東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 色々考えてるうちに遅れました……

 これからは回収しきれていないフラグをどんどん集めていきます。多分これで拾い溢しがないはず……!


 それでは、どうぞ!


~四十四頁目(自宅)~

 

 「……ん、うぅ……」

 

 

 布団の中で大きな欠伸をして俺は被っている布団を片手で退かす。

 

 「ん、おきた」

 「……あれ、お前陰陽玉に戻ってなかったのか」

 

 チャブダイの上で魔導本を読んでいたコロを見て俺は小さく呟くと目を擦りながら体を起き上がらせる___と、同時に、

 

 「っ___!? ぐはぁっ!?」

 

 

 背骨から体に響く音と痛みが一気に来て再度布団に崩れ落ちる。それはもう、___バキバキバキッ! って響いた。

 

 「ぐおぉお……何か昔もこんな事あったよーな、無かったよーな……」

 

 そう言いながら片足を足を僅かに上げるとそこからバキバキバキッ! と、何処の関節から鳴ってるのかわからない程鳴った。もう片方も同じく酷く鳴った。

 

 「りょく、だいじょうぶ?」

 「……死ぬ」

 

 ただの筋肉痛で大袈裟な。と、思うかもしれないがこれを体験したら何も言えないと思う。少し向きを変えるだけであり得ない音と痛みが走るのだ。

 

 「い…今、何か妖怪でも来たらヤバいぞ」

 「りょくも、ようかい」

 「……いや、俺はノーカンだから」

 

 出来るだけ体を動かさない様にそう言い返す。今日一日は布団から出れなさそうだ。あ、ご飯は___一日ぐらいで済みそうだし、その気になれば一日どころか一週間食べなくても生きていく事は余裕だろう。妖怪スペックに感謝。

 

 「ん、なにか、いる」

 「……あちゃー、早苗に続いて俺も死亡フラグ建てる様になっちまったか」

 

 他人事の様に言っているが、動けない中、本当に妖怪だと被害が出る。訂正、『被害』で片付けれない程に出る。

 

 「……コロ、俺のメイン武器取ってくれ」

 「あいあい、これ」

 

 重く大きい銃を少し引き摺って枕の上に置いてもらう。

 

 「……」

 「……あれ、来ない? と言うか、姿が見えないが?」

 

 見える景色に人の影は無く、風の音しかしなかった。

 

 「___すてんばーい、すてんばーい……」

 「……棒読みだが、それを何処で覚えて来た」

 

 コロは弓を取り出して霊力の矢を作って引き絞る。と言うか、その台詞は弓矢でやるもんじゃないだろ。

 

 そんな事を考えていると引き絞られた弓から“三本の矢”が縁側に向かって放たれ___

 

 「「「___ぎゃん!?」」」

 

 ___空中で当たった様にそれぞれの矢が弾け、同時に短い悲鳴が家に響いた。するとドサッ! と人が倒れ込む様な音が縁側からして、三人の人の姿をしたのが突然現れた。

 

 「……びゅーてふぉー、なの」

 「いや、まぁ……うん。そうだな……それより、そこの三人。大丈夫か?」

 

 そう声をかけるとゆっくりと起き上がってくる。三人にそれぞれ特徴的な羽が付いていたので、何処かの妖精だと分かる。

 

 「痛たたぁ……」

 「痛ぁ……サニー、見えてないんじゃななかったの?」

 「まさか、見破られるとはね……」

 

 三人それぞれ肩から頭、太股などを痛そうに押さえている。……何か罪悪感が出てくる。

 

 「私は悪くないわよ。あの小さな狐が私たちに気がついたのよ……」

 「サニーの能力が中途半端だったからじゃなくて?」

 「な~に~!?」

 「ちょっと! 二人とも待って!」

 

 目の前で二人の妖精が喧嘩を起こす直前で青い服装をした妖精が制止させる。

 

 「ほら! 確かこの人……」

 「えっ、俺?」

 

 指を突然突き付けられて少し後に下がる。と言うか、ここ俺の家の筈なんだけど……

 

 「この人……? ___あっ!?」

 「! この人……確か……」

 

 喧嘩を始めかけた二人の妖精も俺を見て何か言う。なんだなんだ、何なんだ?

