俺とところてんのリリカル世界冒険譚   作:鷹売りのタカさん

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よっ!!(・ω・)ノ


俺とところてんの邂逅

小学校、中学校、高校共に安定した成績を保持し、さらに大学受験も安定して合格、友達いっぱい、でも彼女はいない、そんな順風満帆な生活を送っていた一人の青年。名を、天野城助と言った。

 

雪の積もる1月の半ば、路面は凍り、交通事故の危険がいっそう高まる季節。彼はスーパーで夕飯の買い物をしていた。そして店を出た矢先、一台のバスが彼に突っ込んできた。バスはそのまま止まらず、近場の民家の塀に突撃。バスは停止し、幸いにも乗客は全員無事。あったとしても打撲程度の軽傷を負ったのみ。しかし、バスのフロントに磔にされたまま塀に突っ込んだ城助は無残にもバスと塀に挟まれて圧死してしまった。

 

バスのタイヤが突然パンクし、何故か全てのタイヤのチェーンが外れ、路面が凍っていてブレーキもきかない。一生に一度お目にかかれるかという不幸な偶然が原因で起こった事件である。

 

 

そんなこと死んだ今となっては関係ないと言わんばかりに憮然とした態度で、天野城助は地平線の果てまで見渡す限り真っ白な謎の空間で、これまた真っ白な衣装に身を包んだ一人の老人の前に立っていた。

 

聞けばその老人は神だという。城助はそこに驚くよりも、かつて中学2年生の頃、無神論者をきどってかっこつけていた自分を思いだし、赤面。蒸気が上がるほどに体内の全水分が沸き立っていた。

 

神と名乗る老人はそんな城助の様子などお構い無しに、淡々と説明をする。

 

神曰く、城助の死は下級神による因果律操作のミスであるということだ。そしてこの空間は俗に煉獄と呼ばれる場所であり、とある偶然から命を落とした城助は、せめてもの詫びとしてこの後とある世界に送り、第2の人生を歩んで欲しいとのこと。

 

城助は言う。「それが貴様らの誠意か。一度終えた人生は二度と戻らぬ。友人の菓子を食べてしまい、代替品でごまかそうとするガキの発想とまるで変わらない。それでも神か。上司にペコペコ頭下げて責任の重みを噛み締めていた親父の方がよっぽど尊敬に値する。人間社会を嘗めるなよ腐れジジイ」

 

 

対する神は、厳しい目で城助を見据え、言った。「ならば一つ願いをかなえてやろう。来世への手土産だ」

 

 

 

「喜んで転生させていただきます」

 

 

彼は現金な男だった。

 

 

それから10分、たった一つの願いに対してあーでもないこーでもないと悩みぬいた末、城助が出した答えとは『友』だった。

 

城助は順風満帆な人生を振り返り、笑顔だった自分の隣には、いつもつるんでいた親友がいたことを思いだした。

 

彼は言う。「富や名声なぞより友情よ」

 

神はその願いを聞き入れた。「来きたる人生の分岐点、そこで最高の相棒を送る」

 

城助は笑顔で頷いた。そして、次第にその姿は薄れていき、やがてそこにはなにもなかったかのように、城助は姿を消した。

 

 

神は思った。そういえば送った世界めっちゃ危険だった、と。

 

 

神直々の加護を受けた人間は何故か普通の人より特殊な人生を送りやすい。例を挙げれば、突然宇宙に行って戦ったり、超能力に目覚めて正義のヒーローとして悪と戦ったり、謎の組織の特殊遺伝実験でミュータントとしての生を受けたりなどである。過去に何度もそんな光景を見てきた神としては、こちらのミスで死んでしまった城助にこれ以上無茶をさせるのは心が痛む。そこで神は、独断で城助に特殊な能力を授けようと考えた。それならばたとえ謎の魔法使いに襲われようと簡単にやられはしないだろうと思った。

 

しかし、彼は疲れていたのだろう。

 

