運命は無情か厚情か   作:八ツ奈豆

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どうも八ツ奈豆です
書くのに異常なほど時間がかかった一話です……
終夜「そのくせいつも通り低レベル」
う、うるさいよ
終夜「バーカ」
……やめなさい、君そんなキャラじゃないんだから

まあ……そんな感じですが、暖かい目で見ていただけると幸いです
どうぞ


予感

 見渡す限り続く白い世界。

空から粉と言うよりも少しだけ大きな白いものが降り、それが積って、広大な白い地面を作り上げている。

 時刻は早朝。3時~4時ほどと言ったところだ。太陽はまだ顔を出していないが、日の光がもれて、辺りをかすかに照らしていた。

 

 終夜は目が覚めるとすぐに起きて窓のカーテンを開け、窓の外を見た。そして外の雪景色を見ると、今度は部屋にある時計に目を移し、時間を確認する。

「まだ時間があるな」

 時間があるというのは、仕事のこと。いわゆる朝礼というやつが始まるまでの時間である。朝礼までは30分以上時間があった。終夜はその時間を潰す為、外に出る仕度を始めた。

 寝間着を脱ぎ、まずは上半身にシャツを着る。いつものシャツは破れているため、代えのものだ。色は全く同じだが。そしてその上にいつもの黒い上着、(パーカー)を着る。こちらは無事だったため普通に着れるようだ。そして最後にズボン。これも代えで、シャツと同じで色は前と全く同じである。

それらに着替えた後、二本の刀を腰に差し、部屋を出た。

 

 紅魔館の門から一歩出ると、すぐ横に美鈴がいた。温かそうな服装で、門番をしている。(珍しく起きている)

「あれ? 終夜さんじゃないですか。何処か行くんですか?」

「ああ。その辺で鍛練でもしようと思ってな」

「え!? こんなに寒いのに!?」

「? そうでもないだろ」

そうでもないわけがない。気温は氷点下をかなり下回っている。だが終夜は一応山で暮らしていたため、この寒さは何度も経験してきたのだろう。と言っても、一体どういう生活をしていればこの気温を「そうでもない」と感じるようになるのかは謎だが。

「すごいですね…… これが武士道ってやつですか…… 私も負けていられませんね。付き合いますよ」

「助かる。ちょうど相手がほしいと思っていたんだ。あと、武士道については否定するぞ」

「ふふ それで、何をするんですか?」

「そうだな、とりあえず対戦相手になってもらう。場所はあの辺にしよう」

 終夜が門を出た20メートル当たりの地点を指差すと、美鈴は「いいですよ」と言い、その地点へと歩きだす。

それに会わせて終夜も歩き出した。

「えーと とりあえず素手での組み手でいいですよね?」

「ああ、okだ じゃあ、早いとこ始めよう。手加減は無しだ」

 終夜は上着と刀二本を後ろに脱ぎ捨てた。すると美鈴も暖かそうな上着を脱ぎ捨て、いつもの服装になった。

「了解です」

 そう言うと二人はお互いに礼をし、構える。

 二人とも格闘技に強いとは言え、終夜と美鈴には当然、実力の差がある。美鈴の方が強いのだ。だが終夜はそんなことで怖じけづいたりせず、美鈴を睨み付けている。美鈴の方も油断など一切せず、終夜と睨み合っている。いつの間にかすごい緊迫感になっていた。

 間合いは三歩ほど。二人はピクリとも動かず、しばらく沈黙が続く。

 

 10秒程経ったとき、美鈴が瞬きをした瞬間、終夜が地面を蹴り、一気に間合いをつめた。終夜が狙ったタイミングは絶妙であったため、美鈴の判断が一瞬遅れた。その一瞬の隙に、終夜は勢いを使い、美鈴の喉元に右ストレートを放つ。

 しかし美鈴はそんなに甘くはなかった。冷静に体を左に傾け、終夜の拳を避けると、右膝蹴りを終夜の腹目掛けて放った。

 だが、終夜は回転しながら大きくジャンプしてそれをかわし、その回転を利用して、着地した瞬間美鈴の頭部に回し蹴りを放つ。

 終夜のダイナミックな行動に一瞬驚いた美鈴だが、腕を頭の横に構えてそれを受け止める。そして片足だけで立っている常態の、終夜の左足に下蹴りをすると、体勢を崩した終夜の腹に正拳を放つ。

 終夜はそれを体をひねらせてスレスレでかわすと、後ろにジャンプして距離をとった。

「なかなかやりますね終夜さん」

「お前こそ流石だ。俺の故郷の奴らだったら今のでKOが普通なんだがな」

「それはどうも」

(? 待て。俺はずっと山に居たんだ。組み手をするような相手がいるはずない。俺は一体何を言っているんだ?)

