東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 久々の投稿ーっ! 緑の性格を忘れかけていたりふせんを忘れかけていたりと大変でした。

 ……え、受験はどうしたって? ……ああ、実は親の目を盗むの、得意なんですよ(ゲス顔)


 それでは、どーぞ。


~四十七頁目(博麗神社~人里周辺)~

 「おーい、また来たぞー……って、あれ?」

 

 久しぶりに霊夢の神社に訪れてみたが、今日は表に誰も居なかった。霊夢が道を箒で掃いてる訳でも、サボってお茶を飲んでいる訳でもなかった。

 

 「……何か事件でもあったか、丁度何かの用事で何処かに行ってて留守かのどっちかか?」

 

 試しに声を潜めてみても特に足音やら人の気配はしない。確か一昨日に食料を買ってたから買い物ではないと思うんだが……やっぱり、出直すか。

 

 

 ___パン、パン。

 

 

 「……ん? 二拍?」

 

 二礼二拍一礼らしい音が聞こえて後ろの鳥居へ向かう足を止めた。しかし、俺が今居るところは神社の正面だ。だが、本殿の前には誰も居ない。

 

 「神社の裏から聞こえた気がするが……?」

 

 俺は忍び足で神社の境内を移動する。確か此方には守矢神社の分社と……あー、そうだった。確か狐の像があるんだっけ。

 

 でも、参拝客がこんな所(失礼)に参拝客が来るのだろうか?

 

 

 ……何百歩譲って、『参拝客が全く来なくなる』的な陰湿な呪いをかけられていると言われても否定できないこの神社に参拝客と言う名の春が来たのかもしれない。そう言えば今は春だったな。今、上手い事言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 閑話休題。

 

 

 

 取り合えず俺は確認の為に裏に様子を見に行く。……いやー、驚いた。今年で一番かもしれない。いや、一番だろう。

 

 「……」

 

 ___なんと、参拝客らしき人が来てるではありませんか! その参拝客の女性は狐の石像を前に真剣に祈り続けている。ただ噂を聞いてどんな物か見に来たとかではなく、ちゃんと信仰心を持ってやっているのがその真剣さから分かる。

 

 これはあれなのだろうか。遂に守矢神社の分社の恩恵を受けたのだろうか。それとも、大異変の予兆なのだろうか。また神社だけに大地震が起こるかもしれない。

 

 色々考えたが、兎に角今日は赤飯で良いだろう。今日はめでたい日だ、宴会でも良いのではないのだろうか。

 

 それじゃあ、霊夢が帰ってくるまで神社でこっそり待ってるか___

 

 

 (……取り合えず、その失礼な思考を止めなさい)

 「___なぁ!? ___うぐぐ!?」

 (ちょっと、静かにしなさいって! ほら、ここに隠れて!)

 

 ガサ、と神社の低木から顔を出してきた霊夢を見て変な悲鳴を上げる___直前で口封じされた。そのまま霊夢は何処かの単独潜入の蛇か、何処かの天珠下す忍者の様に俺を草むらに引き入れた。

 

 (……なあ、あの人は?)

 (知らないわ。でも、さっきから真剣に祈ってるのよ)

 (……あ、何か神力が上がった気がする)

 (えっ。なんでそんな事がわかるのよ。ゲームのパラメータじゃあるまいし。で、あの人が何を願っているかわかるかしら?)

 (いや、諏訪子が言うには……俺みたいに肉体持って歩いてる神はそう言う精神面に関われないんだってさ)

 (神様も複雑ねぇ……)

 

 そんな一言を溜め息と共に受けとるとその参拝客はもう一度一礼して立ち上がった。そして小銭らしい物を置いていく。

 

 (うっしゃあ! おっ賽銭!)

 (少しでも良いから巫女としての自覚を___とか思ったけど、霊夢だから仕方なかったか)

 (でも、何の祈願だったのかしら? 幸運継続? 商売繁盛? それとも……必殺の依頼?)