無理もない話である。彼はここしばらく自身の仕事が忙しくロクにに寝ていない。そこでまさかの部下の重大なミスにより因果律が狂い人間が一人死亡。やれ責任問題だの、やれ始末書だのと仕事が激増。城助は神の誠意が足りないと言ったが、精神状態がオールブルーな状態でまともな応対が出来るはずもなかった。加えて一つの伝え忘れにより、さらに仕事が一つ追加。

 

栄養ドリンクの空き瓶が山のように積まれた執務室で、神は疲れきった頭を必死に回転させ、城助へと送る『能力』、そして『友』を考えた。

 

「天野城助天野城助天野城助アマノジョウスケあまのじょうすけてんのしろすけ・・・む? てんのしろすけ、てんのすけ・・・っは!!」

 

神は脳に電流が走ったかのように感じた。その閃きに神は歓喜していた。そしてその結果を記した紙には、こう記載されていた。

 

『世界:魔法少女リリカルなのは』

 

『能力:ボーボボの作品の能力全部』

 

『友:ところ天の助』

 

 

もう一度言おう。彼は疲れていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・むむ、ここは何処(いずこ)か。

 

 

先程は煉獄と呼ばれる真白な空間にいたが、今度は逆に真暗な空間でたいへん困惑している。身動きも取れん。面妖な。

 

いや、ってか目閉じてるだけじゃね。

 

まぁ、瞼も動かないから何でもいいか。

 

 

おっと、ここで重大な問題が発生した。俺って――――息できッねッガフッゲホ!!! やべぇ、マジやべぇ・・・目覚めていきなり溺死とか笑えんぬ・・・。

 

 

おっと今度はなにやら俺を押し出そうとする動きが・・・!! 一体どこに運ばれるのかは知らないが・・・この空間から出られるなら万々歳だ。

 

 

さぁ・・・視界が明るくなってまいりました。しかし瞼は依然として動かない。そして一つ・・・喉に何かがつっかえているかのような違和感がある・・・!

 

 

こういう時は思い切り叫べばいいんだ。そう言ってたんだ、ばあちゃんが。ばあちゃんのいう事に従って間違った記憶はない。

 

 

 

見せてやれ! おばあちゃん子大和魂!!

 

 

 

せーのッ――――

 

 

 

 

「おぎゃああああああああああ!! おぎゃああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

あれ? 俺こんなシャウトするつもりはなかったんだけど・・・。

 

 

 

 

「産まれた! 産まれましたよ、天野さん!! 元気な男の子です!!」

 

 

 

俺の目の前で満面の笑みを浮かべている白衣のおばちゃんは何者?

 

 

 

「良かった・・・本当に・・・・」

 

 

 

そんでもってこの満身創痍な表情の別嬪さんは誰ぞ?

 

 

 

 

「産まれた!? 産まれたのか!? よくやったぞ!!」

 

 

 

そいでこのダッシュでやって来たスーツの似合うダンディガイは何奴?

 

 

よく見れば後者の二人は俺の両親にえらく似ているな。

 

 

しかも何だろう・・・この違和感・・・なんか妙に体が動かない・・・しかも俺の母親にそっくりの別嬪さん、俺を持ち上げてる?

 

 

俺ってそんなに小さくなかったような・・・・・・。

 

 

 

 

――――あっ。

 

 

 

俺転生したんだ。そいでもってここはアレか。曰く産婦人科と呼ばれる施設か。んでんで、この二人は俺の両親か。

 

 

 

とりあえず挨拶は重要だよな。たとえどんなになっても礼儀は失うなってばあちゃんがいってたし。

 

 

最初の挨拶だ。気合入れるぜ。ばあちゃん、俺に力を!

