しかし内容は本編までのやっつけ程度でしかないのであまり過度な期待はしないでください。
注意!!
この話では、突然非生命体が喋りだしたり、突然主人公が重火器を扱ったりしますが、そのことついて「何で?」といった疑問をぶつけられましても「ギャグだから」の一点張りで返すつもりです。
そのことに関して不快に感じたり、納得いかないのであれば、今すぐバックスペースを押していただくようお願いします。
あらすじ:城助は転校した。
時刻は既に18時を回り、あたりはすっかり暗くなっている。そんな中、高町なのはは家に向って歩いていた。授業が終わって放課後を迎えたなのはは、つい最近自身のクラスに転校してきた男子、天野城助に校内の案内していて、帰る時間が少し遅れてしまったのだ。
「いそいで帰らないと。お兄ちゃんに怒られちゃう」
心配性の兄の事だ。きっと今ごろ玄関の辺りで待っているだろう。そんなことを考えながら歩く速度を速める。
その時、目の前に誰かがいることに気付いた。暗くてよく見えないが目の前に立つ人物はこちらをじっと見ている。
不審に思い、別の道から帰ろうかと思ったが、今の時間と家までの距離を考えるととても遠回りしている時間はないと判断し、少し不安な気持ちになりながらも目の前の人物に目を向けることなく静かに通り過ぎようとする。
その時だ。その人物はなのはの前にさっと立ちはだかり、道を塞いだ。なのははそのことに恐怖を感じ、足を止め、後ずさる。
「――――ねぇ」
目の前の人物は突如話しかけてきた。声からすると男だろう。なのははその時初めて男の姿をはっきりと見た。
ところてんだ。
ところてんが自身の行く手を阻んでいるのだ。
謎のところてんは虚ろな目でなのはを見つめてながら呟いた。
「お譲ちゃん……ところてんは好きかい?」
なのはは恐怖で震えて、何も言えなくなっている。それでもところてんは容赦なく詰め寄り、なのはに再度同じ質問をする。
「ところてんは……好きかい?」
「そ、そうでもないです……」
やっとの思いでなのはが出せた言葉だった。
ところてんはその言葉を聞くとがくんと俯いた。
「そうか……ところてんは…嫌いか。――――なら……呪ってやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅう!!」
「キャアアアアアアアアアア!!!」
「ところてんに染まれぇぇぇぇぇぇぇ――――」
「なにやってんだテメェー!!!!」
「ギャア!!!」
ところてんは恐ろしい速さで走り寄って来た少年、天野城助に強烈な飛び膝蹴りを喰らわされ、悶絶して呻いている。なのははその展開についていけず呆然としている。
その後城助は事情を説明させ、この事件はところ天の助の戯れであったということが分かり、再び天の助に強烈な蹴りを浴びせた。
これが高町なのはとところ天の助のファーストコンタクトである。
*
城助が私立聖祥大附属小学校に転校してから早くも1月が過ぎた。
その日も何事もなく授業を終え、学校生活の1日を締めくくる下校時の集会にて、先生がある伝達事項を生徒に向けて言った。
「最近、この近所に不審者が現れるという話がありました。皆は寄り道せずにすぐにお家に帰るようにしてね。知らない人に着いていかないように。もし怪しい人に声をかけられて連れて行かれそうになったら、大きな声を出して近所の人にわかるようにしてね。防犯ブザーなどの防犯グッズを持っているならそれも使うように」
周囲から「怖い」やら「気をつけなきゃ」などといった不安がるような声が上がる。
「不審者だって。なんだか怖いね、城助君」
なのはもまた、少し不安がりながら隣に座る城助に話しかけた。
しかし、当の城助はその言葉を聞いてはいなかった。
なぜならば……城助はヘッドホンを耳に装着し、とても話なんか聞こえない音量で音楽を聴いていたからだ。
「ズンタッタ♪ふんふふ~~ん♪」『シャカシャカ』
(ヘッドホン付けてるー! 完全に話聞く気ない姿勢だよ!!)
リズミカルに体全体を揺らしていた城助の装着しているヘッドホンに目を向けたとき、なのはは違和感を感じた。
ヘッドホンの耳に当てる部分がまるで人の顔のようになっているのだ。どうやって整えたのか分からない見事なパンチパーマ。額の中心で異様な存在感を放っている巨大なほくろ。目を閉じて安らかな表情しているその顔は、まごうことなき釈迦の顔であった。
『シャカ釈迦』
(これよくみたら釈迦だーー!! しかもなんか釈迦がシャカシャカ言ってるー!!)
