運命は無情か厚情か   作:八ツ奈豆

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やっと4話です
投稿遅くなってすみません…
今回はあまり長くはないですが結構話が詰まってます
今さらですが設定の間違いとかあったらすみません
そんな感じですが今回も楽しんで頂けたら幸いです
では、どうぞ!


前兆

フランは、仰向けに倒れている終夜の横で涙を流していた。

なぜかと言うと、終夜がもう息をしておらず、心臓も動いていないからだ。

それに加えて、体もだんだん冷たくなって来ている。

 

助けは何回も呼んだが、不思議なことに誰一人、咲夜さえ来なかった。

運ぶことも考えたが、その時にはすでにこの状態だった。

 

フランはそんな終夜の横でずっと泣いていた。

当然だろう。初めての友達なのだから。

しかも自分がやった。

確かに、最初は殺してもよかったとは言えども、

精神的なダメージはかなり大きい。

 

「終夜……死なないって言ったのに……」

 

終夜は嘘をついたのだ。

初めての友達を置いて逝ったのだ。

フランの心の中は悲しみと罪悪感と怒りが複雑に混ざりあっていた。

所詮、私はずっと一人なんだ。

フランはそう思っていた。

何故誰も来ないのか。

何故救ってくれる人がいないのか。

すでにそんなことを考えるのはやめた。

終夜はもう、目を開けることはないと、

実は何となくわかっていたからだ。

認めたくはないが、ほぼ確実だろう。

 

フランの瞳が、また以前の寂しい瞳に戻りかけた時だった。

 

 

 

「フフ……その人は死なせませんよ。貴女のためにも、また別のことのためにも」

 

後ろから声が聞こえた。

すごく、優しい声だ。

 

「誰!?」

 

フランは咄嗟に後ろを見たが誰もいなかった。

幻聴だろうか。

フランはその声が気になり、しばらく辺りを見回していたが、

結局誰も居なかった為、

不思議に思いながらも視線を終夜に戻した。

すると、終夜の体に奇妙な現象が起こっていることに気が付いた。

 

「!? 心臓が動いてる!   呼吸もしているわ……」

 

フランはもしかしてと思い、終夜の上半身の服を破いて傷を見てみた。

そして、目を疑った。

 

「傷がどんどん治っていってる……! ……!?」

 

終夜の体の傷が、まるで早送りしているかのようにどんどん治っていく。だけではなく、

弾けとんだはずの左腕が凄いスピードで再生し始めたのだ。

このスピードは、例え種族が人間でなくてもあり得ないスピードだ。

 

「あっという間に全部治っちゃった…。何が起こったの…?」

 

フランは何が何だかわからなかった。

当然である。この状況で混乱しない者はなかなかいないだろう。

 

「……ん? ここはどこだ……」

 

「終夜!!」

 

終夜が目を覚まし、上体を起こした。

それと同時にフランは終夜に抱きついた。

 

「止めろフラン、痛……痛くない……? 腕もある……。

なぜ俺はこんなに普通の体なんだ……」

 

「それが……」

 

フランは今起こったことをありのままに終夜に話した。

 

「なるほどな……つまり今は俺が気を失ってから数十分しか経ってないわけか」

 

「うん」

 

「その短時間でこの状態になったのはその声の主が原因だろうな。

それにしてもそいつが言ったことが気になる。また別のことってなんなんだ」

 

終夜は下を向いて考え込む。

 

「フラン」

 

「なに?」

 

「とりあえず、この部屋から出ようか」

 

「……」

 

フランは少し暗い顔をしながら黙ってしまう。

ずっとこの部屋にいた。この部屋にいなきゃだめだと思っていたのだから、

明るくはなれないだろう。

 

「どうした?ほら、立て」

 

終夜が先に立ち上がり、フランに手を差し伸べた。

フランはそれを見て驚いた表情を浮かべ、自分の手のひらを数秒見つめてから

終夜の手をとり、立ち上がった。

そのときフランは少し微笑んでいた。

自分が外に出ると、周りに害を及ぼす可能性がある。

能力と性格が、危険だから。

フランはそれを自覚していたため、外に出るのを拒んでいたのだが、

今、終夜と一緒に居れば大丈夫な気がすると、そう思ったからだ。

終夜はそれに気づいたのか、フッと笑い、部屋の出口へと歩き出した。

それにつられてフランも歩き出した。

 

「ねえ終夜」

 

「なんだ」

 

「一応伝えておくね、私の能力はありとあらゆる物を破壊する程度の能力だよ」

 

フランは終夜に自分の能力を話した。

 

「そうか。あまり使うなよ」

 

終夜も少し微笑んでいた。

なかなか笑顔は見せないが、

能力に驚くことは全く無かった。

 

「うん!」

 

それを見たフランは安心した様に返事をする。

 

フランの狂気はこの時すでに、完全に抜けていた。

 

 

 

 

部屋を出て、階段を上っていると、

そこにレミリアがいた。

 

