東方の幻想日記 ~人間妖狐迷走記~   作:0%0%0%

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 テスト、イベント、その他諸々で久々の投稿です。お待たせしました、よりもお久しぶりですの方が正しいですねこれ。


 可能な限り一気に進めて行きますのでどうか宜しくお願いします……


〜五十五頁目(___昔の__)〜

 「……あれー、なんか世界が変わったーでもどうせまた既読のスルーですよーHAHAHA……畜生」

 

 

 愉快に素敵にドスルーされた後、体育座りをして色々と考え事をしていると景色が森から何かの建物の中に変化した。

 

 

 ついさっきまでガチで落ち込みながら考えていたが、もしかしたら俺は誰からも見ることができないし触る事も出来ないオンライン戦争ゲームで言うゴースト状態みたいな物になっている可能性が大いにあった。

 

 ……これで実は皆から見えてるけど、俺を無視してるだけとかだったら俺は家に引きこもって辞世の句を書きつつ首にお縄をかける作業に取り掛かる事だろう。いじめかっこ悪い。

 

 

 「ほら、出てきなさいよ。いつまで経ってもタンスの影に居るなんて」

 

 

 若干ネガティブ思考に入っていると、襖の向こう側からなにやら紫らしき声がして俺は恐る恐る襖を開けてみた。どうせ向こうからじゃ見えないし、どうせ。

 

 

 「うるせぇっ! なんで私がこんな格好をしなきゃなんねーんだ___」

 「あらら、口調(く・ちょ・う)?」

 「……ナンデワタシガコンナスガタニナルノデショー?」

 

 

 覗いた襖の向こうには扇子を突きつける紫と突きつけられている少女が片言で先ほどの発言を丁寧に直していたが、その少女の姿は森の中とは違って()()()()()()()()()蒼色の和服を着ており、なにやら恥ずかしそうに箪笥の影に身を隠していた。

 

 

 「あんな格好で家に上がられたら床が濡れるじゃないの」

 (あ、風邪をひくと困るとかそんなりゆうじゃないんですね)

 「わざわざ人里から掻っ攫(かっさら)っ……買ってきたんだから嫌がらずに着なさいよ」

 (……今、絶対掻っ攫(かっさら)うって言った)

 

 

 ……紫はどんな相手だろうと紫でした。クセしかないなあの人。

 

 

 (……あの和服、やっぱり俺の和服にそっくりってか瓜二つなよーな)

 

 

 その少女が脱ぎ捨てて丸めてポイした和服を見て少し疑問に思った___ってか、和服を脱ぎ捨てた事で恐らく下着一丁になった少女から目を逸らす事に忙しかった。

 

 

 (___! また急に場面が……)

 

 

 再度世界が変化し始めて目を逸らす必要が無くなり少しホッとする。今度はシャッターを下ろしたかの様に一瞬で切り替わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___なに、私が妖狐? そんでもって此処は幻想郷?」

 「ええ、今の説明を噛み砕くとそんな所かしらね。何か他に聞きたいことは?」

 「……ここらへんに大きな赤字の『大成功』のカンペは?」

 「いえ、残念だけどそんな展開への期待には答えられないわ。此処は幻想郷、人間と……まあ、人外が住んでる場所ね」

 「それって……私みたいなのが、うようよと? ボウフラみたいに?」

 「そう。で、貴女は外の世界では狐の姿をした妖狐だったらしいけど此処は妖怪が多量の力を保てる数少ない場所、その影響で人の形になる程の妖力を持つことが可能だった貴女は人間の姿になった……と、説明はこれで分かったかしら?」

 「えっと、一つだけわからん所があるけど、聞いていい?」

 「何?」

 「……『ドッキリ!』って書かれたカンペは何処?」

 「シバキ倒すわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___藍、橙。これが私達の家族よ」

 「狐……私も狐だとアイデンティティがモロ被り……」

 「……まあ、確かに私も同じく狐だがな」

 「この人、藍さまと同じですねー、紫様!」

 「ええ、そうね橙。……ねぇ、貴女の気分次第で出て行っても良い。だから少しだけでもいいから家に住まない?」

 「ああ、私は大歓迎だぞ」

 「私も私もっ! よろしくお願いしますねっ」

 「ふふ、それで、貴女はどうかしら?」

 「……えっと……それじゃあ……よ、よろしく……お願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___何、スペルカード?」