 

 

 

「Hello, My mother and father」

 

 

「「!!?」」

 

 

 

こうして俺の第2の人生が始まった。

 

 

願わくば、美しい人生であるように・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて思ってたのは何時の頃だったろうか・・・0歳の頃か・・・。

 

 

俺が天野城助として第2の人生を歩み始めて6年程が過ぎた。

 

 

最初のころは楽しかった。そりゃあもう楽しかった。心は大人で0~2歳の時を過ごすのは些か苦労したこともあったが、今ではそれも最高に楽しい思い出だったと言える。

 

本来だって、今も楽しい気分でいられたはずだった。

 

 

 

 

 

3日前に・・・・・家族が死ななければ、ね・・・。

 

 

 

3日前、俺の小学校の入学式が近いということがあって、我が家のテンションはとんでもないくらいに上がっていた。テンションが最高潮に達している父がある提案をしたのだ。家族揃って俺の入学を祝って旅行でもしよう、と。行き先は国内の温泉だった。そこそこ距離はあるが、有名な観光地らしく、県外はおろか外国人からも一目置かれる場所らしい。

 

 

思い立ったが吉日と言って、我が家は慌ただしく旅行の準備に取り掛かった。そして準備が済むと一目散に車に乗り込み、目的地へ向けて出発した。

 

 

時間は朝の10時ほどだったと思う。天気は晴れで、太陽の光が心地よかった。ここ4日間くらい酷い雨が降り続き、憂鬱な気持ちになっていた。そんな気持ちを春の暖かい陽気と、車の窓を開ければ流れこむ心地よい風が浄化してくれているようだった。

 

しかし、そんなとき事件が起きた。目的地に行くためには山道を通らなければならない。本来なら安全な道なのだが、先ほども言ったとおり、ここ4日間は酷い雨が降り続いており、かなり地面が柔らかくなっていたのだ。

 

 

 

そして案の定、土砂崩れが起きた。

 

 

 

荒波のように俺たち一家の乗った車に襲い掛かる土砂は、あっという間に車を呑み込み、押し流していった。

 

 

最後に見たのは、俺と同じ後部座席に乗っていたじいちゃんとばあちゃんが、必死に俺を抱きしめようとしている姿だった。

 

 

 

結果として俺は助かった。俺だけが助かった。祖父母が命を掛けて俺を守ってくれたおかげだった。父は母を守ろうと抱きしめていたのだが、2人とも結局死んでしまった。

 

 

 

 

こうして俺は家族を失った。

 

親戚一同が集まって、家族の葬儀を執り行ってくれた。そのことには非常に感謝している。しかし、その後の親戚同士の俺の今後のことに関しての責任の押し付け合いを見てたら、感謝の気持ちも少し薄れてしまった。

 

 

今はただ一人になりたかった。そう思って式場を後にし、誰もいなくなった家に帰った。

 

 

電気もつけず、リビングのソファにポツンと座り込んでいた。聞こえるのは時計の針が動く音のみ。その音すらも鬱陶しいと感じるほどに俺の心は荒んでいた。

 

 

そうして何時間経っただろうか。時刻は既に夜中の0時を迎えようとしていた。

 

 

俺は鉛のように重く感じる体を引きずるように動かし、台所へと足を運んだ。そして棚から包丁を1本取り出すと、静かに喉元へと運んだ。

 

 

 

「あの時計の全ての針が重なった時、俺はこの世を去ろう」

 

 

 

そして数分が経ち、0時まで後10秒というところまで迫っていた。

 

 

 

9・・・8・・・7・・・6・・・。

 

 

心の中で静かにカウントする。

 

 

5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・――――0。

 

 

 

「さようなら、第2の人生」

 

 

そう言って、包丁を握る拳に力を込めた。

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

部屋中をまばゆい光が覆った。

 

 

突然のことで驚いた俺は、思わず包丁を落とした。そしてあまりの眩しさに耐え切れず、目を閉じ、腕で更に目を覆った。

 

約10秒。光はやっと収まった。

 

目を開き、部屋を見渡す。一体何が起こったのかと思い、部屋の中央に目を向けた。

 