 

 「「「れ…霊夢さん家で死んだ人!?」」」

 

 と、三人声を揃えて俺を指差し、大声で言った。

 

 

 

 ……いや、なんだこの状況?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___はぁ、そんな事があったと」

 「はい、私達が神社に居たときの流れ弾が緑さんに当たって……」

 「それを喰らってもう死んじゃったと思ってたんですが……」

 「いや、死んでない。勝手に殺すな」

 

 あの後、取り合えず立って話すのもアレなのでお茶でも飲みながら話す事にし、四人分の珈琲を淹れてチャブダイ越しにどういう事か尋ねた(この妖精達は普段から珈琲を飲んでいる様だ。普段は何処から手に入れているかは大体予想がつくので聞かなかった)。

 

 この妖精達は魔法の森に住んでいるらしく、それぞれの自己紹介等はなかったので愛称しかわからないかったがそれぞれ、サニー、スター、ルナと呼ぶらしい。太陽、星、月か。

 

 そして妖精達の話によると、この前神社に忍び込んだ時に勘の良い霊夢が攻撃。その時の流れ弾が見事俺にクリーンヒットしたと言う。……そんな事あったっけ? でも、何か覚えてるよーな、覚えてないよーな……

 

 「それにしても、まさか緑さんが魔法の森に住んでいたんですね」

 「ん? ああ、ここで一人暮らし___いや、コロが居たか」

 「へぇ……魔法の森に住んでる方って魔理沙さんやアリスさんしか居ませんでしたし……あ、あとそう言えば___」

 

 その後は色々な話題や噂、情報などがチャブダイ越しに飛び交った。しかし、相手はフリーダムな事に定評のある妖精なので話が途中で変わったり終わったりする。森の大蛇の話から突然、晩御飯の話に切り替わった時は本気でビビった。と言うか、殆ど相槌を打っているだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___暇だな」

 

 会話のドッチボール___と言うより、会話の弾幕ごっこは何とか終わった。

 

 コロはいつの間にか妖精達と仲良くなり、つい先程妖精と共に外に遊びに行った。本当にいつの間にか仲良くなったのだが、同じ不思議生物(?)同士だからなのだろうか。

 

 「何とか筋肉も解れて歩ける様にはなったけど、出歩くのは無理ッ!? いててて!」

 

 歩ける様になっても、痛いので結局は縁側で寝転がる事になってしまった。さっきとあんまり変わんないじゃん。

 

 ……しかし、こうして縁側でゆったりするのもあんまり悪くないかもしれない。

 

 「はぁ~、たまにはこうしてるのも良いなぁ……」

 「でも、こんな寒い中で寝てたら風邪引きますよ?」

 「……ああ、それもそうだよなぁ___」

 

 ………………

 

 …………

 

 ……ん?

 

 「のわっ___いでで!? いつの間に!?」

 

 縁側で寝転がっていると誰かが自然と会話に混ざっていた。思わず飛び起きそうになるが、筋肉痛のせいで俺のふくらはぎが悲鳴を上げるだけであった。

 

 「どうもー! 文々。新聞でーす!」

 「人が辛い時にその飛び抜けたテンションはどうなんだよ……」

 

 突然現れて飛び抜けたテンションの天狗___射命丸 文は新聞の束を片手に持ち、空いているもう片方の手で大きく手を挙げて元気よく挨拶してくる。

 

 「あやや? 何か元気ないですねー? ……一体何が?」

 「いやいや、ただの筋肉痛だ」

 「筋肉痛……ふむふむ、その筋肉痛はこの前の異変が原因、でしょうかね?」

 「なっ!? なぜわか___っ痛ててて!?」

 

 驚いて起き上がろうとして俺は見事二の舞を踊った。……学習しないな、我ながら。

 

 「いえいえ! ただの勘ですよ勘。しかし、これで異変について知っているお方に会えましたよー……」

 「いやいやいや、何で途中から取材みたいになってるんだよ」

 「あ、そう言えばそうですね……うっかりうっかり」

 

 そう言うと文は自分の頭を手帳でコツン、と小さく叩く。俺は無言で非難の目を向けるが、文は構わず新聞と___何やら分厚い物の入った封筒を渡してきた。

 