 「そう、必殺技を出す時の宣言の様な物よ」

 「必殺技ぁ? まるで子供のヒーローごっこや中2っ___」

 「日に日に良い度胸に育ってきたわねー、熱いお茶の刑とか思いついたんだけど……?」

 「イエアタシハタダショウジキモノナダケデ」

 「……狐が正直者だなんて始めて聞いたわ」

 「私だって、マッチを池に落として女神が出て来て「貴女が落としたのは金のガラスの右靴か銀のガラスの左靴か」と聞かれたら「一番良い靴を頼む」って答える程に___」

 「混ざりに混ざって言ってる内容が凄まじいわよ。で、どう? 貴女も弾幕ごっこ、やって見ない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (なんだなんだ、急に変わり始めたぞ? そもそも俺はいつまでこの映像を見せられるんだ?)

 

 

  まるで走馬灯の様に身に覚えもない映像が次々と流れて行くのを見て俺は疑問に近い焦りを覚え始めた。やだよ、終わりがないのが終わりとか。

 

 

 映像は今だに切り替わり続けて紫達が出てきたり、時には白玉楼で狐の姿で幽々子の膝に乗って何かを待っていたり、風香のひまわりを本人の目の前で見事なフラグ回収と言わんばかりに踏み倒してしまい必死に逃げたり、そして天魔さんまでもが仕事をこっそり抜け出してちょっとした遊びをするなどと時々映像に登場していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……ええー、私が妖怪を?」

 「ええ、貴女への初仕事。山の方角にちょっとめんどくさい妖怪がいるのよね。人間だろうが妖怪だろうと出会った相手を喰う化物、そいつが人間の里に近づいて来てねぇ……」

 「へぇ、紫は丸腰の妖怪を戦地に送り出す鬼だったとはねぇ? 嫌な奴を敵地に送り込んで戦死を狙う……とか?」

 「私がそんな血も涙もない事をすると思って? ……あーはいはい、わかったわよ……ほら、これよ」

 「わぁ! 流石ゆかりっちぃ! わかってるぅ!」

 「元は男口調がデフォで、現在は基本普通の口調。稀に男口調と謎テンション……私には貴女がわからないわ」

 「めんどくさそうな目で言われたっ!?」

 

 

 途中から思わずズッコケたくなる会話になっていたが紫がスキマから取り出した物を見て思わず、自分の腰に目を向けてしまう。

 

 

 「わぁ……流石ゆかりっちぃ……訳わからん……」

 

 

 目の前の狐の少女が手にしているのは二丁の拳銃。それも俺の腰に付けている銃の初期の形と瓜二つだ。

 しかし、一方少女はまるで棒切れを扱う様に拳銃を持って振り回す。危ない危ない、セーフティと引き金に指が掛かってる。

 

 

 「凄くケチを見る目になってるけど、それって凄いのよ?」

 「何処がさー! こんな短いトンファーでどう戦うのさーっ!」

 「トンファーって……貴女、本気で言ってるの?」

 「……もしやっ!? コレはあのトンファーキックに特化した___って、何? コレってトンファーじゃないの? L字なのに」

 「…………いいわ、一から教えるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『……さっきからコレって絶対に何かあるよな。さっきの外の世界然り、今の場面然り……』

 

 

 ヒントの様に何か思い当たる物がある映像。それらがまるで自分に何かを語りかけているかの様に思えた。

 

 故郷の狐。池から出てきたらしい狐の少女。見覚えのある和服。紫達との関係。俺が持っていたのと瓜二つな拳銃___

 

 

 思考を巡らせているとまた映像が変わる___のだが、今度はまるで断片の様で所々ノイズの様な物で途切れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…………私。行ってくる___」

 

 

 

 

 

 _________。

 

 

 

 

 「私は妖怪だから、博麗の所のあの貪欲巫女の方法では帰れないんでしよ? 私が帰る方法はこの世界の入り口を逆走する。つまり、この池からしか外の世界に出れないって事でしょ___」

