「う……ん……?」
体が痛い。起きようとするとさらに痛みが走った。
オマケになんか……左の太ももが突かれて……いる……?
「……!?」
「おお!目が覚めたか!?霊夢!紫!」
起きるとマリサが俺の太ももを箒の柄で突いていた。その後に外に飛び出して霊夢達を呼びにいった様だ。
今寝ているのは……小さいのでここは霊夢の神社だろう(この判断方法は霊夢に言わない、言えない、死にたくない)。
「っ……と!?痛ててて!?」
左腕から強い痛みが走り、布団の上に倒れかける。腕には白い包帯が肌色の隙間がないように巻かれていた。
その後、俺はぎこちないゾンビのような動きで外に出る(L4D2の素早い方ではない)。
「……あれ?誰もいない」
外に出たが縁側にはいない。そのまま表に出ると白い傘をさす姿があった。
「っ!緑!起きたのね!?」
そう言うとその少女は素早く俺の腰に飛び込んでくる。 ぐはぁっ。
「!?あ……えーっと……」
「あの後、気を失ったから驚いたのよ?」
そう言ってきたのはレミリアと言う少女だった。
「何でここにいるんだ?」
「お見舞いってやつよ」
殺しあった(スペルカードルールだが)相手にお見舞いって……まさに昨日の敵は今日の味方だな……
その時、俺とレミリアの顔の前に一枚の紅い札がまるで動体視力クイズのように素早く飛んでくる。
「!?」
「うわっ!?」
「なんでここにこいつがいるのよ!?」
そう言うのはここの神社の巫女、霊夢だった。
「さあな、私がお前を呼びに行ったとき、すれちがったようだな」
その後ろからマリサが出てきた。何かいろいろ詰まって歪な形の大きい紙袋を抱えている。いつ破けても可笑しくない形である。
「なんでってお見舞いよ」
「緑から10m離れろ、血を吸うな」
「うう……聞いてないし……」
レミリアが霊夢の言葉で落ち込んでいる。いつ見てもひどい巫女。
そんな中、マリサが近寄り、俺の耳に小声で伝えてくれた。
「こいつはな、あの時のお前に憧れたようだぜ?『バックに紅い月があってその中でのスペルカード宣言とかが凄かった』ってあの後に紅魔館で何度も言ってたぜ」
俺に憧れた……か、何だか嬉しいな。
「とりあえず家に来なさい、咲夜が待っているわ」
「ほら、ご指名だぞ?」
「ご指名って……」
そのあと、全員で紅魔館に行くことになって、レミリアは日傘をさしながら背中の羽で紅魔館まで飛んでいる。(傘があるなら霧なんか出さなくてもよかったんじゃ……)
「ーーーどうぞ」
そう言い咲夜は図書館にある渋い木製のテーブルに紅茶を置いた。茶菓子の焼きたてのクッキーにマフィン等も置いていった。
「美味しいかしら?」
「ああ、うまいぜ」
「あんたには聞いていない」
側のに座るレミリアが近くで立って飲んでいるマリサを睨み付ける。ちなみにマリサはあの時言った通り、紅茶に砂糖を一個入れた。
「……緑?なんか尻尾がきれいになってない?」
「ああ、パチュリーに魔法をかけてもらった」
テーブルに置いてあるランプの光に照らされた尻尾を見て、霊夢は聞いてきた。それを聞き、俺は上機嫌に尻尾を振る。
俺の尻尾は霊夢のいった通りきれいになっている。
前回、俺の尻尾に弾幕が当たってボロボロだったがパチュリーにお詫びとしてきれいにしてもらったのだ。とてもきれいになり、指を通しても引っ掛からなくなった(なんかシャンプーの表現みたいだな)。
「……魔法っていいな……できるならやってみたいな」
「あら?貴方の能力があればできるわよ?」
そう言って出てきたのは俺と同じ苗字の八雲 紫 である。
そして俺は思い出した。
「ああ、そういえば俺の能力はなんなんだ?」
「そう言えば、聞いてなかったわね」
俺の疑問に霊夢も乗ってくる。
「ええ、いい加減言うわよ。貴方の能力は空を飛び、時を遅くし、魔法も扱える。つまり……」
「あなたの能力は“ありとあらゆる能力を使う程度の能力“よ」
「“ありとあらゆる能力を使う程度の能力“……?」