 (お前はお金と一緒に依頼を出されたら人でも退治するのか。と言うかアレは確か地蔵だった気がする)

 

 何処かの金を払えば人の晴らせない恨みを晴らす人達の時代劇を思い出したが、その参拝客がこちらに来たので静かに隠れる。そもそもこんな事して隠れる必要はあったのか。霊夢なら堂々と正面から行っても問題ないだろうに。

 

 (___あれ?)

 

 その参拝客が俺達の隠れている低木を気にせず通りすぎる時、その人の顔が見えた。

 

 ___何処かで見たことある……?

 

 (……ねえ、緑? あの人変に傷だらけじゃなかった?)

 (……ああ、確かにそうだな)

 

 俺は少し違う所を気にしていたが、確かに今通りすぎる時に腕や頬などと至る所に生傷や古い傷跡が見えた。仮に茨とかを扱っているとしても首にまで傷があったのは不自然だ。

 

 「……ちょっと、様子を見てくる。何か気になってきた」

 「私も。これは事件と私の勘が云ってるわ」

 

 低木から立ち上がった俺と霊夢は空を飛ぶ。既にあの参拝客は神社を出ている筈だが、そこまで遠くには行ってない筈。それに空を飛んだら簡単に見つけれるだろう。追跡が気付かれにくいし。

 

 俺達は空を飛んでゆっくりと気付かれない様に跡を追った___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___ほらあの人、家の中に入ったぞ。霊夢、そのアンパンを仕舞え。どちらかと言うとそれって追跡より待ち伏せの方だから。ホームズっぽい探偵帽子とか今回には一切関係ないから」

 「突っ込みが細かいわねぇ……」

 

 そんな事を霊夢は呟いているが、兎に角問題はあの人だ。ここは人里に近い田より遠く、人の気配は二人。何だか、嫌な予感もしなくはない。

 

 「……私達が普通に近付いたら、気付かれるかもしれないわよ? どうするのよ?」

 「……少し静かにしてろ」

 

 俺は両手を狐の耳に添えて音を集める。風の音がノイズの様に聞こえるが、収まれば聞こえるだろう。

 

 「へえ、そんな事が出来るのね」

 「俺のこの耳を飾りだと思ったら大間違いだっ」

 

 そんな事を話しているうちに風が弱くなって声が途切れ途切れに聞こえ始めた。

 

 

 『___お…え! 酒は…だ…っ!』

 『ご……なさい。ま…お金が…まっ……くて』

 『ふざ…んな!』

 

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 

 「……どうしたのよ? 突然真っ白になって」

 

 ……なんと言うか。俺の予測だとさ、あー……

 

 「……多分、その人の夫かお父さんかが酷い人なんだろうな」

 「酷いって?」

 「なんか、酒の事やら暴言らしき声が聞こえてな。___ホラッ、今もまた物が壊れる音が。……で、そこから俺はその男がアルコール中毒か何かであり、酒が飲めない事をその参拝客の女性に当たっていると読み取る。以上、証明終了。Q.E.D」

 「なにを証明してるのよ。まぁ、内容はわかったけど、何か良い話じゃないわねぇ……」

 

 俺は霊夢の意見に相づちを打った。確かに幻想郷の人間達全員が人里の様に贅沢でもなく貧しくもない生活を送っている訳ではない。中には土地の問題や人柄で里から少し離れた所に暮らさなければならない人も居るのだ。

 

 「……だが、仮にお金が無いとしたらどうして参拝してお賽銭まで置いていったんだ?」

 「やっぱり……必殺?」

 「お前の脳内が恐ろしく心配だな。ちょっと待て、今回は俺が何とかしてみようと思う」

 

 あの参拝客は俺を祀っている(らしい)石像に祈っていた。人間は困った時には神に頼み、神はそんな人間を助ける。たとえ肉体を持って現存しているとしてもやる事は一緒だ。

 