「やっぱりフランと一緒に生きて帰って来たわね、終夜」

 

「レミリアか。わかっていた様な言い方だがそれがお前の能力か?」

 

終夜は無表情で、レミリアに問いかけた。

 

「そうよ。私の能力は運命を操る程度の能力」

 

「なるほどな……」

 

終夜は、レミリアが自分を生かした理由を、

少しだけ理解できた様だ。

 

「私が助けを呼んでも誰も来なかったのは、

やっぱりお姉様がそうさせていたからなのね……」

 

フランは、助けが来ない理由をなんとなく予想できていたのだ。

レミリアの能力を知っていたからである。

 

「その通りよフラン。でも終夜を生かした理由はこれだけじゃないし、

これからも紅魔館で働いて貰うわよ」

 

「わかってる」

 

終夜は働きっぱなしでもいいと思っていた。

今までずっと独りだったのだから。

それも悪くないと、そう思っていた。

 

「そう、なら私の部屋に来なさい。

早速仕事の話をするから。」

 

「わかった。だがフランもだ。

別に構わないだろう?」

 

終夜はフランを見ながらレミリアに言った。

フラン本人は嬉しそうな表情をしている。

 

「いいけど、邪魔はしない様にねフラン」

 

「わかっているわお姉様」

 

フランは嬉しそうな表情のまま応えた。

すごく嬉しそうである。

 

「なら、早く行くわよ」

 

三人は階段を登り始め、レミリアの部屋へ向かった。

 

 

 

数分後

 

 

 

「それで?俺は何をすればいいんだ?」

 

レミリアと終夜は、すでに話を始めていた。

フランはその横で、大人しくしている。

 

「実を言うとまだ決まってないの。貴方が決めてもいいわよ。

可能な範囲でだけど」

 

「決まってないのに呼んだのか

そうだな……」

 

終夜は考え始めた。

終夜はどのような仕事があるのかあまり知らないため、

希望できる範囲は限られるだろう。

しかし、すぐに答えが出た。数秒で。

 

「お前のメイドに咲夜がいるよな。

フランにもいるのか?」

 

「いないわ」

 

レミリアは終夜の問いに普通に応えた。

終夜が何を言いたいのか、もうわかるよね?

 

「だったら俺がそれになろう。メイドじゃなくて執事だがな」

 

「フフ…いいわ、貴方の仕事はそれよ」

 

レミリアは少し笑いながら許可した。

そう来たか。という感じだ。

 

「え?本当に!?本当に終夜が私に就いてくれるの?」

 

フランは驚き、大声で確認してしまう。

 

「ああ本当だ。レミリア、感謝する」

 

「こっちも助かるわ」

 

終夜もフランも嬉しそうだった。

と言っても終夜は少し微笑むくらいだが。

 

「終夜が私に就いてくれる……これで毎日遊べるね!」

 

「お前、遊ぶってどういう意味の遊ぶだ……?」

 

「まあそれはいいから終夜、仕事のことは咲夜にいろいろ教えてもらうといいわ。

あと、明日から働いて貰うから。以上よ」

 

冷や汗を流していた終夜に、

レミリアが無理矢理、仕事の話の最後の確認をした。

 

「わかった。行くぞフラン」

 

「うん」

 

二人はレミリアの部屋を出た。

 

「ねえ、何で私を連れてきたの?終夜」

 

「さあ、なんでだろうな」

 

「えー……」

 

フランは、終夜が自分をレミリアの部屋に一緒に連れてきた理由が

気になり、本人に尋ねたが、答えてはくれなかった。

 

「まあそれはいいけど、私一回部屋に戻るね」

 

「お前の部屋へか?」

 

「うん。また一人であの部屋へ行くのは少し嫌だけど

自分の部屋だしすぐ慣れると思うから大丈夫だよ」

 

一応部屋の外へ出ていいことになってはいるのだが、

せっかく外に出たのに、また一人で部屋にいるということに少し抵抗があるのだ。

それでもフランはあえて自分の部屋に戻ることにした。

 

「フッ……そうか。安心しろ、駄目なら俺を呼べばいい。

それも仕事のうちになるわけだからな」

 

「……うん!」

 

すごくいい返事が帰って来た。

その時フランの表情はまた、嬉しそうな表情になっていた。

 

「さて、もう遅いからな。そろそろ部屋に戻れ」

 

「うん、じゃあね終夜」

 

「ああ」

 

フランは元気よく自分の部屋へ戻って行った。

それを確認した終夜も、自分の部屋へと歩き出した。




どうも八ツ奈豆です
今回の後書きから、前書き&後書きに
主人公の終夜君を招待しようと思います
それでは終夜君、どうぞ!

終夜「何故俺が……」

まあまあそう言わずに
これからもよろしく頼むよ

終夜「…… こんな作者の小説を読んでくれて感謝する
   次回からも頑張って書いていくからよろしく頼む」

こんなって何!? あと作者のセリフ取らないでっ

終夜「それじゃあまた次回」

おーい!!
そそ、それではまた!
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