 

 

 

 

 

 _________。

 

 

 

 

 

 「……途中に凄くヤバイのが居るのはわかってる。下手したら途中で死ぬ可能性だってある。それでも行かなくちゃ、元の家族が待ってるから___」

 

 

 

 

 

 ______!

 

 

 

 

 

 

 「私は彼を見つけ出す。絶対に。だから貴女も私をみつけて。絶対に。そうしたらまた一緒に楽しめるから___」

 

 

 

 

 

 

 

 ……_________、___。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………うん。行ってきます___」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『っ!!! ……なっ、なんだったんだ……今の……』

 

 

 断片的な台詞の直後の暗くて冷たい水の中の映像___などと呼べないリアルな感覚、そして悪夢の様に後ろから追ってくる黒より黒い何か。思い出すだけで身の毛がよだった。

 

 

 

 『はぁ……はぁ……っ、はぁ……? 何処だ、此処は?』

 

 荒くなった呼吸を整えて見回すと今度はさっきから続いていた映像とは違ってリアルそのもの。辺りを薄く包む霧の湿り気も風で揺れる草木の音や匂いも、触っている鳥居の感覚も現在の物に近かった。

 

 そして此処に鳥居があると言うことは此処は神社の入り口なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「___ふぁ~あ、……おお、いいドライブだったな!」

 「ふざけんな! 何が良いドライブだ!」

 

 

 

 

 鳥居の向こうで会話する青年二人の声を聞いて思わず俺は身を潜める。条件反射とはこの事か。

 

 

 顔はよく見えないが片方の青年は地面に落ちていた松ぼっくりを投げて付けていて、もう片方は綺麗に回避してみせた。松ぼっくり投げるって何アホみたいな事してるんだよ……

 

 

 『…………って、あれ? なんかあいつ、どっかで見た事あるよーな……』

 

 

 さっきから松ぼっくりをゲッタンしてる少しチャラい感じかする気がする青年を見て首を傾げる。なんか思い出せない。ちょうど鎖が絡まってるみたいに不思議と出てこない。何故?

 

 

 『……ん? えっいや待て、ちょっと待て何か見た事あるどころじゃ無いと言うかなんと言うか』

 

 

 こっちはこっちで何故気が付かなかったのか。松ぼっくりを全力投球している青年を見て思わず物音を立ててまで慌てた。

 

 顔はよく見えないが、あの髪型に声……確信は無いのだが、あれは………………ああ、俺なのであろう。

 

 

 『…………マジかよ。よくよく見ると顔も鏡を見た時と瓜二つじゃねーか』

 

 

 さっきから瓜二つな事が多すぎる。今こうして誰かに松ぼっくりを投げている青年はまさに自分だった。

 

 

 『……しまった、さっき自分で自分をアホみたいな事してるって言っちゃった』

 

 

 

 ……しかし、考えてみると自分はこんな所に来た事を一切覚えていない。恐らく幻想入りする前の出来事なのだと思うが、この神社の事も、この自分の隣に居る人もその目的もわからない。

 

 

 

 「どうした? 自分の怒りを人にぶつけるのは解決にならんぞ?」

 「原因作ったのお前だろお前……はぁ、まあ良い。何か虚しくなってきた」

 「ハハハッ……お前は昔からそうだな……まあ、そんなことより滅多にない機会だ。思う存分観光して行こうぜ? もしかしたら幻想郷に行けるかもしれないだろ?」

 

 

 

 

 

 

 (な___幻想郷!? なんだ? もしかして幻想郷に来るために来たのか?)