 「? ちょっと待て、これなんだ?」

 「うわーっ! うわわ! あ、開けないでください!」

 

 俺が封筒の端を両手で持ち、一気に破いて開けようとすると文は目にも止まらぬ速さで手を出し、俺の手を上に引き上げて止めさせ、持っていた封筒を一気に引き抜く。神業の領域だった。

 

 「説明する前に開けようとするとは……ごほん、いいですか? この封筒はある時まで開けないでください」

 「ある時までって?」

 「その点も説明します。この封筒は天魔様が貴方に渡す様にと言われたものです」

 

 因みに、中身の殆どの事は私が纏めました、と文はドヤ顔で胸を張るが気にしない。

 

 「天魔……もしかして、俺が外の世界に帰るか、ここに残るかについてか?」

 「あー、そこに関してはノーコメントでお願いします。___で、この中身は“自分の考えが完全に固まった時”に見てください。いいですか? 大事な事だから二回言おうとしましたが、文字数オーバーが怖いので言いませんでしたが」

 「なんだよそりゃ……で、自分の考えが完全に固まった時……ねぇ。」

 

 俺は文の謎台詞に突っ込みを入れると同時に、『自分の考え』についてよく考えてみる。しかし、ハッキリとした答えは出ない。いざ、考えてみるともとの世界にも、幻想郷にも未練の様な物はある。

 

 「ふふ~ん、その感じだとわかってないんですね?」

 「……ああ、悔しいけどその通りだな」

 「なんか若干落ち込んでる様にも見えなくないですが、心配ありませんよ。必ず何時か自分がどうするかわかるって言ってましたから」

 

 そう言うと上に向けて持っていた封筒を横に向けて俺に差し出す。それを受けとると今度は開けようとせず、大事そうに持った。

 

 「因みに勝手に開けた場合、天魔様は『お前の自由にしろ』と言っていましたので、覚悟しておいてくださいね?」

 「え、いや……仮に俺がこの封筒を勝手に開けたとする。そうしたら、お前はどうするんだ?」

 

 開けるつもりは全く無いが、何をするのかが気になって俺は恐る恐る聞いてみる。

 

 「なぁに、たいして怖くありませんよ。ただ、有ること3割、無いこと7割で最大限、目を引く様な内容の新聞を発行させていただきますから」

 「下手すると物理的な刑罰より怖いからそれ!?」

 

 ペナルティの内容に全身の毛が逆立った。この天狗は冗談抜きに本当にやりそうだ。紫だってここまで酷くはなかったぞ。あっちは割合可笑しかったが。

 

 「と言うか、何でそこまでやるんだ?」

 「何でって……それはですね、この封筒ひとつで、貴方の考えて変えてしまう可能性が十分にあるからです。本当に正しい決断をしてからでないと誤った行動を起こしかねませんからね……。___さて、天魔様のめんどくさい説明も伝えましたし、私からも聞きたい事がたくさんありますから……」

 「おいマテ、今めんどくさいって言わなかったか?」

 「いえいえ、気のせいですよ。さて! それでは異変についてしっかり教えていただきますよ! 前回、貴方と東風谷さんの記事は天魔様に止められましたし……それに、前の月の異変について、霊夢さんはあまり教えていただけませんでしたしね」

 

 文はそう言いながら胸ポケットからペンを取り出してペンの先を手帳に添える。目は正に期待に溢れていた気がする。

 

 「あー……、お手柔らかに頼む」

 「はい! それでは、まず異変解決時に関してですが___」

 

 

 

 その後は日が暮れるまで縁側で寝転びながら文に質問責めされた。

 

 しかし、俺達のやった事に関しては真相が『身を守る為、仕方なく異変を起こした人達の元に異変解決のつもりで押し掛けた』だけであった為、あまりハッキリと誇らしく答えられなかった___

 

 

 





 久々の日常的な内容。勿論フラグもわすれません(ぉ

 因みに、三月精の話に関しては妖々夢編直前と『番外日記』に載っています。ああ、成る程と思い出していただくと良いのですが……結構前の方だし。


 それでは、次回をお楽しみに。
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