だが、そんな事よりもこの子供は……
気がつくと、俺と子供の間がどんどん広がり始める。間には光のない真っ暗が出来ていた。
___昔、そうだ。何時も緑地公園で遊んでたっけな。家族の一員である『狐』を連れて何時も飽きずに遊んでた。
それに、確かあの英語のTシャツは昔、とても気に入っている柄だった。
ズボンはボタンが付いていると、狐に食いちぎられるから無いのを選んでいた。
帽子も、ツバの部分によく噛みつかれて歯形がついてしまっていた。
あの子供の顔は詳しく分からないが、服装等はまるで昔の自分にそっくりだ。
……いや、違う。
(あの子供は……俺……?)
そこで景色は完全に遥か向こう側に行ってしまい、目の前は完全に真っ暗になった。
フラグの宝石箱やー!(コラ
取り合えず今回は緑がダウンして変な物を見て終わると言う終わり方になってしまいました。思ったより細かく書きすぎて先に進まなかった……真相は進みましたが(ぇ
次回からはやっと6面ボス戦直前らへんになるかもしれません。多分。
それでは、次回をお楽しみに。