あろうことか、その顔だけの釈迦は自分自身で「シャカシャカ」と呟いていたのだ。
驚愕するなのはの視線に気付いたのか、釈迦は閉じていた目を瞬時に見開き、その目を充血させながらなのはを睨みつけ怒鳴った。
『おどりゃクソガキッ!! 見せモンじゃねぇぞゴラァ!! 釈迦がシャカシャカ言って悪いか!!』
「こっち見た!? しかもどうでもいい理由で怒鳴られた!? 釈迦に!!」
『怒った俺はもう止まんねぇぞ!! シャカシャカヘイ! シャカシャカヘイ!!』
「うるさいよ!!」
騒ぎ出した釈迦面を見る鬱陶しそうに見ているなのはに気付いた城助は、ヘッドホンを外してなのはに話しかけた。
「どうかしたか?」『シャカシャカ!!』
「やっと気付いた!! 城助君、そのヘッドホンどうにかして!!」
「ヘッドホン……?」
首をかしげながら城助は手に持っているヘッドホンに目を向けた。
『シャカシャカイェーーー!!! シャカシャカ釈迦釈迦!!!』
「…………釈迦がシャカシャカ言ってんじゃねぇーーー!!!」
『ギャアアアア!! 釈迦になるー!! 本物のお釈迦になっちまうーー!!!』
城助はヘッドホンをぐにぐにと針金のように曲げながら怒鳴った。釈迦面は苦痛で表情を歪め、くだらない駄洒落を言いながら悲鳴を上げている。
そのことに腹を立てた城助は一思いにヘッドホンをへし折った。するとようやく釈迦面の悲鳴は止んだ。
城助は真っ二つになったヘッドホンをゴミ箱に捨てて、ゴミ箱の中のヘッドホンに向って唾を吐きつけた。
その一部始終を見た後で、なのはは一気に疲れが襲ってくるような感覚を味わい深く溜息をついた。
*
音楽を聴いていて先生のありがたいお言葉を完全に無視していた俺に、なのはは呆れながらもちゃんと説明してくれた。
曰く、最近不審者が出没するそうだから気をつけろとのことである。
「こんな明るい時間に俺たちを連れて行こうとする奴なんてあんまりいないよ。スクールバスだってあるんだ。よっぽど遅い時間になるか、人気のない道を通らない限り安心だよ。………でも、用心するに越したことはないな。なのはは何か防犯グッズとか持ってるの?」
「うん! お母さんに防犯ブザーを持たされてるよ。いざという時に心強いからって」
そう言ってなのはは鞄についたのストラップを掲げる。どうやらこれが防犯ブザーらしい。見たところ、ストラップの紐を引き抜いたらブザーが鳴るという一般的な物だ。
「へぇ、しっかり用心してるんだな」
「うん! 城助君はなにか持ってないの?」
なのはに尋ねられたので、俺は普段持ち歩くようにしている防犯グッズを取り出す。
「一応ね。でも大したものじゃあないよ。簡単な撃退グッズさ――――ロケットランチャー」
「ロケットランチャー!!?」
俺が取り出したのは、いろんなゲームでも定番の扱いを受ける『RPG-7』だ。
「不審者が襲ってきても動きぐらいは止められると思うよ」
「一撃必殺だよっ!! てかそれどこから出したの!?」
なのははあたふたしながら俺の手にある武器を見ている。こんなでかいものを扱っているせいか、いつの間にかクラスの皆がこっちを見ていた。なんだかちょっぴり恥ずかしい。
「そんなに慌てるなよ。大丈夫だって。精々脅かす程度だから撃ちはしないよ」
「当たり前だよ!!」
それを聞いてクラスメイトも安心したのか、こっちを見るのをやめ、各々が会話を始めた。
なのはは少し疲れた表情をしている。あれだけ大声を出していたら疲れもするか。今のなのはには話しかけづらいな。こうなった原因は俺にあるわけだし。
手持ち無沙汰になった俺は外の景色でも見ようと思い、窓の外に目を向けた。
そして気付いた。
窓に天の助が張り付いていることに。
読者諸兄、考えてごらんなさい。あなたはクラスで窓際の席に座っている。暇になったから窓の外の景色を見ることなんて多々あるだろう。しかし、目をやった先にあったのは外の景色ではなく、窓に磔にされた巨大なところてんなんですよ。しかもそのところてん、こっちを見てるんです。じーっと、ね。とてもマヌケな表情をしているよ。
「…………」
「…………」
長い睨み合いの末、天の助は俺に向ってニヤリと気味の悪い笑みを浮かべた。
その憎たらしい顔に大変腹が立った俺は手に持っていたRPGを構え、「野郎ッ」と怒鳴りながら躊躇せずに引き金を引いた。
ドゴォォォォォォォオン!!!!!!