紅茶を飲む手を止めてどういうものか考える。まったく分からん。
「なんだそのチートは」
マリサが紅茶のカップを片手に苦そうな顔をした。
「他の幻想入りした者はほとんどチート能力じゃない……そしてこの子の能力は条件もあるし短所もあるわ」
「咲夜~、ちーとって何?」
「そっ……それはですね……」
レミリアの質問の中、咲夜の鼻血が滝のようになっているのを見ながら、紫の説明を聞く。
条件はまず、相手の能力と相手の名前を知っていて、能力を使うところを見ないといけない。
そういえば、あの時は咲夜の名前を知っていて、実際に能力を受け、紫に能力を教えてもらったので条件を満たしていた。
そして短所はどの能力も不完全だと言うことだった。
例えば霊夢の能力で空を飛ぶのに必要な量の霊力を使って、俺はやっと少し浮くことができるコストの高さ。
また、いくら膨大な量の霊力を使っても時は止めれず、時を遅くすることしかできないように限界のある能力もあるそうだ。
「……と言うわけよ」
紫が言い終わったあとの反応は、
「……何その中途半端」
「砕くとつまり、チートだな」
「なんでもっと早く言わなかった」
俺を含めた三人に愚痴などを言われている。
「あー、つまり、俺は魔法を使えるか?」
「ええ、勿論」
……と紫が返してくる(また涙目だった)
「ょ……しゃっ!!」
……と俺は後ろを向いて小さくガッツポーズをとった。だって人類の夢じゃん。
「おお、やったな!これでホグ●ーツの世界にでも行けるな!」
「次回作は決まりね」
「おいまて、ややアウトだぞ」
しかし、誰に魔法を教えてもらうか?そう考えた時、以外な人物が名をあげる。
「……私でいいなら教えるわよ?」
「!?パチェリーが弟子をとったぞ!?次回作は魔法使いの弟子だな!」
「もうやめろ、月にぶっとんでも知らんぞ」
名をあげたのは以外にも、パチュリーだった。
「いいのか?」
「ええ、教え概がありそうだもの」
「私でもいいんだぜ?」
マリサも名をあげる……が、
「駄目よ、『本を死ぬまで借りる』なんて盗賊の心得なんか覚えさせられたら困るもの」
「なっ!?」
パチュリーの毒に対し、マリサの反応を見て思わずここにいる人(?)達全員でしばらくの間笑っていたーーー
[日記:ーーーこれからも、どんな異変があろうと仲間と共に笑い会えますように]
その後の夜、神に祈るように俺は日記に書き、閉じて枕のそばにおき、眠りについた……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーあれから三日たった頃……
暑く幻想卿を照らし続ける太陽。その暑さは最近紅い霧で隠れていたとは思わせないぐらいだった。
「暑い暑い、こんなところで尻尾とかの毛が不便になるとはな……」
尻尾を冷たいところに動かしながらそう呟く中、後ろの気配に俺は振り返る。
「また、屋根の上にいるのね?」
「ああ、ここが一番いい風を受けるんだよ」
俺の言葉に対し、クスス……と笑うのは日傘をさしたレミリアの姿だった。
「パチェが呼んでたわ。今度は日光の光を出す魔法ですって」
「……そんなの覚えさせて良いのか?お前の弱点だろ?」
「いいのよ、その程度ならこれで防げるわ」
レミリアは得意気そうに白い日傘の柄を叩く。
「ああ、今度は確か水流を出す修行に、にんにく等の食材を出すのと、銀製の武器を一時的に出す魔法に……」
「……悪意があるわね……」
前から当たり前のように存在する紅魔館。紅いそこから見る景色は清々しく、空も美しく見える。
俺は涼しい風を吸血鬼を共に浴びながら本来の夏の幻想卿の姿を楽しんでいる。
夏の間、これからも太陽は力を弱めないと俺は思った……
Good End
紅魔館編、いかがだったでしょうか?
今まで色々ありましたがここで一時、テストのため中断します。
その間にネタを蓄えますのでその時はよろしくお願いします。
感想、批判、アドバイス等よろしくお願いします。