終夜「もう原始人扱いは遅れてるみたいだな。よし、GB(ゴキブリ)にしよう」
キターGBキター。でもな、終夜くん。GBは3億年前から存在している大先輩なんだぞ! 恐竜でさえGBの後半なんだぞ!
終夜「そうか、じゃあGBはだめだ。SA(シロアリ)にしよう」
害虫の王道キター。ダメだ僕の知識じゃあカバーのしようがない。
終夜「それはよかった」
はぁ……それでは、今回も拙い文章ですがどうぞご覧下さい。
『おはようございます。七時になりました、天気予報をお伝えします。本日は晴れで、最低気温13度、最高気温16度。春が近づいているためか前日に比べて暖かい一日になりそうです。まあそんなことはどうでもいいんです。本日終夜さんは地霊殿に行くことになっているため、さっさと支度をした方がいいでしょう』
「……どこからツッコめばいいかわからないんだが」
朝、終夜は自分の部屋のベッドの上で一人呟いた。
最初の一行でニュースでもやってるのかと思った方がいるかもしれないが、アナウンサーモドキの正体は暁雅である。
しかし先ほども言ったように終夜は今一人であり、終夜の側に暁雅がいるわけではない。終夜が目を覚ますと、突然声だけが聞こえてきたのだ。
『言いたい事があるなら一つずつどうぞ』
「……まず、なんだこの声は」
『私は空気を操れるため、空気の振動からなる音もある程度操れるんです。なので、終夜さんの耳の近くで私の声と同じ音をそのまま出すことができるんですよ~。イヤホンをつけてるのと同じ感じです。終夜さん以外には聞こえませんし』
「ほー。二つ目、地霊殿に行くってなんだ。聞いてないぞ」
『でしょうね。地霊殿に行けというのは霊夢さんが言ってたことでしてね。終夜さん昨日さっさと帰っちゃったでしょう。だから私が言っておくようにと、霊夢さんから頼まれたんです。別に地霊殿じゃなくても構わないけど、いろんなとこに挨拶でもしてきたらーとかいってましたねぇ』
「そうか、わかった。あとは時間の無駄になりそうだから聞くのはもういい」
『了解でぇす』
「わかったならとっととこれを切れ。どうせお前も行くんだろう」
『同行するように言われてますからねぇ当然です。じゃ、切りますよ~』
暁雅の声が聞こえなくなると、終夜はおとなしく支度をはじめた。
「さて、行きましょうか」
紅魔館の門をくぐるといきなり暁雅が現れた。ちなみに美鈴は寝ている。
「ほとんど瞬間移動だな……それ」
「便利ですよーただの高速移動ですけど」
終夜は上はパーカー、下はなんと言っていいかわからない普通のズボンで、両方黒。そしてあのネックレスを着けているようだ。暁雅は胴着&袴で首には白いマフラー。二人ともいつもの服装だ。もちろん二人とも刀を二本帯刀している。
「地霊殿ってどこにあるんだ」
「地底にあるみたいですねぇ。私が道わかるのでさっさと行きますか」
「お前行ったことないんじゃないのか。なんでわかるんだよ」
「その場に空気さえあれば道のりの把握なんて朝飯前です」
「へー……」
「方角はあっちです。飛びますよ」
「おう」
二人の体が浮き、まっすぐ暁雅が指した方向へと飛行を始める。そんなに速くはない。
「暁雅、聞きたいことがあるんだが」
「なんです?」
「お前の刀、一体なんなんだ。咲夜のナイフを簡単に切り裂いたのを見たぞ」
「ああ、刀のことですか。では教えてあげましょう。こっちの刀はどこにでもあるような普通の刀ですが、こっちの赤い波のような絵が書いてある鞘に収まっているのは、ただの刀ではありません」
暁雅はその刀を抜き、刀身を眺め始めた。刀身の方は普通の見た目だったが、やはり異様な雰囲気を放っている。
「異常な切れ味を持つ刀……獄冥・海正(ゴクメイ・ウミマサ)。ダイヤモンドさえも振りかぶらずに真っ二つにすることが可能です。ただし、切れない特殊な力を持つものは切れません。終夜さんの刀を切れなかったようにね。どんなものでも切るわけではではなく、あくまで切れ味が凄いだけみたいです」
「だけとか言ってるが、それでもヤバい刀に違いはないだろうが」
説明を終えると、刀を鞘に収めた。
「終夜さんの刀はどうなんです? 教えたんだから教えてくださいよ」
「まあいいだろう。こっちの普通の刀身の刀が刻影、こっちの黒い刀身の刀が終鬼だ。刻影の方は折れない、曲がったり欠けたりしない、錆びない、切れ味も落ちない。効果自体を打ち消されない限り、これらは絶対みたいだな。終鬼は能力を持ってない」
「へぇー。でもその終鬼って刀は普通の刀とは明らかに違うと思いますねぇ。妖刀でしょうか」
「さあな、刀に聞け」
「まあその内わかるでしょう」
「だといいな」
終夜がそう言ったあと、二人とも少しずつ移動速度を上げ始めた。