 

 

 

 

 アレが過去の自分だとするのなら、そのちょっと未来の自分はその幻想郷に居る。この会話を鵜呑みすると、この自分は幻想郷に行こうとして、確か……そうだ、池に落ちてなんか主やら何やらに触れて……詰まる所、こうして成功したのだろうか。

 

 

 (……いや、まだわからないよな。結論を纏めるのはもう少ししてからとこの変な出来事(過去話)を終わらせてからだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、その青年と自分(過去)は二人で(過去の自分ともう一人の青年距離感が絶妙だった)は階段を上がってどんどん進んで行く。もう埃が被るほどに古く、ぼんやりとした記憶を呼び戻してこの後、どうなったかを必死に思い出そうとしながら俺は後を追った。

 

 

 『何処行った? 距離を置きすぎたせいで軽く見失っちゃったな……』

 

 

 本殿に続く大きな道は知ってる限り一本だと思うのだが、他の場所に続く道に関しては全く知らない。此処が何処の神社なのかがわかれば少しは探しやすくなるかもしれないが、これに関する記憶はかなり曖昧なもので実質何もわからないと言える程だった。

 

 

 『……まあ、確か数年前の事だったっけ? そうだよな? だとしたら、おとといの晩御飯覚えられない俺にそんな事覚えてるのは流石にありえんよな』

 

 

 ……自分で言って若干虚しい気もするが、その件は気にしない。

 

 

 

 『……! 居た! チャラい方!』

 

 

 階段を駆け上ると小さな神社の前に出て、その先にチャラい方の青年が誰か___袴とかを着ているので恐らく神社の関係者と会話しているのが見えた。

 

 

 (名前を仮だけど勝手にチャラい方って名前にしてるけど……)

 

 

 

 ……まあ、いっか。取り敢えず近付いてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 「___成る程、でしたらあの中に飛び込むってのは……」

 

 

 チャラい方の青年に近づくにつれて話し声がよりはっきりと聞こえる様になった。何やらその青年はメモを取っていて何か質問でもしていた様だった。

 

 

 「あはは、流石にそれはやめてもらいたいですね。流石に『葛井の池に落ちた人が別の場所で土左衛門として発見された___』なんて事になったら七不思議がオカルトになっちゃいますし」

 「んー、池の中は時空が歪んでいる説を検証したかったのですけどね……」

 「そのためだけに北海道から? 中々凄い行動力だね……」

 「いえいえそれ程でも……あ、でも此処まで来たのは友人のお陰ですよ___ほら、彼処の」

 

 

 そう青年が指差した先には俺の姿。勿論過去の方の。

 

 

 (なっ! 彼処に居たのか___って、何やってんだ自分)

 

 

 青年が指差した方向を見てみると池を前にして何やらしゃがみ込んでいる過去の自分の姿があった。我ながら謎ってこう言う時の言葉なんだな、成る程。

 

 

 (……? なんだ、草むらを何かが……?)

 

 

 池の向こうの草の影に何か小さく素早いが走って居るのが見えて俺は目で追う。

 

 その何かは池を回り込んで向かって来ている様でその出てきた何かは草むらから出てくると真っ直ぐ過去の自分に向いていた。

 

 

 (なんだ……影? 黒くて動物ぐらいで……んだありゃ?)

 

 

 その影は大きく曲線を描いて過去の自分へ素早く走って行き、大きく跳ねて過去の自分の背中へぶつかった。

 

 

 『っ! あのままじゃ池に落ちる!?』

 

 

 俺は駆け出した。駆け出すのとほぼ同時に過去の自分が池の中に落ちたが構わずスピードを落とさず駆け出した。

 

 

 (くそっ! こんなSFみたいに過去の自分を助けるだなんて思いもしねーよ!)

 

 

 服装も気にせず俺は池の中に大きく跳んで飛び込んだ。すると中は日光が恐ろしいほど届いておらず、池だと言うのにまるで深海に居る気分になった。そしてなにより___

 

 

 (___ここ、……まさか、あの暗い___)

 

 

 

 リアルな映像で出てきた場面と重なり合い俺は全身が震えて金縛りに会ったかの様に固まってしまう。まるでトラウマの様に___

 

 

 

 「______!」

 

 

 

 

 突如、過去の自分の物と思われる声が微かに聞こえて俺は警戒を強化して黒い色の周りを見渡すが、そんな中で俺は当然何か出来るわけも無く、そのまま金縛りに会った様にガチガチになったまま立ち尽くすしか無かった___

 

 

 

 

 




 多分、次回で回想的なの終わる(またまた伸びた)


 それでは、次回もお楽しみに。
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