「躊躇なく撃った!!?」
砲撃の音に混じってなのはの驚愕の叫びが聞こえた。
俺の放ったロケット弾は、窓を突き破り天の助に直撃した。そのまま校庭まで落ちていき、派手に爆発した。
校庭にはロケット弾による焼け跡と、黒焦げになり倒れている天の助が残っていた。
「不審者がいた」
「確かに怪しかったけど!! てか脅かす程度にするんじゃなかったの!?」
「あの野郎には脅かす程度じゃ生ぬるい」
「何の恨みがあって!?」
「あの野郎、一昨日俺のカレーパンを食いやがった」
「それだけ!!?」
天の助を心配して、なのはは窓に駆け寄り、校庭を目やる。そこにはよろよろと弱弱しく立ち上がる天の助の姿があった。
「あッ! 良かった、生きて――――」
「まだ息があったかこの悪霊めぇぇッ!!!!!」
ドゴォォォォォォォオン!!!!!!
「天の助くぅーーーーーーんッ!!!」
「なに?」
「えぇ、後ろ!? いつの間に!?」
窓から身を乗り出して天の助を呼ぶなのはに、突如後ろから天の助が声をかけてきた。
なのはは何がなんだか分からなくなっていた。
その後は天の助にもう2、3発ほど砲弾を喰らわせてやったところでカレーパンを食ったという無礼は許してやり、俺と天の助は仲良く笑いながら恒例の人力車ジャンケンをしながら帰ることにした。
教室を去るとき、なのはが先ほど以上に深い溜息をついていたように見えたのはのは気のせいだと思いたい。
*
パンッ!
乾いた音が静かな校庭に響く。それはなのはがクラスメイトであるアリサ・バニングスの頬を思い切り叩いた音だった。
驚愕した表情で頬を押さえながらながらなのはを見るアリサに、なのはは言った。
「痛い? でも大事な物を取られちゃった人の心は、もっともっと痛いんだよ!」
「うっ……」
なのはの叫びにアリサは気圧され、一歩後ずさる。
ドゴォッ!!
鈍い音が静かな校庭に響く。それは城助が同居人であるところ天の助の顔面を容赦なく殴った音だった。
驚愕と苦痛で顔を歪め、吐いた血を拭いながら城助を見る天の助に、城助は言った。
「痛ぇか? だがな、てめぇに焼きそばパンを食われた俺の心は、もっともっと痛ぇんだよ!」
「だから……謝ったじゃんよぉ……」
「やかましい! つい最近カレーパン食ったことを許してやったばかりなのに早くも同じことやる奴の言う事を信用できるか!!」
城助の怒号に天の助は恐怖し、後ずさる。しかし城助はそんな天の助を殴り殺さんばかりに拳骨を浴びせ続けている。
その2つの光景を見ている、なのはと城助のクラスメイトである月村すずかは、はたしてどちらを止めるのが正しいのかということで葛藤していた。
事の発端は、アリサがすずかが普段着けているカチューシャを奪い、それを取り返そうと必死に追いかけるすずかと、そんな彼女の様子を見て楽しんでいるアリサを見かねたなのはが怒り、アリサの頬を張ったところからである。
片やすずかの大事なカチューシャと強気になれない弱さが原因で、取っ組み合いの大喧嘩にまで発展している少女2人。
片や焼きそばパンを食われたという身内内の問題で、どこからかモーニングスターまで持ち出した一方的な虐殺にまで発展している少年とところてんの2人。
このように考えてしまえば、すずかがどちらを止めようと動くかは誰にでも予想が出来た。
取っ組み合っているなのはとアリサに向ってこれまで出したことのないほどの大きな声で「やめて」と叫ぶ。
これまでおどおどして弱腰だった彼女が、強く叫んだことに驚いた二人は思わず掴みかかっていた手を下ろし、すずかを見た。
一方の天の助はどこからか大根と言う名の魔剣を取り出して城助の振り回すモーニングスターを弾いていた。
喧嘩をやめたなのはとアリサは互いに謝り、またアリサはすずかに謝り、3人で話し合って一件落着となり、3人で仲良く帰っていった。
一方の天の助は真拳を用いて、城助の振り回す巨大な鋏に立ち向かっていた。
翌日、校庭でぼろぼろになって倒れてる少年とところてんが見つかった。
その周辺は、戦場跡地のように酷く荒れていたとのことである。
4話ですね。
個人的にはボーボボ色を色濃く出したつもりです。
上手く再現できているか少し不安ではありますが…。
まぁ正直な話、読みづらいですよね。
自分で読んでて読みづらいなぁ…とか思いから。
さて、次話はいよいよ本編となります。
やっと真拳が出せると思うと安心します。
ご意見、ご指摘等がございましたら、感想及びメッセージなどでお伝えください。