 

 

 

そこには、『プルンッ』がいた。

 

とても言葉で表現できそうにない。そう、言うなればあれは『プルンッ』だ。もしくは『プルプルンッ』だ。

 

半透明で、ところどころ角ばった体躯・・・・そんでもって『プルンッ』。

 

そう、まぎれもない『プルンッ』が、悠然と佇んでいた。

 

 

 

「・・・・・おまえ――――」

 

 

謎の半透明の生命体(?)は、俺に目を向け、話しかけてきた。

 

一体何を言うのだろうか。もしかしてあれは宇宙人か。それならある意味納得である。そうなると俺はこの後連れ去られるのだろうか。そしてどうなるんだろう・・・。『プルンッ』とした星の『プルンッ』とした住人に『プルンッ』とした実験で俺も『プルンッ』にされるのだろうか・・・。

 

 

やべぇ・・・大分混乱してる・・・落ち着け、天野城助。今の俺は見た目は6歳だが、心はしっかり成人しているんだ。こんなことで取り乱して入られない。

 

 

さぁ、名も知らぬ『プルンッ』よ。その第一声や如何に・・・!!

 

 

 

 

「――――ところてん臭いぞ」

 

 

 

 

 

「おまえだッ!!!」

 

 

 

 

 

想像もしてなかった一言に思わずツッコンでしまった。そして分かった。

 

 

コイツ・・・ところてんか・・・。

 

 

そして謎の『プルンッ』改め、謎のところてんは俺の顔をじっくり見ると、言った。

 

 

「おまえ、酷い顔だな・・・・死んだ奴みたいだぞ」

 

 

そう言われて俺は顔に手を当ててみた。当然分かるわけがなかった。しかし、このところてんがそういうならば、今の俺はとても酷い顔をしているのだろう。なんせちょっと前まで死のうとしていたくらいだ。晴れやかな顔をしているはずがない。そう思うと、死んだ奴みたいという表現は、中々的を射ている。

 

 

「うるさい・・・余計なお世話だ・・・」

 

 

「・・・まぁ、何があったのかは大体分かっている。おまえの事情も神ってやつから聞いて知っている。・・・とりあえず、今はその話は無しにしよう」

 

 

そう言ってところてんはどこからか、非常に大きな皿を取り出した。そしてそれを、机に乗せると、今度はところてん自身が「よっこいしょ」と言って皿の上に寝転がった。

 

そして机の上の醤油を手に取ると、何を思ったのか、自分にかけた。

 

 

 

「さぁ――――(しょく)せ」

 

 

 

ところてんは自信満々といった声で言い放った。

 

 

俺はただ静かに、台所から箸を取り出し、ところてんの寝そべるテーブルに向かい、席に着いた。そして、ところてんを食べた。ただおもむろにところてんを口に運び続けた。

 

 

何故かはしらないが、俺の目からは涙が溢れ出していた。拭っても拭っても涙は止まらず、俺の顔面を濡らしていた。涙を拭うことを諦め、顔を涙でぐしゃぐしゃに濡らしながら、ところてんを貪った。

 

 

 

「――――不味い」

 

俺は呟いた。

 

 

 

 

それを何も言わずに、ただ見ているところてんはあることに気がついた。

 

 

 

――――オレ・・・食われとるがな

 

 

 

 

オレもまたあることに気がついた。

 

 

 

 

――――ところてんは醤油よりポン酢の方が合う

 

 

 

 




結局連載しました。

予告にも関わらずお気に入り登録してくれた方々
わざわざ催促のメッセージまで送ってくれた方
本当にありがとうございます。
何か見覚えのある名前が多かったなぁとか思ってます。
更新は遅いと思いますが、しっかり連載していきます。

あと内容の方に関してですが、にじふぁんのころと完全に変える予定です。
原作のネタ丸パクリだったことに後悔してますので。
そこんとこよろしくお願いします。

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