 ……それに、あの参拝客を何処かで見た気がする、何か気になる。

 

 「……わかった、今回はあんたに譲るわ」

 「二度もすまんな。兎に角、何をして解決するかは事情を聞いてからだなっ!」

 「はいはい、いってらっしゃーい。後は宜しくねー」

 

 

 俺はその参拝客の入った家の裏に向かって急降下して行った。

 

 まずは情報を理解してから、まずはそれからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……数日程様子見してわかった事。

 

 

 どれも俺の視点から見た事なんだが、まずこの参拝客。普段は山へ山菜等を採取しに出掛けているのだ。それも妖怪の彷徨いている山を丸腰で。

 

 で、その山菜を人里で売却。それで貯まったお金で僅かな食料とお酒。お酒のせいでエンゲル係数が高くなってそうだ。

 

 そして貧しい食事が終わり、妖怪がうろつく危険な夜にも山菜を取りに出掛けているのだ。

 

 

 「……で、今日も丸腰で夜の山菜取りっすかい。現実じゃ階段と亀で無限1upが出来る訳がないと言うのに」

 

 現在、夜の人里周辺の森。一本のロウソクだけで山の山菜を根こそぎ取らない程度に集めている。

 

 「……あー、心配だな」

 「……む、りょく。ようかい!」

 

 コロの言葉と同時に悲鳴が聞こえて俺は草むらから飛び出して銃を構える。

 

 出てみると全身が小豆色で肉こぶが集まって出来た様な外見の妖怪がじわじわとその参拝客に近付いていた。

 

 「くっ! だから夜は危険なんだよっ!」

 

 その参拝客の人の元へダッシュで駆け寄りながら銃を構えて標準を合わせる___が、ヒュン、と隣で何かが俺を追い抜いた。

 

 『ギガアアァァアアア!?』

 

 

 妖怪が突然悲鳴を上げたと思うと、頭から青白い矢が突き出ていた。後ろからコロが射抜いたのだとわかった。

 

 「___とどめ!」

 

 俺は周辺の木に五発程撃ち込む。それぞれが違う方向に飛ぶが木に当たると反射して別の軌道を描く。

 

 『ギギャアアアアアアアア……』

 

 最後に五発全てが木々に反射して全方位から同時に妖怪の脳天を貫く。倒れた妖怪はそれっきり妖怪は動かなくなった。

 

 「……おい、大丈夫か?」

 

 走る足を緩めず俺は木に寄りかかって動けなくなっていた参拝客の人の元に寄った。

 

 「ぇ……あ……」

 

 「……? おい、大丈夫か? しっかりしろ……よ?」

 

 銃のライトで周りが明るいお陰で参拝客の顔がよく見える様になった俺は思わず言葉が途切れてしまった。それは向こうも同じの様だ。

 

 「あ、貴方は……確かあの時の……」

 「お前は……去年、妖怪に襲われていた奴、か?」

 

 

 そう訪ねるとその参拝客の女性はコクリ、と頷く。

 

 

 ……そうだ、確か俺が神力を手に入れる前の日。妖怪に襲われていた所を偶然助けた女性。おぼろげな記憶だったが間違いない。

 

 「……っ、そうだった。えーっと、あー。立てますか?」

 「えっ、……はい」

 「だったら一回此処から出ましょう。危険ですし……それに、少し聞きたい事があるので。良いですか?」

 「……は、はいっ」

 

 俺はその女性を背負って森を飛んで抜け出した。そしてそのまま人里を真っ直ぐ飛んで行った___

 

 

 

 

 





 ……久々の投稿だけど感覚戻ってるかなー? 取り合えず文字数も区切りも丁度良いのでここまでで。

 次回からは当分更新は無理です。今回は奇跡です(ぉ


 そして今回出てきた参拝客。詳細は第2章序盤(?)に出ていた人です。緑が神力を手に入れる前辺りに登場してます。


 それでは、次回をお楽しみに。
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