しばらくの間、沈黙が続く。
「暁雅」
「……なんです? まだ質問タイムだったんですね」
終夜は少し口ごもり、数秒経つと続けた。
「何故、俺を助けた」
「……あまりいい質問ではありませんねぇ。死にそうな人がいたら助けるでしょう、普通」
「いいや違う。お前は会ったこともない俺を偶然通りかかったわけでもないのにわざわざ助けた。何か、俺が死んだらマズイことがあるんだろ。それにお前は何故か俺の過去を知っているようだな。そのことも関係しているんじゃないのか?」
目線は前を向きながらも、暁雅を問いただす。
「慌ててはいけませんよ終夜さん。いずれわかることです」
「聞くだけ無駄か」
そう言って終夜は舌打ちをする。
「おっと終夜さん、地底への入り口が見えてきましたね。あれです」
暁雅が指差した方向を見ると、崖に立て掛けられるように、大きな穴が崖の下に空いていた。
「ほぉ」
「飛ばしますよ」
「ああ」
二人は一気にスピードを上げた。
地底
二人は地面に降りて、のんびり歩いている。
「これが地底の街ですか……どんなものかと思いましたがなかなかいいですねぇ」
「そうなのか? 俺にはそういうのよくわからん」
終夜は地底の街を見ながら眉間にシワを寄せる。
「まあそれはいいんです。地霊殿はこの先にあるみたいなので、ゆっくり観光でもしながら進みましょう」
「ゆっくりでいいのかゆっくりで……」
「アポ取ってないんで時間は無視して大丈夫なのです」
「いやアポ取れよ……お前なら今すぐできるだろ」
「めんどくさいです」
「いきなり押し掛けた方が絶対めんどくさいだろうが」
「その時考えればいいでしょ」
「ダメだこいつ……」
地霊殿までは思っていたよりも時間はかからなかった。暁雅が最短距離の道を選択したためだ。それに、途中で勇儀など、いろいろな妖怪に出くわしたが、面識があるものが多かったためスムーズにこれた。
「突然押し掛けてすまない、さとり」
現在、二人は当然と言えば当然だが侵入者扱いされ、地霊殿の当主、古明地さとりの部屋に連行され、彼女の能力、心を読む程度の能力で誤解がとけたところである。
終夜と暁雅は立っており、机を挟んで向かい合うようにさとりが座っている。
「それは別にいいのだけれど、貴方は誰? 名前は?」
さとりは暁雅をみる。彼女の第三の目もいっしょに暁雅を見ている。
「正純暁雅です」(心を読む程度の能力ですかぁ。私、心はあまり読まれたくないですねぇ)
「……読まれるとマズイことがあるかの様な反応ね」
「さあ、どうでしょう」(……)
「さとり、こいつは今、嘘をついていることはあるか」
「え!? そういうことしちゃうんですか!?」
「無いわ、その箱も本物。正に命」
「じゃあ、隠していることは」
「無い。けど、言い忘れていることはあるみたい。私にはわからないけど」
「え……なんでしょうか」
暁雅は真剣に考え始める。
すると、さとりが暁雅をみながらある質問をする。
「…………終夜が思ってるのと、私の個人的興味もあるから聞くけど、貴方の目的は何?」
さとりは第三の目を暁雅から逸らさないままそう質問した。
「目的? さあ、なんのことだか」(■■■■■■■■■■■■■)
普通なら相手がどんなにとぼけても心を読めば終了なのだが、暁雅に質問した瞬間、暁雅の心が黒く曇って読むことができなくなった。
「貴方、何者……? 心を読まれないようにするなんて簡単にできることじゃないわ」
「そうなんですか」
暁雅がとぼける様子を終夜は横から鋭い目線で見ていた。
「心が読めないのか、さとり」
「読めないわ」
「そうか……。じゃあ、もうやることは無いな。これからどうするか」
「折角だし、ゆっくりしていくといいわ」
「本当ですか!? どれくらいゆっくりしていいんですか?」
暁雅は勢いよく机に手を叩きつけ、大声で質問する。
「ご自由に。なんなら泊まっていってもいいわ。邪魔しなければだけど」
「よっし! よっし!」
そしてガッツポーズを決める。
「いいのかさとり」
「一泊までなら」
「いや、でも着替えとか一切持ってないぞ」
「持ってきます持ってきます30秒で持ってきます」
「……」
そう言って暁雅が消えると、数秒経ってからさとりが微笑した。
「貴方、人を思い通りに動かす才能があるんじゃない?」
「どうだろうな」
いやーあのね、やっぱりね、SAはないと思うよ。
終夜「まだ引きずってるのか。もう後書きだぞ、潔く認めてさっさと締めろ」
だって認めたらずっとSAって呼ばれるやん(涙)
終夜「よかったな。じゃあ、今回も読んで下さった方々、感謝する」
ちょ
終夜「次回もどうかよろしく頼む」
バカな……!? これだとずっとSA扱いされ