 今一瞬頭に浮かんだ場所は幻想郷でも、山でもないどこかだ。しかし再度思い出すことができない。

 美鈴は終夜の過去を知らないため、不信に思ってはいないようだが。

「まあ……、とりあえず続けよう」

 終夜が再度構えると、美鈴も「あ、はい」と言って構えた。

 

数十分後

 

「それまで」

 息が上がりつつもにらみ合っていた二人の間に咲夜が割って入った。咲夜は二人を止めると、呆れたような目で終夜を見た。

「大人しく部屋にいるとは思ってなかったけど、案の定だったようね。もうすぐ朝礼の時間よ」

 咲夜は、終夜が時間を忘れているのではないかと思い、わざわざ伝えに来てくれたのである。そしていざ来てみれば、案の定時間を忘れており、しかも門番までそうなっていたというわけである。

「悪い、すぐに行く」

「あ、すっかり忘れてました……すみません咲夜さん」

二人(?)の謝罪を聞くと、咲夜はため息をついた。

「わかってるとは思うけど、時間は厳守だから。特に美鈴は初めてじゃないでしょう?」

「ごめんなさい……」

「……じゃあ、遅れないように」

 そう言うと咲夜は消えていった。

「門番のお前も朝礼に出るのか?」

「まあそうですね。見張りの手段は門番だけというわけではないので」

「なるほどな」

 そう言うと、二人は自分の荷物を拾い、紅魔館に入っていった。

 

 

 昼ごろ。終夜は散歩でもしようと思い、門を出た。ちなみにフランも日傘をさして同行している。

 美鈴がすぐ横にいたが、寝ていた。終夜は、さっきの組み手で自分が完全に押されるくらいの実力はあるのでまあいいかと思い、ほうっておいた。

 さて行こうと思った瞬間、上空から声がした。

「おー フランと……、見ない顔だぜ……」

「あ、魔理沙! また本借りに来たの?」

ほうきに乗った金髪の魔法使いだった。その魔法使いの挨拶(?)にフランが答えた。

「そうそう、大当たりだぜ。で、フラン、そいつは?」

魔理沙はこっちに降りてくると、終夜を指差してフランに質問した。

「えーとねぇ 私の執事の、終夜っていうの。 終夜、こっちは魔理沙。」

「魔理沙だぜ。よろしく」

「孤月終夜だ」

 フランが紹介すると二人は互いに握手を交わす。

どう考えても執事っぽくない挨拶だということは気にしてはいけない。

「弾幕ごっこは得意な方だから、いつでも受けてたつぜ!」

 魔理沙が自慢気に自己紹介をすると終夜は、

「弾幕についてはほとんど経験がないから遠慮しておく」

と、相変わらずの無表情で断った。と言っても能力上、少しやればすぐに上達するのだが。

 それを聞いた魔理沙は一瞬残念そうな顔になったが、すぐに表情が変わった。なにかを思い出したようだ。

「そう言えば、孤月終夜を探してるっていう奴がいたような気がするz――」

 

 魔理沙が思い出したことを伝えようとした時だった。

 

「こんなところにいましたか~終夜さん。探しましたよ~」

 魔理沙が言い切る前に、見たことも無い男がいきなり現れた。

 両手を地面に着けていて、空から降りてきたかのような体勢だが、その場合に起きるはずの風圧や音が発せられなかった。現れた速度からしてかなり大きなものになるはずなのにだ。

服装は胴着と袴。髪は短髪で、黒。目は細く、閉じているかのよう。腰には当然、刀が二本差さっている。

 そんななかなか見ない見た目の男がいきなり現れたため、終夜は咄嗟に刀に手を添えて戦闘体勢に入っていた。

フランと魔理沙は距離をとっている。

「いや~皆さんそんな怖い目をしないでくださいよ~。別に皆殺しにしたりしませんから~」

 男は笑顔でそう言った。

「!? ななななんですかこの状況は!」

 寝ていた美鈴もさすがに目を覚ました。美鈴は起きるとすぐに険しい表情を浮かべた

「皆さん、気を付けてください……、その人、ヤバイですよ……」 




ありがとうございました
いやぁやっと二人目のオリキャラ出せましたよ
あの謎の男が誰なのか、勘のいい人ならわかってるんじゃないでしょうか
終夜「ここからなんだよな?面白くなるのは」
うん……自分ではそう思ってるけどちょっと自信ない
終夜「せいぜい思い込みにならないように頑張るんだな」
何も言えねぇ……

終夜「じゃあ、今回も読んでくれて感謝する」
頑張りますのでどうかよろしくお願いいたします
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